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法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

役に立つ裁判例の紹介、法律の本の書評です。弁護士経験32年。第二東京弁護士会所属21770

ビジネス法務2023年8月号 【創刊25周年記念特集】会社法の歩き方~軌跡と展望~

中央経済社

定価:1,800円(税込)

 

発行日:2023/06/21

 

 

【創刊25周年記念特集】

会社法の歩き方~軌跡と展望~

 

「ビジネス法務」は,旧誌名より通算して,1998年の創刊から25周年を迎えました。

 

数回の旧商法会社編の改正を経て会社法が制定されたのが2005年。本誌は会社法とともに20年弱の歩みを遂げたことになります。企業法務における会社法の位置づけは「最も基本的なルール」,それはすなわち,本誌の誌面をさまざまに彩ってきた法律といえます。

 

最近に目を向ければ大きな動きがみられない会社法ですが,企業法務の根幹をなす事実には変わりがなく,そんな会社法の歴史といま,そして未来の姿を「ビジネス法務」の軌跡と重ね合わせるように見つめる特集。

 

さあ,「会社法を最大限に味わう旅」へ出発です!

 

【本特集執筆者】

松井秀樹/福島洋尚/太田 洋/山下徹哉/大川 治/鈴木龍介/本村 健/圓道至剛/伊藤靖史/高田 剛/中西和幸/島田邦雄/田中 亘/川井信之/森 幹晴/松尾拓也/後藤 元/藤原総一郎/森田 果/内藤央真/栗林康幸/髙木弘明/弥永真生/三浦亮太/山口利昭/浜辺陽一郎/久保田安彦/澤口 実

 

 

コメント

参考になります。

ただし、根拠となるじょうぬん・裁判例が必要です。

 

建物の売買契約に付随する説明義務に違反したとして,原告(買主)が,被告(売主)に対し債務不履行に基づき,被告会社(契約の媒介者)に対し不法行為に基づき,損害賠償金の支払を求めた事案

 

 

              損害賠償請求事件

【事件番号】      東京地方裁判所判決/平成26年(ワ)第16978号

【判決日付】      平成28年3月11日

【判示事項】      建物の売買契約に付随する説明義務に違反したとして,原告(買主)が,被告(売主)に対し債務不履行に基づき,被告会社(契約の媒介者)に対し不法行為に基づき,損害賠償金の支払を求めた事案。

裁判所は,被告らの説明義務違反の有無につき,電話線アウトレットにつながるはずの電話線の断線,配電盤の回路増設について説明しなくても違反とならないとする一方,建物の浴室が防水不良であり応急措置が行われていたにすぎず,漏水に関する事項の説明義務を怠ったものということができるとし,原告の各請求は,浴室の漏水工事に要した費用のうち,認定した額の限度で損害と認めるのが相当であるとして一部認容した事例

【掲載誌】        LLI/DB 判例秘書登載

 

 

民法

(不法行為による損害賠償)

第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

 

譲渡所得発生の基因となった譲渡行為が無効な場合に、その行為により生じた経済的成果がその行為の無効であることに基因して失われた後に当該所得に対して課税処分をすることの適否


    所得税課税処分取消請求上告事件
【事件番号】    最高裁判所第2小法廷判決/平成2年(行ツ)第9号
【判決日付】    平成2年5月11日
【判示事項】    一 譲渡所得発生の基因となった譲渡行為が無効な場合に、その行為により生じた経済的成果がその行為の無効であることに基因して失われた後に当該所得に対して課税処分をすることの適否
          二 譲渡所得発生の基因となった土地持分譲渡契約が後に合意解除された場合について、右持分価額相当の金員が右契約の相手方に返還されておらず、右契約によって生じた譲渡収入が現実に消滅していないとして、期限後申告に対する更正処分等が適法とされた事例
【参照条文】    所得税法33-1
          国税通則法23-2
          国税通則法施行令6-1
【掲載誌】     訟務月報37巻6号1080頁
【評釈論文】    ジュリスト1010号115頁
          訟務月報37巻6号120頁
          税務事例22巻10号29頁


所得税法
(譲渡所得)
第三十三条 譲渡所得とは、資産の譲渡(建物又は構築物の所有を目的とする地上権又は賃借権の設定その他契約により他人に土地を長期間使用させる行為で政令で定めるものを含む。以下この条において同じ。)による所得をいう。
2 次に掲げる所得は、譲渡所得に含まれないものとする。
一 たな卸資産(これに準ずる資産として政令で定めるものを含む。)の譲渡その他営利を目的として継続的に行なわれる資産の譲渡による所得
二 前号に該当するもののほか、山林の伐採又は譲渡による所得
3 譲渡所得の金額は、次の各号に掲げる所得につき、それぞれその年中の当該所得に係る総収入金額から当該所得の基因となつた資産の取得費及びその資産の譲渡に要した費用の額の合計額を控除し、その残額の合計額(当該各号のうちいずれかの号に掲げる所得に係る総収入金額が当該所得の基因となつた資産の取得費及びその資産の譲渡に要した費用の額の合計額に満たない場合には、その不足額に相当する金額を他の号に掲げる所得に係る残額から控除した金額。以下この条において「譲渡益」という。)から譲渡所得の特別控除額を控除した金額とする。
一 資産の譲渡(前項の規定に該当するものを除く。次号において同じ。)でその資産の取得の日以後五年以内にされたものによる所得(政令で定めるものを除く。)
二 資産の譲渡による所得で前号に掲げる所得以外のもの
4 前項に規定する譲渡所得の特別控除額は、五十万円(譲渡益が五十万円に満たない場合には、当該譲渡益)とする。
5 第三項の規定により譲渡益から同項に規定する譲渡所得の特別控除額を控除する場合には、まず、当該譲渡益のうち同項第一号に掲げる所得に係る部分の金額から控除するものとする。


