僕達はDiMAから聞いた話をカスミに報告した。彼が悪事を働くのではなく、チルドレン・オブ・アトムが悪用する事を恐れていると分かってくれた。
中に入る手立てを彼女は心配したが、ファラデーとDiMAが作ってくれたプログラムで、メモリーバンクにアクセスする事を伝えると、彼女はほんの少し思案した。このプログラムの仕組みを理解しかけていた様だ。ファラデーが作業する時は、DiMAは椅子に座っていると言った。このプログラムはDiMAの考えやデータを翻訳する物ではないかと推測した。彼女はとても頭がいいと僕は思った。将来有望なのは間違いない。
僕達がニュークリアスに潜入する間は、カスミがアカディアを監視しておくと言った。そして、お互い注意して行動しようと言って解散した。
僕は旅の準備のためにロングフェローの山小屋を訪れた。ファー・ハーバーに詳しいからだ。ニックは大丈夫か心配したが、ロングフェローは「安心しろ、金属野郎」と言って宥めた。対するニックは「評判通りの偏屈さだな...」と溜息をついた。まだ最初だしその内仲良くなってほしいと僕は思った。
今後の旅のために物資調達でアレンさんの店に立ち寄った。彼は介入した僕達を快く思っておらず、「俺達の戦いだ」と言って拒んでいた。僕達が帰った後の事を気にしており、自分達のやり方で生き残るか、島から離れて放浪の旅に出るしかないと言っていた。
狂信的な所はあるかもしれないが、少なくとも島の安全を考えている事だけは分かった。彼な彼なりに不安なのだった。
その次にアレンさんの隣の店にも立ち寄ってみた。そこはブルックスという名前の男性が経営している店だった。余所者嫌いではない感じだが何となく怪しいような気がする人物だった。悪い人ではないのは確かだけどよく分からない。
パワーツールを手に入れろ!
僕はマリナーという名前の女性に挨拶をした。彼女は僕とニックがいなかったらガルパーやアングラーの攻撃で酷い事になっていたと言って感謝してくれた。照れるなぁ。船大工や便利屋のような仕事を1人で行っているらしい。
僕は「貴女のような人がいてくれることは、町の人々にとって幸運ですね」と答えた。マリナーは「おだてたって無駄よ」と言い返したが、悪い気はしなかったようだ。
仕事で手を貸してほしいらしく、報酬は450キャップ支払うと言ってくれた。そこにパワーツールがあるので入手してほしいというのが仕事だ。場所はイーグルズ・コーヴ製革所と呼ばれる工場だ。早速取り掛かりますかね。
そこまでの道中も中々危険だった。発光するアングラーやヤオ・グアイを更に凶暴にしたシャギー・ヤオ・グアイ等の凶暴な怪物と交戦する事になった。ロングフェローの助けもあって、何とかイーグルズ・コーヴ製革所に辿り着いた。
だが、そこにはフェラル・グールやトラッパーが潜んでいた。奇襲される形となりかなり危なかったが、ここでもロングフェローの助けを受けて返り討ちに成功した。1人だと助からなかっただろう。
内部に入るとそこでもフェラル・グールがいたが、倒しつつ進んだ。
最深部では光りし者と遭遇したが凄い臭いだった。全身が腐敗していたのだ。だが、耐久力が高いので大変だったが遮蔽物を利用して進行方向を防ぎつつ殺す事に成功し、マリナーが所望するパワーツールを発見した。これを持ちかえればいいのだろう。
腐敗した光りし者の懐から鍵を取って脱出したら、男性が現れた。その男性はフェラル・グールを数週間閉じ込めて開くのを待ち、その中に飛び込んで、切り刻んで撃ちまくって全滅させると唐突に言った。何者なんだろうか?彼はマチェット・マイクという名前らしい。切り刻むと言っていたので近接戦闘が得意なのだろうか?
これは「ぺルメンのパワーツール」と呼ばれる代物のようで、戦前の高級セットらしい。これのポンプは「サイコをキメたデスクローよりも、トルクが凄い」らしい。その当時はパワーツールには興味がなかったから知らないなぁ。
マチェット・マイクは僕達がマリナーさんの仕事でパワーツールを欲していると分かると対抗心を燃やし、彼女に加担するなと僕達を説得しようとした。この道具のために「建設業者はどんな犠牲も厭わない」と豪語していた。
マチェット・マイクはダメ押しとして2,000キャップ支払うと交渉してきた。破格も破格だったので、揺らぎそうになったが、マリナーさんの約束が先決なので「申し訳ないですが、先約なので」と言って断った。彼は入手出来ない事に苛立ちを募らせ「早く出て行かないと後悔するぞ」と脅してきたが特に何もされなかった。根は優しいのかもしれない。悪い事したかな?
