都市緑地法52条1項にいう「土地所有者等」の意義 2 大阪府寝屋川市長がした緑地協定廃止認可 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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1 都市緑地法52条1項にいう「土地所有者等」の意義

2 大阪府寝屋川市長がした緑地協定廃止認可処分が,同協定区域内の土地所有者等の過半数の合意(都市緑地法52条1項)を欠いてされたものであり違法であるとして,取り消された事例

3 緑地協定廃止認可処分が違法である旨の判断をするに当たり,同処分の取消しにより公の利益に著しい障害を生ずるものとは認められず,行政事件訴訟法31条1項を適用して請求を棄却(いわゆる事情判決)すべき場合に当たらないとして,同処分が取り消された事例

 

大阪地方裁判所判決/平成18年(行ウ)第159号

平成20年1月30日

緑地協定廃止認可取消請求事件

【判示事項】    1 都市緑地法52条1項にいう「土地所有者等」の意義

2 大阪府寝屋川市長がした緑地協定廃止認可処分が,同協定区域内の土地所有者等の過半数の合意(都市緑地法52条1項)を欠いてされたものであり違法であるとして,取り消された事例

3 緑地協定廃止認可処分が違法である旨の判断をするに当たり,同処分の取消しにより公の利益に著しい障害を生ずるものとは認められず,行政事件訴訟法31条1項を適用して請求を棄却(いわゆる事情判決)すべき場合に当たらないとして,同処分が取り消された事例

【参照条文】    都市緑地法54

          都市緑地法52-1

          行政事件訴訟法31-1

 

都市緑地法

(緑地協定の廃止)

第五十二条 緑地協定区域内の土地所有者等(当該緑地協定の効力が及ばない者を除く。)は、第四十五条第四項又は第四十八条第一項の認可を受けた緑地協定を廃止しようとする場合においては、その過半数の合意をもつてその旨を定め、市町村長の認可を受けなければならない。

2 市町村長は、前項の認可をしたときは、その旨を公告しなければならない。

 

(緑地協定の設定の特則)

第五十四条 都市計画区域又は準都市計画区域内における相当規模の一団の土地(第四十五条第一項の政令で定める土地を除く。)で、一の所有者以外に土地所有者等が存しないものの所有者は、地域の良好な環境の確保のため必要があると認めるときは、市町村長の認可を受けて、当該土地の区域を緑地協定区域とする緑地協定を定めることができる。

2 市町村長は、前項の規定による緑地協定の認可の申請が第四十七条第一項各号に該当し、かつ、当該緑地協定が地域の良好な環境の確保のため必要であると認める場合に限り、当該緑地協定を認可するものとする。

3 第四十七条第二項の規定は、市町村長が前項の規定により認可した場合について準用する。

4 第二項の規定による認可を受けた緑地協定は、認可の日から起算して三年以内において当該緑地協定区域内の土地に二以上の土地所有者等が存することとなつた時から、第四十七条第二項の規定による認可の公告のあつた緑地協定と同一の効力を有する緑地協定となる。

 

行政事件訴訟法

(特別の事情による請求の棄却)

第三十一条 取消訴訟については、処分又は裁決が違法ではあるが、これを取り消すことにより公の利益に著しい障害を生ずる場合において、原告の受ける損害の程度、その損害の賠償又は防止の程度及び方法その他一切の事情を考慮したうえ、処分又は裁決を取り消すことが公共の福祉に適合しないと認めるときは、裁判所は、請求を棄却することができる。この場合には、当該判決の主文において、処分又は裁決が違法であることを宣言しなければならない。

2 裁判所は、相当と認めるときは、終局判決前に、判決をもつて、処分又は裁決が違法であることを宣言することができる。

3 終局判決に事実及び理由を記載するには、前項の判決を引用することができる。