国税通則法
(更正の請求)
第二十三条 納税申告書を提出した者は、次の各号のいずれかに該当する場合には、当該申告書に係る国税の法定申告期限から五年(第二号に掲げる場合のうち法人税に係る場合については、十年)以内に限り、税務署長に対し、その申告に係る課税標準等又は税額等(当該課税標準等又は税額等に関し次条又は第二十六条(再更正)の規定による更正(以下この条において「更正」という。)があつた場合には、当該更正後の課税標準等又は税額等)につき更正をすべき旨の請求をすることができる。
一 当該申告書に記載した課税標準等若しくは税額等の計算が国税に関する法律の規定に従つていなかつたこと又は当該計算に誤りがあつたことにより、当該申告書の提出により納付すべき税額(当該税額に関し更正があつた場合には、当該更正後の税額)が過大であるとき。
二 前号に規定する理由により、当該申告書に記載した純損失等の金額(当該金額に関し更正があつた場合には、当該更正後の金額)が過少であるとき、又は当該申告書(当該申告書に関し更正があつた場合には、更正通知書)に純損失等の金額の記載がなかつたとき。
三 第一号に規定する理由により、当該申告書に記載した還付金の額に相当する税額(当該税額に関し更正があつた場合には、当該更正後の税額)が過少であるとき、又は当該申告書(当該申告書に関し更正があつた場合には、更正通知書)に還付金の額に相当する税額の記載がなかつたとき。
2 納税申告書を提出した者又は第二十五条(決定)の規定による決定(以下この項において「決定」という。)を受けた者は、次の各号のいずれかに該当する場合(納税申告書を提出した者については、当該各号に定める期間の満了する日が前項に規定する期間の満了する日後に到来する場合に限る。)には、同項の規定にかかわらず、当該各号に定める期間において、その該当することを理由として同項の規定による更正の請求(以下「更正の請求」という。)をすることができる。
一 その申告、更正又は決定に係る課税標準等又は税額等の計算の基礎となつた事実に関する訴えについての判決(判決と同一の効力を有する和解その他の行為を含む。)により、その事実が当該計算の基礎としたところと異なることが確定したとき その確定した日の翌日から起算して二月以内
二 その申告、更正又は決定に係る課税標準等又は税額等の計算に当たつてその申告をし、又は決定を受けた者に帰属するものとされていた所得その他課税物件が他の者に帰属するものとする当該他の者に係る国税の更正又は決定があつたとき 当該更正又は決定があつた日の翌日から起算して二月以内
三 その他当該国税の法定申告期限後に生じた前二号に類する政令で定めるやむを得ない理由があるとき 当該理由が生じた日の翌日から起算して二月以内
3 更正の請求をしようとする者は、その請求に係る更正後の課税標準等又は税額等、その更正の請求をする理由、当該請求をするに至つた事情の詳細、当該請求に係る更正前の納付すべき税額及び還付金の額に相当する税額その他参考となるべき事項を記載した更正請求書を税務署長に提出しなければならない。
4 税務署長は、更正の請求があつた場合には、その請求に係る課税標準等又は税額等について調査し、更正をし、又は更正をすべき理由がない旨をその請求をした者に通知する。
5 更正の請求があつた場合においても、税務署長は、その請求に係る納付すべき国税(その滞納処分費を含む。以下この項において同じ。)の徴収を猶予しない。ただし、税務署長において相当の理由があると認めるときは、その国税の全部又は一部の徴収を猶予することができる。
6 輸入品に係る申告消費税等についての更正の請求は、第一項の規定にかかわらず、税関長に対し、するものとする。この場合においては、前三項の規定の適用については、これらの規定中「税務署長」とあるのは、「税関長」とする。
7 前二条の規定は、更正の請求について準用する。


国税通則法施行令
(更正の請求)
第六条 法第二十三条第二項第三号(更正の請求)に規定する政令で定めるやむを得ない理由は、次に掲げる理由とする。
一 その申告、更正又は決定に係る課税標準等(法第十九条第一項(修正申告)に規定する課税標準等をいう。以下同じ。)又は税額等(同項に規定する税額等をいう。以下同じ。)の計算の基礎となつた事実のうちに含まれていた行為の効力に係る官公署の許可その他の処分が取り消されたこと。
二 その申告、更正又は決定に係る課税標準等又は税額等の計算の基礎となつた事実に係る契約が、解除権の行使によつて解除され、若しくは当該契約の成立後生じたやむを得ない事情によつて解除され、又は取り消されたこと。
三 帳簿書類の押収その他やむを得ない事情により、課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき帳簿書類その他の記録に基づいて国税の課税標準等又は税額等を計算することができなかつた場合において、その後、当該事情が消滅したこと。
四 わが国が締結した所得に対する租税に関する二重課税の回避又は脱税の防止のための条約に規定する権限のある当局間の協議により、その申告、更正又は決定に係る課税標準等又は税額等に関し、その内容と異なる内容の合意が行われたこと。
五 その申告、更正又は決定に係る課税標準等又は税額等の計算の基礎となつた事実に係る国税庁長官が発した通達に示されている法令の解釈その他の国税庁長官の法令の解釈が、更正又は決定に係る審査請求若しくは訴えについての裁決若しくは判決に伴つて変更され、変更後の解釈が国税庁長官により公表されたことにより、当該課税標準等又は税額等が異なることとなる取扱いを受けることとなつたことを知つたこと。
2 更正の請求をしようとする者は、その更正の請求をする理由が課税標準たる所得が過大であることその他その理由の基礎となる事実が一定期間の取引に関するものであるときは、その取引の記録等に基づいてその理由の基礎となる事実を証明する書類を法第二十三条第三項の更正請求書に添付しなければならない。その更正の請求をする理由の基礎となる事実が一定期間の取引に関するもの以外のものである場合において、その事実を証明する書類があるときも、また同様とする。


