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法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

役に立つ裁判例の紹介、法律の本の書評です。弁護士経験32年。第二東京弁護士会所属21770

町議会が議員に対し議員辞職勧告決議等をしたことが名誉き損に当たるとして国家賠償を請求する訴えが法律上の争訟に当たるとされた事例

 

 

慰謝料請求事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷判決/平成4年(オ)第111号

【判決日付】      平成6年6月21日

【判示事項】      町議会が議員に対し議員辞職勧告決議等をしたことが名誉き損に当たるとして国家賠償を請求する訴えが法律上の争訟に当たるとされた事例

【判決要旨】      町議会が議員に対し同人が町所有の土地を不法に占拠しているとして議員辞職勧告決議等をしたことが、同人に対する名誉き損に当たるとして国家賠償を請求する訴えは、裁判所法三条一項にいう「法律上の争訟」に当たる。

【参照条文】      国家賠償法1-1

             裁判所法3-1

【掲載誌】        最高裁判所裁判集民事172号703頁

             判例タイムズ871号140頁

             判例時報1502号96頁

 

 

国家賠償法

第一条 国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。

② 前項の場合において、公務員に故意又は重大な過失があつたときは、国又は公共団体は、その公務員に対して求償権を有する。

 

 

裁判所法

第三条(裁判所の権限) 裁判所は、日本国憲法に特別の定のある場合を除いて一切の法律上の争訟を裁判し、その他法律において特に定める権限を有する。

② 前項の規定は、行政機関が前審として審判することを妨げない。

③ この法律の規定は、刑事について、別に法律で陪審の制度を設けることを妨げない。

 

 

コロナ・ガス湯沸器事件・不正改造が原因で発生したガス湯沸器の不完全燃焼による一酸化炭素中毒事故につき、当該ガス湯沸器の製造・販売業者には、結果予見義務及び結果回避義務があったのにこれらを怠ったとして、不作為の不法行為責任が認められた事例

 

 

              損害賠償請求事件

【事件番号】      東京地方裁判所判決/平成19年(ワ)第31371号

【判決日付】      平成24年12月21日

【判示事項】      一 不正改造が原因で発生したガス湯沸器の不完全燃焼による一酸化炭素中毒事故につき、当該ガス湯沸器の製造・販売業者には、結果予見義務及び結果回避義務があったのにこれらを怠ったとして、不作為の不法行為責任が認められた事例

             二 ガス湯沸器の不完全燃焼による一酸化炭素中毒事故について、ガス事業者の不作為の不法行為責任及びガス供給契約上の債務不履行責任(ガス事業者としての安全配慮義務違反)のいずれも否定された事例

【参照条文】      民法709

             民法715-1

             民法719-1

【掲載誌】        判例時報2196号32頁

             LLI/DB 判例秘書登載

【評釈論文】      現代消費者法27号78頁

 

 

民法

(不法行為による損害賠償)

第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

 

(使用者等の責任)

第七百十五条 ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。

2 使用者に代わって事業を監督する者も、前項の責任を負う。

3 前二項の規定は、使用者又は監督者から被用者に対する求償権の行使を妨げない。

 

(共同不法行為者の責任)

第七百十九条 数人が共同の不法行為によって他人に損害を加えたときは、各自が連帯してその損害を賠償する責任を負う。共同行為者のうちいずれの者がその損害を加えたかを知ることができないときも、同様とする。

2 行為者を教唆した者及び幇ほう助した者は、共同行為者とみなして、前項の規定を適用する。

 

 

 

       主   文

 

 1 被告株式会社Y1及び被告株式会社Y2は,原告X1に対し,連帯して,4921万0774円及びこれに対する平成17年11月28日から支払済みまで年5パーセントの割合による金員を支払え。

 2 被告株式会社Y1及び被告株式会社Y2は,原告X2に対し,連帯して,4609万4439円及びこれに対する平成17年11月28日から支払済みまで年5パーセントの割合による金員を支払え。

 3 被告株式会社Y1及び被告株式会社Y2は,原告X3に対し,連帯して,2596万9486円及びこれに対する平成17年11月28日から支払済みまで年5パーセントの割合による金員を支払え。

 4 被告株式会社Y1及び被告株式会社Y2は,原告X4に対し,連帯して,110万円及びこれに対する平成17年11月28日から支払済みまで年5パーセントの割合による金員を支払え。

 5 原告X1,原告X2,原告X3,及び原告X4(以下「原告ら」という。)の被告株式会社Y1及び被告株式会社Y2に対するその余の請求並びに被告Y3株式会社に対する請求をいずれも棄却する。

 6 訴訟費用は,原告らに生じた費用の2分の1,被告Y3株式会社に生じた費用及び被告株式会社Y2と被告株式会社Y1に生じた費用の5分の2を原告らの負担とし,その余を被告株式会社Y1及び被告株式会社Y2の負担とする。

 7 この判決は,第1項から第4項にまで限り,仮に執行することができる。

 

       事実及び理由

 

