ついにこの時が来てしまった。今日この日僕はタムリエルの皇帝、タイタス・ミード2世をこの手にかけてしまうことになる。元帝国軍のエージェントだったのにここまで変わってしまうとは運命とは、人生とは分からないものである。やるからにはきちんと成功させよう。皆を危険にさらせないし、何より聖域の皆が大好きだ。成功することによって消えない暗雲が残るだろうが、闇の一党にとって悪名は名声と同義なので気にしないだろう。最終計画なのでしっかりアドバイスを聞くべきだ。
タイタス・ミード2世の任務のアドバイス
作戦担当のアストリッドさんは皇帝の晩餐会が行われるソリチュードのドール城に行って欲しいとという。そこで美食家の通行証を担当のマロ指揮官に渡すことで入場することになる。バレないと良いけど。
うまく入場出来たら皇帝に出す料理の中に「ジャリンの根」なる毒物を混入させることになる。この毒物はストロス・エムカイの島でしか手に入らない者らしい。一口で死ぬらしいので自分から口にするような無謀なことはしないでおこう。
無事に皇帝を仕留めたら上の扉から脱出することで衛兵やペニトゥス・オクラトゥスの追跡を回避できるように「手配」してくれたらしい。賄賂や脅迫等の使える手段を全て講じて段取りしてくれたらしいのでこの労力は計り知れないだろう。この作戦はしっかり成功させよう。
アーンビョルンさんは闇の一党らしく殺しをしっかり楽しんで壮観なものにすればいいとアドバイスしてくれた。殺しを楽しむ趣味はないけど僕を認めてくれているのはとても嬉しかった。その好意に応えられるように頑張ろうと思う。
ヴィーザラさんはアストリッドさんの采配がしっかりしてあるのならば心配する必要ないとアドバイスした。任務完了したら成功を祝おうと言ってくれた。僕もしっかり成功させて盛大な祝いにしたいと思う。
ガブリエラさんは皇帝暗殺任務は光栄なことだと言った。聞こえし者であり、夜母に気に入られていて、シシスに選ばれているからだと言ってくれた。ちょっと嫉妬しているとも明かした。なんだかお茶目な所があるなと思った。
バベットはジャリンの根を慎重に扱うようにアドバイスしてきた。食事に毒を盛るのに使うからだ。シェフの変装をしっかりしていれば大丈夫だと言っていたので僕の不安も幾分か和らいだ。
フェスタスさんは僕が血に飢えて仕方がないのではないかとからかってきた。血に飢えてはいないけど成功させなければとは思っている。冗談はさておき彼は破壊魔法ばかりではなく簡素で実用的な魔法もしっかり使うべきだとアドバイスしてくれた。
毒殺後の逃走はどうするのかを考えろと言った。精霊を召喚して混乱を生じさせたり、透明になって逃げるのもいいとも言っていた。「頭を使えと」それはしっかり頭に入れておこう。
ナジルさんは皇帝暗殺任務はチャンスが一度だけであるので失敗するなと簡素なアドバイスをくれた。後は僕次第だということだろう。今までの経験をしっかり活かすべきだ。
早速ソリチュードのドール城に行くとマロ指揮官が門の前で待機していた。シェフの格好でいることと、美食家の通行証を持ってるので大丈夫だと思う。しかし、緊張するなぁ。
不審がっていたが通行証を見せると態度を改めた。僕が美食家だと思ったマロ指揮官は城の料理長のジアーナが待っているので台所に進むように促した。息子のガイアスが殺された後なのに取り乱した様子がない。流石プロだ。殺したのは目の前の僕なんだけどね。やっぱり面と向かって話すのは精神的に来る。
ターゲット タイタス・ミード2世(?)
台所に行き料理長のジアーナに会うと、彼女は驚いていた。美食家の正体がハイエルフと思わなかったらしい。まぁ偽者なんだけどね。本当の美食家がオークなら尚驚くんだろうなぁ。
どうやら皇帝のリクエストした美食家の料理「ポータージュ・ル・マグニフィーク」を調理しようとしていたようだ。この時にさりげなくジャリンの根を入れるべきだ。しかしここで問題が起きた。スープベースは沸かしてあると言い、どのように調理するか聞いてきたのだ!
しまった、僕は料理が出来る方ではない。とりあえず入れてもおかしくないものを選んで入れた。ニンジンやハチミツ酒、ニルンルート、刻んだホーカーの肉などを入れてもらい最後にジャリンの根をさりげなく「隠し味」と偽って入れるように指示した。何とか出来て良かった。なぜか巨人のつま先や吸血鬼の遺灰、セプティム金貨があったがこれを料理に使おうとしていいたのだろうか?どんな料理になるんだ?