 

退職取締役に対し会社の内規に基づいて退職慰労金を支給しない場合に代表取締役の商法266条ノ3に基づく損害賠償責任を否定した事例

 

 

              損害賠償請求控訴事件

【事件番号】      大阪高等裁判所判決/平成15年(ネ)第2199号

【判決日付】      平成16年2月12日

【判示事項】      退職取締役に対し会社の内規に基づいて退職慰労金を支給しない場合に代表取締役の商法266条ノ3に基づく損害賠償責任を否定した事例

【判決要旨】      取締役の退職慰労金の支給に関する会社の内規があっても、株主総会において退職慰労金の支給金額等を具体的に決議した場合には、取締役は、会社に対して同内規に基づき退職慰労金を請求する権利が認められず、代表取締役が、同内規に従った退職慰労金の支給に関する議案を株主総会に提出するための取締役会を招集したり、取締役会において同決議案を提案しなかったとしても、退職取締役に対して商法266条ノ3に基づく損害賠償責任を負うものではない。

【参照条文】      商法266の3

             商法269

             商法254の3

【掲載誌】        金融・商事判例1190号38頁

 

 

会社法

(役員等の第三者に対する損害賠償責任)

第四百二十九条 役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。

2 次の各号に掲げる者が、当該各号に定める行為をしたときも、前項と同様とする。ただし、その者が当該行為をすることについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。

一 取締役及び執行役 次に掲げる行為

イ 株式、新株予約権、社債若しくは新株予約権付社債を引き受ける者の募集をする際に通知しなければならない重要な事項についての虚偽の通知又は当該募集のための当該株式会社の事業その他の事項に関する説明に用いた資料についての虚偽の記載若しくは記録

ロ 計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書並びに臨時計算書類に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録

ハ 虚偽の登記

ニ 虚偽の公告(第四百四十条第三項に規定する措置を含む。)

二 会計参与 計算書類及びその附属明細書、臨時計算書類並びに会計参与報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録

三 監査役、監査等委員及び監査委員 監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録

四 会計監査人 会計監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録

 

 

(取締役の報酬等)

第三百六十一条 取締役の報酬、賞与その他の職務執行の対価として株式会社から受ける財産上の利益(以下この章において「報酬等」という。)についての次に掲げる事項は、定款に当該事項を定めていないときは、株主総会の決議によって定める。

一 報酬等のうち額が確定しているものについては、その額

二 報酬等のうち額が確定していないものについては、その具体的な算定方法

三 報酬等のうち当該株式会社の募集株式(第百九十九条第一項に規定する募集株式をいう。以下この項及び第四百九条第三項において同じ。)については、当該募集株式の数(種類株式発行会社にあっては、募集株式の種類及び種類ごとの数)の上限その他法務省令で定める事項

四 報酬等のうち当該株式会社の募集新株予約権(第二百三十八条第一項に規定する募集新株予約権をいう。以下この項及び第四百九条第三項において同じ。)については、当該募集新株予約権の数の上限その他法務省令で定める事項

五 報酬等のうち次のイ又はロに掲げるものと引換えにする払込みに充てるための金銭については、当該イ又はロに定める事項

イ 当該株式会社の募集株式 取締役が引き受ける当該募集株式の数(種類株式発行会社にあっては、募集株式の種類及び種類ごとの数)の上限その他法務省令で定める事項

ロ 当該株式会社の募集新株予約権 取締役が引き受ける当該募集新株予約権の数の上限その他法務省令で定める事項

六 報酬等のうち金銭でないもの(当該株式会社の募集株式及び募集新株予約権を除く。)については、その具体的な内容

2 監査等委員会設置会社においては、前項各号に掲げる事項は、監査等委員である取締役とそれ以外の取締役とを区別して定めなければならない。

3 監査等委員である各取締役の報酬等について定款の定め又は株主総会の決議がないときは、当該報酬等は、第一項の報酬等の範囲内において、監査等委員である取締役の協議によって定める。

4 第一項各号に掲げる事項を定め、又はこれを改定する議案を株主総会に提出した取締役は、当該株主総会において、当該事項を相当とする理由を説明しなければならない。

5 監査等委員である取締役は、株主総会において、監査等委員である取締役の報酬等について意見を述べることができる。

6 監査等委員会が選定する監査等委員は、株主総会において、監査等委員である取締役以外の取締役の報酬等について監査等委員会の意見を述べることができる。

7 次に掲げる株式会社の取締役会は、取締役(監査等委員である取締役を除く。以下この項において同じ。)の報酬等の内容として定款又は株主総会の決議による第一項各号に掲げる事項についての定めがある場合には、当該定めに基づく取締役の個人別の報酬等の内容についての決定に関する方針として法務省令で定める事項を決定しなければならない。ただし、取締役の個人別の報酬等の内容が定款又は株主総会の決議により定められているときは、この限りでない。

