Fallout4(フォールアウト4)メインクエスト編 第12話 獅子身中の虫 | TES&fallout forever

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 僕はファーザーの意向でそれぞれの部門に顔合わせすることとなった。どうするべきか決断出来ぬままに挨拶に行くのだった。

 

部門間への挨拶回り

 インスティチュートの服装は戦前の僕が参加していた大人気映画「スペース・ウォーズ」の大銀河帝国の役人が着ている服に酷似していた。ここにいるファンか誰かが製造させたのだろうか?何となくノスタルジックに浸りそうだ。いやいや!ここは一応敵地なんだから気は抜かない方がいいよね。

 とりあえず施設の中をウロウロしていたら、第1世代の人造人間に厳しく叱責している男性に出会った「視覚レセプターの故障したのか?」だとか「分解して役立つものが作れるかもな」等と日本で言う所の「小姑」のようないびりをしていた。気難しそうだなぁと思いながらも挨拶することにした。

 名前はローレンス・ヒッグスという名前らしく、設備部門に所属しているとのこと。人造人間に頼り切りになるインスティチュートの現状を嘆いているようだった。

 有名な日本の青い狸のアニメ映画でもそんなセリフがあったような気がしたので僕は「確かに頼り切りは良くないですね」と答えた。それを聞いたローレンスは気分を良くして「ようこそ」と言って歓迎された。新鮮な目で見ればここも良い所があるかもしれないとインスティチュートの素晴らしさを説いた。

 確かに快適だ。これが地上で脅威でなければどんなに素晴らしいかと思いながら僕はその場を後にした。

 次は第1世代の人造人間の修理をしている2人女性の科学者に出会った。「プライマリー駆動を締め直す」や「理論上の寿命を超えている」等と言っており、懐具合が伺い知れた。便利と言っても地下組織だけあって資源はかつかつらしい。

 僕に気付いた女性は僕に自己紹介をした。アリー・フィルモアという名前らしい。インスティチュートのチーフエンジニアを務めているようだ。僕の話を聞いた時には信じられなかったと言っており、並の人間なら絶望していたと言った。確かに。普通ならそうなっても仕方がない。僕は一介のスーツアクターでネイトさんやノーラさんの様な人間ではなかったのだ。それを今まで生き延びてこられたのはコモンウェルスの皆のおかげだ。

 そして、アリー・フィルモアは「何がここまで貴方を支えたの?」と言ってきた。僕はかつてパイパーに言ったように「一日一日を積み重ねていくしかない。ただ歩み続けてほしい。皆それしか出来ない」と答えた。それを聞いた彼女は理解を示した。

 アリー・フィルモアも同じく設備部門らしい。インスティチュートの機械と電気を保守する役割を担っているようだ。この壁の裏にある機械が沢山あり、空気や水のリサイクルや電力供給等のインフラ整備等を仕事としているようだ。目立たないが重要な仕事であることに誇りを持っていることが伺えた。インフラの仕事は目立たないが故に当たり前に存在すると思うもの。だが、それを担う責任と労力はかなりの物。敵ながら素晴らしい志だと思った。

 アリー・フィルモアは僕が仲間になるかどうかを尋ねた。まだ分からないが「見て聞いて答えを出したい」と僕は答えた。彼女は喜びつつ、「ショーンが喜ぶ」と言って仲良くしようと歩み寄ってきた。複雑な気分になってきたので話題を変えよう。

 この地下施設は昔からあったのかどうかを聞いてみた。アリー曰く、インスティチュートの祖先、C.I.Tの生き残り達が作り上げていったとのこと。その息子や娘がまた続けて掘り進めていき、現在の研究所が生まれたようだ。

 それはまだ続いており、新たな施設やインフラのために、今でもトンネルを掘り進めているのだとか。今から100年後はどうなるかが思い浮かべただけで楽しいようだ。アリーはこの地でそれを見届けるのが夢らしい。僕はこの時純粋に科学に貢献している姿に感銘を受けたような気がした。

 施設部門のメンバーは最初に出会ったローレンス・ヒッグスは生命維持とセキュリティ・システムについて監督しているらしい。次に電力分配はエヴァン・ワトソンという名前の男性。さらに次はニュートン・オバーリーという名前の男性で、食糧調達と住居の担当らしい。バイオサイエンスを用いて食事の栄養バランスが最適か確認しているらしい。

 優先度の低いメンテナンスや作業には第1世代の人造人間を活用しているようだ。

 ここの電力はどうやって賄っているのかを聞いてみた。出来る限りかき集めている現状らしい。電力補充に役立つ技術を長年に渡り学んできており、必要とあれば地上の選りすぐりの供給源から補充しているようだ。それは必要最低限しか拝借しないようだ。それは盗電というものでは?