第1 請求

 1 被告らは,原告X1に対し,連帯して,8992万4479円及びこれに対する平成17年11月28日から支払済みまで年5パーセントの割合による金員を支払え。

 2 被告らは,原告X2に対し,連帯して,7788万4840円及びこれに対する平成17年11月28日から支払済みまで年5パーセントの割合による金員を支払え。

 3 被告らは,原告X3に対し,連帯して,3132万0543円及びこれに対する平成17年11月28日から支払済みまで年5パーセントの割合による金員を支払え。

 4 被告らは,原告X4に対し,連帯して,648万円及びこれに対する平成17年11月28日から支払済みまで年5パーセントの割合による金員を支払え。

第2 事案の概要

   本件は,平成17年11月27日から同月28日にかけて,東京都港区において,ガス湯沸器の不完全燃焼による一酸化炭素中毒で1名が死亡,1名が負傷した事故に関し,この事故により死亡したN2の父である原告X1,母である原告X2,N2の兄で,この事故により負傷した原告X3,及びN2の姉である原告X4が,上記ガス湯沸器の修理業者である被告株式会社Y2に対し,使用者責任(715条),不法行為(民法709条,同719条1項)又はガス湯沸器の修理契約上の債務不履行(安全配慮義務違反)に基づき,その製造・販売業者である被告株式会社Y1(平成23年2月1日の合併以前は,株式会社B1及びC1株式会社)に対し,使用者責任(715条)又は不法行為(民法709条,同719条1項)に基づき,また,ガス供給業者である被告Y3株式会社に対し,ガス供給契約上の債務不履行(安全配慮義務違反)又は不法行為に基づき(同法709条,719条1項),連帯して,それぞれ上記「第1 請求」記載の損害賠償及び慰謝料等の支払を求めた事案(附帯請求である遅延損害金の始期は,不法行為の日である。)である。

同族会社の出資者が同会社に対してした無利息貸付けに所得税法(平成13年改正前)157条の規定を適用されて所得税の増額更正を受けた場合において利息相当分を更正前の税額の計算の基礎としなかったことにつき国税通則法65条4号にいう正当な理由があるとは認められないとされた事例

 

 

所得税更正処分取消等請求事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷判決/平成11年(行ヒ)第169号

【判決日付】      平成16年7月20日

【判示事項】      同族会社の出資者が同会社に対してした無利息貸付けに所得税法(平成13年法律第6号による改正前のもの)157条の規定を適用されて所得税の増額更正を受けた場合において利息相当分を更正前の税額の計算の基礎としなかったことにつき国税通則法65条4号にいう正当な理由があるとは認められないとされた事例

【判決要旨】      法人税法(平成15年法律第8号による改正前のもの)2条10号に規定する同族会社に当たる有限会社の代表者で出資持分の大半を有する社員が,同会社に対して3455億円を超える金員を無利息,無期限,無担保で貸し付けたことに所得税法(平成13年法律第6号による改正前のもの)157条の規定を通用され,利息相当分の雑所得があるとして所得税の増額更正を受けた場合において,上記貸付けは,不合理,不自然な経済活動であって,上記社員が経営責任を果たすために実行したとは認め難いものであること,税務当局に寄せられた相談事例及び職務執行の際に生じた疑義についての回答及び解説を国税局職員が編集又は監修をした解説書には,会社へ無利息貸付けをした代表者個人に所得税が課されることはない旨の記述があり,上記社員の顧問税理士等の税務担当者において税務当局が個人から法人への無利息貸付けに所得税を課さない旨の見解を採るものと解したため,前記利息相当分の雑所得はないとする申告がされたが,上記記述は,代表者の経営責任の観点から無利息貸付けに社会的,経済的に相当な理由があることを前提とするものであることなど判示の事情の下においては,前記利息相当分が更正前の税額の計算の基礎とされていなかったことについて国税通則法65条4項にいう正当な理由があるとは認められない。

【参照条文】      国税通則法65-4

             所得税法(平13法6号改正前)157

             法人税法(平15法8号改正前)2

【掲載誌】        訟務月報51巻8号2126頁

             最高裁判所裁判集民事214号1071頁

             裁判所時報1368号327頁

             判例タイムズ1163号131頁

             判例時報1873号123頁

             税務訴訟資料254号順号9700

 

 

国税通則法

(過少申告加算税)

第六十五条 期限内申告書(還付請求申告書を含む。第三項において同じ。)が提出された場合(期限後申告書が提出された場合において、次条第一項ただし書又は第七項の規定の適用があるときを含む。)において、修正申告書の提出又は更正があつたときは、当該納税者に対し、その修正申告又は更正に基づき第三十五条第二項(期限後申告等による納付)の規定により納付すべき税額に百分の十の割合(修正申告書の提出が、その申告に係る国税についての調査があつたことにより当該国税について更正があるべきことを予知してされたものでないときは、百分の五の割合)を乗じて計算した金額に相当する過少申告加算税を課する。

2 前項の規定に該当する場合(第五項の規定の適用がある場合を除く。)において、前項に規定する納付すべき税額(同項の修正申告又は更正前に当該修正申告又は更正に係る国税について修正申告書の提出又は更正があつたときは、その国税に係る累積増差税額を加算した金額)がその国税に係る期限内申告税額に相当する金額と五十万円とのいずれか多い金額を超えるときは、同項の過少申告加算税の額は、同項の規定にかかわらず、同項の規定により計算した金額に、その超える部分に相当する税額(同項に規定する納付すべき税額が当該超える部分に相当する税額に満たないときは、当該納付すべき税額)に百分の五の割合を乗じて計算した金額を加算した金額とする。

