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法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

役に立つ裁判例の紹介、法律の本の書評です。弁護士経験32年。第二東京弁護士会所属21770

保証人が主たる債務者の破産手続開始前にその委託を受けないで締結した保証契約に基づき同手続開始後に弁済をした場合に保証人が取得する求償権の破産債権該当性

 

 

              預金返還請求事件

【事件番号】      最高裁判所第2小法廷判決/平成21年(受)第1567号

【判決日付】      平成24年5月28日

【判示事項】      1 保証人が主たる債務者の破産手続開始前にその委託を受けないで締結した保証契約に基づき同手続開始後に弁済をした場合に保証人が取得する求償権の破産債権該当性

             2 保証人が主たる債務者の破産手続開始前にその委託を受けないで締結した保証契約に基づき同手続開始後に弁済をした場合に保証人が取得する求償権を自働債権とする相殺の可否

【判決要旨】      1 保証人が主たる債務者の破産手続開始前にその委託を受けないで締結した保証契約に基づき同手続開始後に弁済をした場合において,保証人が主たる債務者である破産者に対して取得する求償権は,破産債権である。

             2 保証人が主たる債務者の破産手続開始前にその委託を受けないで締結した保証契約に基づき同手続開始後に弁済をした場合において,保証人が取得する求償権を自働債権とし,主たる債務者である破産者が保証人に対して有する債権を受働債権とする相殺は,破産法72条1項1号の類推適用により許されない。

             (補足意見がある。)

【参照条文】      民法462

             破産法2-5

             破産法67-1

             破産法72-1

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集66巻7号3123頁

 

 

民法

(委託を受けない保証人の求償権)

第四百六十二条 第四百五十九条の二第一項の規定は、主たる債務者の委託を受けないで保証をした者が債務の消滅行為をした場合について準用する。

2 主たる債務者の意思に反して保証をした者は、主たる債務者が現に利益を受けている限度においてのみ求償権を有する。この場合において、主たる債務者が求償の日以前に相殺の原因を有していたことを主張するときは、保証人は、債権者に対し、その相殺によって消滅すべきであった債務の履行を請求することができる。

3 第四百五十九条の二第三項の規定は、前二項に規定する保証人が主たる債務の弁済期前に債務の消滅行為をした場合における求償権の行使について準用する。

 

 

破産法

(定義)

第二条 この法律において「破産手続」とは、次章以下(第十二章を除く。)に定めるところにより、債務者の財産又は相続財産若しくは信託財産を清算する手続をいう。

2 この法律において「破産事件」とは、破産手続に係る事件をいう。

3 この法律において「破産裁判所」とは、破産事件が係属している地方裁判所をいう。

4 この法律において「破産者」とは、債務者であって、第三十条第一項の規定により破産手続開始の決定がされているものをいう。

5 この法律において「破産債権」とは、破産者に対し破産手続開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権(第九十七条各号に掲げる債権を含む。)であって、財団債権に該当しないものをいう。

6 この法律において「破産債権者」とは、破産債権を有する債権者をいう。

7 この法律において「財団債権」とは、破産手続によらないで破産財団から随時弁済を受けることができる債権をいう。

8 この法律において「財団債権者」とは、財団債権を有する債権者をいう。

9 この法律において「別除権」とは、破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき特別の先取特権、質権又は抵当権を有する者がこれらの権利の目的である財産について第六十五条第一項の規定により行使することができる権利をいう。

10 この法律において「別除権者」とは、別除権を有する者をいう。

11 この法律において「支払不能」とは、債務者が、支払能力を欠くために、その債務のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態(信託財産の破産にあっては、受託者が、信託財産による支払能力を欠くために、信託財産責任負担債務(信託法(平成十八年法律第百八号)第二条第九項に規定する信託財産責任負担債務をいう。以下同じ。)のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態)をいう。

12 この法律において「破産管財人」とは、破産手続において破産財団に属する財産の管理及び処分をする権利を有する者をいう。

13 この法律において「保全管理人」とは、第九十一条第一項の規定により債務者の財産に関し管理を命じられた者をいう。

14 この法律において「破産財団」とは、破産者の財産又は相続財産若しくは信託財産であって、破産手続において破産管財人にその管理及び処分をする権利が専属するものをいう。

 

(相殺権)

第六十七条 破産債権者は、破産手続開始の時において破産者に対して債務を負担するときは、破産手続によらないで、相殺をすることができる。

2 破産債権者の有する債権が破産手続開始の時において期限付若しくは解除条件付であるとき、又は第百三条第二項第一号に掲げるものであるときでも、破産債権者が前項の規定により相殺をすることを妨げない。破産債権者の負担する債務が期限付若しくは条件付であるとき、又は将来の請求権に関するものであるときも、同様とする。