 アドバンス・システム部門ではそれに代わる新しい方法でエネルギー量を増やそうと取り組んでいるらしい。良かった。盗電は良くないからね。そのため「分子分解装置が一度に使う消費は知りたくないでしょう?」と促してきた。確かにシグナルインターセプターを動かすために大規模なリアクターをワークショップで製作しなければいけなかったのでその苦労は頷ける。

 次は購買部を見てみようと思った。よく見たら第1世代ではなくニックとそっくりなタイプである第2世代の人造人間だった。ここでは地表任務用の物資を扱っているようだ。兵器や装備、RADアウェイやスティムパック等々、豊富に取り揃えているようだ。活用するのも...いやいや!何を考えているんだ僕は!インスティチュートの経済活動に参画する気か!

 その後見晴らしのいい各部門が良く見える広場のような所に行くとサングラスを掛けた男性が現れた。リアム・ビネーという名前らしい。その男性はコーサーを怖がったり、人造人間が人間と同じようになれないのか等と哲学的な事を言ったりしていた。レールロードと気が合うかもしれないなと思った。

 今度は診察室に行ってみた。そこでは医者のような男性が第3世代の人造人間相手にワクチンのようなものを打っていた。モルモット扱いかと内心憤慨しかけたがよく考えてみたら人造人間用の医療処置だったのかもしれない。ぱっと見ただけで判断するのは良くない。

 現に話し掛けてみると意外と優しそうな印象を受けた。ディーン・ボルカートという名前らしい。「医者のような事をしている」と言っており、その他にも仕事をしているかもしれない。

 ゆったり寛いだらどうかと言ったり、地理を学んだりしたらどうかと提案したりと僕に対して親身に接してくれた。敵であることに変わりはないが何だか嬉しい思いだ。

 その後、ディーン・ボルカートは「体を大事にして。そうすれば私は不要だ」と献身的なアドバイスをしてくれた。そんな事を言われると嬉しくなるじゃないかと思いその場を後にした。

 今度はバイオサイエンス部門に行ってみた。そこではクレイトンとアイザックという名前の男性2人が怪しげな話をしていたが遠くだったので聞き取れず、僕に気付くとその会話を中断した。

 若いクレイトンは僕に愛想良く自己紹介した。クレイトン・ホルドレンという名前らしく、バイオサイエンス部門の部長らしい。植物学、遺伝学、医学などを専門に扱っているようだ。彼は「腰を抜かすよ」と言って自陣たっぷりに自分の部署が優秀だというオーラを出していた。中々癖の強い性格だと思った。

 最大の目標はインスティチュート全員の健康と幸せを守ること。そのために特殊な品種改良を施した植物を栽培して食糧や薬にも利用しているようだ。周りの植物はそのための物か。

 そこでクレイトン・ホルドレンは本題に戻って僕が本格的に仲間になるのかを聞いた。痛い所を突いてくるなと思いつつ「まだ何とも言えない。保留して検討する」とだけ答えた。

 クレイトンは「重大な決断であるが、大きなチャンスでもある」と言い、急いで決める必要はないと言った。色々見て回ったり、質問があれば応えると言ってくれた。軽薄そうに見えたけど案外良い人なのかもしれない。

 とりあえずここにいるゴリラについて聞いてみた。あれは人造動物らしい。人造人間ならぬ「人造ゴリラ」という種類らしいのだ。現時点ではペットに過ぎないが驚くべき可能性を秘めているのだとか。行動様式は戦前のそれをベースにしており、一見そっくりに見えた。

