法人格否認の法理の適用により甲会社に対する損害賠償請求権を乙会社に対しても行使することができる場合と甲会社に対する判決の既判力および執行力の乙会社に対する拡張の許否
執行文付与請求事件
【事件番号】 最高裁判所第1小法廷判決/昭和50年(オ)第745号
【判決日付】 昭和53年9月14日
【判示事項】 法人格否認の法理の適用により甲会社に対する損害賠償請求権を乙会社に対しても行使することができる場合と甲会社に対する判決の既判力および執行力の乙会社に対する拡張の許否
【判決要旨】 乙会社の設立が甲会社の債務の支払を免れる意図のもとにされたものとして法人格の濫用と認められる場合には、法人格否認の法理により甲会社に対する債権者は自己と甲会社間で得た確定判決の内容である損害賠償請求を乙会社に対してすることができるが、この場合においても、訴外会社に対する右判決の既判力ないし執行力の範囲を乙会社にまで拡張することは許されない。
【参照条文】 商法52
民事訴訟法201
民事訴訟法519
民事訴訟法521
【掲載誌】 最高裁判所裁判集民事125号57頁
金融・商事判例558号3頁
判例時報906号88頁
金融法務事情880号59頁
会社法
(法人格)
第三条 会社は、法人とする。
民事訴訟法
(確定判決等の効力が及ぶ者の範囲)
第百十五条 確定判決は、次に掲げる者に対してその効力を有する。
一 当事者
二 当事者が他人のために原告又は被告となった場合のその他人
三 前二号に掲げる者の口頭弁論終結後の承継人
四 前三号に掲げる者のために請求の目的物を所持する者
2 前項の規定は、仮執行の宣言について準用する。
民事執行法
(債務名義)
第二十二条 強制執行は、次に掲げるもの(以下「債務名義」という。)により行う。
一 確定判決
二 仮執行の宣言を付した判決
三 抗告によらなければ不服を申し立てることができない裁判(確定しなければその効力を生じない裁判にあつては、確定したものに限る。)
三の二 仮執行の宣言を付した損害賠償命令
三の三 仮執行の宣言を付した届出債権支払命令
四 仮執行の宣言を付した支払督促
四の二 訴訟費用、和解の費用若しくは非訟事件(他の法令の規定により非訟事件手続法(平成二十三年法律第五十一号)の規定を準用することとされる事件を含む。)、家事事件若しくは国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律(平成二十五年法律第四十八号)第二十九条に規定する子の返還に関する事件の手続の費用の負担の額を定める裁判所書記官の処分又は第四十二条第四項に規定する執行費用及び返還すべき金銭の額を定める裁判所書記官の処分(後者の処分にあつては、確定したものに限る。)
五 金銭の一定の額の支払又はその他の代替物若しくは有価証券の一定の数量の給付を目的とする請求について公証人が作成した公正証書で、債務者が直ちに強制執行に服する旨の陳述が記載されているもの(以下「執行証書」という。)
六 確定した執行判決のある外国裁判所の判決(家事事件における裁判を含む。第二十四条において同じ。)
六の二 確定した執行決定のある仲裁判断
七 確定判決と同一の効力を有するもの(第三号に掲げる裁判を除く。)
(強制執行をすることができる者の範囲)
第二十三条 執行証書以外の債務名義による強制執行は、次に掲げる者に対し、又はその者のためにすることができる。
一 債務名義に表示された当事者
二 債務名義に表示された当事者が他人のために当事者となつた場合のその他人
三 前二号に掲げる者の債務名義成立後の承継人(前条第一号、第二号又は第六号に掲げる債務名義にあつては口頭弁論終結後の承継人、同条第三号の二に掲げる債務名義又は同条第七号に掲げる債務名義のうち損害賠償命令に係るものにあつては審理終結後の承継人)
2 執行証書による強制執行は、執行証書に表示された当事者又は執行証書作成後のその承継人に対し、若しくはこれらの者のためにすることができる。
3 第一項に規定する債務名義による強制執行は、同項各号に掲げる者のために請求の目的物を所持する者に対しても、することができる。