3 前項において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

一 累積増差税額 第一項の修正申告又は更正前にされたその国税についての修正申告書の提出又は更正に基づき第三十五条第二項の規定により納付すべき税額の合計額(当該国税について、当該納付すべき税額を減少させる更正又は更正に係る不服申立て若しくは訴えについての決定、裁決若しくは判決による原処分の異動があつたときはこれらにより減少した部分の税額に相当する金額を控除した金額とし、次項の規定の適用があつたときは同項の規定により控除すべきであつた金額を控除した金額とする。)

二 期限内申告税額 期限内申告書(次条第一項ただし書又は第七項の規定の適用がある場合には、期限後申告書を含む。次項第二号において同じ。)の提出に基づき第三十五条第一項又は第二項の規定により納付すべき税額(これらの申告書に係る国税について、次に掲げる金額があるときは当該金額を加算した金額とし、所得税、法人税、地方法人税、相続税又は消費税に係るこれらの申告書に記載された還付金の額に相当する税額があるときは当該税額を控除した金額とする。)

イ 所得税法第九十五条(外国税額控除)若しくは第百六十五条の六(非居住者に係る外国税額の控除)の規定による控除をされるべき金額、第一項の修正申告若しくは更正に係る同法第百二十条第一項第四号(確定所得申告)(同法第百六十六条(申告、納付及び還付)において準用する場合を含む。)に規定する源泉徴収税額に相当する金額、同法第百二十条第二項(同法第百六十六条において準用する場合を含む。)に規定する予納税額又は災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律(昭和二十二年法律第百七十五号)第二条(所得税の軽減又は免除)の規定により軽減若しくは免除を受けた所得税の額

ロ 法人税法第二条第三十八号(定義)に規定する中間納付額、同法第六十八条(所得税額の控除)(同法第百四十四条(外国法人に係る所得税額の控除)において準用する場合を含む。)、第六十九条(外国税額の控除)若しくは第百四十四条の二(外国法人に係る外国税額の控除)の規定による控除をされるべき金額又は同法第九十条(退職年金等積立金に係る中間申告による納付)(同法第百四十五条の五(申告及び納付)において準用する場合を含む。)の規定により納付すべき法人税の額(その額につき修正申告書の提出又は更正があつた場合には、その申告又は更正後の法人税の額)

ハ 地方法人税法第二条第十八号(定義)に規定する中間納付額、同法第十二条(外国税額の控除)の規定による控除をされるべき金額又は同法第二十条第二項(中間申告による納付)の規定により納付すべき地方法人税の額(その額につき修正申告書の提出又は更正があつた場合には、その申告又は更正後の地方法人税の額)

ニ 相続税法第二十条の二(在外財産に対する相続税額の控除)、第二十一条の八(在外財産に対する贈与税額の控除)、第二十一条の十五第三項及び第二十一条の十六第四項(相続時精算課税に係る相続税額)の規定による控除をされるべき金額

ホ 消費税法第二条第一項第二十号(定義)に規定する中間納付額

4 次の各号に掲げる場合には、第一項又は第二項に規定する納付すべき税額から当該各号に定める税額として政令で定めるところにより計算した金額を控除して、これらの項の規定を適用する。

一 第一項又は第二項に規定する納付すべき税額の計算の基礎となつた事実のうちにその修正申告又は更正前の税額(還付金の額に相当する税額を含む。)の計算の基礎とされていなかつたことについて正当な理由があると認められるものがある場合 その正当な理由があると認められる事実に基づく税額

二 第一項の修正申告又は更正前に当該修正申告又は更正に係る国税について期限内申告書の提出により納付すべき税額を減少させる更正その他これに類するものとして政令で定める更正(更正の請求に基づく更正を除く。)があつた場合 当該期限内申告書に係る税額(還付金の額に相当する税額を含む。)に達するまでの税額

5 第一項の規定は、修正申告書の提出が、その申告に係る国税についての調査があつたことにより当該国税について更正があるべきことを予知してされたものでない場合において、その申告に係る国税についての調査に係る第七十四条の九第一項第四号及び第五号(納税義務者に対する調査の事前通知等)に掲げる事項その他政令で定める事項の通知(次条第六項において「調査通知」という。)がある前に行われたものであるときは、適用しない。

 

 

所得税法

(同族会社等の行為又は計算の否認等)

第百五十七条 税務署長は、次に掲げる法人の行為又は計算で、これを容認した場合にはその株主等である居住者又はこれと政令で定める特殊の関係のある居住者(その法人の株主等である非居住者と当該特殊の関係のある居住者を含む。第四項において同じ。)の所得税の負担を不当に減少させる結果となると認められるものがあるときは、その居住者の所得税に係る更正又は決定に際し、その行為又は計算にかかわらず、税務署長の認めるところにより、その居住者の各年分の第百二十条第一項第一号若しくは第三号から第五号まで(確定所得申告)、第百二十二条第一項第一号から第三号まで(還付等を受けるための申告)又は第百二十三条第二項第一号、第三号、第五号若しくは第七号(確定損失申告)に掲げる金額を計算することができる。

