記憶丸飛び事件の3日後、良く知っているはずの場所で迷子になりかけました。
そこは何年も通った勤務先がある一画。
約束の時間よりかなり早く着いて余裕があると思ったら、出口を間違えて隣のビルに出てしまったことから始まります。
見慣れない景色に一瞬驚いたものの、向かいに待ち合わせのビルを見つけて移動。
時間は待ち合わせの15分前。
待ち合わせには少し早かったのですが、相手も早く来る人だからとそのまま待つことにしました。
5分前、そろそろ来る頃だけどまだ来ない。珍しいな。
約束の時間2分前。少し不安になり始めます。
約束の時間1分前。移動しながら辺りを見回し相手を探します。
時間丁度。ハッと気付いて友達に電話。
すると既に到着済みの相手は違う場所で待っていることが判明。
違う場所と言っても、間違えたのは私の方(おそらく。でも記憶はありません)。
急いで向かおうとしましたが、目の前の景色が良く把握できず、自分のいる場所も分からずその場でオロオロ
辺りを見回しても知っている場所の感じが全くなく、何とも言えない不安な気持ちになりました。
何年も働いていた会社のある、細部まで知り尽くしたビルなのに。
ビルは外も中も以前と少しも変わっていません。
隣のビルと一緒に何年も同じ姿で存在しています。
けれどその日はいくら見直してもしっくりこず、どことも言えない不思議な場所なのでした。
認知症で家に帰れなくなる時ってこんな感じなのかと想像しました。
あの不安な気持ちで家に帰れないなら、とても怖いと思います。