城内に入ると、皆はハルコン卿への勝利への武器を携えて僕が帰還したと思い込んでいる。違うと言うのは簡単だがここで敵対しても無意味だ。倒すべきはハルコン卿ただ一人。それを間違えてはならないので僕は黙ったままにした。
ハルコン卿は資質にはいなかった。となれば考えられるのはモラグ・バルの祠のみ。熱心な信者だから。そこにいる可能性はあると踏んだ僕達はそこに入ることにした。当たっていればいいが。
ハルコン卿を倒せ!
祠に入るとハルコン卿は吸血鬼の王の姿となり僕達を待ち構えていた。彼はセラーナさんに失望して彼女を罵り、セラーナさんは家族のきずなを引き裂き、同胞の吸血鬼を大勢殺したことを非難した。
さらにハルコン卿はセラーナさんにヴァレリカさんの影を見て苦々しく思い、セラーナさんはハルコン卿へ宣戦布告した。事ここに至ってはもう後戻りはできない。僕も腹をくくろう!
今度は僕を問い詰めてきた。僕は元々生かすつもりはなかったのでは?と返したら一族の発展のための微々たる犠牲だと言った。そのための太陽の専制は定命の者との終わりなき絶滅戦争しか待っていないのにだ。吸血鬼の力に飲み込まれたとしか言えない状態だ。
家族の絆を犠牲にしてまでやることなのかと今度は僕が問い詰めたら、吸血鬼のような不死の存在になれば定命の者としての絆は決して永続しないと言う悟りを伴うと言い、良くて束の間、一瞬の出来事でしかないと反論した。なるほどね、確かに永遠の命は吸血鬼にならなければ得られないが、人の心は永遠じゃないと言いたいのだろう。
でもそれでも吸血鬼の身でありながら人の心を残している吸血鬼がいたらどうだろうか?一瞬かそうでないかはその吸血鬼の考え次第じゃないかなと思う。僕は人の心があるかは分からないけどね。多分余りないのかもしれない。闇の一党として多くの人を殺したからね。報いとして視力を失い、吸血鬼になることで治したが今度は定命の者としての存在を捨てたんだから。人としての僕はもう死んだのかもしれない。それでも太陽の専制は間違っている。タムリエルにはいい人たちがいっぱいいるのだから。こちらの都合だけで闇の世界をもたらすのはおこがましいにも程があると言うものだ。
僕はこれ以上語ることはないと黙り込んだら、しびれを切らしたハルコン卿は攻撃を仕掛けてきた。お互いに決着を付けよう!
ハルコン卿は血の魔法で攻撃と仕掛けてきた。随時血の魔法で防御していたがセラーナさんがアーリエルの弓を使えと指示した。太陽神の矢ならその防御を崩せるかもしれない。すかさず僕は太陽神の矢を装備してアーリエルの弓を使って射った。
その矢が直撃したハルコン卿の防御は崩れてこちらの攻撃が通るようになった。僕が斬撃を幾度か決めるとコウモリの分身体となって移動した。逃がしはしない。必ず決着をつける!
透明化やコウモリの分身体になって回避したり、智の魔法で防御したりしたが、攻撃の糸口を掴んだらそこからは隙を狙って攻撃するのみだ。セラーナさんと連携してお互いをカバーして攻撃を繰り返して遂にハルコン卿を討ち取った!
彼はセラーナさんが親殺しをしたことを呪いながら血と遺灰を残して息絶えた。
新たなヴォルキハル城に襲名!
ハルコン卿を討伐した後にこれからどうするのかをセラーナさんに聞いた。彼女は追い出されない限りここにいると言った。家族が残したものをもっと立派にするために新しく家を建てたり、新たな冒険に出るのもいいと言っていた。
僕には彼女が無理に明るく振る舞っているようにも見えた。親殺しをした直後だから余計にそう感じる。これは僕の感想だから彼女は違うかもしれないけど。
そしてこの討伐を臣下で真っ先に発見したのはガランさんだった。彼はハルコン卿が死ぬとは想像もしなかったようだ。
哀悼の意をセラーナさんに示すと、彼女はハルコン卿が正気を失い、もうずっと前に死んでいたと思うと言った。やはり親殺しは彼女の心を深く傷つけたようだ。関係は壊れても父親であることに変わりがなかったからだ。
ガランさんは僕がハルコン卿を殺したことを咎めなかった。優れた吸血鬼として新たなマスターとして迎えて、アーリエルの弓を含めてその力に従うと宣言した。城は僕の物となり臣下は僕に追従し、その威光をスカイリム中に広めることになるだろうと言った。また僕が長になっちゃったよ。もうすぐ指の数超えちゃうんじゃないかな?
そして諸問題が僕が処理するのは長になっても他と変わらず、ガランさんは死霊術師と接触した野良吸血鬼を始末するように命令して来た。スカイリムでは長に問題を押し付けるのが日常的なのだろうか?まぁ若くて日数が少なくて長に収まったのだからそれに見合う働きをするようにという事なのだろうが。大変と言えば大変だ。バレずに行動することが出来るだろうか?
その後に討伐しに行く前に装備を鋳造してもらった。以前貰った鴉の改良発展型で王族にふさわしい装飾と敵に恐怖を与える見た目で血まみれで戦うことを前提にした新たな装甲具を進呈されたのだ。その名も「流血鴉」。これはなかなかカッコイイ!貰ったからには地位に見合う働きをしよう。ヴォルキハル城の皆は癖が強い人ばかりだがしっかりと成果を示せば認めてもらえるだろう。彼らのために頑張ろう。



































