僕は闇の一党に迎えられたので聖堂に赴くこととなった。うまくやれるか心配だ。
秘密の入り口付近で僕と同じくドラウ族の女性が門番をしていた。彼女の名前はシトリニアス。なぜ闇の一党の門番をしているかは不明だが装備や魔法を売ってくれるのでかなり助かる。
そして僕はルシエンさんから教えてもらった合言葉「赤く染まれり、我が兄弟」と唱えた。そしたら扉が開き、聖堂に入ることができた。これから挨拶をしなくてはならない。
昇進 マーダラー(殺人者)!
最初に声をかけてくれたのが聖堂の責任者であるオチーヴァさんだった。彼女は僕が加入したことを祝福してくれた上に装備一式を進呈してくれた。かなりいい人だ。おっと、忘れる前にお願いしないといけないことがあった。
アタナシア「あの、すいません。ギルド内では偽名を使ってもいいでしょうか?自分の正体がバレないようにしたいんですが...。」
オチーヴァ「いいわよ。有名な英雄殿が暗殺者になっているなんてスキャンダルもいい所だものね。それぐらいなら差し支えないわ。任務をきちんとこなしてくれるなら大丈夫よ。」
そう言って彼女は快く許可してくれた。実にありがたい。
偽名は...そうだなぁ、ドロフォノス(暗殺者)にしよう。クレプティス(泥棒)は盗賊ギルドでの名前だからね。何より血生臭くなるだろうし...。
次に挨拶に行ったのはダールさんと言うしかめっ面の人物だった。彼は部外者を受け入れることに否定的で装備や魔法を売ってくれるけど心を開いてくれそうになかった。時間をかけて打ち解けていければいいけど...。
ドロフォノス「新しく入りました。今後ともよろしくお願いします。」
ダー「フン!教義が無かったら部外者のお前など殺してやったものを!」
その次は豪快に笑い、隠密行動などせずに力任せに暗殺を行うゴグロンさんだ。彼は特殊な任務でのボーナスよりも好きなように斬り殺せる自由に重きを置いている自分の本能と言うか欲望に忠実な人だった。豪胆と言うか単純と言うか...。でもそんな性格も嫌いではなくむしろ好きな方だ。仲良くできることを願おう。
ドロフォノス「新しく入りました。ドロフォノスです。よろしくお願いします。」
ゴグロン「お前が新しい家族だな!歓迎するぜ!残念ながらハグはしてやらねぇからな?オチーヴァにやめとけって言われてるからさ。」
今度は入り口付近にいたテリィンドリルさんと言う女性だ。彼女は弓での暗殺を得意とするようだ。聖堂内のゴグロンとは恋仲らしい。縁が出来ることはいいことなのでぜひ応援したい。
ドロフォノス「ドロフォノスです。今後ともよろしくお願いします。」
テリィンドリル「聖堂にようこそ。気に入ってくれれば幸いね。貴方は隠密行動が得意そうね。ゴグロンみたいにならないで頂戴ね。」
次に訓練室で出会ったのがアントワネッタさんだ。彼女はルシエンさんにどん底の境遇から助けてもらったことがあるらしく、彼の恩に報いるために闇の一党に在籍しているようだ。これからもお互いに頑張っていければと思う。
ドロフォノス「ドロフォノスです。お互いにルシエンさんと縁がありますね。これからよろしくお願いします。」
アントワネッタ「あら?貴方もルシエンさんに勧誘されてここに来たの?ならばお互い同士ね。ようこそ闇の一党へ!」
寝室に赴いたら読書をしている人がいた。彼はテイナアヴァさん。オチーヴァさんとは双子と言う話だ。彼らは元シャドウスケイルに所属していたらしい。その組織については詳しく知らないが、ルシエンさん直々に鍛えられたそうなので実力は折り紙付きだろう。
ドロフォノス「今日から家族に入りましたドロフォノスです。今後ともよろしくお願いします。」
テイナアヴァ「そうか。初めてのことで色々戸惑うと思うがこれからもよろしくな。」
最後に任務を直接割り振るヴィセンテさんに挨拶に赴いた。彼は吸血鬼だがその本能よりも闇の一党への忠誠心が勝っているとのことだ。彼からの任務を達成することで闇の一党への貢献がなされるようだ。頑張らねば。
ドロフォノス「ドロフォノスです。隠密行動は慣れていますので任務をこなせるように頑張ります。」
ヴィセンテ「そうか、それは頼もしいな。しかしくれぐれもしくじることがないように細心の注意を払って任務にあたってほしい。」
これからは裏の顔としてドロフォノスとして行動することとなるだろう。闇の一党としてくれぐれもバレないように行動しなければならない。表の顔との使い分けしっかりしていこうと思った。