マリナーさんの含みのある会話を疑問に思いながらも今度はアヴェリーさんが抱える問題について話を聞くことにした。彼女はここでは頼みごとをするなんて簡単ではないと言った。それも余所者相手にだ。それでも彼女は皆に対する責任があるとして、僕の腕を見込んで頼みたい事があるようだ。
アヴェリーさんはここからそう遠くない場所に浄水器がありそこから飲み水を得ていたが、僕達がここに来る前に霧が酷い時に霧コンデンサーが被害を受けたに違いないと話した。
霧コンデンサーを修理せよ!
その霧コンデンサーの修理にはハワード・ダンバーという名前の男性を向かわせたそうだ。マイアラークの襲撃から身を守っている間はハワードは外にいたらしい。襲われたかどうか心配なのだと言った。その確認を僕に依頼したいのだそうだ。最悪の場合は、霧コンデンサーを修理しなければならない。
ここから南に向かえば霧コンデンサーがあるらしい。危険な分報酬は弾むとアヴェリーさんは言った。僕も期待に応えるために頑張ろうと思う。
指示通りに南に向かうと、マイアラークの襲撃を受けた。ハープーンガンで難なく撃退出来たが、ハワードは残念ながら殺された後だった。僕はハワードの懐から失敬して、霧コンデンサーの部品を手に入れた。これを使って自分で修理するしかない。
上手く修理出来るか不安だったが、部品を挿入するだけの作業だったみたいなので僕でも簡単に出来た。修理すると霧コンデンサーが青白い光を灯しながら霧を吸収していく様を見届けた。
そして、部品の数分の霧コンデンサーを修理して、浄水器までの道のりを確保した。再びマイアラークが現れたが、ロング・フェローと協力して返り討ちにした。
僕は霧コンデンサーを修理して、浄水器の道のりを安全にした事を報告した。アヴェリーさんはもう少しで水が無くなりそうだったから助かったと言った。間に合って良かった。
アヴェリーさんはハワードさんの事が気掛かりだったので、僕は真実を話してから「彼はファー・ハーバーのために霧コンデンサーの修理の務めを果たそうとしました。あの人は英雄です」と称えた。それを聞いた彼女は、彼を英雄として語り継がせる事を決めたようだ。
そして、報酬の200キャップを僕に支払い、ハワードのために弔いをする準備へと彼女は向かう事となった。ハワードさんの件は残念だが、何とか飲み水の確保が出来て良かったと思う。
レッドデスを討伐せよ!
アヴェリーさんの仕事が一段落付いた後に、再びマリナーさんに呼び出された。今度は何事かと思って聞いてみると、彼女は「クレイジーな事をしたくて堪らなくなってない?それを理性と分別で何とか思いとどまっているとか」と唐突に言った。僕は「とりあえず、安全策の方が好きです」と答えた。マリナーさんは不満げな顔をしながらも話だけでも聞いてから決めてほしいと言った。
マリナーさんが急ぐようにファー・ハーバーの強化を押し進めていたのは理由があったようだ。それがレッドデスとという名前の怪物に対抗するためだ。生きて帰れないかもしれないので今生の別れみたいな話し方をしていたのを今理解した。
酔っ払いの戯言として語り継がれている節があるが、霧の時は誰も航海しないと言う事実があるようで、直感で皆恐怖を抱いているようだ。マリナーさんの問題が解決して、僕と出会ったからには何としてもレッドデスを殺したいという決意を露わにした。
そのため強力で大量に破壊出来る武器を持参し、お互いの船でレッドデスの潜伏する島に強襲する計画を持ち掛けた。マリナーさんはこの旅は「これまで以上の勇気が試される」と言った。海の悪魔と称される怪物はファー・ハーバーにとって危険である。お互いに生き残れるように最善を尽くすつもりだ。
僕達は船に行くと、アヴェリーさんはレッドデス討伐のための遠征を聞きつけたらしく、何とか引き留めようとマリナーさんを説得していた。
対するマリナーさんは、伝説を信じないアヴェリーさんを非難していた。彼女は自分がファー・ハーバーのために死地に赴くのを邪魔していると思っている節があった。
その後、僕に気付いたアヴェリーさんは、レッドデスが本当にいた場合は2人を失うことを恐れていた。ハワードさんの件もあり、否定的だ。
僕はアヴェリーさんを勇気付けるつもりで「今まで色んな相手と戦ってきたので、レッドデスなんか怖くないです!」と答えると、彼女は「後で警告されていなかったなんて言わないでね」と呆れ顔で返した。確かにこの旅は端から見れば無謀で馬鹿げている事に全力で取り組んでいるようにしか見えない。僕は内心ショックを受けながらも、レッドデスの潜伏地のガイドビーコンを基に船を走らせた。
満を持してレッドデスの潜伏先の島に乗り込むと、そこには思いもよらなかった事実を見せつけられた。伝説のレッドデスの正体は、異様に小さく、サーチライトの如く赤い光を両目から放つマイアラークだったのだ!これが伝説の正体?日本で言う所の「幽霊の正体見たり枯れ尾花」という諺がピッタリの有様だった。
この事実に愕然としたマリナーさんは皆にどう説明すればいいか分からないと言った。本当の事を言ったら笑い者になると不安に駆られていた。
