ヴァレン・ドレスを暗殺せよ!
下水道に侵入した。モンスターが出ると言ってもカニやネズミぐらいだった。帝国軍に討伐されたのだろうか?注意すべきは警備兵なので隠密で進まなければ。
進んでいくと警備兵たちが警備任務の重要性について談義している場面に出くわした。聞き耳を立てていると刑務所に残っているのはヴァレン一人だけになっているという情報が耳の飛び込んできた。皇帝暗殺の件で警備が厳重になったらしいが他の牢獄に囚人がいないのは好都合だ。
警備兵の厳重な警備体制をすり抜けてやっと帝国軍刑務所に到着した。任務に掛かるとしますかね。
かつてのジョニスの牢獄に到着した。隠密で近づくと何やら話し込んでいた。どうやらヴァレン・ドレスは11年間服役してやっと出所することになっていたようだ。しかし警備兵はやがてここに戻るだろうとから出ても無駄だろうと反していた。
せっかくの出所なのに僕に暗殺されるとはなんて哀れな囚人なんでしょう。なるべく苦しめないように暗殺しよう。
すると僕に気づいたのか声をかけて来た。僕を完全にジョニスと思い込んでいるらしい。違うんだけどなぁ。存在までやっぱり吸収してしまったんだろうか?
ドロフォノス「人違いなんですけども。」
ヴァレン「そんなわけあるか!運よく脱獄できた奴なんて俺は忘れないからな!なぁいいだろ、相棒よ!助けてくれ!」
う~ん...。ここまでジョニスの存在が僕に上乗せされているなんて思わなかったなぁ。もしかして盗賊ギルドや魔術師ギルド、ブレイズや挙句の果てはマーティンさんにもジョニスと思われていたのだろうか?表の顔の時は「アタナシア」を名乗ったはずだけどグレイ・フォックスのように名前と存在が置き換えられていたのか?知らなかったとはいえ迂闊だったかもしれない。
しかし、今のボクは闇の一党の暗殺者「ドロフォノス」だ。この状況はうまく利用できるかもしれない。表の顔と裏の顔の使い方が楽になったと思えばそんなに苦になることはないだろうし。ならばそれらしく振舞うのもいいだろうと思い、ヴァレンに語り掛けた。
ドロフォノス「それはできませんね。僕はナイト・マザー(夜母)の意思で行動する暗殺者故に。なのでここに来たのは貴方を虚無に送るためです。」
ヴァレン「え?ナイト・マ、ナイト・マザーだって!うわ~、警備兵、戻ってきてくれ!ここに暗殺者がっ...」
言い終わる前に僕はヴァレンに刃を振り下ろした。情報通りに弱体化していたので一撃で暗殺できた。それでは退場しますかね。
今回は表から脱出することにした。存在の置き換えを利用してクヴァッチの英雄の姿で堂々と通るのだ。
警備兵「おや?クヴァッチの英雄殿ではないですか。どうしてそこから?その道は囚人を収監している通路ですが...。」
アタナシア「ああ、これは下水道に潜んでいるモンスターを討伐しに来たら刑務所のある通路に逃げましてね。対処した後は近かったのでここを通ったんですよ。」
警備兵「そうでしたか。わざわざ英雄殿が対処してくれていたなんて、ありがたいことです。感謝します。」
よし、疑われていない。この状況は本当に使える。うまく使えば楽をできるな。
報酬 無慈悲な正義の天秤!
聖堂に帰還して詳細を報告するとヴィセンテさんは契約達成を喜んでくれた。衛兵を殺さずにヴァレン・ドレスのみを暗殺したのでボーナスが付いた。ボーナスの内容は無慈悲な正義の天秤という代物だ。これを装備すると腕力・知性・俊敏性が強化されるらしい。
ヴィセンテ「任務達成おめでとう!しかし、どうやって脱出したのだ?帰りも警備兵はいたはずだが?」
ドロフォノス「それは表の顔を使って堂々と脱出しました。」
ヴィセンテ「そんなにうまくいくものか?まぁ成功したから帰還できたのだろうが、大きな賭けだったな。」
確かに。ここに帰還できるか試すのに不安はあったけどうまくできて良かった。多用はできないけどいざと言う時に使うのはいいかもしれないと僕は思った。