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法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

役に立つ裁判例の紹介、法律の本の書評です。弁護士経験32年。第二東京弁護士会所属21770

1 遺失物法(平成18年改正前)に基づく報労金請求が権利の濫用として許されないとまではいえないとされた事例

2 株券の拾得者からの遺失物法に基づく報労金請求について,遺失物法4条1項所定の「物件ノ価格」を株券の価格の70パーセントとして報労金が算定された事例

 

大阪高等裁判所判決/平成19年(ネ)第2252号

平成20年1月25日

拾得物報労金請求控訴事件

【判示事項】    1 遺失物法(平成18年法律第73号による改正前のもの。以下同じ。)に基づく報労金請求が権利の濫用として許されないとまではいえないとされた事例

2 株券の拾得者からの遺失物法に基づく報労金請求について,遺失物法4条1項所定の「物件ノ価格」を株券の価格の70パーセントとして報労金が算定された事例

【参照条文】    遺失物法(平18法73号改正前)4-1

          遺失物法施行令(平19政令21号改正前)1-1

          民法1-3

          商法(平17法87号改正前)230の6-1

          会社法228-1

【掲載誌】     判例タイムズ1273号294頁

          判例時報2003号55頁

 

遺失物法

第一節 拾得者の義務

第四条 拾得者は、速やかに、拾得をした物件を遺失者に返還し、又は警察署長に提出しなければならない。ただし、法令の規定によりその所持が禁止されている物に該当する物件及び犯罪の犯人が占有していたと認められる物件は、速やかに、これを警察署長に提出しなければならない。

2 施設において物件(埋蔵物を除く。第三節において同じ。)の拾得をした拾得者(当該施設の施設占有者を除く。)は、前項の規定にかかわらず、速やかに、当該物件を当該施設の施設占有者に交付しなければならない。

3 前二項の規定は、動物の愛護及び管理に関する法律(昭和四十八年法律第百五号)第三十五条第三項に規定する犬又は猫に該当する物件について同項の規定による引取りの求めを行った拾得者については、適用しない。

 

遺失物法施行令

(提出を受けた物件の売却の方法等)

第一条 遺失物法(以下「法」という。)第九条第一項本文又は第二項(これらの規定を法第十三条第二項において準用する場合を含む。)の規定による警察署長が提出を受けた物件の売却は、一般競争入札又は競り売り(以下「一般競争入札等」という。)に付して行わなければならない。ただし、次の各号に掲げる物のいずれかに該当する物件については、随意契約により売却することができる。

一 速やかに売却しなければ価値が著しく減少するおそれのある物

二 一般競争入札等に付したが買受けの申込みをする者がなかった物

三 売却による代金の見込額が一万円を超えないと認められる物

 

睡眠薬等を摂取させて数時間にわたり意識障害及び筋弛緩作用を伴う急性薬物中毒の症状を生じさせた行為につき傷害罪の成立が認められた事例

 

 

              傷害被告事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷決定/平成22年(あ)第340号

【判決日付】      平成24年1月30日

【判示事項】      睡眠薬等を摂取させて数時間にわたり意識障害及び筋弛緩作用を伴う急性薬物中毒の症状を生じさせた行為につき傷害罪の成立が認められた事例

【判決要旨】      病院で勤務中ないし研究中であった者に対し,睡眠薬等を摂取させたことによって,約6時間又は約2時間にわたり意識障害及び筋弛緩作用を伴う急性薬物中毒の症状を生じさせた行為は,傷害罪を構成する。

【参照条文】      刑法204

【掲載誌】        最高裁判所刑事判例集66巻1号36頁

 

刑法

(傷害)

第二百四条 人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

 

旧法人税法施行規則(昭和四〇年改正前)一〇条の四にいう法人の所得計算上損金に算入されない役員に対し支給した賞与にあたるとされた事例

 

 

              法人税法違反

【事件番号】      最高裁判所第1小法廷決定/昭和44年(あ)第541号

【判決日付】      昭和49年9月26日

【判示事項】      旧法人税法施行規則(昭和四〇年政令第九七号による改正前の昭和二二年勅令第一一一号。)一〇条の四にいう法人の所得計算上損金に算入されない役員に対し支給した賞与にあたるとされた事例

【判決要旨】      被告会社が利息の定めなく金員を代表取締役Aに貸与し、もつて同人に与えた通常取得すべき利息相当の経済的利益は、旧法人税法施行規則(昭和四〇年政令第九七号による改正前の昭和二二年勅令第一一一号。)一〇条の四にいう法人の所得の計算上損金に算入されない役員に対して支給した賞与にあたる。

【参照条文】      旧法人税法施行規則(昭和40年政令97号による改正前の昭和22年勅令111号。)10の34

             旧法人税法施行規則(昭和40年政令97号による改正前の昭和22年勅令111号。)10の4

             法人税法35-1

             法人税法35-4

【掲載誌】        最高裁判所裁判集刑事193号385頁

 

法人税法

(役員給与の損金不算入)

第三十四条 内国法人がその役員に対して支給する給与(退職給与で業績連動給与に該当しないもの、使用人としての職務を有する役員に対して支給する当該職務に対するもの及び第三項の規定の適用があるものを除く。以下この項において同じ。)のうち次に掲げる給与のいずれにも該当しないものの額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。

一 その支給時期が一月以下の一定の期間ごとである給与(次号イにおいて「定期給与」という。)で当該事業年度の各支給時期における支給額が同額であるものその他これに準ずるものとして政令で定める給与(同号において「定期同額給与」という。)