 

第七十二条 破産者に対して債務を負担する者は、次に掲げる場合には、相殺をすることができない。

一 破産手続開始後に他人の破産債権を取得したとき。

二 支払不能になった後に破産債権を取得した場合であって、その取得の当時、支払不能であったことを知っていたとき。

三 支払の停止があった後に破産債権を取得した場合であって、その取得の当時、支払の停止があったことを知っていたとき。ただし、当該支払の停止があった時において支払不能でなかったときは、この限りでない。

四 破産手続開始の申立てがあった後に破産債権を取得した場合であって、その取得の当時、破産手続開始の申立てがあったことを知っていたとき。

2 前項第二号から第四号までの規定は、これらの規定に規定する破産債権の取得が次の各号に掲げる原因のいずれかに基づく場合には、適用しない。

一 法定の原因

二 支払不能であったこと又は支払の停止若しくは破産手続開始の申立てがあったことを破産者に対して債務を負担する者が知った時より前に生じた原因

三 破産手続開始の申立てがあった時より一年以上前に生じた原因

四 破産者に対して債務を負担する者と破産者との間の契約

 

 

筑豊じん肺訴訟・通商産業大臣が石炭鉱山におけるじん肺発生防止のための鉱山保安法上の保安規制の権限を行使しなかったことが国家賠償法1条1項の適用上違法となるとされた事例

 

 

損害賠償,民訴法260条2項による仮執行の原状回復請求事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷判決/平成13年(受)第1760号

【判決日付】      平成16年4月27日

【判示事項】      1 通商産業大臣が石炭鉱山におけるじん肺発生防止のための鉱山保安法上の保安規制の権限を行使しなかったことが国家賠償法1条1項の適用上違法となるとされた事例

             2 加害行為が終了してから相当の期間が経過した後に損害が発生する場合における民法724条後段所定の除斥期間の起算点

【判決要旨】      1 炭鉱で粉じん作業に従事した労働者が粉じんの吸入によりじん肺にり患した場合において,炭鉱労働者のじん肺り患の深刻な実情及びじん肺に関する医学的知見の変遷を踏まえて,じん肺を炭じん等の鉱物性粉じんの吸入によって生じたものを広く含むものとして定義し,これを施策の対象とするじん肺法が成立したこと,そのころまでには,さく岩機の湿式型化によりじん肺の発生の原因となる粉じんの発生を著しく抑制することができるとの工学的知見が明らかとなっており,金属鉱山と同様に,すべての石炭鉱山におけるさく岩機の湿式型化を図ることに特段の障害はなかったのに,同法成立の時までに,鉱山保安法に基づく省令の改正を行わず,さく岩機の湿式型化等を一般的な保安規制とはしなかったことなど判示の事実関係の下では,じん肺法が成立した後,通商産業大臣が鉱山保安法に基づく省令改正権限等の保安規制の権限を直ちに行使しなかったことは,国家賠償法1条1項の通用上違法となる。

             2 民法724条後段所定の除斥期間は,不法行為により発生する損害の性質上,加害行為が終了してから相当の期間が経過した後に損害が発生する場合には,当該損害の全部又は一部が発生した時から進行する。

【参照条文】      国家賠償法

             鉱山保安法

             鉱山保安法4

             鉱山保安法(昭三七法一〇五号による改正前のもの)30

             じん肺法(昭五二法七六号による改正前のもの)2-1

             石炭鉱山保安規則(昭六一通商産業省令七四号による改正前のもの)284-2

             民法724

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集58巻4号1032頁

 

 

国家賠償法

第一条 国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。

② 前項の場合において、公務員に故意又は重大な過失があつたときは、国又は公共団体は、その公務員に対して求償権を有する。

 

 

鉱山保安法

この法律の目的)

第一条 この法律は、鉱山労働者に対する危害を防止するとともに鉱害を防止し、鉱物資源の合理的開発を図ることを目的とする。

 

(処分等の効力)

第四条 この法律(この法律に基づく経済産業省令を含む。以下本条において同じ。)の規定によつてした処分及び鉱業権者がこの法律の規定によつてした手続その他の行為は、鉱業権者の承継人に対しても、その効力を有する。

