通勤中にひさしぶりの読書です今回はこれ
以前からよく読んでいる、ほしおさなえさん。
伝統に触れられる物語が多く、「活版印刷」に興味を持ったのもほしおさんの本からでした。
専門的な分野を舞台にしながら人と人との関わりがあたたかく描かれているように思います。
そんなほしおさんの新刊。
今回は「織物」を題材にして、「染物」「着物」にも触れられている作品。
実は私、着物が大好きです。見るのも、着るのも。
(育ての)祖母はお正月にはいつも着物を着て新年を迎えるような人だったと聞いたことがあります。
その影響か、母も若い頃は日本舞踊やお琴、華道、茶道も習っていたとか。
書道もやっていたんでしょう。
私が幼い頃は、自宅で週1回ですがペン習字教室を開いていました。
物心ついたころには「字がきれいだね」とよく言われた私ですが、「母がペン字の先生なの」と返すのがお決まりでした。
中学生を過ぎた頃からクセ字になり、「アキ、字下手になったよ」と母に言われたこともありました
話題がそれましたが…
日本舞踊を習っていた母と、着物で過ごす祖母がいた我が家には、着物がたくさん残されています
それを"着られるようになりたいなぁ"と漠然と思っていた私は、出産前まで着物のお教室に通っていました
自分で(どうにか!)着られるようになってからは座学のレッスンには着物で参加するようになり、
お教室のたびに、母が一人暮らし先の家まで着物姿の私を一目見ようと(写真におさめようと?)来ていた数年前の日々が懐かしいです
着物メインのお話ではないけれど、染色や織物など、小説なので頭でこんな色かなぁと想い描きながら読み進めました
ネタバレしない程度に感想を一言で表すと「藍染めしてみたい!」笑 ⬅️唐突
気になる方はぜひお手にとってみてください
以下、心に残った台詞
目指すもの。
こうなりたい、だけではなく、これが欲しい!とか、次の楽しみの予定を考える、とか、それでも十分なんだよね。
「人間、どんなにがんばったって結局最後は死ぬだけだから。割に合わないよね。人間を生かしておくために脳が幻を見せてるのかもしれない。目指すものがあると思えば、生き続けられるでしょう?」
幻を追いかけるために生み出したものは現実。
んーーーー、深い。
「それが幻だったとしても、人がそれを追いかけるうちに生み出したものは、全部存在するものだからね」
とってもよくわかる。共感しかない。
私は、生きているだけで母の片鱗を感じる。
ふとしたことが、遺された私にとって救いになっている。
「昔は、自分が死んだあとのことなんて知ったことか、って思ってたんだよね。死んだあとに何かが残ろうが、人に影響を与えようが、そんなの自分にはわからないし、どうでもいいって。でも残された側からすれば、その人の魂のかけらが残っているのは救いかもしれない」
自分の生をまっとうすること。
毎日それなりに楽しく生きられたら、それが何よりの幸せ。
死には勝てない。命はいつか尽きる。何者にもなれなくていい。ただ自分の生をまっとうすればいい。
いいねで応援していただけると励みになりますフォローもぜひ
初めましての方、ご訪問ありがとうございます
ぜひこちらの記事で、ご挨拶させてください!