僕達はケロッグの行方を探るためにドッグミートに匂いを追跡してもらうことにした。この子はとても優秀な犬のようで遠くまでしっかり追跡出来る程だ。ニックもドッグミートに信頼を置いている。それだけ凄い存在なのだ。
休憩地点と思われる場所でケロッグの愛用するサンフランシスコ・サンライツの葉巻を見つけることが出来た。これらの匂いを全て追跡出来ればいずれは辿り着けるだろう。
ケロッグの居場所を突き止めろ!
道中でレイダーの死体を発見した。任務の最中に殺し合いになったのだろうか?戦闘中に負傷したのだろうか、大量の血痕と血で汚れた包帯があった。これをドッグミートに匂ってもらえば新たな手掛かりになるだろう。そう思いながら周りを見るとタレットを一発で破壊したと思われる痕跡があった。どうやらプロ中のプロ、殺しの達人だと実感せざるを得ない。それだけ強大な存在なのだ。
更に進むと、ヤオ・グアイやフェラル・グールに襲われながらも手がかりを見つけることに成功した。戦前の高性能な軍事用ロボットのアサルトロンの残骸や血で汚れた包帯を発見した。その能力は当時の世論に疎い(今でも疎いけどね)僕にも恐ろしい存在だと分かるロボットだった。それを簡単に倒せたことにその実力は高いとよく分かる。
それからにおいを追いつつ、道を辿って行くと戦前の軍の司令施設とされていたへーゲン砦にやってきた。そこでドッグミートは止まり穴を掘ろうとする仕草をした。どうやらここでケロッグは潜伏しているようだ。だがバリケードで固定されており人の力ではどうにもなりそうにない。
ニックはドッグミートを休ませてこれからは2人で侵入すべきだと言った。確かにこの子はかなり頑張ったので休ませるべきだろう。この中にはケロッグと恐らく人造人間の部隊がいるのは間違いない。注意して行動しよう。
脅威!人造人間部隊!
へーゲン砦のタレットを破壊して裏口を見つけて侵入した。そこから侵入すると機械的な音声で話声がした。階段を上ると僕は度肝を抜かれた。人造人間が襲ってくるのは分かっていたがその見た目が僕がスーツアクターで務めた映画「スペース・ウォーズ」の敵役の戦闘員「インペリアル・トルーパー」の見た目のままだったのだ!
何とも懐かしく愛着が沸くので攻撃に戸惑ったが向こうは容赦なく攻撃してくる。その武器もブラスターライフルそのものだったし。エナジー系の武器の威力は実際に使ったことがないから分からないが、ダメージを受けるとかなり痛い!スティムパックを何回使った事か...。戦闘の合間にターミナルを使いプロテクトロンを起動して加勢してもらい何とか倒すことに成功した。しかし、余りいい気分ではない心血を注いだ作品のキャラクターが襲ってくるのは辛いものだ。仲間なら心強いのに。とりあえずブラスターライフルはもらっておこう。エナジー武器の使用にも慣れる必要があるだろうし、ブラスターライフルが映画通りの威力なら心強い武器になる。
最深部を目指す中でスピーカーから僕を挑発する声が聞こえてきた。この声は覚えている。ノーラさんを射殺し、ショーン君を攫った主犯の男性の声だ。ニックの推理が正しいならばこの男性がケロッグだ。向こうは僕だけを希望しているようでニックはお呼びでないらしい。
ここでやり遂げても何もならないと言うが僕はネイトさんやノーラさんの無念を晴らすこととショーン君の奪還のためにここまで来たのだ。何より冷凍ポッドの中で何も出来なかった僕が一矢報いる事をしなければならない。ここまで来て引き下がれるわけがないのだ。
ケロッグは進む僕に尚も話し掛ける。状況が吞み込めていないこと、まだ間に合うから引き返せと言ってくること等だ。ヌカ・コーラ好き同士と思われる相手を殺したくはないが決着を付けなければいけないのでそれは無理だろうと思う。
その道中で特殊なバズーカ砲を見つけた。名前はヌカ・ランチャーと呼ばれる武器らしい。ケロッグは手強いからこれで一瞬で終わらせるのもいいかもしれないと思いとりあえず入手した。その他にも砦のパスワードも手に入れたので施錠した扉もターミナルで入力して開くことに成功した。
そして、ケロッグ本人がいる部屋に到着した。話し合おうと持ち掛けてきた。僕は細心の注意をして進むことにした。
ケロッグと決着を付けろ!
部屋を開く前に冷凍ポッドの中で見かけたハザードスーツと同じものがあった。これで関係者なのは明白だろう。ニックは注意して進むべきだと警告した。僕もその辺は理解している。緊張してきた。
僕が対峙した時にはケロッグは当時の見た目のままだった。強者の表れか余裕の態度だったが僕の顔を見て困惑していた。思っていた人物ではなかったという顔だったのだ。待っていたのはネイトさんの方だったのだろう。僕は運が良かったことがここでも証明された。解凍されるべき人間はネイトさんの方だったのだ。どういう流れでそうなったかは知らないが僕はここにいる。僕が代わりに戦うしかないのだ。
その困惑した顔を止めて冷静さを取り戻して、ケロッグは僕と「同じ操り人形だ」と言った。意味が分からないが向こうは雇われの傭兵なのだろうか。僕は傭兵ではないが何か仕組まれてここにいるのだろうか?