2 租鉱権の設定又は租鉱区の増加があつたときは、この法律の規定によつてした処分及び採掘権者がこの法律の規定によつてした手続その他の行為は、租鉱権の範囲内において、租鉱権者に対しても、その効力を有する。

3 租鉱権の消滅又は租鉱区の減少があつたときは、この法律の規定によつてした処分及び租鉱権者がこの法律の規定によつてした手続その他の行為は、採掘権の範囲内において、採掘権者に対しても、その効力を有する。ただし、採掘権の消滅による租鉱権の消滅の場合は、この限りでない。

 

第三十条 鉱業権者は、この法律若しくはこの法律に基づく経済産業省令の規定による経済産業大臣又は産業保安監督部長の処分があつたときは、遅滞なく、その処分の内容を保安委員会に通知しなければならない。

2 鉱業権者は、第四十一条第一項及び第四十七条第一項の規定に基づく報告をしたときは、遅滞なく、その内容を保安委員会に通知しなければならない。

 

 

じん肺法

(定義)

第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

一 じん肺 粉じんを吸入することによつて肺に生じた線維増殖性変化を主体とする疾病をいう。

二 合併症 じん肺と合併した肺結核その他のじん肺の進展経過に応じてじん肺と密接な関係があると認められる疾病をいう。

三 粉じん作業 当該作業に従事する労働者がじん肺にかかるおそれがあると認められる作業をいう。

四 労働者 労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第九条に規定する労働者(同居の親族のみを使用する事業又は事務所に使用される者及び家事使用人を除く。)をいう。

五 事業者 労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)第二条第三号に規定する事業者で、粉じん作業を行う事業に係るものをいう。

2 合併症の範囲については、厚生労働省令で定める。

3 粉じん作業の範囲は、厚生労働省令で定める。

 

 

 

被告人(国籍フィリピン共和国)が,自己の子A(当時3歳)を施設から引き取り,長女(当時14歳)と3人で生活していたが,一時帰国を考え,Aの保護を長女に任せたのみで出国し,Aを飢餓により死亡させたとする保護責任者遺棄致死被告事件。

 

 

              保護責任者遺棄致死被告事件

【事件番号】      前橋地方裁判所判決/平成25年(わ)第283号

【判決日付】      平成26年2月6日

【判示事項】      被告人(国籍フィリピン共和国)が,自己の子A(当時3歳)を施設から引き取り,長女(当時14歳)と3人で生活していたが,一時帰国を考え,Aの保護を長女に任せたのみで出国し,Aを飢餓により死亡させたとする保護責任者遺棄致死被告事件。

本件では,被告人の出国した行為が「遺棄」に当たるかが争われた。

裁判所は,当時Aは栄養の摂取不足等で発育不良状態にあったこと,3週間もの長期にわたって,中学2年生の長女に十分な世話を期待することはできなかったこと,日頃から何かと援助してくれた知人にも知らせないよう口止めするなど,他に適切な保護措置を取ったとはいえず「遺棄」に該当するとして,懲役7年を言渡した事例

【掲載誌】        LLI/DB 判例秘書登載

 

 

刑法

(保護責任者遺棄等)

第二百十八条 老年者、幼年者、身体障害者又は病者を保護する責任のある者がこれらの者を遺棄し、又はその生存に必要な保護をしなかったときは、三月以上五年以下の懲役に処する。

先行事故に係る保険金支払請求が詐欺によるものとして重大事由解除に該当し、本件事故が被保険者の故意または重過失によって生じたものであるとして保険者の免責が認められた事例

 

 

              保険金請求控訴事件

【事件番号】      広島高等裁判所判決/令和2年(ネ)第322号

【判決日付】      令和3年3月12日

【判示事項】      先行事故に係る保険金支払請求が詐欺によるものとして重大事由解除に該当し、本件事故が被保険者の故意または重過失によって生じたものであるとして保険者の免責が認められた事例

【判決要旨】      1 控訴人は、先行事故自体が発生していないにもかかわらず、これが発生したかのように装って、被控訴人に対し、先行事故に係る保険金の支払を請求したというべきであり、これは、重大事由(被保険者が保険金の請求について詐欺を行い、または行おうとしたこと)に当たるものというほかない。

             2 本件事故の原因となった控訴人の行為については、ほとんど故意に等しい注意欠如の状態に当たる。

【参照条文】      保険法17-1

             保険法30

             保険法31

             保険法35

             保険法80

             保険法86

             保険法88

【掲載誌】        金融・商事判例1618号21頁

 

 

保険法

(保険者の免責)