先約を果たすために僕はパワーツールをマリナーさんに渡した事で、報酬の450キャップを支払ってくれた。彼女はとても喜び、これを仕事で活用する事を想像してウキウキしているように見えた。手助け出来て何よりだ。
キャシー・ダルトンの復讐 序章
マリナーさんの仕事を終えて、休憩しようと思った矢先にある老婆に話し掛けられた。僕がコモンウェルスから来たことを知っているようだった。ここでは島以外からの人間は「本土人」と呼ばれているようだ。
彼女は「島は貴方の行動を全て監視している」と警告した。島自体が?う~ん、そんなことがあるのかなぁ?よく分からないが話を聞こうと思った。
彼女はキャシー・ダルトンという名前らしい。彼女は偉大な家族の物語を話し始めた。強欲と血と復讐の物語だと。それは彼女の家族にまつわる話だったのだ。
ダルトン家はファー・ハーバーの戦前からの誇りで、木材と漁業で富を成したそうな。しかし、段々と強欲になったようで、島から奪い過ぎてしまったらしい。そのため島が復讐のためにダルトン家を1人ずつ殺していくようになったのだという。キャシーが最後のダルトン家の生き残りになるようだ。
だが、ここで転機が訪れたようで、謎の余所者が現れたようだ。強くて腕の立つ人で、その人物の助けを借りて、代々の無念を晴らす機会を得たという話をした。もしかしてそれは僕の事ではないだろうか?それを聞くとその通りだったようで、危険な仕事をこなさなくてはならないらしい。上手くいくように頑張ろうと思う。
復讐の第1章として、そばかす顔のビーティーの悲しい物語について話した。従兄弟の関係だったようで、問題は起こさない子で、そばかすはラッキーの証拠という位に活発な人物だったらしいが、島がフェラル・グールを使い、国立公園キャンプ地で食料探しをしていた時に襲わせたと言った。
何とかビーティーは生き残って帰れたが襲われた怪我が原因で亡くなってしまったようだ。僕の仕事はそのフェラル・グールを全滅させる事なのだろう。
国立公園キャンプ地に赴き、フェラル・グール全滅のために攻撃を開始した。そこで見た事がないグールを見かけた。ロングフェローに聞くと、「フォグ・グール」と呼ばれる種類のフェラル・グールらしい。見た目だけ違うだけのようだ。それ等もしっかり始末した。
国立公園キャンプ地のフェラル・グールを全滅させた事を報告するとキャシーはとても喜んでいた。報酬の200キャップを支払ってくれた。僕は「報酬よりも、手助け出来た事が何よりですよ」と答えた。彼女は更に喜んで、僕の事を「良い人」と言ってくれた。照れるなぁ。
キャシー・ダルトンの復讐 第2章
気分良くしたキャシーさんは、次の復讐を考案した。祖父母の事は誰でも好きであると持ち出した上で、彼女の祖父のジョージが殺された復讐を果たしてほしいと持ち掛けた。僕は「お気の毒に」と答え、彼女の深い悲しみと絶望を察した。
ファー・ハーバーの人々に愛されていたが、島にとってはどうでも良かったと考えているようだ。生まれた瞬間から呪われていたと言っていた。ジョージは昔ここから北にある土地で農場を開いていたようだ。
人に迷惑を掛けずにのどかな暮らしをしていたが、「フォグ・クロウラー」と呼ばれる怪物に殺されてしまったと言った。他の人達が逃げる中でジョージは逃げる事なく、ショットガンを使って最後まで戦って果てたとキャシーさんは言った。ならばその仇打ちは僕達が成し遂げてみせましょう!