一 監査役会設置会社(公開会社であり、かつ、大会社であるものに限る。)であって、金融商品取引法第二十四条第一項の規定によりその発行する株式について有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならないもの

二 監査等委員会設置会社

 

 

 

時差式信号機の設置された交差点での右折進行と対向直進車両の運転についての信頼の原則

 

 

業務上過失致死被告事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷決定/平成12年(あ)第216号

【判決日付】      平成16年7月13日

【判示事項】      時差式信号機の設置された交差点での右折進行と対向直進車両の運転についての信頼の原則

【判決要旨】      自動車運転者が,時差式信号機の設置された交差点を右折進行するに当たり,時差式信号機であることの標示がなかったとしても,自己の対面する信号機の標示を根拠として,対向車両の対面信号の表示を判断し,それに基づき対向車両の運転者がこれに従って運転すると信頼することは許されない。

【参照条文】      刑法211

【掲載誌】        最高裁判所刑事判例集58巻5号360頁

 

 

刑法

(業務上過失致死傷等)

第二百十一条 業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、五年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。

 

阿部徳幸『税法がわかる30話』中央経済社

 

¥2,640

 

出版社 ‏ : ‎ 中央経済社 (2020/2/28)

発売日 ‏ : ‎ 2020/2/28

言語 ‏ : ‎ 日本語

単行本 ‏ : ‎ 224ページ

 

日常生活で最も基本的で一般的な存在だが、複雑な条文構成で近づきにくい税法につき「読み物」として学修の第1歩を踏み出せるように解説。細部は立ち入らず全体像がわかる。

 

内容(「BOOK」データベースより)

身近な存在である税金を定める法制度でありながら、学ぼうとすると難しさが先に立つ税法。その学修の入り口となるよう、枝葉にあえて立ち入ることなくエッセンスを解説。30のテーマを設定し、リラックスして一読していただければ、無理なく基礎から応用へと進んでゆくための第1歩となるように執筆されている。

 

 

コメント

基礎的な説明から、判例まで記述されている。

 

 

 

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

阿部/徳幸
1962年7月生れ。日本大学法学部教授・税理士。OA機器販売会社営業部勤務を経て、1995年2月、税理士開業。島根大学法文学部非常勤講師、獨協大学法学部非常勤講師、二松学舎大学大学院国際政治経済学研究科非常勤講師、関東学院大学法学部教授(租税法担当)を経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

 

 

 

 

相続財産の評価に当たって被相続人等が負担していた連帯保証債務が相続税法一四条一項にいう確実な債務に当たらないとされた事例

 

 

相続税更正異議処分取消、相続税更正処分取消請求控訴事件

【事件番号】      東京高等裁判所判決/平成11年(行コ)第140号

【判決日付】      平成12年1月26日

【判示事項】      相続財産の評価に当たって被相続人等が負担していた連帯保証債務が相続税法一四条一項にいう確実な債務に当たらないとされた事例

【判決要旨】      (1) 審査請求人がいかなる処分について審査請求をしているかについては、審査請求人の提出に係る審査請求書の記載を基準として定められるというべきであり、必ずしも審査請求書に記載された審査請求に係る処分欄記載の処分に限定されるものではないが、少なくとも、審査請求書の記載を合理的に解釈しても、不服を申し立てていると認められない処分については、審査請求の対象とされていないといわざるを得ない。

             (2) 省略

             (3) 国税通則法一〇四条四項に規定するあわせ審理は、同一の国税について複数の更正決定等がされた場合、審理の重複、判断の矛盾、抵触等を避け、納税者の手数を軽減しつつ簡易迅速な権利救済を図るなどの趣旨から、国税不服審判所長等は、納税者が不服申立てをしていない他の更正決定等についても職権で審理を行うことができることとしたものであるが、あわせ審理された場合であっても、不服申立てのされていない他の更正決定等を取り消す必要がないときには、不服申立てがされた更正決定等についてのみ裁決をすることになるものと解される。

             (4) 省略

             (5) 連帯保証債務及び物上保証債務は、主債務者が主たる債務を履行した場合には、保証人がその責任を免れる性質のものであるから、将来、保証人がその債務を履行することになるかどうかは確実ではなく、仮にこれを履行しても、その履行による損失は、主債務者に対する求償権の行使により補填されるはずのものであるから、保証債務は、原則として、相続税法一四条一項に規定する「確実と認められるもの」には該当しないが、相続開始時において、主債務者が弁済不能の状態にある場合には、保証人において保証債務の履行をしなければならないことが確実である上、履行後に主債務者に対し求償権を行使して損失のてん補を受けることが不可能であるから、このような場合には、例外的に、保証債務も確実な債務に該当するというべきである(相続税基本通達一四-五参照)。

             (6) 保証債務の主債務者が弁済不能の状態にあるかどうかは、当該債務者について破産、和議、会社更生又は強制執行等の手続が開始し、あるいは事業閉鎖等により債務超過の状態が相当期間継続して他から融資を受ける見込みもなく、再起の目途が立たないなど、主債務者に対し求償権を行使しても、事実上回収が不可能な状況にあることが客観的に認められるかどうかにより判断するのが相当である。