僕はこの際、大幅に脚色するべきだと提案した。永遠に語り継がれる様な伝説にするのだ。これを聞いたマリナーさんは気が進まないがそうするしかないと分かってくれた。
そして、僕は心の中で謝罪しながらこの小さなレッドデスの正体である小さなマイアラークを殺した。その後、マリナーさんは僕へのお祝いのつもりで持ってきた「ハーバーの伝説」と呼ばれる装備を報酬としてくれた。
この後の事に気が重くなりつつも、僕達はファー・ハーバーに帰還した。
戻ってみると、人々に歓迎されていた。本当の事なんて言える余地は微塵もなかった。彼等は海の災厄は始末出来たか、殺したのかをマリナーさんに聞くと彼女は苦しそうに嘘を吐いた。元々真面目な人なだけに良心が咎めるのだろう。しかし、これも彼女の名誉のためなので仕方がない。海に出て、しっかり殺して、かなり凄い戦いだったと言うしかなかった。
それを聞いた人々はマリナーさんを祝福した。ある女性は時間は掛かったかと聞いてきた。彼女の祖父の計算では、レッドデスの目にミニ・ニュークを当てないと中に入らないと言っていた。知らぬ間に伝説は島中の人々の間で1人歩きしていたようだ。ここでまたしても嘘を吐かなくてはいかなくなり、マリナーさんは「他の方法で倒した」としか言えなかった。
これでマリナーさんのおかげで海に出て釣りが出来ると思い込んだ彼らは更に彼女を称えた。こうするしかなかったんだと自分に言い聞かせるしかない。
最後の方になると、マリナーさんは嘘を吐き続ける事に疲れてしまったらしく、「何とか無傷でで倒した」とだけ言って締めくくった。祖父の計算を話した女性は「絶対にお墓行きの航海に出たと思っていた」と話した。まぁ、確かに後悔の航海で、伝説は墓までお互い持って行くしかないなぁと僕は思った。
最後は人々の「英雄達を称えて!」の掛け声で幕を閉じた。伝説は伝説のままが良かったのかもしれないと僕は思うのだった。マリナーさん、どうか気を確かに生きて下さい...。
ケンおじさんを連れ戻せ!
マリナーさんの名誉を守った事で、休憩しようと思いラストプランクを訪れた。休んだ後で以前テディさんが言っていたミッチの仕事を手伝おうと思った。彼は僕の事を誤解していた事を謝罪した。デビーという名前の女性はアヴェリーさんは気付いていた事を話していた。
ミッチはファー・ハーバーの人々が無礼を働いたことを謝罪した。僕は気にしていなかったが、その気持ちはありがたかった。そして、ミッチは僕にお酒のボトルを振る舞った。ありがたく受け取るけど、お酒が飲めないのでロングフェローにお土産としてあげようと思う。でも、気持ちはしっかり受け取ろう。
ミッチは本土人は盗みや殺人を行うような連中が多いと愚痴を零し、その手の連中は港で死体として浮かび上がるがそうじゃない僕を褒めていた。何だか照れるなぁ。
今度はデビーがミッチに話し掛けた。キャプテンズ・ダンスを終えた僕に彼の叔父さんの事を話してもいいのではと提案した。だが、それを家族の問題としてミッチは拒んだ。
デビーは心配なので僕に詳細を話した。ミッチの叔父は「ケンおじさん」と呼ばれており、彼は島で最後まで残っている住人らしい。抵抗を続けて生活しているようだ。
ミッチは頑固にも「モールラットの大群よりもイカれている人」と評し、お願いするつもりはないらしい。デビーはミッチが霧コンデンサーを贈った事を僕に話してくれた。口では悪態を付きつつも愛しているのだと分かった。
ミッチは最後には折れて、ケンおじさんを連れ戻してほしいとお願いされた。不本意ではあるが親類だから見過ごせないと不器用ながら僕に頼んできた。その気持ちを汲んでしっかり連れ戻しましょう!
場所は内陸の国立公園案内所にいるらしい。だが、罠が満載のようなので注意して進もう。
そして、国立公園案内所に行くと、地雷が仕掛けられていた。解除しつつ進むとフェラル・グールやトラッパーの死体が転がっていたのだ。罠で殺されたと見るべきだろう。
ある程度解除して進むと、老人が僕達に出て行けと叫んでいた。それに死体の山は自分が殺したからああなったと言い、追い返そうと必死だった。時々「ヴァッ!」とかいうのは口癖なのだろうか?
僕は落ち着くように説得し、ミッチに言われて来た事を伝えた。ケンおじさんはさっきの脅しを止めて僕達の話を聞く気になったようだ。彼はミッチが賢い子であると言い、霧コンデンサーのおかげでこうして息が出来て生活出来ている事に感謝していると言っていた。
ケンおじさんは、年老いた自分の事を気に掛けてくれる事を喜んだがその後、表情が強張った。しきりに「奴等が来る!」と言って警戒しだした。僕が罠を解除したからだろう。
今回の敵は誰にも分からないと言い、罠はそのままだが防御が出来ていないと嘆いた。解除した分は僕がワークショップを起動させて、それを補うようにしようと思う。
僕は資材を集めてマシンガンタレットやヘビーマシンガンタレットを製作して四方八方に設置した。その後すぐに敵が現れた。その相手とはトラッパーだった。分からないと言ったのはそれ以外にも狙われるからだろうか?