二 その役員の職務につき所定の時期に、確定した額の金銭又は確定した数の株式(出資を含む。以下この項及び第五項において同じ。)若しくは新株予約権若しくは確定した額の金銭債権に係る第五十四条第一項(譲渡制限付株式を対価とする費用の帰属事業年度の特例)に規定する特定譲渡制限付株式若しくは第五十四条の二第一項(新株予約権を対価とする費用の帰属事業年度の特例等)に規定する特定新株予約権を交付する旨の定めに基づいて支給する給与で、定期同額給与及び業績連動給与のいずれにも該当しないもの(当該株式若しくは当該特定譲渡制限付株式に係る第五十四条第一項に規定する承継譲渡制限付株式又は当該新株予約権若しくは当該特定新株予約権に係る第五十四条の二第一項に規定する承継新株予約権による給与を含むものとし、次に掲げる場合に該当する場合にはそれぞれ次に定める要件を満たすものに限る。)

イ その給与が定期給与を支給しない役員に対して支給する給与(同族会社に該当しない内国法人が支給する給与で金銭によるものに限る。)以外の給与(株式又は新株予約権による給与で、将来の役務の提供に係るものとして政令で定めるものを除く。)である場合 政令で定めるところにより納税地の所轄税務署長にその定めの内容に関する届出をしていること。

ロ 株式を交付する場合 当該株式が市場価格のある株式又は市場価格のある株式と交換される株式(当該内国法人又は関係法人が発行したものに限る。次号において「適格株式」という。)であること。

ハ 新株予約権を交付する場合 当該新株予約権がその行使により市場価格のある株式が交付される新株予約権(当該内国法人又は関係法人が発行したものに限る。次号において「適格新株予約権」という。)であること。

三 内国法人(同族会社にあつては、同族会社以外の法人との間に当該法人による完全支配関係があるものに限る。)がその業務執行役員(業務を執行する役員として政令で定めるものをいう。以下この号において同じ。)に対して支給する業績連動給与(金銭以外の資産が交付されるものにあつては、適格株式又は適格新株予約権が交付されるものに限る。)で、次に掲げる要件を満たすもの(他の業務執行役員の全てに対して次に掲げる要件を満たす業績連動給与を支給する場合に限る。)

イ 交付される金銭の額若しくは株式若しくは新株予約権の数又は交付される新株予約権の数のうち無償で取得され、若しくは消滅する数の算定方法が、その給与に係る職務を執行する期間の開始の日(イにおいて「職務執行期間開始日」という。)以後に終了する事業年度の利益の状況を示す指標(利益の額、利益の額に有価証券報告書(金融商品取引法第二十四条第一項(有価証券報告書の提出)に規定する有価証券報告書をいう。イにおいて同じ。)に記載されるべき事項による調整を加えた指標その他の利益に関する指標として政令で定めるもので、有価証券報告書に記載されるものに限る。イにおいて同じ。)、職務執行期間開始日の属する事業年度開始の日以後の所定の期間若しくは職務執行期間開始日以後の所定の日における株式の市場価格の状況を示す指標(当該内国法人又は当該内国法人との間に完全支配関係がある法人の株式の市場価格又はその平均値その他の株式の市場価格に関する指標として政令で定めるものに限る。イにおいて同じ。)又は職務執行期間開始日以後に終了する事業年度の売上高の状況を示す指標(売上高、売上高に有価証券報告書に記載されるべき事項による調整を加えた指標その他の売上高に関する指標として政令で定めるもののうち、利益の状況を示す指標又は株式の市場価格の状況を示す指標と同時に用いられるもので、有価証券報告書に記載されるものに限る。)を基礎とした客観的なもの(次に掲げる要件を満たすものに限る。)であること。

(1) 金銭による給与にあつては確定した額を、株式又は新株予約権による給与にあつては確定した数を、それぞれ限度としているものであり、かつ、他の業務執行役員に対して支給する業績連動給与に係る算定方法と同様のものであること。

(2) 政令で定める日までに、会社法第四百四条第三項(指名委員会等の権限等)の報酬委員会(その委員の過半数が当該内国法人の同法第二条第十五号(定義)に規定する社外取締役のうち職務の独立性が確保された者として政令で定める者((2)において「独立社外取締役」という。)であるものに限るものとし、当該内国法人の業務執行役員と政令で定める特殊の関係のある者がその委員であるものを除く。)が決定(当該報酬委員会の委員である独立社外取締役の全員が当該決定に係る当該報酬委員会の決議に賛成している場合における当該決定に限る。)をしていることその他の政令で定める適正な手続を経ていること。

(3) その内容が、(2)の政令で定める適正な手続の終了の日以後遅滞なく、有価証券報告書に記載されていることその他財務省令で定める方法により開示されていること。

ロ その他政令で定める要件

2 内国法人がその役員に対して支給する給与(前項又は次項の規定の適用があるものを除く。)の額のうち不相当に高額な部分の金額として政令で定める金額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。

3 内国法人が、事実を隠蔽し、又は仮装して経理をすることによりその役員に対して支給する給与の額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。

4 前三項に規定する給与には、債務の免除による利益その他の経済的な利益を含むものとする。

5 第一項に規定する業績連動給与とは、利益の状況を示す指標、株式の市場価格の状況を示す指標その他の同項の内国法人又は当該内国法人との間に支配関係がある法人の業績を示す指標を基礎として算定される額又は数の金銭又は株式若しくは新株予約権による給与及び第五十四条第一項に規定する特定譲渡制限付株式若しくは承継譲渡制限付株式又は第五十四条の二第一項に規定する特定新株予約権若しくは承継新株予約権による給与で無償で取得され、又は消滅する株式又は新株予約権の数が役務の提供期間以外の事由により変動するものをいう。

6 第一項に規定する使用人としての職務を有する役員とは、役員(社長、理事長その他政令で定めるものを除く。)のうち、部長、課長その他法人の使用人としての職制上の地位を有し、かつ、常時使用人としての職務に従事するものをいう。

7 第一項第二号ロ及びハに規定する関係法人とは、同項の内国法人との間に支配関係がある法人として政令で定める法人をいう。

8 第四項から前項までに定めるもののほか、第一項から第三項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

第三十五条 削除

(過大な使用人給与の損金不算入)