             (7) 相続財産に係る保証債務の主債務者が弁済不能の状態にあるか否かの判断は、相続開始後の事情も間接事実として考慮することが許されるが、相続税法一三条一項が、「被相続人の債務で相続開始の際現に存するもの」を相続財産の価額から控除すると規定し、同法二二条が「当該財産の価額から控除すべき債務の金額は、その時の現況による。」と規定している趣旨にかんがみれば、遺贈等の場合のように相続の開始があって初めて債務が発生するなどの特段の事情がない限り、右判断の基準時が相続開始時であることも明らかであり、相続開始後の一定時期を基準として、主債務者が弁済不能であったか否かを判断する余地はないというべきである。

             (8) 省略

【参照条文】      相続税法13-1

             相続税法14-1

             相続税法22

             国税通則法87-1

【掲載誌】        訟務月報46巻12号4365頁

             判例タイムズ1055号130頁

             税務訴訟資料246号212頁

 

 

相続税法

(相続税の非課税財産)

第十二条 次に掲げる財産の価額は、相続税の課税価格に算入しない。

一 皇室経済法(昭和二十二年法律第四号)第七条(皇位に伴う由緒ある物)の規定により皇位とともに皇嗣が受けた物

二 墓所、霊びよう及び祭具並びにこれらに準ずるもの

三 宗教、慈善、学術その他公益を目的とする事業を行う者で政令で定めるものが相続又は遺贈により取得した財産で当該公益を目的とする事業の用に供することが確実なもの

四 条例の規定により地方公共団体が精神又は身体に障害のある者に関して実施する共済制度で政令で定めるものに基づいて支給される給付金を受ける権利

五 相続人の取得した第三条第一項第一号に掲げる保険金(前号に掲げるものを除く。以下この号において同じ。)については、イ又はロに掲げる場合の区分に応じ、イ又はロに定める金額に相当する部分

イ 第三条第一項第一号の被相続人のすべての相続人が取得した同号に掲げる保険金の合計額が五百万円に当該被相続人の第十五条第二項に規定する相続人の数を乗じて算出した金額(ロにおいて「保険金の非課税限度額」という。)以下である場合 当該相続人の取得した保険金の金額

ロ イに規定する合計額が当該保険金の非課税限度額を超える場合 当該保険金の非課税限度額に当該合計額のうちに当該相続人の取得した保険金の合計額の占める割合を乗じて算出した金額

六 相続人の取得した第三条第一項第二号に掲げる給与(以下この号において「退職手当金等」という。)については、イ又はロに掲げる場合の区分に応じ、イ又はロに定める金額に相当する部分

イ 第三条第一項第二号の被相続人のすべての相続人が取得した退職手当金等の合計額が五百万円に当該被相続人の第十五条第二項に規定する相続人の数を乗じて算出した金額(ロにおいて「退職手当金等の非課税限度額」という。)以下である場合 当該相続人の取得した退職手当金等の金額

ロ イに規定する合計額が当該退職手当金等の非課税限度額を超える場合 当該退職手当金等の非課税限度額に当該合計額のうちに当該相続人の取得した退職手当金等の合計額の占める割合を乗じて算出した金額

2 前項第三号に掲げる財産を取得した者がその財産を取得した日から二年を経過した日において、なお当該財産を当該公益を目的とする事業の用に供していない場合においては、当該財産の価額は、課税価格に算入する。

 

(債務控除)

第十三条 相続又は遺贈(包括遺贈及び被相続人からの相続人に対する遺贈に限る。以下この条において同じ。)により財産を取得した者が第一条の三第一項第一号又は第二号の規定に該当する者である場合においては、当該相続又は遺贈により取得した財産については、課税価格に算入すべき価額は、当該財産の価額から次に掲げるものの金額のうちその者の負担に属する部分の金額を控除した金額による。

一 被相続人の債務で相続開始の際現に存するもの(公租公課を含む。)

二 被相続人に係る葬式費用

2 相続又は遺贈により財産を取得した者が第一条の三第一項第三号又は第四号の規定に該当する者である場合においては、当該相続又は遺贈により取得した財産でこの法律の施行地にあるものについては、課税価格に算入すべき価額は、当該財産の価額から被相続人の債務で次に掲げるものの金額のうちその者の負担に属する部分の金額を控除した金額による。

一 その財産に係る公租公課

二 その財産を目的とする留置権、特別の先取特権、質権又は抵当権で担保される債務

三 前二号に掲げる債務を除くほか、その財産の取得、維持又は管理のために生じた債務

四 その財産に関する贈与の義務

五 前各号に掲げる債務を除くほか、被相続人が死亡の際この法律の施行地に営業所又は事業所を有していた場合においては、当該営業所又は事業所に係る営業上又は事業上の債務

3 前条第一項第二号又は第三号に掲げる財産の取得、維持又は管理のために生じた債務の金額は、前二項の規定による控除金額に算入しない。ただし、同条第二項の規定により同号に掲げる財産の価額を課税価格に算入した場合においては、この限りでない。

4 特別寄与者が支払を受けるべき特別寄与料の額が当該特別寄与者に係る課税価格に算入される場合においては、当該特別寄与料を支払うべき相続人が相続又は遺贈により取得した財産については、当該相続人に係る課税価格に算入すべき価額は、当該財産の価額から当該特別寄与料の額のうちその者の負担に属する部分の金額を控除した金額による。

