今思い出すだけでもあの時の情景が蘇って泣けてくるけれど、出会えてよかった。

涙をいっぱいためながら、私の背中をさすって励ましてくれた看護師Kさん。

私が救われた出会いの1つです。

 

 

 

   

 

 

この記事の続きダウン 

 

 

 

13:00頃

 

アキ「出るよー!送って!」

ゲン「・・・ん?どこに?」

という父との定番化した会話の後に出発し、病院に到着(今日2度目)車

 

 

ゲン「(見回して)お母さんどこにいるんだ?」

 

アキ「(、、、?)病院だよ?」

 

ゲン「あれ?迎えにきたんじゃなかったっけ?」

 

アキ「今日入院になるから荷物持ってきたんだよ」

 

ゲン「え?!入院?!?!」

 

アキ「期間も病状もまだわからない。私が帰るの何時になるかわかんないから、先に帰っててね。待たないでいいからね、このまま帰ってね(念押し)

 

そう言って、小さなキャリーケース1つを持って車から降りた。

いままでの入院グッズには、美味しそうな缶詰フルーツ缶詰をタッパーにうつしたものやゼリーを持たせてたけど、今回は入れてない。

 

あの様子じゃ今日は何も食べられない。

食べられるようになったら、自転車で持ってくればいい。

 

 

 

母がいた外来用の点滴部屋の入り口を覗いて看護師さんに声をかけようとしたら、「あ!どうぞ中に」と看護師さんから声をかけられた。

「え?中入って待つのか」と思いながら午前中と同じベッドまで進む。キャリーケースを押しながら。

 

 

母は寝ていたので、そっと椅子を出して腰かけた。

何の薬かわからないか点滴がされている。

するとすぐに母の目が開いた。

 

アキ「あ、ごめん。起こしちゃった?」

 

キミエ「、、、」

 

アキ「(あれ?)大丈夫?」

 

キミエ「声が(出ない)」

 

アキ「水飲む?」

 

 

私は気がついたが気がつかないふりをしていた。

朝より黄疸が濃くなっていたのだ。特に眼球の。

マスクをしているから動揺は悟られなかった、はず。

 

「バッグ持ってきたよ。今日はこのまま入院になるってね」という言葉に、母は目で返事をした。

返事ができないくらい辛かったんだろう。。。

 

「あ、化粧ポーチ忘れた(前回の記事参照)!あーあ失敗したぁ、、明日自転車で届けるね(笑)」と言ったら、微笑んでた。

 

 

アキ「体は?ちょっと寝られた?」

 

キミエ「痛い」

 

アキ「痛み止め効かないのかぁ」

 

キミエ「まだ」

 

アキ「いつもすぐ効くのにね」

 

キミエ「(首を1回横に振って)まだ」

 

アキ「え?!?!もらえてないの?(あれから4時間は経過している…!!!!)」

 

キミエ「(こくん)」

 

アキ「忘れられてるのかな?!家から持ってくればよかった。ごめんね。ちょっと聞いてみよっか」

 

 

どたばた走り回る看護師さんを呼び止めて「あの、、朝にお願いした鎮痛剤って…」と聞くと、

「何度も(担当部署に)連絡してるんですがまだで。。。ごめんなさい、痛いですよね、、、また督促してみますね」

それにまた母は、か細い声で「痛いよ」と答えた。

 


とっても大きな大学病院だ。院内処方はもちろんできる。

だからこそ、なのか。。。


それにしても遅すぎるだろう。

医療用麻薬というのはそんなに時間がかかるのか…そこの薬局行けばもらえるのに…あ、でも処方箋がない…私がまた家に帰ろうか…

 

 

 

 

 

そんな中、隣のベッドからは大学生と思われる若い女性と看護師さんの声が聞こえてきた。

激狭の簡易ベッド空間なので、入院の大部屋よりもさらに丸聞こえだ。

 

 

母よりもさらにか細く、途切れ途切れの声。

明らかに朦朧としているのが素人の私にもわかるような体調不良の声だった。

 


看護師「誰か荷物持ってこれる人見つかった?」

 

女性「まだ。一旦帰りたい」

 

看護師「この数値じゃ1人では返してあげられないんだ…お友達はどう?」

 

女性「今日はどうしても帰りたい。明日来るんじゃだめですか?」

 

看護師「うーん、、、難しいよ。外は暑いし」

 

女性「大丈夫です」⬅️聞こえてきた声色だけでも、素人の私でさえ大丈夫ではないとわかる。

 

看護師「この数値では、いつまた倒れてもおかしくないよ。大丈夫ではないよ。誰かにお願いして荷物持ってきてもらえないかな?」

 

女性「友達に連絡したけど、まだ返事ないから」

 

看護師「もうちょっと連絡待ってみようか。じゃ点滴取り替えるね」

 

 

苦しんでる人はたくさんいる。

戦っているのは母だけじゃない。

みんな、回復を願ってがんばってる。


なんだかちょっと励まされた。

 

 

 

 

 

14:00頃

 

 

戻ってきてから1時間ほど経ったとき、「入院前にヒアリングさせてもらいたいので、一旦待合スペースに移動していただけますか?」と声をかけられた。

廊下に出て、午前中にお話しした看護師KさんがノートPCでデータを確認しながらヒアリング。

 

・母の体調の変化がいつからか

・母の生年月日

・家族構成

・ここで処方されている以外の薬を飲んでないか

・緊急連絡先 など1つずつ丁寧に聞かれた。

 

 

 

 

親身に聞いてくださるKさんに、私は順番に答えていった。

 

 

・8月●日に頭を強く打ったことダウン


 ・介護ベッドが欲しくて、金曜日に介護保険の申請をしたことダウンでもこんな状態になるとは金曜日は思っていなかったので、認定調査はまだしていないこと。明日火曜日、介護ベッドが納品されること。


 

・黄疸は先週の金曜日夜から出ていることダウン


 

 

・昨日は認知症の父(要介護1)が激しく怒って、午前中には「もう顔も見たくない」と母に言われたことダウン

 

 

 

・今朝は特に弱っていて、自分で起き上がれず、階段もお尻で降りたことダウン


 

・いま私は育休中で、だからこうして平日でも動けること。

 

 

長くて広い待合いスペースには、診察を待つ患者がたくさんいたのに、

人目を気にする余裕などなかった。

質問に冷静に淡々と答えながらも、質問に答えながらそれぞれの日を思い出し始めたら、涙が止まらなかった。


初対面の相手にあんなに泣きながら会話したのは初めてだった。

地域包括のケアマネFさんの前でもここまで泣いてなかったダウン


 

 

 

「つらかったね」

「大変なことたくさんあったね」

「一人で本当に本当によくがんばってるよ」

 

優しいトーンでそう声をかけてもらうたびに、またどんどん泣けてきた。



 

そして、

「退院後はご自宅ではなくて施設入所できるかも含めて、入院フロアのソーシャルワーカーに引継ぎしておくね」

「大丈夫。一人で抱え込まないで。ちゃんと相談できる人が入院の方にもいるから。ね。」

  


最後には、

「お母様のところに戻ってもいいし、このままここで待っててもいいし。落ち着いたらでいいからね。」

と。




母はもっと辛いんだ。

私が弱音を吐いてどうする。

母にこんな泣き顔は見せられない。



呼吸が落ち着いてから、母のところに戻った。





このあと、

「研修医なの?!」と思う若造医師(⬅️失礼)と、

ご意見箱にクレーム入れてやろうかと思うほど憎んだモラハラ医師から、

母と私は病状の説明を受けることになる。



 

 

 

 

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