第三十六条 内国法人がその役員と政令で定める特殊の関係のある使用人に対して支給する給与(債務の免除による利益その他の経済的な利益を含む。)の額のうち不相当に高額な部分の金額として政令で定める金額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。

 

第5章 保護対象の拡充(令和2年4月1日施行)

「画像」「建築物」「内装」も意匠登録できるようになり、 保護される対象が広がる

ポイントは、次の2つです。

①「意匠」の定義に、「画像」「建築物」を含める

②全体として統一的な美感を起こさせる「内装」が一つの意匠として登録できる

 

これまでは、意匠法の保護対象は「物品」に限られ、不動産や固体以外のものなど、「物品」でないものは保護されませんでしたが、改正により保護対象を拡充し、新たに「画像」、「建築物」、「内装」のデザインについても、登録ができるようになりました。

 

物品に記録・表示されていない画像デザインも保護できるよう、「画像」そのものも保護対象に。また、不動産である建築物のデザインも保護できるよう、「建築物」も保護対象に。

 

複数の物品、壁、床、天井等から構成される「内装」のデザインについても、一意匠として登録可能に。

 

意匠の定義に「画像」を含める

 

改正前は、「物品に記録・表示される画像」のみ「意匠」にあたるものとして保護されていました。 しかしながら、近年、投影技術の発達・インターネットサービスの多様化・スマートフォンの普及により、 「物品に記録・表示される画像」にあたらない画像についても、優れたデザインを有するものが増えてきました。

 

そこで、 「物品に記録・表示される画像」にあたらない画像についても、意匠権で保護されるように意匠の定義が見直される ことになりました。

 

「物品に記録・表示される画像」とは?

「物品に記録・表示される画像」にあたるもの

・スマートフォンやDVDプレイヤーの操作画像

 

「物品に記録・表示される画像」にあたらないもの

・道路に投影される画像

・サーバーやクラウド上から機器に送信される画像

 

改正により、物品に記録・表示されているか否かにかかわらず、 「表示画像」と「操作画像」 も保護の対象となります

 

改正意匠法で保護される画像とは?

「表示画像」…例)道路に投影される画像

 

「操作画像」…例)サーバーやクラウド上から機器に送信される画像

 

 

「意匠」の定義に「建築物」を含める

 

改正前は、モノ(動産)のデザインのみ「意匠」として保護され、 建築物(不動産)のデザインは、保護の対象ではありませんでした。 しかしながら、昨今、モノ(動産)のデザインのみならず、空間のデザインに工夫が施されるようになってきました。 そのため、これらが容易に模倣されることないように保護することが求められるようになりました。

 

そこで、新法では、建築物(不動産)のデザインも保護されます。

 

 

全体として統一的な美感を起こさせる「内装」が一つの意匠として登録できる

 

昨今、家具・設備などの配置や、壁・床の装飾など空間のデザインに工夫が施されるようになってきました。

すなわち、建築物の「内装」についても、工夫が凝らされたデザインが多く制作されるようになりました。 「内装」とは、家具・設備・壁と床の装飾などの複数のモノによって構成されているものです。

 

しかしながら、意匠法は、 一つのモノに対して一つの意匠のみ登録できるという原則(一意匠一出願の原則) です。そのため、改正前は、 「内装」を構成するモノ(家具・設備など) に対して、意匠登録するほかありませんでした。

 

最近、カウンター・テーブル・ライト・壁飾りなど、統一感があってとても素敵な内装のお店がありますね。そのようなお店の内装は、一つの意匠として登録できなかったのですね。

内装というのは、そのような複数のモノで構成されているので、 一つの意匠として登録すると、一意匠一出願の原則に反してしまうのです。

そこで、改正意匠法では、「内装」については、一つのモノに対して一つの意匠のみ登録できるというルール(一意匠一出願の原則)の例外を認め、 全体として統一的な美感を起こさせる内装であれば、一つの意匠として登録できる ことになりました。

 

1 都市緑地法52条1項にいう「土地所有者等」の意義

2 大阪府寝屋川市長がした緑地協定廃止認可処分が,同協定区域内の土地所有者等の過半数の合意(都市緑地法52条1項)を欠いてされたものであり違法であるとして,取り消された事例

3 緑地協定廃止認可処分が違法である旨の判断をするに当たり,同処分の取消しにより公の利益に著しい障害を生ずるものとは認められず,行政事件訴訟法31条1項を適用して請求を棄却(いわゆる事情判決)すべき場合に当たらないとして,同処分が取り消された事例

 

大阪地方裁判所判決/平成18年(行ウ)第159号

平成20年1月30日

緑地協定廃止認可取消請求事件

【判示事項】    1 都市緑地法52条1項にいう「土地所有者等」の意義

2 大阪府寝屋川市長がした緑地協定廃止認可処分が,同協定区域内の土地所有者等の過半数の合意(都市緑地法52条1項)を欠いてされたものであり違法であるとして,取り消された事例

3 緑地協定廃止認可処分が違法である旨の判断をするに当たり,同処分の取消しにより公の利益に著しい障害を生ずるものとは認められず,行政事件訴訟法31条1項を適用して請求を棄却(いわゆる事情判決)すべき場合に当たらないとして,同処分が取り消された事例

【参照条文】    都市緑地法54

          都市緑地法52-1

          行政事件訴訟法31-1

 

都市緑地法

(緑地協定の廃止)

第五十二条 緑地協定区域内の土地所有者等(当該緑地協定の効力が及ばない者を除く。)は、第四十五条第四項又は第四十八条第一項の認可を受けた緑地協定を廃止しようとする場合においては、その過半数の合意をもつてその旨を定め、市町村長の認可を受けなければならない。

2 市町村長は、前項の認可をしたときは、その旨を公告しなければならない。

 

(緑地協定の設定の特則)