第十四条 前条の規定によりその金額を控除すべき債務は、確実と認められるものに限る。

2 前条の規定によりその金額を控除すべき公租公課の金額は、被相続人の死亡の際債務の確定しているものの金額のほか、被相続人に係る所得税、相続税、贈与税、地価税、再評価税、登録免許税、自動車重量税、消費税、酒税、たばこ税、揮発油税、地方揮発油税、石油ガス税、航空機燃料税、石油石炭税及び印紙税その他の公租公課の額で政令で定めるものを含むものとする。

3 前項の債務の確定している公租公課の金額には、被相続人が、所得税法第百三十七条の二第一項(国外転出をする場合の譲渡所得等の特例の適用がある場合の納税猶予)(同条第二項の規定により適用する場合を含む。第三十二条第一項第九号イにおいて同じ。)の規定の適用を受けていた場合における同法第百三十七条の二第一項に規定する納税猶予分の所得税額並びに同法第百三十七条の三第一項及び第二項(贈与等により非居住者に資産が移転した場合の譲渡所得等の特例の適用がある場合の納税猶予)(これらの規定を同条第三項の規定により適用する場合を含む。)の規定の適用を受けていた場合における同条第四項に規定する納税猶予分の所得税額を含まない。ただし、同法第百三十七条の二第十三項の規定により当該被相続人の納付の義務を承継した当該被相続人の相続人(包括受遺者を含む。以下この項及び同号において同じ。)が納付することとなつた同条第一項に規定する納税猶予分の所得税額及び当該納税猶予分の所得税額に係る利子税の額(当該納税猶予分の所得税額に係る所得税の同法第百二十八条(確定申告による納付)又は第百二十九条(死亡の場合の確定申告による納付)の規定による納付の期限の翌日から当該被相続人の死亡の日までの間に係るものに限る。)並びに同法第百三十七条の三第十五項の規定により当該被相続人の納付の義務を承継した当該被相続人の相続人が納付することとなつた同条第四項に規定する納税猶予分の所得税額及び当該納税猶予分の所得税額に係る利子税の額(当該納税猶予分の所得税額に係る所得税の同法第二編第五章第二節第三款(納付)の規定による納付の期限の翌日から当該被相続人の死亡の日までの間に係るものに限る。)については、この限りでない。

 

(評価の原則)

第二十二条 この章で特別の定めのあるものを除くほか、相続、遺贈又は贈与により取得した財産の価額は、当該財産の取得の時における時価により、当該財産の価額から控除すべき債務の金額は、その時の現況による。

 

 

国税通則法

(審査請求書の記載事項等)

第八十七条 審査請求は、政令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した書面を提出してしなければならない。

一 審査請求に係る処分の内容

二 審査請求に係る処分があつたことを知つた年月日(当該処分に係る通知を受けた場合にはその通知を受けた年月日とし、再調査の請求についての決定を経た後の処分について審査請求をする場合には再調査決定書の謄本の送達を受けた年月日とする。)

三 審査請求の趣旨及び理由

四 審査請求の年月日

2 前項の書面(以下この款において「審査請求書」という。)には、同項に規定する事項のほか、次の各号に掲げる場合においては、当該各号に定める事項を記載しなければならない。

一 第七十五条第四項第一号(国税に関する処分についての不服申立て)の規定により再調査の請求についての決定を経ないで審査請求をする場合 再調査の請求をした年月日

二 第七十五条第四項第二号の規定により再調査の請求についての決定を経ないで審査請求をする場合 同号に規定する正当な理由

三 第七十七条第一項から第三項まで(不服申立期間)に規定する期間の経過後において審査請求をする場合 これらの各項のただし書に規定する正当な理由

3 第一項第三号に規定する趣旨は、処分の取消し又は変更を求める範囲を明らかにするように記載するものとし、同号に規定する理由においては、処分に係る通知書その他の書面により通知されている処分の理由に対する審査請求人の主張が明らかにされていなければならないものとする。

 

本件は、建設中の本件マンションの近隣に住む原告(X)が、その建設に反対し、本件マンションを建設する被告会社の従業員である被告Dに暴行を加えた(本件暴行事件)として逮捕、勾留及び起訴等されたものの、無罪判決を受けて確定したとして、①被告県に対する国家賠償請求、②被告国に対する国家賠償請求並びに本件暴行事件に係る捜査の際に取得されたXの指紋、DNA型、顔写真及びX所有の携帯電話の各データの抹消請求、③被告Dに対しては民法709条に基づく、被告会社に対しては民法715条1項に基づく損害賠償請求、をした事案である。

 

 

国家賠償等請求事件(甲事件)、損害賠償請求事件(乙事件)

【事件番号】      名古屋地方裁判所判決/平成30年(ワ)第3020号、平成30年(ワ)第3021号

【判決日付】      令和4年1月18日

【参照条文】      国家賠償法1-1

             民法709

             民法715-1

             憲法13

【掲載誌】        判例時報2522号62頁

 

 

国家賠償法

第一条1項 国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。

 

 

民法

(不法行為による損害賠償)

第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

 

(使用者等の責任)

第七百十五条 ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。

2 使用者に代わって事業を監督する者も、前項の責任を負う。

3 前二項の規定は、使用者又は監督者から被用者に対する求償権の行使を妨げない。

 

 

憲法

第十三条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

 

 

 

 

       主   文

 

 1 被告国は,平成28年10月7日に取得した原告の指紋,DNA型及び顔写真の各データを抹消せよ。

 2 原告のその余の請求をいずれも棄却する。

 3 訴訟費用は原告の負担とする。

 

 