一 法人税法第二条第十号(定義)に規定する同族会社

二 イからハまでのいずれにも該当する法人

イ 三以上の支店、工場その他の事業所を有すること。

ロ その事業所の二分の一以上に当たる事業所につき、その事業所の所長、主任その他のその事業所に係る事業の主宰者又は当該主宰者の親族その他の当該主宰者と政令で定める特殊の関係のある個人(以下この号において「所長等」という。)が前に当該事業所において個人として事業を営んでいた事実があること。

ハ ロに規定する事実がある事業所の所長等の有するその法人の株式又は出資の数又は金額の合計額がその法人の発行済株式又は出資(その法人が有する自己の株式又は出資を除く。)の総数又は総額の三分の二以上に相当すること。

2 前項の場合において、法人が同項各号に掲げる法人に該当するかどうかの判定は、同項に規定する行為又は計算の事実のあつた時の現況によるものとする。

3 第一項の規定は、同項各号に掲げる法人の行為又は計算につき、法人税法第百三十二条第一項(同族会社等の行為又は計算の否認)若しくは相続税法第六十四条第一項(同族会社等の行為又は計算の否認等)又は地価税法(平成三年法律第六十九号)第三十二条第一項(同族会社等の行為又は計算の否認等)の規定の適用があつた場合における第一項の居住者の所得税に係る更正又は決定について準用する。

4 税務署長は、合併(法人課税信託に係る信託の併合を含む。)、分割(法人課税信託に係る信託の分割を含む。)、現物出資若しくは法人税法第二条第十二号の五の二に規定する現物分配又は同条第十二号の十六に規定する株式交換等若しくは株式移転(以下この項において「合併等」という。)をした法人又は合併等により資産及び負債の移転を受けた法人(当該合併等により交付された株式又は出資を発行した法人を含む。以下この項において同じ。)の行為又は計算で、これを容認した場合には当該合併等をした法人若しくは当該合併等により資産及び負債の移転を受けた法人の株主等である居住者又はこれと第一項に規定する特殊の関係のある居住者の所得税の負担を不当に減少させる結果となると認められるものがあるときは、その居住者の所得税に関する更正又は決定に際し、その行為又は計算にかかわらず、税務署長の認めるところにより、その居住者の各年分の第百二十条第一項第一号若しくは第三号から第五号まで、第百二十二条第一項第一号から第三号まで又は第百二十三条第二項第一号、第三号、第五号若しくは第七号に掲げる金額を計算することができる。

 

 

法人税法

(定義)

第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

一 国内 この法律の施行地をいう。

二 国外 この法律の施行地外の地域をいう。

三 内国法人 国内に本店又は主たる事務所を有する法人をいう。

四 外国法人 内国法人以外の法人をいう。

五 公共法人 別表第一に掲げる法人をいう。

六 公益法人等 別表第二に掲げる法人をいう。

七 協同組合等 別表第三に掲げる法人をいう。

八 人格のない社団等 法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものをいう。

九 普通法人 第五号から第七号までに掲げる法人以外の法人をいい、人格のない社団等を含まない。

九の二 非営利型法人 一般社団法人又は一般財団法人(公益社団法人又は公益財団法人を除く。)のうち、次に掲げるものをいう。

イ その行う事業により利益を得ること又はその得た利益を分配することを目的としない法人であつてその事業を運営するための組織が適正であるものとして政令で定めるもの

ロ その会員から受け入れる会費により当該会員に共通する利益を図るための事業を行う法人であつてその事業を運営するための組織が適正であるものとして政令で定めるもの

十 同族会社 会社(投資法人を含む。以下この号において同じ。)の株主等(その会社が自己の株式(投資信託及び投資法人に関する法律(昭和二十六年法律第百九十八号)第二条第十四項(定義)に規定する投資口を含む。以下同じ。)又は出資を有する場合のその会社を除く。)の三人以下並びにこれらと政令で定める特殊の関係のある個人及び法人がその会社の発行済株式又は出資(その会社が有する自己の株式又は出資を除く。)の総数又は総額の百分の五十を超える数又は金額の株式又は出資を有する場合その他政令で定める場合におけるその会社をいう。

職務質問に附随して行う所持品検査の許容限度

 

 

覚せい剤取締法違反、有印公文書偽造、同行使、道路交通法違反被告事件

【事件番号】      最高裁判所第1小法廷判決/昭和51年(あ)第865号

【判決日付】      昭和53年9月7日

【判示事項】      1、職務質問に附随して行う所持品検査の許容限度

             2、職務質問に附随して行う所持品検査において許容される限度を超えた行為と認められた事例

             3、押収等の手続に違法のある証拠物とその証拠能力

             4、押収手続に違法のある証拠物について証拠能力が認められた事例

【判決要旨】      1 職務質問に附随して行う所持品検査は所持人の承諾を得てその限度でこれを行うのが原則であるが、捜索に至らない程度の行為は、強制にわたらない限り、たとえ所持人の承諾がなくても、所持品検査の必要性、緊急性、これによつて侵害される個人の法益と保護されるべき公共の利益との権衡などを考慮し、具体的状況のもとで相当と認められる限度において許容される場合がある。