第五十四条 都市計画区域又は準都市計画区域内における相当規模の一団の土地(第四十五条第一項の政令で定める土地を除く。)で、一の所有者以外に土地所有者等が存しないものの所有者は、地域の良好な環境の確保のため必要があると認めるときは、市町村長の認可を受けて、当該土地の区域を緑地協定区域とする緑地協定を定めることができる。

2 市町村長は、前項の規定による緑地協定の認可の申請が第四十七条第一項各号に該当し、かつ、当該緑地協定が地域の良好な環境の確保のため必要であると認める場合に限り、当該緑地協定を認可するものとする。

3 第四十七条第二項の規定は、市町村長が前項の規定により認可した場合について準用する。

4 第二項の規定による認可を受けた緑地協定は、認可の日から起算して三年以内において当該緑地協定区域内の土地に二以上の土地所有者等が存することとなつた時から、第四十七条第二項の規定による認可の公告のあつた緑地協定と同一の効力を有する緑地協定となる。

 

行政事件訴訟法

(特別の事情による請求の棄却)

第三十一条 取消訴訟については、処分又は裁決が違法ではあるが、これを取り消すことにより公の利益に著しい障害を生ずる場合において、原告の受ける損害の程度、その損害の賠償又は防止の程度及び方法その他一切の事情を考慮したうえ、処分又は裁決を取り消すことが公共の福祉に適合しないと認めるときは、裁判所は、請求を棄却することができる。この場合には、当該判決の主文において、処分又は裁決が違法であることを宣言しなければならない。

2 裁判所は、相当と認めるときは、終局判決前に、判決をもつて、処分又は裁決が違法であることを宣言することができる。

3 終局判決に事実及び理由を記載するには、前項の判決を引用することができる。

 

図利加害の意欲ないし積極的認容と特別背任罪における図利加害行為

 

恐喝、商法違反被告事件

【事件番号】      最高裁判所第2小法廷決定/昭和60年(あ)第714号

【判決日付】      昭和63年11月21日

【判示事項】      図利加害の意欲ないし積極的認容と特別背任罪における図利加害行為

【判決要旨】      特別背任罪における図利加害目的の存在を肯認するには、図利加害の意欲ないし積極的認容までを要するものではない。

【参照条文】      商法486

             刑法247

【掲載誌】        最高裁判所刑事判例集42巻9号1251頁

 

刑法

(背任)

第二百四十七条 他人のためにその事務を処理する者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、本人に財産上の損害を加えたときは、五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

 

会社法

(取締役等の特別背任罪)

第九百六十条 次に掲げる者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は株式会社に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該株式会社に財産上の損害を加えたときは、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

一 発起人

二 設立時取締役又は設立時監査役

三 取締役、会計参与、監査役又は執行役

四 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された取締役、監査役又は執行役の職務を代行する者

五 第三百四十六条第二項、第三百五十一条第二項又は第四百一条第三項(第四百三条第三項及び第四百二十条第三項において準用する場合を含む。)の規定により選任された一時取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役、代表取締役、委員(指名委員会、監査委員会又は報酬委員会の委員をいう。)、執行役又は代表執行役の職務を行うべき者

六 支配人

七 事業に関するある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人

八 検査役

2 次に掲げる者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は清算株式会社に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該清算株式会社に財産上の損害を加えたときも、前項と同様とする。

一 清算株式会社の清算人

二 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された清算株式会社の清算人の職務を代行する者

三 第四百七十九条第四項において準用する第三百四十六条第二項又は第四百八十三条第六項において準用する第三百五十一条第二項の規定により選任された一時清算人又は代表清算人の職務を行うべき者

四 清算人代理

五 監督委員

六 調査委員

 

出願の電柱広告方法が特許法第1条にいう工業的発明を構成しないものとされた事例

 

 

特許願拒絶査定不服抗告審判審決取消請求訴訟事件

【事件番号】      東京高等裁判所判決/昭和31年(行ナ)第12号

【判決日付】      昭和31年12月25日

【判示事項】      1、出願の電柱広告方法が特許法第1条にいう工業的発明を構成しないものとされた事例

             2、特許法第113条にいわゆる拒絶の査定に対する抗告審判においてその査定の理由と異なる拒絶の理由を発見したる場合に該当しないものとされた事例

【判決要旨】      1、電柱および広告板を数個の組とし、電柱に付した拘止具により一定期間ずつ移転順回して掲示せしめ、広告効果を大ならしめようとする広告方法は、広告板の移動順回に少しも自然力を利用しないものであるから、特許法第1条にいわゆる工業的発明を構成するものということはできない。

             2、省略

【掲載誌】        行政事件裁判例集7巻12号3157頁

 

特許法

(定義)

第二条 この法律で「発明」とは、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいう。

2 この法律で「特許発明」とは、特許を受けている発明をいう。

3 この法律で発明について「実施」とは、次に掲げる行為をいう。

一 物(プログラム等を含む。以下同じ。)の発明にあつては、その物の生産、使用、譲渡等(譲渡及び貸渡しをいい、その物がプログラム等である場合には、電気通信回線を通じた提供を含む。以下同じ。)、輸出若しくは輸入又は譲渡等の申出(譲渡等のための展示を含む。以下同じ。)をする行為

二 方法の発明にあつては、その方法の使用をする行為

三 物を生産する方法の発明にあつては、前号に掲げるもののほか、その方法により生産した物の使用、譲渡等、輸出若しくは輸入又は譲渡等の申出をする行為

4 この法律で「プログラム等」とは、プログラム(電子計算機に対する指令であつて、一の結果を得ることができるように組み合わされたものをいう。以下この項において同じ。)その他電子計算機による処理の用に供する情報であつてプログラムに準ずるものをいう。

 