名古屋市議会の会派が市から交付された政務調査費を所属議員に支出する際に各議員から諸経費と使途基準中の経費の項目等との対応関係を示す文書として提出を受けた報告書及びこれに添付された領収書が民訴法220条4号ニ所定の「専ら文書の所持者の利用に供するための文書」に当たるとされた事例

 

 

              文書提出命令に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件

【事件番号】      最高裁判所第2小法廷決定/平成21年(行フ)第3号

【判決日付】      平成22年4月12日

【判示事項】      名古屋市議会の会派が市から交付された政務調査費を所属議員に支出する際に各議員から諸経費と使途基準中の経費の項目等との対応関係を示す文書として提出を受けた報告書及びこれに添付された領収書が民訴法220条4号ニ所定の「専ら文書の所持者の利用に供するための文書」に当たるとされた事例

【判決要旨】      名古屋市議会の会派が市から交付された政務調査費を所属議員に支出する際に各議員から諸経費と使途基準中の経費の項目等との対応関係を示す文書として提出を受けた報告書及びこれに添付された領収書は,次の(1),(2)など判示の事情の下では,民訴法220条4号ニ所定の「専ら文書の所持者の利用に供するための文書」に当たる。

             (1) 名古屋市会政務調査費の交付に関する条例(平成13年名古屋市条例第1号。平成20年名古屋市条例第1号による改正前のもの)の委任を受けた名古屋市会政務調査費の交付に関する規則(平成13年名古屋市規則第11号)は,会派の経理責任者に政務調査費の支出について会計帳簿の調製及び領収書等の証拠書類の整理並びにこれらの書類の保管を義務付けているが,上記条例及び規則の規定上,上記各書類は,専ら各会派の内部にとどめて利用すべき文書であることが予定されている。当該報告書は,当該会派が独自に使用しているもので,せいぜい上記規則所定の証拠書類に該当し得るにとどまり,これに添付された領収書は,上記規則所定の領収書に該当する。

             (2) 当該報告書及びこれに添付された領収書は,個々の政務調査費の支出について,当該支出に係る調査研究活動をした議員の氏名,当該議員が用いた金額やその使途,主な調査内容等が具体的に記載されるものである上,調査研究活動に協力するなどした第三者の氏名等が記載されているがい然性が高いものである。

             (反対意見がある。)

【参照条文】      民事訴訟法220

             地方自治法(平20法69号改正前)100-13

             地方自治法(平20法69号改正前)100-14

             名古屋市会政務調査費の交付に関する条例(平13名古屋市条例1号。平20名古屋市条例1号改正前)4

             名古屋市会政務調査費の交付に関する条例(平13名古屋市条例1号。平20名古屋市条例1号改正前)5-1

             名古屋市会政務調査費の交付に関する条例(平13名古屋市条例1号。平20名古屋市条例1号改正前)6

             名古屋市会政務調査費の交付に関する条例(平13名古屋市条例1号。平20名古屋市条例1号改正前)8-1

             名古屋市会政務調査費の交付に関する条例(平13名古屋市条例1号。平20名古屋市条例1号改正前)8-2

             名古屋市会政務調査費の交付に関する条例(平13名古屋市条例1号。平20名古屋市条例1号改正前)別記様式

           名古屋市会政務調査費の交付に関する規則(平13名古屋市規則11号)6-2

             名古屋市会政務調査費の使途基準及び収支報告書の閲覧に関する規程(平13名古屋市会達1号)2

             名古屋市会政務調査費の使途基準及び収支報告書の閲覧に関する規程(平13名古屋市会達1号)別表

【掲載誌】        最高裁判所裁判集民事234号1頁

             裁判所時報1506号169頁

             判例タイムズ1323号121頁

             判例時報2078号3頁

 

 

民事訴訟法

(文書提出義務)

第二百二十条 次に掲げる場合には、文書の所持者は、その提出を拒むことができない。

一 当事者が訴訟において引用した文書を自ら所持するとき。

二 挙証者が文書の所持者に対しその引渡し又は閲覧を求めることができるとき。

三 文書が挙証者の利益のために作成され、又は挙証者と文書の所持者との間の法律関係について作成されたとき。

四 前三号に掲げる場合のほか、文書が次に掲げるもののいずれにも該当しないとき。

イ 文書の所持者又は文書の所持者と第百九十六条各号に掲げる関係を有する者についての同条に規定する事項が記載されている文書

ロ 公務員の職務上の秘密に関する文書でその提出により公共の利益を害し、又は公務の遂行に著しい支障を生ずるおそれがあるもの

ハ 第百九十七条第一項第二号に規定する事実又は同項第三号に規定する事項で、黙秘の義務が免除されていないものが記載されている文書

ニ 専ら文書の所持者の利用に供するための文書(国又は地方公共団体が所持する文書にあっては、公務員が組織的に用いるものを除く。)

ホ 刑事事件に係る訴訟に関する書類若しくは少年の保護事件の記録又はこれらの事件において押収されている文書

 

 

地方自治法

第百条 普通地方公共団体の議会は、当該普通地方公共団体の事務(自治事務にあつては労働委員会及び収用委員会の権限に属する事務で政令で定めるものを除き、法定受託事務にあつては国の安全を害するおそれがあることその他の事由により議会の調査の対象とすることが適当でないものとして政令で定めるものを除く。次項において同じ。)に関する調査を行うことができる。この場合において、当該調査を行うため特に必要があると認めるときは、選挙人その他の関係人の出頭及び証言並びに記録の提出を請求することができる。

