ヴォルキハル城に帰還してデキソンに解読してもらおうと思ったが想定外の事態に直面した。書の続きを読みたくて手順を飛ばして行い、デキソンは失明してしまったのだった!
何ということだ。こんなことになるなんて。しかし、元はと言えば僕がデキソンを吸血して従徒にしたことにより洗脳されて、吸血鬼のためにエルダースクロール(星霜の書)を読むことになってしまったのだ。本当なら洗脳されずに人間のために今頃は読んでいるはずなのだろう。
そう思えば彼の事を責めるなんてとても出来ない。そんなことを言うのは僕のエゴであり、傲慢になるだろう。自分は光を失って怖かったのに彼にそうなるように仕向ける下地を作ってしまったのは業が深いと言わざるを得ない。
何とか代替案がないか聞いてみた。タムリエルには「先人の湿地」と呼ばれる場所があり、パイン・フォレストにもその一つがあるようだ。
そこに生えている「カンティクル」の木を湿地に設置されている「ドローナイフ」と呼ばれる特別な道具を使って樹皮を慎重に剥がして樹液を身に纏い、聖蚕が集まった時に読む儀式が出来るようになるらしい。
この儀式はうまくいったら奇跡と言われる位に成功確率が低いようだ。それでもやるしかない。こちらの都合でデキソンの光(視力)を奪ったのだから文句を言うのは間違いだ。そんなこと言えば贅沢だ。リスクは承知の上、覚悟を決めて儀式を執り行おう。
聖蚕の儀式を成功させろ!
先人の湿地に行く途中で「無駄骨に終わったら、お友達のデキソンと話をしないといけない」などと物騒なことをセラーナさんは言っていた。流石ハルコン卿の娘、血は争えませんなぁと思った。まぁ言ったら殺されてアンデッドとして使役されそうだから黙っておこう。
しかし、湿地に入るとエルダーグリーム聖域のような荘厳な自然がそこにはあった。モンスターが一匹もいない。とても静かな場所だ。セラーナさんも感動していた。確かに歴史上類を見ない絶景だろう。
中心部でドローナイフを見つけた。これを付近に生えているカンティクルの木から樹皮を剥がして樹液を身に纏う。これで聖蚕が寄ってきて十分に集まったら儀式が開始出来る。
しかし、ここで問題がある。僕は蛾が苦手である。幼少期に友人のイタズラで蛾を間近で見てしまいトラウマになっているのだ。だからいい年(20数年と200年すっ飛ばした年数分)してもダメなものはダメなのだ。早く終わらせよう。
セラーナさんは苦手じゃないみたいだから呑気に「味を占めて集まってきてますわよ」なんて言っているが僕は今もその恐怖で縮み上がりそうだよ!太陽の光よりも怖いんだよ!
数秒経つと聖蚕が集まってきた。悲鳴を上げたくなるのを堪えて飛び交っている場所を巡回していくことにした。大丈夫、太陽光遮断用と身バレ防止用の装甲具の鴉を着用しているから直肌に触れる訳じゃないから大丈夫、周りを飛んでいるだけと思いながら行きたくないけど近寄っていく。
セラーナさんは「僕達が来るのを待っていたように思える」などと感慨深げに言っているが僕はもう蛾が近くにいる精神的ショックで死にそう。
嗚呼しかし、ここで死んだらハルコン卿が手を変え品を変えてアーリエルの弓を手に入れて「太陽の専制」を果たして吸血鬼と定命の者との終わらない絶滅戦争に突入してしまう。怖いけどやるしかない!逃げちゃだめだ、逃げちゃだめだ、逃げちゃだめだ!
そして十分に聖蚕が集まった頃を見計らいエルダースクロール(星霜の書)(血)を開示した。そしたら眩いばかりの光と聖蚕が集まり目に焼き付いた。目に色んな意味で悪い状況になった。気を失いそうになりながらも読み解くと地図が映し出された。
行先はダークフォール洞窟という地名らしい。苦しい中でやり切った甲斐があった。これをセラーナさんに伝えよう。
どうやら僕は僕は死にそうな見た目をしていたようだ。エルダースクロール(星霜の書)を読むために危険な状況に陥り、ずっと遠くを見ているようだったとも言っていた。いや、多分聖蚕が間近でうようよ飛んでいて僕が気を失いそうになっていただけかもしれない。まぁその内蛾がダメなことは正直に話そう。今はその時ではないし。早速向かうべきだろう。
その前にドーンガードが奇襲して来た。先人の湿地には入る前にも攻めてきたし増援かもしれない。蛾が近くに漂う恐怖を我慢していたので憂さ晴らしに返り討ちにしようと思った。何だか吸血鬼になってから血の気が多くなったように感じる。ハルコン卿の血を受けたせいだろうか。まぁ9割方八つ当たりみたいなものだけどね。
アーリエルの弓について僕はよく知らないので尋ねてみた。その弓もエルダースクロール(星霜の書)と同じように増えたり減ったりするのだろうか?疑問は尽きないが手に入れるのはとても難しいらしい。
そうならば手がかりがある内にダークフォール洞窟に向かい手に入れてしまうべきだろう。
騎士司祭ギレボルに協力せよ!
ダークフォール洞窟に到着すると、内部はファルマー等が襲い掛かってきた。倒しながら進むと礼拝堂みたいな場所を発見した。そこには一人マーいたがアルトマーやダンマー、ボズマーでもなかった。白いマーなのだ。
彼は騎士司祭ギレボルと名乗った。アーリエル(またはアカトシュ、もしくはアルコシュ)が守護神とされるスノーエルフ出身だと言う。ファルマーとの元の種族の?と言ったら一緒にしないで欲しいと言われた。ファルマーはスノーエルフにとって「裏切られし者」と呼ばれる存在で敵対関係のようだった。もっとスノーエルフが過去にはいたがファルマーが奇襲して大勢を殺してギレボルだけが生き残ったようだ。
アーリエルの弓を手に入れるのは構わないが、ある依頼を受けた。奇襲された時に攫われた兄弟であり最高司祭のヴィルスールがファルマーにより豹変したらしい。家族としての絆が失われたので殺して欲しいと依頼された。頼むギレボルも辛いのだろう。しっかりその依頼を達成してヴィルスールの苦しみを解放してあげなければ。
ギレボルは魔法で祠を出現させた。これは礼拝堂悟りを開くための場所だった頃、瞑想や移動を行うのに使われているようだ。中央の水盤は新人が真言得た後に、水瓶に水差しを浸し次の祠に向かうと言う儀式を行っていたようだ。
セラーナさんは重たい水差しを抱えて歩き回ることに皮肉を交えた感想を述べていた。ギレボルはこの水差しの儀式は最高司祭に会うための仕組みになっているとのことだ。まぁ手の込んだ儀式とは思うけどね。
セラーナさんは手が込んでいると批判し、ギレボルは象徴を理解する必要はないと姿勢を崩さない。意見の相違により平行線になるので僕はその儀式を行おうと思う。そうすることで会えるならやった方が早いからね。



