第六十七条の三 審査官は、第六十七条第二項の延長登録の出願が次の各号のいずれかに該当するときは、その出願について拒絶をすべき旨の査定をしなければならない。

一 その特許権の設定の登録が基準日以後にされていないとき。

二 その延長を求める期間がその特許権の存続期間に係る延長可能期間を超えているとき。

三 その出願をした者が当該特許権者でないとき。

四 その出願が前条第四項に規定する要件を満たしていないとき。

2 審査官は、第六十七条第二項の延長登録の出願について拒絶の理由を発見しないときは、延長登録をすべき旨の査定をしなければならない。

3 前項の査定があつたときは、延長登録をする。

4 前項の延長登録があつたときは、次に掲げる事項を特許公報に掲載しなければならない。

一 特許権者の氏名又は名称及び住所又は居所

二 特許番号

三 第六十七条第二項の延長登録の出願の番号及び年月日

四 延長登録の年月日

五 延長の期間

六 特許出願の番号及び年月日

七 出願審査の請求があつた年月日

 

原告が,税務署所長から4年分の各事業年度の役員らに対する役員報酬及び退職給与に不相当な高額部分があり,各事業年度の所得の損金に算入されないとして,各事業年度の法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分を受けたことから,被告(国)に対し,本件各更生処分の一部及び本件各賦課決定処分の取消しを求めた事案。

 

 

法人税更正処分取消等請求事件

【事件番号】      東京地方裁判所判決/平成25年(行ウ)第5号

【判決日付】      平成28年4月22日

【判示事項】      原告が,税務署所長から4年分の各事業年度の役員らに対する役員報酬及び退職給与に不相当な高額部分があり,各事業年度の所得の損金に算入されないとして,各事業年度の法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分を受けたことから,被告(国)に対し,本件各更生処分の一部及び本件各賦課決定処分の取消しを求めた事案。

裁判所は,本件退職給与に不相当に高額な部分の金額があるとはいえないとしたが,本件役員報酬の不相当に高額な部分は損金に算入できないとし,各法人税更正処分のうち欠損金1億5000万円余を限度としてその取消しを求める部分は理由があるとし,これを前提にすると新たな納付税額はなく過少申告加算税を課すことはできないとして,同事業年度の過少申告加算税の賦課決定処分を取消した事例

【掲載誌】        LLI/DB 判例秘書登載

 

法人税法

(役員給与の損金不算入)

第三十四条 内国法人がその役員に対して支給する給与(退職給与で業績連動給与に該当しないもの、使用人としての職務を有する役員に対して支給する当該職務に対するもの及び第三項の規定の適用があるものを除く。以下この項において同じ。)のうち次に掲げる給与のいずれにも該当しないものの額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。

一 その支給時期が一月以下の一定の期間ごとである給与(次号イにおいて「定期給与」という。)で当該事業年度の各支給時期における支給額が同額であるものその他これに準ずるものとして政令で定める給与(同号において「定期同額給与」という。)

二 その役員の職務につき所定の時期に、確定した額の金銭又は確定した数の株式(出資を含む。以下この項及び第五項において同じ。)若しくは新株予約権若しくは確定した額の金銭債権に係る第五十四条第一項(譲渡制限付株式を対価とする費用の帰属事業年度の特例)に規定する特定譲渡制限付株式若しくは第五十四条の二第一項(新株予約権を対価とする費用の帰属事業年度の特例等)に規定する特定新株予約権を交付する旨の定めに基づいて支給する給与で、定期同額給与及び業績連動給与のいずれにも該当しないもの(当該株式若しくは当該特定譲渡制限付株式に係る第五十四条第一項に規定する承継譲渡制限付株式又は当該新株予約権若しくは当該特定新株予約権に係る第五十四条の二第一項に規定する承継新株予約権による給与を含むものとし、次に掲げる場合に該当する場合にはそれぞれ次に定める要件を満たすものに限る。)

イ その給与が定期給与を支給しない役員に対して支給する給与(同族会社に該当しない内国法人が支給する給与で金銭によるものに限る。)以外の給与(株式又は新株予約権による給与で、将来の役務の提供に係るものとして政令で定めるものを除く。)である場合 政令で定めるところにより納税地の所轄税務署長にその定めの内容に関する届出をしていること。

ロ 株式を交付する場合 当該株式が市場価格のある株式又は市場価格のある株式と交換される株式(当該内国法人又は関係法人が発行したものに限る。次号において「適格株式」という。)であること。

ハ 新株予約権を交付する場合 当該新株予約権がその行使により市場価格のある株式が交付される新株予約権(当該内国法人又は関係法人が発行したものに限る。次号において「適格新株予約権」という。)であること。

三 内国法人(同族会社にあつては、同族会社以外の法人との間に当該法人による完全支配関係があるものに限る。)がその業務執行役員(業務を執行する役員として政令で定めるものをいう。以下この号において同じ。)に対して支給する業績連動給与(金銭以外の資産が交付されるものにあつては、適格株式又は適格新株予約権が交付されるものに限る。)で、次に掲げる要件を満たすもの(他の業務執行役員の全てに対して次に掲げる要件を満たす業績連動給与を支給する場合に限る。)

イ 交付される金銭の額若しくは株式若しくは新株予約権の数又は交付される新株予約権の数のうち無償で取得され、若しくは消滅する数の算定方法が、その給与に係る職務を執行する期間の開始の日(イにおいて「職務執行期間開始日」という。)以後に終了する事業年度の利益の状況を示す指標(利益の額、利益の額に有価証券報告書(金融商品取引法第二十四条第一項(有価証券報告書の提出)に規定する有価証券報告書をいう。イにおいて同じ。)に記載されるべき事項による調整を加えた指標その他の利益に関する指標として政令で定めるもので、有価証券報告書に記載されるものに限る。イにおいて同じ。)、職務執行期間開始日の属する事業年度開始の日以後の所定の期間若しくは職務執行期間開始日以後の所定の日における株式の市場価格の状況を示す指標(当該内国法人又は当該内国法人との間に完全支配関係がある法人の株式の市場価格又はその平均値その他の株式の市場価格に関する指標として政令で定めるものに限る。イにおいて同じ。)又は職務執行期間開始日以後に終了する事業年度の売上高の状況を示す指標(売上高、売上高に有価証券報告書に記載されるべき事項による調整を加えた指標その他の売上高に関する指標として政令で定めるもののうち、利益の状況を示す指標又は株式の市場価格の状況を示す指標と同時に用いられるもので、有価証券報告書に記載されるものに限る。)を基礎とした客観的なもの(次に掲げる要件を満たすものに限る。)であること。