 だが、攻撃的で怪力なのは本物と同じで、実験は何度か失敗するし、過去に調教師を2人殺したようだ。そのため現在では安全に監視出来る場所に隔離されているようだ。

 ゴリラも良いけど、ファンタジーとかの生き物を作ってみたりするのも良かったんじゃないかなと内心思った。ドラゴンとかワイバーン、ゴブリンやエルフ、オーク等々...。って、ゴリラでさえ危険なのにファンタジーに手を出したら手に負えないじゃん!と脳内ツッコミを入れて別の事を聞こうと思った。

 医療関係者について聞いてみたら、さっき出会ったディーン・ボルカートを紹介された。インスティチュート最高の生物学者らしく、居住者相手に医師もしているようだ。それで「医者のような事」と言っていたのか。合点がいった。どうやらコモンウェルスで一番の医療が受けられるらしい。どうするかは分からないけど受けられるなら受けておくのも良いだろう。

 その後、クレイトンと話していた男性であるアイザックに挨拶をした。正確にはアイザック・カーリンという名前らしい。彼は単純にタイミングが悪いとして、僕を邪険にされた。

 感じ悪いなと思ったが挨拶するだけなので「すみません。お邪魔しました」と言ってその場を後にした。性格なのか忙しかったのかは分からないが、もしかしたら彼の言うようにタイミングが悪かっただけなのかもしれない。

 その次はアドバンス・システム部門に行ってみた。入り口でネイサン・フィルモアという名前の男性に出会った。ファーザーの事を尊敬しており、それを認めてくれることを願うと言っていた。尊敬の念を受けているのは単純に凄いなと思った。それだけファーザー(ショーン君)の人柄なのだろうと思った。それと名字から分かるようにアリーの旦那さんのようだ。

 次はアリー・フィルモアに紹介されたエヴァン・ワトソンと出会った。設備部門と兼任しているのだろうか?彼は新入りのための安全基準を覚えるべきと最初に言ってきた。

 エヴァン曰く、「規律の大切さを理解出来るものが、価値をもたらす」と言っており、規則遵守の考えなのかなと思った。

 手順書は作ってあるらしいがなんと数千ページもあるらしい。さっさと読めるはずだと言っていた。僕の頭は良くないんだよ?昔、日本のアイドルのドラマのセリフで「ちょ待てよ」というフレーズが流行ったことがあるらしいが、僕も言いたい。ちょ待てよ。

 その後はインスティチュート製の武器を試射していた女性に話し掛けてみた。ロザリンド・オーマンという名前らしい。最初は上の空に見えたが「デザインの設計を5セット覚えて、次は詳細な比較をしているところ」だったらしい。悪いことしちゃったかな。でも、インスティチュートではこれが普通らしい。正しくインテリ集団という名前が相応しいと思った。

 ロザリンド・オーマンは心服している事や会えて光栄だ等と言っており、かなり活発そうな科学者だと思った。今後もここに居てくれることを願っていると言っており、少なくても良い印象を受けた。

 その後に部門長である女性に話しかけてみた。マジソン・リーという名前らしい。

 だが、仕事が忙しいようでアイザック同様に邪険にされた。邪魔するつもりが無かったと僕は謝った。邪魔しないことが伝わったらしく、体裁を整えるために要件を済ますことにしたらしい。

 僕が持っているPip-Boyを貸すように言われた。これにコーサーのチップをインストールさせるつもりらしい。ファーザーの命令だそうだ。

 これでインスティチュートの出入りが自由となり、コーサーが出没する原理と同じ移動が可能となるようだ。転送装置は常時接続された状態となる。僕が敵対するまでは...。

 これは「ファーザーの信頼の証」として受け取ってほしいようで、この類のアクセス権は僕しか持っていないのだという。ファーザーは、ショーン君は僕をそんなに信頼してくれているというのだろうか?血の繋がりも無い、赤の他人の僕を?これは罠か本当の信頼か?どうすればいい...。

 次はロボット工学部門に立ち寄った。第3世代の人造人間は真の意味で飛躍であり、何世代にも渡る研究の集大成であると語る男性が話し掛けて来た。マックス・ローケンという名前らしい。あまり話さなかったがその作業を見ているとかなり優秀なのは頷けた。

 もう一人ロボット工学部門所属の男性に声を掛けられた。アラン・ビネーという名前でリアム・ビネーの父親らしい。彼は僕に謝罪したいようだった。インスティチュートに来るまでの間に襲ってきた人造人間についての謝罪だった。正体も知らされていなかったし、プロトコルを遵守して自分達とインスティチュートを守るように定められていたからであると言った。

 大半はアランが設計したとのこと。迷惑にはならないことを約束して、一緒に働いてくれるかと問いかけてきた。僕は返答に迷い「検討中だけど良い返事が出来ると思います」と答えた。彼は残ってもらいたいと言っていた。ショーン君のためにだ。彼もアリーと同じく親しい関係なのだろうか?