ショーン君の事を尋ねると「思っていたよりも年上だったろう」と言っていた。よく分からないがもしかしたら10歳の少年はショーン君の事かもしれない。あの冷凍ポッドの出来事から10年経過しているのだろうか?
ショーン君の現在位置は「すごく近いのにすごく遠い」所にいるとのこと。それがインスティチュートだという事か。必ず見つけ出すと宣言した僕に対してケロッグは涼しい顔をして話し合いは終わりだと告げた。後は戦うだけだと言う。
先ほど手に入れたヌカ・ランチャーを使って一瞬で終わらせようかとも頭がよぎったがそんなことはしない。あの時のリベンジはきちんと戦って決着をつける事にした。勝とうが負けようがそのことはどうだっていい。
ヌカ・ランチャーなどの安易な方法で勝ったりしてもプロの傭兵であるケロッグに真に勝ったことにならない。ならば正々堂々戦って決着をつけるべきだ。人間として戦って勝つ!ケロッグを、過去の何も出来ずに見殺しにした無力な自分を超える!それだけだ!
火蓋は切って落とされた!人造人間達はブラスターライフルを連射してきた。僕は早急に物陰に隠れてから手に入れたブラスターライフルを撃ち返した。当たった人造人間にダメージが通り、何度か撃ったら機能停止した。良かった、効果はこちらが撃っても有効なようだ。
だが、その過程でニックはダメージを受けすぎて倒れてしまった。早く回復させたかったがケロッグはその隙を逃がしはしなかった。あの時の大口径リボルバーが唸る。そして「ショーンは行った。二度と会えない」や「「何の成果も上げられない」と戦闘中に煽ってきた。負けてたまるか、必ず超えてみせる!
何とか時間を掛けてケロッグを追い詰めたがこちらは弾切れを起こしてしまった。人造人間との戦闘で使い果たしたのだ!対するケロッグはまだリボルバーの弾を持ち合わせている。このままでは死んでしまうだろう。だが僕にも意地がある。使ったことはないがコンバットナイフを使うことにした。
リボルバーの弾を装填する時がチャンスだ。撃ち終わって装填をしようとしたケロッグの隙を突いて僕はコンバットナイフを心臓にめがけて突き刺した。意表を突かれたケロッグは驚きと共に絶命した。勝った、何とかではあるが。これでネイトさんやノーラさんの無念は晴れただろうか?そうであって欲しい。
そして、ケロッグから手掛かりを探ろうとしたら何やら機械類が出て来た。驚いたことにケロッグはサイボーグだったのだ!映画の中の存在だったものが現実に可能になっていたとは驚きだ。その後、パスワードを入手してターミナルを見てみるとショーン君はインスティチュートに連れ戻されてしまったようだ。そしてここで侵入者を迎え撃つのが新たな任務だったらしい。どのみちインスティチュートに行くしかない。
回復したニックはケロッグの言うことは嘘ではないと断言した。インスティチュートはどこにあるかは知らないがニックを作ったのは事実だから必ずいるとのことだ。そのためには情報が必要になる。ダイアモンドシティに戻りパイパーに話を通さなくては。先行きは暗いが前を向くように励まされた。確かにそうだ。ここで悩んでも仕方がないのだ。
へーゲン砦を脱出すると、飛行船が飛んでいるのが見えた。この時代に戦前の、しかも軍事用の飛行船が飛んでいるなんて!いったいどんな組織何だろうか?
追憶の彼方に答えを求めて
飛行船が飛んでいくのを見送った後にニックが詩的な言葉を呟いた。未知の存在に対しての不安や恐怖を込めた詩なのだろうか?ニックはあの飛行船はB.O.Sと呼ばれる存在が来たことを告げた。僕はその存在について全く知らないがコモンウェルスで波乱の幕開けにあることは想像がついた。インスティチュート、まだ接触したことがないレールロード、そしてこのB.O.Sが連邦を巻き込んだ闘争に発展することは確かだ。どちらに参加するにしても平和的解決は難しいだろうと思った。
ダイヤモンドシティに戻った後にパイパーのオフィスに行き、ケロッグはインスティチュートの関係者であったことを報告した。入り方は誰も知らない。ケロッグを除いては。パイパーも「この謎が残っていなかったらハッピーエンドだったのに」と言った。
だが、ニックはこの問題は解決出来るかもしれないと言った。グッドネイバーにある「メモリーデン」と呼ばれる場所にDr.アマリという名前の人物がおり、その人にお願いしたらどうかと言われた。その場所では何と過去の記憶の再現が出来るらしい。俄かには信じられないが試してみる価値はあるだろう。
そのためにはケロッグの脳が必要になる。パイパーは気色悪がり、ニックは仕方がないと諫める。ケロッグの脳か...。あの時手に入れた機械類が役立つかもしれないと思いもう既に持っていることを打ち明けた。
とりあえずはこの機械類を使ってケロッグの記憶を辿ることになる。僕はニックに引き続き同行してもらうことにして、パイパーにはダイヤモンドシティで調べ物をしてもらうことになった。
あの激闘にはとても疲れた。リベンジを果たしたので少し休んでからグッドネイバーに向かおうと思う。