(1) 金銭による給与にあつては確定した額を、株式又は新株予約権による給与にあつては確定した数を、それぞれ限度としているものであり、かつ、他の業務執行役員に対して支給する業績連動給与に係る算定方法と同様のものであること。

(2) 政令で定める日までに、会社法第四百四条第三項(指名委員会等の権限等)の報酬委員会(その委員の過半数が当該内国法人の同法第二条第十五号(定義)に規定する社外取締役のうち職務の独立性が確保された者として政令で定める者((2)において「独立社外取締役」という。)であるものに限るものとし、当該内国法人の業務執行役員と政令で定める特殊の関係のある者がその委員であるものを除く。)が決定(当該報酬委員会の委員である独立社外取締役の全員が当該決定に係る当該報酬委員会の決議に賛成している場合における当該決定に限る。)をしていることその他の政令で定める適正な手続を経ていること。

(3) その内容が、(2)の政令で定める適正な手続の終了の日以後遅滞なく、有価証券報告書に記載されていることその他財務省令で定める方法により開示されていること。

ロ その他政令で定める要件

2 内国法人がその役員に対して支給する給与(前項又は次項の規定の適用があるものを除く。)の額のうち不相当に高額な部分の金額として政令で定める金額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。

3 内国法人が、事実を隠蔽し、又は仮装して経理をすることによりその役員に対して支給する給与の額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。

4 前三項に規定する給与には、債務の免除による利益その他の経済的な利益を含むものとする。

5 第一項に規定する業績連動給与とは、利益の状況を示す指標、株式の市場価格の状況を示す指標その他の同項の内国法人又は当該内国法人との間に支配関係がある法人の業績を示す指標を基礎として算定される額又は数の金銭又は株式若しくは新株予約権による給与及び第五十四条第一項に規定する特定譲渡制限付株式若しくは承継譲渡制限付株式又は第五十四条の二第一項に規定する特定新株予約権若しくは承継新株予約権による給与で無償で取得され、又は消滅する株式又は新株予約権の数が役務の提供期間以外の事由により変動するものをいう。

6 第一項に規定する使用人としての職務を有する役員とは、役員(社長、理事長その他政令で定めるものを除く。)のうち、部長、課長その他法人の使用人としての職制上の地位を有し、かつ、常時使用人としての職務に従事するものをいう。

7 第一項第二号ロ及びハに規定する関係法人とは、同項の内国法人との間に支配関係がある法人として政令で定める法人をいう。

8 第四項から前項までに定めるもののほか、第一項から第三項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

 

国税通則法

(過少申告加算税)

第六十五条 期限内申告書(還付請求申告書を含む。第三項において同じ。)が提出された場合(期限後申告書が提出された場合において、次条第一項ただし書又は第九項の規定の適用があるときを含む。)において、修正申告書の提出又は更正があつたときは、当該納税者に対し、その修正申告又は更正に基づき第三十五条第二項(申告納税方式による国税等の納付)の規定により納付すべき税額に百分の十の割合(修正申告書の提出が、その申告に係る国税についての調査があつたことにより当該国税について更正があるべきことを予知してされたものでないときは、百分の五の割合)を乗じて計算した金額に相当する過少申告加算税を課する。

2 前項の規定に該当する場合(第六項の規定の適用がある場合を除く。)において、前項に規定する納付すべき税額(同項の修正申告又は更正前に当該修正申告又は更正に係る国税について修正申告書の提出又は更正があつたときは、その国税に係る累積増差税額を加算した金額)がその国税に係る期限内申告税額に相当する金額と五十万円とのいずれか多い金額を超えるときは、同項の過少申告加算税の額は、同項の規定にかかわらず、同項の規定により計算した金額に、その超える部分に相当する税額(同項に規定する納付すべき税額が当該超える部分に相当する税額に満たないときは、当該納付すべき税額)に百分の五の割合を乗じて計算した金額を加算した金額とする。

3 前項において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

一 累積増差税額 第一項の修正申告又は更正前にされたその国税についての修正申告書の提出又は更正に基づき第三十五条第二項の規定により納付すべき税額の合計額(当該国税について、当該納付すべき税額を減少させる更正又は更正に係る不服申立て若しくは訴えについての決定、裁決若しくは判決による原処分の異動があつたときはこれらにより減少した部分の税額に相当する金額を控除した金額とし、第五項の規定の適用があつたときは同項の規定により控除すべきであつた金額を控除した金額とする。)

二 期限内申告税額 期限内申告書(次条第一項ただし書又は第九項の規定の適用がある場合には、期限後申告書を含む。第五項第二号において同じ。)の提出に基づき第三十五条第一項又は第二項の規定により納付すべき税額(これらの申告書に係る国税について、次に掲げる金額があるときは当該金額を加算した金額とし、所得税、法人税、地方法人税、相続税又は消費税に係るこれらの申告書に記載された還付金の額に相当する税額があるときは当該税額を控除した金額とする。)

イ 所得税法第九十五条(外国税額控除)若しくは第百六十五条の六(非居住者に係る外国税額の控除)の規定による控除をされるべき金額、第一項の修正申告若しくは更正に係る同法第百二十条第一項第四号(確定所得申告)(同法第百六十六条(申告、納付及び還付)において準用する場合を含む。)に規定する源泉徴収税額に相当する金額、同法第百二十条第二項(同法第百六十六条において準用する場合を含む。)に規定する予納税額又は災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律(昭和二十二年法律第百七十五号)第二条(所得税の軽減又は免除)の規定により軽減若しくは免除を受けた所得税の額