             2 警察官が、覚せい剤の使用ないし所持の容疑がかなり濃厚に認められる者に対して職務質問中、その者の承諾がないのに、その上衣左側内ポケツトに手を差し入れて所持品を取り出したうえ検査した行為(判文参照)は、職務質問に附随する所持品検査において許容される限度を超えた行為である。

             3 証拠物の押収等の手続に憲法35条及びこれを受けた刑訴法218条1項等の所期する令状主義の精神を没却するような重大な違法があり、これを証拠として許容することが将来における違法な捜査の抑制の見地からして相当でないと認められる場合においては、その証拠能力は否定されるべきである。

             4 職務質問の要件が存在し、かつ、所持品検査の必要性と緊急性が認められる状況のもとで、必ずしも諾否の態度が明白ではなかつた者に対し、令状主義に関する諸規定を潜脱する意図なく、また、他に強制等を加えることなく行われた本件所持品検査(判文参照)において、警察官が所持品検査として許容される限度をわずかに超え、その者の承諾なくその上衣左側内ポケツトに手を差し入れて取り出し押収した点に違法があるに過ぎない本件証拠物の証拠能力は、これを肯定すべきである。

【参照条文】      憲法35

             警察官職務執行法2-1

             憲法31

             刑事訴訟法

             刑事訴訟法218-1

【掲載誌】        最高裁判所刑事判例集32巻6号1672頁

 

 

憲法

第三十五条 何人も、その住居、書類及び所持品について、侵入、捜索及び押収を受けることのない権利は、第三十三条の場合を除いては、正当な理由に基いて発せられ、且つ捜索する場所及び押収する物を明示する令状がなければ、侵されない。

② 捜索又は押収は、権限を有する司法官憲が発する各別の令状により、これを行ふ。

 

第三十一条 何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。

 

 

警察官職務執行法

(質問)

第二条 警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者又は既に行われた犯罪について、若しくは犯罪が行われようとしていることについて知つていると認められる者を停止させて質問することができる。

2 その場で前項の質問をすることが本人に対して不利であり、又は交通の妨害になると認められる場合においては、質問するため、その者に附近の警察署、派出所又は駐在所に同行することを求めることができる。

3 前二項に規定する者は、刑事訴訟に関する法律の規定によらない限り、身柄を拘束され、又はその意に反して警察署、派出所若しくは駐在所に連行され、若しくは答弁を強要されることはない。

4 警察官は、刑事訴訟に関する法律により逮捕されている者については、その身体について凶器を所持しているかどうかを調べることができる。

 

 

刑事訴訟法

第一条 この法律は、刑事事件につき、公共の福祉の維持と個人の基本的人権の保障とを全うしつつ、事案の真相を明らかにし、刑罰法令を適正且つ迅速に適用実現することを目的とする。

 

第二百十八条 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、裁判官の発する令状により、差押え、記録命令付差押え、捜索又は検証をすることができる。この場合において、身体の検査は、身体検査令状によらなければならない。

② 差し押さえるべき物が電子計算機であるときは、当該電子計算機に電気通信回線で接続している記録媒体であつて、当該電子計算機で作成若しくは変更をした電磁的記録又は当該電子計算機で変更若しくは消去をすることができることとされている電磁的記録を保管するために使用されていると認めるに足りる状況にあるものから、その電磁的記録を当該電子計算機又は他の記録媒体に複写した上、当該電子計算機又は当該他の記録媒体を差し押さえることができる。

③ 身体の拘束を受けている被疑者の指紋若しくは足型を採取し、身長若しくは体重を測定し、又は写真を撮影するには、被疑者を裸にしない限り、第一項の令状によることを要しない。

④ 第一項の令状は、検察官、検察事務官又は司法警察員の請求により、これを発する。

⑤ 検察官、検察事務官又は司法警察員は、身体検査令状の請求をするには、身体の検査を必要とする理由及び身体の検査を受ける者の性別、健康状態その他裁判所の規則で定める事項を示さなければならない。

⑥ 裁判官は、身体の検査に関し、適当と認める条件を附することができる。

 

 

甲名義の不動産につき乙、丙が順次相続したことを原因として直接丙に対してされた所有権移転登記を甲の共同相続人丁及び乙に対する所有権移転登記並びに乙から丙に対する持分全部移転登記に更正することの可否

 

 

所有権移転登記抹消登記手続請求事件

【事件番号】      最高裁判所第1小法廷判決/平成11年(オ)第773号

【判決日付】      平成12年1月27日

【判示事項】      甲名義の不動産につき乙、丙が順次相続したことを原因として直接丙に対してされた所有権移転登記を甲の共同相続人丁及び乙に対する所有権移転登記並びに乙から丙に対する持分全部移転登記に更正することの可否

【判決要旨】      甲名義の不動産につき、甲から乙、乙から丙への順次の相続を原因として直接丙に対する所有権移転登記がされているときに、右登記を甲の共同相続人丁及び乙に対する所有権移転登記並びに乙から丙に対する持分全部移転登記に更正することはできない。

【参照条文】      民法882

             民法896

             民法898

             不動産登記法63

             不動産登記法66

【掲載誌】        最高裁判所裁判集民事196号239頁

             裁判所時報1260号63頁

             判例タイムズ1025号114頁

             金融・商事判例1089号3頁

             判例時報1702号84頁

             金融法務事情1585号34頁

 