真相は分からないが、設置したマシンガンタレットの集中砲火を浴びる形となり大勢いたトラッパーは追い詰められる形となった。これで戦いやすくなった。そして、残ったトラッパーを僕達は全滅させた。
全てのトラッパーを始末した後に、ケンおじさんはミッチさんの事を感謝しつつ、別れの時だと言って僕達を返そうとした。ここが家であり、ファー・ハーバーで物乞いのように縮こまるような真似はしたくないと言った。
僕は「これは休暇と考えたらいいんじゃないですか?安全になったらまた戻ればいいのではないでしょうか?」と言って説得した。ケンおじさんは最終的には折れてファー・ハーバーに行く事を決心した。彼からしたら、僕は無理矢理に追い出した形になるので恨まれるのかもしれない。留まるのが良かったのかどうかは僕には分からないが、ミッチさんの約束は守れたと思う。後は戻ってから拗れないようにするしかない。
ラストプランクに戻ると、物凄い剣幕でケンおじさんは僕の事を非難していた。「ハーバーに投げ捨てるべきだ!」と吐き捨てていた。やはり留めていた方が良かったのだろうか?悪いことしちゃったなぁ。
だが、ミッチさんは言葉に詰まりながらも、僕に感謝の言葉を述べようとした。デビーさんはミッチさんが言葉に詰まるのを、笑いを堪えながら後ろ向きで話していた。彼女に対して文句を言いながらも、彼はきちんと最後まで感謝の言葉を述べた。これで良かったのかは分からないけど、家族を助けられて良かったと思う。
ファー・ハーバーからの感謝
それからすぐ後に、アヴェリーさんは僕に話があると言った。僕がやって来るまで、ここは全ての希望を失っていた事、それでも今では家屋敷を取り戻す事に成功した事、皆が集まれるようになったのは僕のおかげであると称賛してくれた。
僕は「何とか力になりたかったので出来る事をしただけです」と答えると、アヴェリーさんは「私達はあんたに相応しくない。心からそう思うわ」と言った。自分達の心配で頭がいっぱいで、救ってもらった事にさえ気付いていないと僕に説明した。そうかもしれないけど、何とか力になれただけでも良かったと僕は思った。
何をあげても何をしても不十分だけど、受け取ってほしい物があるとアヴェリーさんは言った。それはレスキューダイバースーツだった。水中での探索で活用できると思うので、ありがたく頂戴した。
最後にアヴェリーさんは、ファー・ハーバーの人々を代表して「ありがとう」と言って感謝を表明した。僕としても手助けが出来て良かった。これからも良い付き合いが出来るように貢献したいと思った。
オールド・ロングフェローとの絆
ファー・ハーバーの人々を救った事でロングフェローは僕に関心を示し、過去の話を聞いてもらいたいと言った。彼は自分位の歳になると、新しい友達を得る機会が期待する程無いと言いつつ、今回はその機会があって嬉しく思っているようだ。
ロングフェローがまだ若かった頃に恋人がおり、その女性はハンナという名前だったらしい。一緒になって家庭を持つはずだったと言った。かつては2人きりになれる場所によく行っていたらしいが、そこでチルドレン・オブ・アトムの襲撃を受けて彼は負傷し、ハンナは誘拐されてしまったのだと言う。
怪我の回復から2カ月掛かったが、その頃には既にハンナの心は歪められ、思い通りにされてしまった後だったのだ。
後にハンナが身籠っていた事が判明したが、放射線により絶望的だった事とアトムの意志により堕ろしたという事実を知った。彼女はどのみち長くは生きられず、トラッパーに殺されたと聞かされていたが、アトムの意志ではないかと疑っている。
そんな出来事があるなんて知らなかった。ロングフェローのチルドレン・オブ・アトムへの憎しみの根源を見た気がする。本当にいたたまれないと思う。
そして、ハンナの身に起きた事は彼女自身が望んだ事だったとロング・フェローは打ち明けた。それならば仕方ないと割り切れるが、悔しいのは「父親になれなかったこと」だった。息子か娘がいれば、自分が学んだこと全てを伝えられるのにと悔やんでいた。本当に気の毒に思う。
でも、そんな中で僕に出会って、初めて自分が学んだ事を教える価値のある人間に出会えた事を心の底から喜んでいた。ロングフェローは人に感謝の気持ちを伝える事は得意ではないが、年老いた自分に目的と生きる理由を与えてくれたと称賛してくれた。
僕は「そう思ってもらえるのは自分にとって大きな意味がある。本当にありがとうございます」と答えた。ロングフェローは最後まで話を聞いてくれたことに感謝して、この会話を終えた。自分にはその価値があるかは分からないけど、精一杯頑張ろうと思うのだった。