② 民事訴訟に関する法令の規定中証人の訊問に関する規定は、この法律に特別の定めがあるものを除くほか、前項後段の規定により議会が当該普通地方公共団体の事務に関する調査のため選挙人その他の関係人の証言を請求する場合に、これを準用する。ただし、過料、罰金、拘留又は勾引に関する規定は、この限りでない。

③ 第一項後段の規定により出頭又は記録の提出の請求を受けた選挙人その他の関係人が、正当の理由がないのに、議会に出頭せず若しくは記録を提出しないとき又は証言を拒んだときは、六箇月以下の禁錮又は十万円以下の罰金に処する。

④ 議会は、選挙人その他の関係人が公務員たる地位において知り得た事実については、その者から職務上の秘密に属するものである旨の申立を受けたときは、当該官公署の承認がなければ、当該事実に関する証言又は記録の提出を請求することができない。この場合において当該官公署が承認を拒むときは、その理由を疏明しなければならない。

⑤ 議会が前項の規定による疏明を理由がないと認めるときは、当該官公署に対し、当該証言又は記録の提出が公の利益を害する旨の声明を要求することができる。

⑥ 当該官公署が前項の規定による要求を受けた日から二十日以内に声明をしないときは、選挙人その他の関係人は、証言又は記録の提出をしなければならない。

⑦ 第二項において準用する民事訴訟に関する法令の規定により宣誓した選挙人その他の関係人が虚偽の陳述をしたときは、これを三箇月以上五年以下の禁錮に処する。

⑧ 前項の罪を犯した者が議会において調査が終了した旨の議決がある前に自白したときは、その刑を減軽し又は免除することができる。

⑨ 議会は、選挙人その他の関係人が、第三項又は第七項の罪を犯したものと認めるときは、告発しなければならない。但し、虚偽の陳述をした選挙人その他の関係人が、議会の調査が終了した旨の議決がある前に自白したときは、告発しないことができる。

⑩ 議会が第一項の規定による調査を行うため当該普通地方公共団体の区域内の団体等に対し照会をし又は記録の送付を求めたときは、当該団体等は、その求めに応じなければならない。

⑪ 議会は、第一項の規定による調査を行う場合においては、予め、予算の定額の範囲内において、当該調査のため要する経費の額を定めて置かなければならない。その額を超えて経費の支出を必要とするときは、更に議決を経なければならない。

⑫ 議会は、会議規則の定めるところにより、議案の審査又は議会の運営に関し協議又は調整を行うための場を設けることができる。

⑬ 議会は、議案の審査又は当該普通地方公共団体の事務に関する調査のためその他議会において必要があると認めるときは、会議規則の定めるところにより、議員を派遣することができる。

⑭ 普通地方公共団体は、条例の定めるところにより、その議会の議員の調査研究その他の活動に資するため必要な経費の一部として、その議会における会派又は議員に対し、政務活動費を交付することができる。この場合において、当該政務活動費の交付の対象、額及び交付の方法並びに当該政務活動費を充てることができる経費の範囲は、条例で定めなければならない。

⑮ 前項の政務活動費の交付を受けた会派又は議員は、条例の定めるところにより、当該政務活動費に係る収入及び支出の報告書を議長に提出するものとする。

⑯ 議長は、第十四項の政務活動費については、その使途の透明性の確保に努めるものとする。

⑰ 政府は、都道府県の議会に官報及び政府の刊行物を、市町村の議会に官報及び市町村に特に関係があると認める政府の刊行物を送付しなければならない。

⑱ 都道府県は、当該都道府県の区域内の市町村の議会及び他の都道府県の議会に、公報及び適当と認める刊行物を送付しなければならない。

⑲ 議会は、議員の調査研究に資するため、図書室を附置し前二項の規定により送付を受けた官報、公報及び刊行物を保管して置かなければならない。

⑳ 前項の図書室は、一般にこれを利用させることができる。

 

 

打撃の錯誤と強盗殺人未遂罪の成立

 

 

強盗殺人未遂、鉄砲刀剣類所持等取締法違反、火薬類取締法違反事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷判決/昭和52年(あ)第623号

【判決日付】      昭和53年7月28日

【判示事項】      打撃の錯誤と強盗殺人未遂罪の成立

【判決要旨】      犯人が強盗の手段として人を殺害する意思のもとに銃弾を発射して殺害行為に出た結果、犯人の意図した甲に対し右側胸部貫通銃創を負わせ、同時に犯人の予期しなかつた乙に対し腹部貫通銃創を負わせたときは、甲のみならず乙に対する関係でも強盗殺人未遂罪が成立する。

【参照条文】      刑法38-1

             刑法240

             刑法243

【掲載誌】        最高裁判所刑事判例集32巻5号1068頁

 

 

刑法

(故意)

第三十八条 罪を犯す意思がない行為は、罰しない。ただし、法律に特別の規定がある場合は、この限りでない。

2 重い罪に当たるべき行為をしたのに、行為の時にその重い罪に当たることとなる事実を知らなかった者は、その重い罪によって処断することはできない。

3 法律を知らなかったとしても、そのことによって、罪を犯す意思がなかったとすることはできない。ただし、情状により、その刑を減軽することができる。

 

(強盗致死傷)

第二百四十条 強盗が、人を負傷させたときは無期又は六年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。

 

(未遂罪)

第二百四十三条 第二百三十五条から第二百三十六条まで、第二百三十八条から第二百四十条まで及び第二百四十一条第三項の罪の未遂は、罰する。