 

民法

(相続開始の原因)

第八百八十二条 相続は、死亡によって開始する。

 

(相続に関する胎児の権利能力)

第八百八十六条 胎児は、相続については、既に生まれたものとみなす。

2 前項の規定は、胎児が死体で生まれたときは、適用しない。

 

 

不動産登記法

(登記の更正)

第六十七条 登記官は、権利に関する登記に錯誤又は遺漏があることを発見したときは、遅滞なく、その旨を登記権利者及び登記義務者(登記権利者及び登記義務者がない場合にあっては、登記名義人。第三項及び第七十一条第一項において同じ。)に通知しなければならない。ただし、登記権利者、登記義務者又は登記名義人がそれぞれ二人以上あるときは、その一人に対し通知すれば足りる。

2 登記官は、前項の場合において、登記の錯誤又は遺漏が登記官の過誤によるものであるときは、遅滞なく、当該登記官を監督する法務局又は地方法務局の長の許可を得て、登記の更正をしなければならない。ただし、登記上の利害関係を有する第三者(当該登記の更正につき利害関係を有する抵当証券の所持人又は裏書人を含む。以下この項において同じ。)がある場合にあっては、当該第三者の承諾があるときに限る。

3 登記官が前項の登記の更正をしたときは、その旨を登記権利者及び登記義務者に通知しなければならない。この場合においては、第一項ただし書の規定を準用する。

4 第一項及び前項の通知は、代位者にもしなければならない。この場合においては、第一項ただし書の規定を準用する。

 

 

 

法人格否認の法理の適用により甲会社に対する損害賠償請求権を乙会社に対しても行使することができる場合と甲会社に対する判決の既判力および執行力の乙会社に対する拡張の許否

 

 

執行文付与請求事件

【事件番号】      最高裁判所第1小法廷判決/昭和50年(オ)第745号

【判決日付】      昭和53年9月14日

【判示事項】      法人格否認の法理の適用により甲会社に対する損害賠償請求権を乙会社に対しても行使することができる場合と甲会社に対する判決の既判力および執行力の乙会社に対する拡張の許否

【判決要旨】      乙会社の設立が甲会社の債務の支払を免れる意図のもとにされたものとして法人格の濫用と認められる場合には、法人格否認の法理により甲会社に対する債権者は自己と甲会社間で得た確定判決の内容である損害賠償請求を乙会社に対してすることができるが、この場合においても、訴外会社に対する右判決の既判力ないし執行力の範囲を乙会社にまで拡張することは許されない。

【参照条文】      商法52

             民事訴訟法201

             民事訴訟法519

             民事訴訟法521

【掲載誌】        最高裁判所裁判集民事125号57頁

             金融・商事判例558号3頁

             判例時報906号88頁

             金融法務事情880号59頁

 

 

会社法

(法人格)

第三条 会社は、法人とする。

 

 

民事訴訟法

(確定判決等の効力が及ぶ者の範囲)

第百十五条 確定判決は、次に掲げる者に対してその効力を有する。

一 当事者

二 当事者が他人のために原告又は被告となった場合のその他人

三 前二号に掲げる者の口頭弁論終結後の承継人

四 前三号に掲げる者のために請求の目的物を所持する者

2 前項の規定は、仮執行の宣言について準用する。

 

 

民事執行法

(債務名義)

第二十二条 強制執行は、次に掲げるもの(以下「債務名義」という。)により行う。

一 確定判決

二 仮執行の宣言を付した判決

三 抗告によらなければ不服を申し立てることができない裁判(確定しなければその効力を生じない裁判にあつては、確定したものに限る。)

三の二 仮執行の宣言を付した損害賠償命令

三の三 仮執行の宣言を付した届出債権支払命令

四 仮執行の宣言を付した支払督促

四の二 訴訟費用、和解の費用若しくは非訟事件(他の法令の規定により非訟事件手続法(平成二十三年法律第五十一号)の規定を準用することとされる事件を含む。)、家事事件若しくは国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律(平成二十五年法律第四十八号)第二十九条に規定する子の返還に関する事件の手続の費用の負担の額を定める裁判所書記官の処分又は第四十二条第四項に規定する執行費用及び返還すべき金銭の額を定める裁判所書記官の処分(後者の処分にあつては、確定したものに限る。)

五 金銭の一定の額の支払又はその他の代替物若しくは有価証券の一定の数量の給付を目的とする請求について公証人が作成した公正証書で、債務者が直ちに強制執行に服する旨の陳述が記載されているもの(以下「執行証書」という。)

六 確定した執行判決のある外国裁判所の判決(家事事件における裁判を含む。第二十四条において同じ。)

六の二 確定した執行決定のある仲裁判断

七 確定判決と同一の効力を有するもの(第三号に掲げる裁判を除く。)

 

(強制執行をすることができる者の範囲)

第二十三条 執行証書以外の債務名義による強制執行は、次に掲げる者に対し、又はその者のためにすることができる。

一 債務名義に表示された当事者

二 債務名義に表示された当事者が他人のために当事者となつた場合のその他人

三 前二号に掲げる者の債務名義成立後の承継人(前条第一号、第二号又は第六号に掲げる債務名義にあつては口頭弁論終結後の承継人、同条第三号の二に掲げる債務名義又は同条第七号に掲げる債務名義のうち損害賠償命令に係るものにあつては審理終結後の承継人)