 残りのSRB(Synth Retention Bureau)という名前の部門に挨拶回りをしようと思ったら抗議をしている男性に出会った。どうにも深夜に家探しされたことに対する抗議らしい。彼はアリーの話に上がったニュートン・オバーリーだった。

 ニュートンは地上の人間である僕を快く受け入れてくれた。ここを「我が家」と思えるようになってもらいたいと言っていた。僕はこの時も返答に迷い「時間は掛かりますけどここを好きになれるかもしれません」と答えた。その回答に喜びこちらもそうなれるように頑張ると約束してくれた。

 そして、お迎え出来た事を大変な名誉として彼等の多くが受け止めていると言った。僕はネイトさんやノーラさんではないのだけれど、ここの戦力になることを期待されているのだろうか?本当にどうすればいい?

 最後の部門であるSRBに挨拶回りに行った。強面の局長代理を名乗る男性が現れた。ジャスティン・アヨという名前らしい。彼は僕の事をしばらく監視するつもりらしい。まぁ、手放しに喜べないし僕がどの組織に正式に着くかまだ定めていない。そういう対応なのは当然かな。

 その後に、SRBの概要を簡単に説明するようにファーザーから命令されているらしく、僕にその内容を教えてくれた。それは脱走した人造人間の回収任務である。インスティチュートの高度な技術が出回らないようにするためだとか。その回収作業にはコーサーを用いているようだ。これはバージルさんの話と合致する。

 これは同じ第3世代のタイプが行っているようだ。グリーンテック遺伝学研究所で戦ったZ2‐47も確かに同じ第3世代だった。自己完結性が高く、追跡、潜入、戦闘の能力を発揮する。えげつない性能らしい。

 ジャスティンはコーサーの事を知っているのは調査済みらしく「兵士ではなかった冷凍保存された人間がどうしてコーサーに勝てたのか?」と聞いてきた。ぜひとも知りたいらしい。

 僕は「ただ幸運に恵まれただけです」と答えた。幸運でもそうはいかないと彼は否定した。一応事実だけど、言われてみたらそんな気もする。何故あの時勝てたのだろうか?僕にもよく分からなかった。

 生産ラインの詳細な分析をロボット工学部門に頼む流れになった。問題が無い訳では無かったのでそれの追究を行うらしい。

 コーサーには特別な訓練を行っているらしく、その選定はSRBが第3世代の人造人間の動向を監視して、特別な特徴が無いかを探ってから決めているらしい。粘り強さ、勇敢さ、強い独立心を示した者は厳しい訓練を受けるようだ。

 その訓練は武装しての攻撃や丸腰での攻撃、技術や心理状態、機械操作などの腕前を調査し、最終評価で合格点を取った者だけがコーサーとなり、それ以外は記録を抹消して通常任務に戻されるらしい。

 ジャスティンが局長代理なら局長は誰になるのかを聞いてみた。その人物はDr.ジマーという名前の男性らしい。「注目度の高い」ユニットを中心にその回収を行っているようだ。不在時の対応はジャスティンが代わりに円滑に進めるらしい。

 脱走した人造人間の回収の仕方は、コーサーがリコールコードを使って記憶を消して抵抗出来ない様に書き換えを行うらしい。その後に神経経路の配置を復活させる精密なプロセスを行うようだ。損傷復元出来ない者も多く、廃棄処分を強いられているのだとか。

 これがレールロードがコーサーを恐れる理由だろうか?強い上にリコールコードまで持っていたら脅威以外の何物でもないだろう。

 その後にアラーナ・セコードという名前の女性と話をすることになった。ジャスティンが起こす騒ぎを鎮めるのに時間を費やしていることに愚痴を零した。そのため他の部門が怒って対応するので尚更厄介なのだとか。僕は何故揉め事を起こすのか聞いてみた。

 ジャスティンは押しが強く、口煩いようで皆に構ってほしいようだ。それもあるが他の部門もこちらに対する真剣さが足りないと言っていた。警察のような役割なので、うっとおしく思われているかもしれない。必要悪と思われているようでその点も拍車をかけているのだろう。

 知り合いになるチャンスは不意にされたことでジャスティンに文句はあるようだが、それは置いて僕に知り合いになれて良かったと言った。彼女も苦労しているようだ。

 

バージルの血清を探せ!