こうしてジャリンの根を混入させたポータージュ・ル・マグニフィークは無事に皇帝の晩餐会のテーブルに運ばれた。貴族と話し込んでいる皇帝であるタイタス・ミード2世は皇帝然とした感じではなく、何となく「俗っぽい」感じがした。時代を経ると皇帝の質や雰囲気が変わるのかもしれないと思った。
僕が美食家として紹介された後に、皇帝はポータージュ・ル・マグニフィークを口にした。それを確認した僕はそっと扉の外で隠れた。皇帝は違和感を覚えながらも程なく死んでしまった。これで任務完了だろう。虚無に安らぎがあらんことを。
警護していたペニトゥス・オクラトゥス達が殺気立ち僕とジアーナが皇帝を殺したとして捕縛ないしは殺そすために剣を抜いた。部屋の中ではジアーナの悲鳴が聞こえた。彼女は利用されただけなのに申し訳ない。
そう思っていたがすぐにジアーナは何食わぬ顔で部屋を出て行った。ペニトゥス・オクラトゥス達も過ぎに剣を収めた。何だ?何が起きている?貴族たちは怯えてしゃがんでいるが何か予定調和じみた所作に感じる...。皇帝が殺されたのにだ。まるでこうなることが分かっているような、そんな感じだ。
罠なのか?しかし、こうなっては逃走して確認に聖域に戻るしかないだろう。本当に僕が仕留めたのは皇帝だったのか?
裏切りエンドレス
晩餐会を脱出するとペニトゥス・オクラトゥス達が現れた。やっぱり罠だった!しかしどうしてバレたのか?
そこでマロ指揮官が現れた。僕が毒殺した皇帝は影武者で鼻持ちならない相手だったので殺してくれてありがたいと皮肉を言っていた。それと成功していたら名声を手に入れただろうに残念だと心にもないことを言っていた。
なぜ計画がバレたのか。それは僕たちの聖域の誰かが今回の任務の事をマロ指揮官に告げて僕を売ったからだったのだ!僕を打って闇の一党をそっとしておいてもらうようにその裏切り者が取引を持ち掛けたらしい。
しかし、そんな取引を受け入れるマロ指揮官ではなかった。「気が変わった」として(元々取引に応じる気はなかったのだろうが)僕を殺して、聖域の皆をなぶり殺しにしようと思ったようだ。今頃聖域は攻撃されているようだ。これがマロ指揮官の「取引」だと。
当然だろう。息子を、身内を無残に殺されているのだ。親子関係が冷え切っているわけでもない限りその死に憤り憎むだろう。それを実行した相手と組織を誰が許すだろうか?いや、誰も許すまい。マロ指揮官の憎悪はもっともだ。闇の一党はその報いを受ける時が来てしまったのだろう。
そう、確かに闇の一党はろくでもない人殺し集団と思われて仕方がないだろう、クズ、外道、悪魔などと言われても仕方がない。しかし、僕は聖域の皆が大好きなんだ。後ろ指さされても好きなんだ。それに関わり続ける僕も同類でイカれているのだろう。
同胞団で戦士のために戦ったかと思えば盗賊ギルドで盗みを働き、ウィンターホールド大学で魔法を学んだかと思えばドラゴンボーンとしてシャウトを放つ!挙句の果ては今闇の一党で人々を殺して虚無に送っているではないか...。イカれていないわけがない。僕は人間として、アルトマーとして常軌を逸しているのだ。
そう振り返りながらも僕は聖域の皆を助けたいと思う。皆が大好きだから。だから目前にいるペニトゥス・オクラトゥスを返り討ちにしながらドール城を脱出した。
しかし、衛兵に拘束されそうになった。ここでこそ盗賊ギルドのネットワークを活用すべきだろう。僕は罰金だけで済むように手を打って衛兵をやり過ごした。
僕はマーク&リコールの魔法を使用した。時間が掛かって聖堂に着いたのでは皆殺しにされてしまう。すぐに着くためにはこれしかない。
そして聖域付近に到着した。間近だと総攻撃ですぐに殺されてしまうからだ。そしてそっと近づいてペニトゥス・オクラトゥス達を仕留めて行った。聖域付近は掃討した。後は内部だけだ。みんな無事でいて欲しいけどうまくいくか心配だ。