2 執行証書による強制執行は、執行証書に表示された当事者又は執行証書作成後のその承継人に対し、若しくはこれらの者のためにすることができる。

3 第一項に規定する債務名義による強制執行は、同項各号に掲げる者のために請求の目的物を所持する者に対しても、することができる。

 

 

船舶所有者の責任

 

 

損害賠償請求事件

【事件番号】      広島地方裁判所竹原支部判決/昭和42年(ワ)第12号

【判決日付】      昭和45年3月20日

【判示事項】      1、船舶沈没による船員の死亡につき船長に過失ありと認めた事例

             2、商法第690条と民法第715条第1項ただし書との関係

             3、船長の航海上の過失に基づく乗組船員の死亡事故につき国際海上物品運送法第3条第2項を類推適用することの適否(消極)

【参照条文】      民法709

             民法715

             商法690

             商法705

             国際海上物品運送法

【掲載誌】        下級裁判所民事裁判例集21巻3~4号437頁

             判例時報611号71頁

 

 

民法

(不法行為による損害賠償)

第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

 

(使用者等の責任)

第七百十五条 ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。

2 使用者に代わって事業を監督する者も、前項の責任を負う。

3 前二項の規定は、使用者又は監督者から被用者に対する求償権の行使を妨げない。

 

 

商法

(船舶所有者の責任)

第六百九十条 船舶所有者は、船長その他の船員がその職務を行うについて故意又は過失によって他人に加えた損害を賠償する責任を負う。

 

(定期傭船者による指示)

第七百五条 定期傭船者は、船長に対し、航路の決定その他の船舶の利用に関し必要な事項を指示することができる。ただし、発航前の検査その他の航海の安全に関する事項については、この限りでない。

 

 

国際海上物品運送法

(運送品に関する注意義務)

第三条 運送人は、自己又はその使用する者が運送品の受取、船積、積付、運送、保管、荷揚及び引渡につき注意を怠つたことにより生じた運送品の滅失、損傷又は延着について、損害賠償の責を負う。

2 前項の規定は、船長、海員、水先人その他運送人の使用する者の航行若しくは船舶の取扱に関する行為又は船舶における火災(運送人の故意又は過失に基くものを除く。)により生じた損害には、適用しない。

 

 

 

 

同時傷害の特例を定めた刑法207条の法意

 

 

傷害,傷害致死被告事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷決定/平成27年(あ)第703号

【判決日付】      平成28年3月24日

【判示事項】      1 同時傷害の特例を定めた刑法207条の法意

             2 共犯関係にない二人以上の暴行による傷害致死の事案においていずれかの暴行と死亡との間の因果関係が肯定された場合と刑法207条の適用の可否

【判決要旨】      1 同時傷害の特例を定めた刑法207条は,共犯関係にない二人以上が暴行を加えた事案において,検察官が,各暴行が当該傷害を生じさせ得る危険性を有するものであること及び各暴行が外形的には共同実行に等しいと評価できるような状況において行われたこと,すなわち同一の機会に行われたものであることの証明をした場合,各行為者において,自己の関与した暴行が傷害を生じさせていないことを立証しない限り,傷害についての責任を免れないとしたものである。

             2 共犯関係にない二人以上の暴行による傷害致死の事案において,刑法207条適用の前提となる事実関係が証明された場合には,いずれかの暴行と死亡との間の因果関係が肯定されるときであっても,各行為者について同条の適用は妨げられない。

【参照条文】      刑法207

【掲載誌】        最高裁判所刑事判例集70巻3号1頁

 

 

刑法

(同時傷害の特例)

第二百七条 二人以上で暴行を加えて人を傷害した場合において、それぞれの暴行による傷害の軽重を知ることができず、又はその傷害を生じさせた者を知ることができないときは、共同して実行した者でなくても、共犯の例による。

 

 

審査手続における審査の範囲

 

 

所得税決定処分および無申告加算税賦課決定処分取消請求事件

【事件番号】      最高裁判所第1小法廷/昭和48年(行ツ)第94号

【判決日付】      昭和49年4月18日

【判示事項】      1 審査手続における審査の範囲

             2 課税処分取消訴訟の訴訟物

【判決要旨】      1 審査手続における審査の範囲は、総所得金額に対する課税の当否を判断するに必要な事項全般に及ぶものというべきである。

             2 課税処分取消訴訟の訴訟物は、総所得金額に対する課税の違法一般である。

【参照条文】      国税通則法(昭和45年法律第8号による改正前)83

             行政不服審査法4

             行政訴訟通則4

【掲載誌】        訟務月報20巻11号175頁

             税務訴訟資料75号163頁

【評釈論文】      ジュリスト604号134頁

             税務事例7巻1号23頁

 

 

国税通則法

(決定)