 その後、僕はバージルさんの約束を守るためにバイオサイエンス部の隠された部署である「FEVラボ」に侵入した。そこは放棄されていたがレーザータレットやアサルトロンがおり襲い掛かってきた。返り討ちしながら進むと人体実験の跡のような部屋がそこかしこにあり、恐ろしい爪痕があった。

 最深部に辿り着くとスーパーミュータントの標本のようなものがガラスケースの中で浮いていた。とても恐ろしかった。

 ターミナルを覗くとここの実験についての記録が書き綴られていた。最初はサイヴァーソン・Cという名前の人物が書いており、このラボの実験はDr.ジマーに個人的に提示されたテストだったようで、予想の範囲内の結果が出たが満足されなかったらしい。目的も明かしてくれなかったようだ。

 次からは研究を引き継いだバージルさんの記録だった。実験は5年間繰り返した結果と同じようで、人造人間の臓器は問題なく機能しているのに何故行うかについて疑問に思っているらしかった。

 その後、管理官(恐らくファーザーの事だと思う)に公式に苦情を伝えたようだ。有用な情報が得られない事、副次的に始まったこのテストに何故拘るのかが分からずに不信感を募らせているようだ。

 その後の記録は管理官に直接質問するようにと書かれており、この研究所はオフラインとなる旨が書かれて終わりだった。何かがあって改竄したのだろうか?

 その後、バージルさんのパーソナルログのホロテープが残されていた。最後の録音らしく、FEVプログラムの中止を要請したが、ファーザーが聞き入れなかったようだ。彼は誰1人も傷付けなかったと打ち明けた。これは正しくないことで、ずっとは無理なら数年間止めるつもりだったという。ここを去りコーサーに見つからない場所として輝きの海への逃亡を決めていたようだ。自分達がしたことにとても後悔しており、神に許しを乞うていた。彼の苦痛の記録だった。

 そして、試作型血清を発見してそのラボを後にした。僕はこれからどうすればいいのだろう?あの研究所やインスティチュートの価値観、倫理観、そして今までの所業を思えば敵対して殲滅するのが自然だろうけど何故か気が進まなかった。

 とにかく逃げたかった。そう思い僕は転送装置を起動して空港跡地に戻るのだった。

 

何処か遠くへ逃げたい

 僕は気持ちが重くなりながらも、ネットワーク・スキャナー・ホロテープをプロクター・イングラムに返した。彼女はシグナルインターセプターが上手く稼働してインスティチュートに潜入出来た事に驚いていた。インスティチュートの技術は専門外だったからだ。それの信頼は難しいと念押しされた。ごもっともです。

 このホロテープはプロクター・クインランに渡して解析させるようだ。インスティチュートの全データの暗号化を解くには時間が掛かると言った。

 それを聞いた僕はしばらくまた旅をしようと思った。どこか遠くに、B.O.Sやレールロード、もしくはインスティチュートに関わらないでいられる所へ行きたい。

 どの組織に与しても結局は滅ぼすまで戦うだけとなる。B.O.Sならインスティチュートと恐らくレールロードを滅ぼし、レールロードはB.O.Sと最終的にインスティチュートを滅ぼす。更に言えばインスティチュートはB.O.Sやレールロードを纏めて滅ぼしにかかるだろう。

 ミニッツメンがまだ存在していたらどうだったか?結局インスティチュートを滅ぼすだろう。僕にはどちらも耐えられない。組織に本腰を据えて関わればその他の組織にとっては日本で言う所の「獅子身中の虫」にしかならない。僕はその虫になる覚悟が無い。

 だから、逃げるのだ。それらのしがらみから!重責なんて背負えない!だから関係が無いと思われるどこか遠くへ旅に出るのだ。