キャシーさんの教えてもらったダルトン農場に赴いた。そこには何もいないと思われたが、巨大な甲殻類のような怪物に出くわした。ロングフェローはあれがそうだと耳打ちした。あれがフォグ・クロウラーか...。注意して戦おう。
僕はアレンさんから買ったハープーンガンを使って頭部めがけて発射発したが決定打にならない。ロングフェローが撃っている間にプラズマ・グレネードやフラググレネードを足元めがけて投げつけた。それにより動きが鈍ったので畳みかけるように撃ち続けた。
逃走を試みたフォグ・クロウラーを僕はショットガンでとどめを刺した。ジョージさんの無念を晴らすために生前に使った種類の武器でとどめを刺すことが弔いになると思ったのだ。
フォグ・クロウラーを討伐した事をキャシーさんに報告した。それを聞いた彼女はとても喜び、報酬の200キャップとダルトン農場を僕にくれた。再開するのは大変だが協力は得られると言った。
僕は「無念を晴らせて良かったです」と答えた。彼女はジョージさんが安らかに眠れる事に安堵していた。
キャシー・ダルトンの復讐 最終章
祖父の無念を晴らした後は、血の繋がりや家族の絆の大切さや強さの話を持ち出した。その中で1番強いのは夫婦間の絆のようで、これは彼女自身、話のはとても辛いのだそうだ。
亡き夫のダニエルはファー・ハーバーで1番の漁師だった。クルーを引き連れてブルックスヘッド灯台と呼ばれる場所の近くで釣りをすることが多かったようだ。
だが、ある日に悲劇が起きた。ダニエルが眉間を撃ち抜かれ射殺されたのだ。実行者はトラッパーだった。これも彼女は島が襲わせたと思っているようだ。トラッパーのリーダーが射撃訓練でブルックスヘッド灯台に来ていたようだ。その無念をしっかりと晴らすことにしよう!
ブルックスヘッド灯台に赴くと、トラッパーの銃弾の挨拶を受けた。こちらも反撃をしてトラッパー達を殺していく。数が多く苦戦もしたが灯台に到着した。灯台上層付近にこのトラッパーのリーダーであるダグラスという名前の男性と交戦した。
とても強かったがこれもロング・フェローと協力して殺す事に成功した。これでダニエルさんの無念を晴らせた。報告に戻ろう。
ダニエルさんの無念を晴らせた事をキャシーさんに報告した。全ての復讐をやり遂げた事で今までに見た事がない安らかな顔をしていた。日本の言葉で「憑き物が落ちた」という表現が相応しい顔をしていた。そして、ダルトン家の復讐のために手を貸したのはファー・ハーバーの住人ではなく、本土人だった僕の事を称賛した。
生きて復讐を見届けることが出来るとは思っていなかったらしく、僕に「ありがとう」と感謝を述べた。これで心が楽になったと思いたい。キャシーさんは確実に楽になったと快活に答えた。
キャシーさんは「良い物語はハッピーエンドに限る」と言っていた。ヒーローは宝を探し、恋人を助けて、夕日の中に去っていくような物語だ。僕もそれが好きだ。日本の特撮番組でもそんな感じのフレーズがある。嵐のように戦って風のように去っていくヒーローの物語だ。
そして、キャシーさんは僕にダルトン家に代々伝わる家宝を譲ると言った。もう受け継ぐべきダルトンがいないから僕が持っていた方がいいと言った。それは島の人々も知っているもので、これを持っていることで真剣に僕の事を受け止めると言った。
キャシーさんは復讐の物語を終えて、いつでも墓に入る覚悟を決めたと言った。やり残した事を後悔する事が無いように出来たからだ。そして、僕の物語はまだ続くと鼓舞させて、「血の手紙」と呼ばれる武器をくれた。彼女の一族の無念を晴らせた事はとても意義ある仕事だったと思う。最後まで出来て良かった。
オールド・ロングフェローの胸中
キャシーさんの仕事を終えた後に、ロングフェローは話があると言って、僕をバリケード付近に来る様に言った。彼は「俺並みに頑固なキャシーの心を動かすなんて大した奴だよ」と言った。僕は出来る事を精一杯しただけなんだけどね。
ロングフェローは自分が扱いにくい人間であり、世渡り上手ではない事を打ち明けた。次にファー・ハーバーの人々で値打ちのある人はほとんどいないと評価していた。皆自分の家のために戦うのが怖くて、壁の内側で縮こまっていると言った。だから、尊敬出来ない人間は好きになれないと言い、僕の所に来たのだと言った。
甘くなったとかではなく、「強い奴に会えたのが久しぶりだから嬉しかった」とロングフェローは言った。
ロングフェローは人と仲良くなるのが苦手だから、友達と呼べる人間は少ないと言った。それなりの付き合いになった事で僕の事をキャプテンと呼ぶようになった。先頭に立ち、引き連れるように頑張っているからそう呼ぶことにしたようだ。その気持ちに応えられるように頑張ろうと僕は思った。