精神科への入院はハードルが高い。

それがどういう意味を持つのか、このときは全くわかっていませんでした。


そして、職場には「育休中の人」と認識されていることもよくわかりました。

両親と同居していて、母は数週間前に亡くなって、一人っ子で、父は認知症でアル中で。


直属の上司と同期にしかリアルな現状は話していなかったので、いち人事課員は知らない。

そりゃそうなんですが、、、このときはなんだか半年後の話をさらっとされたのがつらかったです。精神的に。




   

 

 

 

この記事の続きダウン



アルコール依存症と認定してほしい


2022年9月下旬。病院に行く日。
ケアマネに事情を説明し、いつもより少しでも早めにお迎えに来てもらうことにした。

夫は出勤、8:30頃に父をデイに送り出し、娘をベビーカーに乗せて病院へ出発。
診療が始まる9:00ぴったりには病院に着いた。

受付で昨日電話で話した事情を説明し、父の診察券を出す。
脳神経内科のフロアには小児科も産婦人科もない。
娘がちょっとぐずるたびに周りの目を気にしてひやっとする待ち時間だった大泣き

「どのくらい待つのかな…」とどんよりした気持ちでいたが、なんと20分ほどで呼ばれたあんぐりスターたまたまの奇跡!


医師「どうも。受付からお嬢さんだけ来ると聞いてました」

アキ「おはようございます。娘も一緒で騒がしくなったらすみません」

医師「あぁ全然それは(大丈夫)。で、お父さんに何かあったの?」

アキ「今月○日に、母が亡くなりました」

医師「(一瞬の間があり)…そう。それはご愁傷さまだったね」

この反応で、父への先生のフランクな態度ダウンは、高齢者へのサービスだったんだと察した。
私に対しては表情も言葉も全然フランクじゃなかった。私は認知症患者ではなく、話を引き出す必要がないからだろう。
感じが悪いわけでも冷たいわけでもないが…全然違ってびっくり泣き笑い
先生は完全に受け身のスタンスで、ほんの少しがっかりした。


アキ「その前後から、元々先生にご相談していた飲酒量が激増して。迎え酒が常態化しています。一昨日、朝起きたら父はリビングで泥酔していて、植木や家具が倒れたりしていて。二世帯で暮らしてはいますが…いま私が育休中なので父の様子は見ていられますが、春になったら仕事復帰する予定です。母がいなくなった今、このような状態で日中に父1人の時間があるのが不安で…」

医師「なるほどねぇお酒ね………どのくらい飲むの?」

アキ「少ない日はチューハイ2,3本。今月一番多い日は、一晩で1人でワインのフルボトル3本あけました」

医師「おー、、、結構飲んでるね真顔(唖然)」

アキ「以前までは父が寝てからお酒を全て撤収していました。でも母を自宅で看取ると決めてからはそんなことする余裕がなくて。この子(娘)もいますし。アルコール依存症って認定してもらうことはできないんでしょうか?でもその専門科にかかるとしても、父を連れていくとしたら抵抗されると思うので、どうしたらいいんでしょう。どこに何を相談すればいいのかわからなくて


医師「わかった。まずね。アルコール依存症と思われる人は、お酒から遠ざけることが必要なんだよね。1本だけなら飲ませていいとかではなく、お酒に近づかせないというのが重要なんだけど…それは?」

アキ「元気ですしお金の計算はできますし、歩いて1分かからずコンビニがあるので、お酒がなければ自分で買いに行きます」

医師「うん、となるとお酒がない環境を作ることは難しいってことになるよね」

アキ「そうですね。24時間ついて回るわけにはいかないですし」

医師「そりゃそうだね。となると、次には家じゃない場所に移すことになる。精神科への入院か、介護保険施設への入所かってことになるね。ゲンさんは介護認定受けてるんだっけ?」

アキ「はい。前回先生の診察を受けた日に申請ダウンしました。先生に書類書いていただいて…」

医師「そうだっけ(笑)ごめんごめん」

アキ「いえいえ、患者さんたくさんいらっしゃるでしょうから(当然覚えているわけがない泣き笑い)!要介護1でしたダウン

医師「で、デイサービスは行き始めた?」

アキ「3週間ほど前ですね、母が亡くなる数日前から行ってます。大喧嘩しましたが、看多機の通所に…」

医師「行ってるんだね。そこにケアマネージャーはいる?相談してるかな、このこと?」

アキ「はい。ずっとしてます。一昨日のことがあって初めて本気で「このまま一緒に暮らせない」と思って、改めて話をしましたが「ただの認知症ではなくアルコールも絡むとなるとまずかかりつけの先生に聞いてみてから」と言われました」