ロ 法人税法第二条第三十八号(定義)に規定する中間納付額、同法第六十八条(所得税額の控除)(同法第百四十四条(外国法人に係る所得税額の控除)において準用する場合を含む。)、第六十九条(外国税額の控除)若しくは第百四十四条の二(外国法人に係る外国税額の控除)の規定による控除をされるべき金額又は同法第九十条(退職年金等積立金に係る中間申告による納付)(同法第百四十五条の五(申告及び納付)において準用する場合を含む。)の規定により納付すべき法人税の額(その額につき修正申告書の提出又は更正があつた場合には、その申告又は更正後の法人税の額)

ハ 地方法人税法第二条第十八号(定義)に規定する中間納付額、同法第十二条(外国税額の控除)の規定による控除をされるべき金額又は同法第二十条第二項(中間申告による納付)の規定により納付すべき地方法人税の額(その額につき修正申告書の提出又は更正があつた場合には、その申告又は更正後の地方法人税の額)

ニ 相続税法第二十条の二(在外財産に対する相続税額の控除)、第二十一条の八(在外財産に対する贈与税額の控除)、第二十一条の十五第三項及び第二十一条の十六第四項(相続時精算課税に係る相続税額)の規定による控除をされるべき金額

ホ 消費税法第二条第一項第二十号(定義)に規定する中間納付額

4 第一項の規定に該当する場合において、当該納税者が、帳簿(財務省令で定めるものに限るものとし、その作成又は保存に代えて電磁的記録の作成又は保存がされている場合における当該電磁的記録を含む。以下この項及び次条第五項において同じ。)に記載し、又は記録すべき事項に関しその修正申告書の提出又は更正(以下この項において「修正申告等」という。)があつた時前に、国税庁、国税局又は税務署の当該職員(以下この項及び同条第五項において「当該職員」という。)から当該帳簿の提示又は提出を求められ、かつ、次に掲げる場合のいずれかに該当するとき(当該納税者の責めに帰すべき事由がない場合を除く。)は、第一項の過少申告加算税の額は、同項及び第二項の規定にかかわらず、これらの規定により計算した金額に、第一項に規定する納付すべき税額(その税額の計算の基礎となるべき事実で当該修正申告等の基因となる当該帳簿に記載し、又は記録すべき事項に係るもの以外のもの(以下この項において「帳簿に記載すべき事項等に係るもの以外の事実」という。)があるときは、当該帳簿に記載すべき事項等に係るもの以外の事実に基づく税額として政令で定めるところにより計算した金額を控除した税額)に百分の十の割合(第二号に掲げる場合に該当するときは、百分の五の割合)を乗じて計算した金額を加算した金額とする。

一 当該職員に当該帳簿の提示若しくは提出をしなかつた場合又は当該職員にその提示若しくは提出がされた当該帳簿に記載し、若しくは記録すべき事項のうち、納税申告書の作成の基礎となる重要なものとして財務省令で定める事項(次号及び次条第五項において「特定事項」という。)の記載若しくは記録が著しく不十分である場合として財務省令で定める場合

二 当該職員にその提示又は提出がされた当該帳簿に記載し、又は記録すべき事項のうち、特定事項の記載又は記録が不十分である場合として財務省令で定める場合(前号に掲げる場合を除く。)

5 次の各号に掲げる場合には、第一項又は第二項に規定する納付すべき税額から当該各号に定める税額として政令で定めるところにより計算した金額を控除して、これらの項の規定を適用する。

一 第一項又は第二項に規定する納付すべき税額の計算の基礎となつた事実のうちにその修正申告又は更正前の税額(還付金の額に相当する税額を含む。)の計算の基礎とされていなかつたことについて正当な理由があると認められるものがある場合 その正当な理由があると認められる事実に基づく税額

二 第一項の修正申告又は更正前に当該修正申告又は更正に係る国税について期限内申告書の提出により納付すべき税額を減少させる更正その他これに類するものとして政令で定める更正(更正の請求に基づく更正を除く。)があつた場合 当該期限内申告書に係る税額(還付金の額に相当する税額を含む。)に達するまでの税額

6 第一項の規定は、修正申告書の提出が、その申告に係る国税についての調査があつたことにより当該国税について更正があるべきことを予知してされたものでない場合において、その申告に係る国税についての調査に係る第七十四条の九第一項第四号及び第五号(納税義務者に対する調査の事前通知等)に掲げる事項その他政令で定める事項の通知(次条第六項第二号及び第八項において「調査通知」という。)がある前に行われたものであるときは、適用しない。

 

第4章 改正の目的

今回の法改正の目的について、特許庁の立法担当者は次のように述べています。

 

優良な顧客体験が競争力の源泉として重要性を高める中、デジタル技術を活用したデザイン等の保護や、ブランド構築のため、意匠制度を強化する。

 

引用元│特許庁「令和元年度特許法等改正説明会テキスト」(URL)

 

すなわち、今回、意匠法の改正にいたる背景には、次のような事項がありました。

 

改正に至る背景

店舗の内装デザインの重要性

 

昨今、あらゆる分野においてオンライン化が進む中で、実際に店舗に足を運んだ顧客に対しては、オンラインでは体験できない特別の体験を提供するために、店舗の内装デザインなどを工夫することが重要となってきました。

 

デジタル技術を活用した画像保護の必要性

 

デジタル技術を活用した画像などのデザインを保護する必要性も高まっていました

 

統一的なコンセプトのもとで、複数のデザインが発生

 

企業のブランド戦略の観点から、デザインのコンセプトを統一し、似たようなデザインでもって複数のバリエーションの商品を生み出す事例も増えてきました。

 

そこで、意匠法の改正を見直し、従来保護されていなかったデザインを保護して、意匠制度が強化されるに至りました。

 