第八十三条 再調査の請求が法定の期間経過後にされたものである場合その他不適法である場合には、再調査審理庁は、決定で、当該再調査の請求を却下する。

2 再調査の請求が理由がない場合には、再調査審理庁は、決定で、当該再調査の請求を棄却する。

3 再調査の請求が理由がある場合には、再調査審理庁は、決定で、当該再調査の請求に係る処分の全部若しくは一部を取り消し、又はこれを変更する。ただし、再調査の請求人の不利益に当該処分を変更することはできない。

 

 

行政不服審査法

(処分についての審査請求の認容)

第四十六条 処分(事実上の行為を除く。以下この条及び第四十八条において同じ。)についての審査請求が理由がある場合(前条第三項の規定の適用がある場合を除く。)には、審査庁は、裁決で、当該処分の全部若しくは一部を取り消し、又はこれを変更する。ただし、審査庁が処分庁の上級行政庁又は処分庁のいずれでもない場合には、当該処分を変更することはできない。

2 前項の規定により法令に基づく申請を却下し、又は棄却する処分の全部又は一部を取り消す場合において、次の各号に掲げる審査庁は、当該申請に対して一定の処分をすべきものと認めるときは、当該各号に定める措置をとる。

一 処分庁の上級行政庁である審査庁 当該処分庁に対し、当該処分をすべき旨を命ずること。

二 処分庁である審査庁 当該処分をすること。

3 前項に規定する一定の処分に関し、第四十三条第一項第一号に規定する議を経るべき旨の定めがある場合において、審査庁が前項各号に定める措置をとるために必要があると認めるときは、審査庁は、当該定めに係る審議会等の議を経ることができる。

4 前項に規定する定めがある場合のほか、第二項に規定する一定の処分に関し、他の法令に関係行政機関との協議の実施その他の手続をとるべき旨の定めがある場合において、審査庁が同項各号に定める措置をとるために必要があると認めるときは、審査庁は、当該手続をとることができる。

第四十七条 事実上の行為についての審査請求が理由がある場合(第四十五条第三項の規定の適用がある場合を除く。)には、審査庁は、裁決で、当該事実上の行為が違法又は不当である旨を宣言するとともに、次の各号に掲げる審査庁の区分に応じ、当該各号に定める措置をとる。ただし、審査庁が処分庁の上級行政庁以外の審査庁である場合には、当該事実上の行為を変更すべき旨を命ずることはできない。

一 処分庁以外の審査庁 当該処分庁に対し、当該事実上の行為の全部若しくは一部を撤廃し、又はこれを変更すべき旨を命ずること。

二 処分庁である審査庁 当該事実上の行為の全部若しくは一部を撤廃し、又はこれを変更すること。

(不利益変更の禁止)

第四十八条 第四十六条第一項本文又は前条の場合において、審査庁は、審査請求人の不利益に当該処分を変更し、又は当該事実上の行為を変更すべき旨を命じ、若しくはこれを変更することはできない。

 

 

       主   文

 

  本件上告を棄却する。

  上告費用は上告人の負担とする。

 

       理   由

 

  上告人の上告理由について。

  被上告人のした本件決定処分は、上告人の昭和三八年における総所得金額に対する課税処分であるから、【判示事項一】その審査手続における審査の範囲も、右総所得金額に対する課税の当否を判断するに必要な事項全般に及ぶものというべきであり、したがつて、本件審査裁決が右総所得金額を構成する所論給与所得の金額を新たに認定してこれを考慮のうえ審査請求を棄却したことには、所論の違法があるとはいえない(なお、本件審査裁決は、審査請求を棄却しているから、不利益変更の禁止に触れないことはいうまでもない。)そして、【判示事項二】本件決定処分取消訴訟の訴訟物は、右総所得金額に対する課税の違法一般であり、所論給与所得の金額が、総所得金額を構成するものである以上、原判決が本件審査裁決により訂正された本件決定処分の理由をそのまま是認したことには、所論の違法は認められない。論旨は、ひつきよう、独自の見解に立つて原判決を非難するものにすぎず、採用することができない。

   よつて、行政事件訴訟法七条、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致で、主文のとおり判決する。

豪雨のためマンションのベランダに溜まって溢れた雨水が室内に浸水し階下の居室に漏水した事故について、居室使用者・占有者・所有者に損害賠償責任(連帯責任)が認められた事例

 

 

損害賠償請求事件

【事件番号】      東京地方裁判所判決/平成元年(ワ)第15430号、平成2年(ワ)第4549号

【判決日付】      平成4年3月19日

【判示事項】      一 豪雨のためマンションのベランダに溜まって溢れた雨水が室内に浸水し階下の居室に漏水した事故について、居室使用者・占有者・所有者に損害賠償責任(連帯責任)が認められた事例

             二 漏水事故により部屋の内装工事や家具購入に要した費用のうち支出を早められたことによる損害が相当因果関係の範囲に立つ損害であるとした事例

【参照条文】      民法717

             民法709

【掲載誌】        判例タイムズ809号182頁

             判例時報1442号126頁

 

 

民法

(土地の工作物等の占有者及び所有者の責任)

第七百十七条 土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。

2 前項の規定は、竹木の栽植又は支持に瑕疵がある場合について準用する。

3 前二項の場合において、損害の原因について他にその責任を負う者があるときは、占有者又は所有者は、その者に対して求償権を行使することができる。

 

(不法行為による損害賠償)

第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。