医師「そっか………うーん、さっき話したように精神科への入院か、介護保険施設への入所ってことになるんだよね。でもゲンさんの数値や状況を見る限り、精神科への入院ってのはハードルが高いと思うんだよなぁ」

アキ「ハードル高いというのは…?この病院にも、○○(場所名)に提携の入院できる精神科ありますよね」

医師「調べてるね。でも、精神科って…閉鎖空間だし、色んな制限があるから…今の元気なお父さんには厳しいというか。。。紹介状を書くことはもちろんできるけど、、、介護保険施設にあたってみる方が先だと思う」

このときは精神科への入院がどういうものなのか、私は全くわかっていなかったのだ
後日、それは予期せぬ形で判明することになるのだが…(後日談)



この日は主治医に介護保険施設をすすめられ、「どんな施設があるかはケアマネに相談してみて。また何をあれば相談して」と言われて予約なし面談を終えた。
「もし入所したら、来月の予約済みの診察は来なくてもいいからね」そう念を押されて、主治医が変わるってことか?と思ったのを覚えている。


面談を終えてお会計をし、まだ9:40頃だったと思う。

介護保険施設………探すのって時間かかるよね……
そもそも空き待ちで入れないんじゃなかったっけ?そういうとこって。

ベビーカーを押しながら歩き始めた私は、
ここから看多機まで歩いて15分くらいだと気がつき、ケアマネOさんに電話した。

「いま主治医との面談を終えました。そのご報告とご相談したいことがありまして…いまからそちらに伺ってもよろしいでしょうか?10分ちょっとで着けると思います」

こんな形で、ケアマネのもとへ押しかけた泣き笑い
善は急げなのだ(育休だからね。フットワーク軽い)。


すると看多機が目と鼻の先に見えてきたとき、ポケットのスマホが震えている。
(このときの光景、忘れもしない泣き笑いいまだに前通ると蘇る。)

母の証明書ができたか?(病院事務)
いま行ってきた父の主治医か?(脳神経内科)
ケアマネOさんが予定入って会えなくなったか?(看多機)


一瞬でその3つを思い浮かべ、スマホを見ると…

え、職場?
あぁ母が亡くなった事後処理の何かか。

10年以上見慣れていた勤務先の電話番号だった。


アキ「はい。もしもし」

Yさん「アキさん?朝早くからごめんね。人事課のYです。久しぶりだね~元気してる?」

「朝早くから、、ってそうかまだ10時前か。てか、全然元気じゃないわ。母死んでるし、父アル中だし。むしろどん底と思ったのを覚えている。なんとかやっている、と返すのが精一杯だった真顔
(Yさんのことを嫌いでも否も全くない泣き笑い)


アキ「なんとかやってます(苦笑)申し訳ないんですがいま出先で。もし長くなりそうであれば後ほど折り返します」

Yさん「あ、2,3分で終わるからいいかな?復職後の時短勤務のことなんだけど…」

と、まさかの復職後の話だった。
そういえば母が亡くなる数日前に、人事課へ保活で必要な書類を申請していた。

時短を取るか取らないかで証明書の内容が変わるから念のため確認したい、という内容だった。


復職して、娘を保育園に預けて、時短で働く。
そのときの私には、そんなたった半年後の未来が全く見えなかった


「あぁ時短ですか…」
そんなどうでもいいことか、って反応で返してしまった記憶がある真顔
(2回目だが、Yさんには否はない泣き笑い電話のタイミングが悪すぎただけ昇天)



ダブルケアの現実ってこういうこと。

今夜また泥酔した父が何かしでかさないか、
娘のオムツはどこで替えて、
ミルクはどこで作ってあげるか、
離乳食は何時にあげられそうか。

それしか頭になかった。



  


私の経験談が、プレジデントオンラインに掲載されました。

 

このもしゅだきではまだ更新されていない、母の亡くなったあとの父のことも触れています。

 

「もしゅだきの更新が遅すぎるから待てない」

「いままでの経緯をざっと知りたい」

そんな方におすすめです合格

 

介護に携わる方、育児に翻弄されている方たちにとって、少しでもお役に立てますようににっこり

 

 

 

 

 

 




 

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