匿名組合契約の営業者であった被控訴人は、アイルランドの法令に基づき設立された法人である匿名組合員に対して当該各契約に基づき利益の分配として支払をしたが、その際、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とアイルランドとの間の条約の規定が適用されて被控訴人らは所得税法212条1項に基づく源泉徴収に係る所得税(以下「源泉所得税」という。)を徴収して国に納付すべき義務を負わないと判断して、源泉所得税の徴収及び国への納付義務を負わない。

 

東京高等裁判所判決

【判決日付】    平成26年10月29日

          各納税告知処分取消等請求控訴事件

【掲載誌】     税務訴訟資料264号順号12555

 

所得税法

(源泉徴収義務)

第二百十二条 非居住者に対し国内において第百六十一条第一項第四号から第十六号まで(国内源泉所得)に掲げる国内源泉所得(政令で定めるものを除く。)の支払をする者又は外国法人に対し国内において同項第四号から第十一号まで若しくは第十三号から第十六号までに掲げる国内源泉所得(第百八十条第一項(恒久的施設を有する外国法人の受ける国内源泉所得に係る課税の特例)又は第百八十条の二第一項若しくは第二項(信託財産に係る利子等の課税の特例)の規定に該当するもの及び政令で定めるものを除く。)の支払をする者は、その支払の際、これらの国内源泉所得について所得税を徴収し、その徴収の日の属する月の翌月十日までに、これを国に納付しなければならない。

2 前項に規定する国内源泉所得の支払が国外において行われる場合において、その支払をする者が国内に住所若しくは居所を有し、又は国内に事務所、事業所その他これらに準ずるものを有するときは、その者が当該国内源泉所得を国内において支払うものとみなして、同項の規定を適用する。この場合において、同項中「翌月十日まで」とあるのは、「翌月末日まで」とする。

3 内国法人に対し国内において第百七十四条各号(内国法人に係る所得税の課税標準)に掲げる利子等、配当等、給付補塡金、利息、利益、差益、利益の分配又は賞金(これらのうち第百七十六条第一項若しくは第二項(信託財産に係る利子等の課税の特例)又は第百七十七条(完全子法人株式等に係る配当等の課税の特例)の規定に該当するものを除く。)の支払をする者は、その支払の際、当該利子等、配当等、給付補塡金、利息、利益、差益、利益の分配又は賞金について所得税を徴収し、その徴収の日の属する月の翌月十日までに、これを国に納付しなければならない。

4 第百八十一条第二項(源泉徴収義務)の規定は第一項又は前項の規定を適用する場合について、第百八十三条第二項(源泉徴収義務)の規定は第一項の規定を適用する場合についてそれぞれ準用する。

5 第百六十一条第一項第四号に規定する配分を受ける同号に掲げる国内源泉所得については、同号に規定する組合契約を締結している組合員(これに類する者で政令で定めるものを含む。)である非居住者又は外国法人が当該組合契約に定める計算期間その他これに類する期間(これらの期間が一年を超える場合は、これらの期間をその開始の日以後一年ごとに区分した各期間(最後に一年未満の期間を生じたときは、その一年未満の期間)。以下この項において「計算期間」という。)において生じた当該国内源泉所得につき金銭その他の資産(以下この項において「金銭等」という。)の交付を受ける場合には、当該配分をする者を当該国内源泉所得の支払をする者とみなし、当該金銭等の交付をした日(当該計算期間の末日の翌日から二月を経過する日までに当該国内源泉所得に係る金銭等の交付がされない場合には、同日)においてその支払があつたものとみなして、この法律の規定を適用する。

 

       主   文

 1 本件控訴を棄却する。

 2 控訴費用は控訴人の負担とする。

       事実及び理由

第1 控訴の趣旨

 1 原判決を取り消す。

 2 被控訴人らの請求をいずれも棄却する。

 3 訴訟費用は、第1、2審とも被控訴人らの負担とする。

第2 事案の概要等

 1 いずれも匿名組合契約の営業者であった被控訴人C(以下「被控訴人C」という。)及び被控訴人D(以下「被控訴人D」といい、被控訴人Cと併せて「被控訴人ら」という。)は、アイルランドの法令に基づき設立された法人である匿名組合員に対して当該各契約に基づき利益の分配として支払をしたが、その際、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とアイルランドとの間の条約(以下「日愛租税条約」という。)の規定が適用されて被控訴人らは所得税法212条1項に基づく源泉徴収に係る所得税(以下「源泉所得税」という。)を徴収して国に納付すべき義務を負わないと判断して、源泉所得税の徴収及び国への納付をしなかった。

   本件は、事務の承継前の処分行政庁であった麻布税務署長が、被控訴人らに対し、被控訴人らが上記のように利益の分配として支払をした金額のうち99%に相当する部分については日愛租税条約の規定の適用がなく、所得税法212条1項に基づき源泉所得税を徴収して国に納付すべき義務を負うものであるとして、被控訴人Cに対しては原判決別表1-2に記載のとおりの内容の源泉所得税の各納税の告知の処分(以下「本件各納税告知処分1」という。)及び不納付加算税の各賦課決定(以下「本件各不納付加算税賦課決定処分1」という。)を、被控訴人Dに対しては原判決別表2-2に記載のとおりの内容の源泉所得税の各納税の告知の処分(以下「本件各納税告知処分2」という。)及び不納付加算税の各賦課決定(以下「本件各不納付加算税賦課決定処分2」という。また、本件各納税告知処分1、本件各不納付加算税賦課決定処分1、本件各納税告知処分2及び本件各不納付加算税賦課決定処分2を併せて「本件各処分」という。)をしたため、被控訴人らが本件各処分の取消しを求めるとともに、国税通則法(以下「通則法」という。)56条1項に基づく過納金の還付及び同法58条1項に基づく還付加算金の支払を求めている事案である。

   原判決が被控訴人らの請求をいずれも認容したので、これに不服の控訴人が控訴した。