これから子どもたちが夏休みに入る時期になりますね。
夏休み明け近くになるとメディアも「悩みがあったら相談してね」と
一斉に声を上げるのですが…。
夏休みに入る前にこそ、メディアも声を上げ、
学校も悩みを抱えていそうな生徒に対して声をかけたり、
家庭と連携してほしいのです。
夏休み期間は部活を除けば子どもたちはいつもよりも一人で過ごす時間が増えます。
一人で過ごす時間が増えた分、自動思考にとらわれたり、否定的な思考や経験を反すうしてしまう
時間が増えてしまうのです。
「自動思考」とは文字通り、自動、勝手に出てくる思考のことです。
私たちは普段「思考は自分が作り出しているもの」と思っていますが、思考は勝手に出てくるものもあるのです。
特にネガティブになっているときには自己批判的な自動思考が多くなります。
そしてその自己批判的な自動思考を反すうしてしまう中で、強化され、
まるでその内容が本当かのように思い込んでしまう…。
自動思考も反すうも、何か別のことに意識が集中できているときには弱くなります。
何もしていない時には強くなります。
基本的に人間は「何もしない」ことは苦手です。
身体は動いていなくても、身体が動いていない時こそ自動思考を含む思考することは増えます。
瞑想しようとするとよく分かります。
何もせず、ただ座っていると、「今日の夕ご飯は…」とか、「そういえば、あいつがあんなこと言ったな」とか、
とりとめのない思考や過去の経験が出てきます。
そして瞑想しながら夕ご飯のメニューを考え、材料があったかどうかを頭の中の冷蔵庫で探し、
足りないとわかると今すぐに買いに行かなくては!といてもたってもいられなくなることもあるのです。
これが例えばいじめで苦しんでいる場合、苦しい体験、苦しい言葉、苦しい状態を思い返してしまいます…。
そしてその苦しい体験などを繰り返し再体験してしまい、状況が改善されないと思ってしまうと、
絶望を感じてしまいます…。
辛い思いが重いもの、軽いものにかかわらず、絶望という行き止まりを感じてしまうと、
「死」という思考にたどり着きやすくなってしまいます…。
ただ、思考は真実とは限りません。
本来は思考はただ思考であり、それ以上の力はないのです。
ですが、反すうし、強化されてしまうとそれはまるで真実・事実のように感じられてしまうのです…。
このことはいじめに限った話ではなく、一般的なうつ病についての話でもあります。
子どもたちだけではなく、私たち大人も同じです。
だからこそ、学校がある今この時に、苦しんでいる子どもたちを見つけ、
声をかけ、連携して、苦しみを反すうして強化してしまわないように手を差し出さなくてはいけないのです。
わざわざ辛い気持ちを強くしてしまうまで待たないでください!
いじめ対策もそうなのですが、「いじめを見つけること」はあくまで最初の一歩でしかなく、
「見つけて守る、助け出す、回復すること」が目的のはずです。
目的と手段を見誤らないでほしいのです。
いますぐ行動を!!