第十七条 保険者は、保険契約者又は被保険者の故意又は重大な過失によって生じた損害をてん補する責任を負わない。戦争その他の変乱によって生じた損害についても、同様とする。

2 責任保険契約(損害保険契約のうち、被保険者が損害賠償の責任を負うことによって生ずることのある損害をてん補するものをいう。以下同じ。)に関する前項の規定の適用については、同項中「故意又は重大な過失」とあるのは、「故意」とする。

 

(重大事由による解除)

第三十条 保険者は、次に掲げる事由がある場合には、損害保険契約を解除することができる。

一 保険契約者又は被保険者が、保険者に当該損害保険契約に基づく保険給付を行わせることを目的として損害を生じさせ、又は生じさせようとしたこと。

二 被保険者が、当該損害保険契約に基づく保険給付の請求について詐欺を行い、又は行おうとしたこと。

三 前二号に掲げるもののほか、保険者の保険契約者又は被保険者に対する信頼を損ない、当該損害保険契約の存続を困難とする重大な事由

 

(解除の効力)

第三十一条 損害保険契約の解除は、将来に向かってのみその効力を生ずる。

2 保険者は、次の各号に掲げる規定により損害保険契約の解除をした場合には、当該各号に定める損害をてん補する責任を負わない。

一 第二十八条第一項 解除がされた時までに発生した保険事故による損害。ただし、同項の事実に基づかずに発生した保険事故による損害については、この限りでない。

二 第二十九条第一項 解除に係る危険増加が生じた時から解除がされた時までに発生した保険事故による損害。ただし、当該危険増加をもたらした事由に基づかずに発生した保険事故による損害については、この限りでない。

三 前条 同条各号に掲げる事由が生じた時から解除がされた時までに発生した保険事故による損害

 

 

 

       主   文

 

 1 本件控訴を棄却する。

 2 控訴費用は控訴人の負担とする。

 

       事実及び理由

 

第1 控訴の趣旨

1 原判決を取り消す。

2 被控訴人は、控訴人に対し、7321万7604円及びこれに対する平成28年7月9日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。

3 訴訟費用は、第1、2審とも被控訴人の負担とする。

第2 事案の概要

1 要旨

 本件は、控訴人が、被控訴人との間で、控訴人名義の自動車(以下「本件車両」という。)につき自動車保険契約(以下「本件保険契約」という。)を締結し、また、被控訴人を保険者とする団体保険契約(以下「本件団体保険契約」という。)の被保険者とされていたところ、これらの保険期間中に、本件車両を運転中に起こした交通事故(以下「本件事故」という。)により受傷したなどと主張して、被控訴人に対し、本件保険契約に基づく人身傷害等の保険金(5680万7604円)及び本件団体保険契約の傷害補償特約等に基づく保険金(1641万円)の合計7321万7604円並びにこれらに対する平成28年7月9日(訴状送達日の翌日。ただし、上記請求額は平成29年10月11日付け訴えの変更申立書(同月17日被控訴人送達)による請求の趣旨の拡張により変更されたもの)から支払済みまで商事法定利率(平成29年法律第45号による削除前のもの)年6分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。

 原審は、控訴人の請求をいずれも棄却したところ、控訴人がこれを不服として本件控訴を提起した。

『現代の国際政治 (放送大学教材)』 2022/3/20

白鳥 潤一郎 (著), 高橋 和夫 (著)

 

¥3,190

 

冷戦の終結から四半世紀以上が経過した現在、世界は再び激動の時代を迎えている。本書では、まず国際政治の歴史的な変遷を押さえた上で、現代を「異質な国家間の相互依存状態が常態化した時代」と捉えて、安全保障や経済、環境や宗教といった諸課題に目配りしながら現代の国際政治を検討していく。現代の国際政治を理解し判断するための基本概念や視座を獲得することが目標となる。同時に歴史的な経緯と構図を押さえることの重要性も意識して欲しい。

 

 

出版社 ‏ : ‎ 放送大学教育振興会 (2022/3/20)

発売日 ‏ : ‎ 2022/3/20

単行本 ‏ : ‎ 272ページ

 

 

コメント

国際政治を新しい視点で見ることができるようになる。

 

主債務者の有する引換給付の抗弁権と連帯保証人による引換給付の抗弁の主張の可否

 

 

貸金請求事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷判決/昭和39年(オ)第372号

【判決日付】      昭和40年9月21日

【判示事項】      主債務者の有する引換給付の抗弁権と連帯保証人による引換給付の抗弁の主張の可否

【判決要旨】      主債務者が債権者の金員支払請求に対し右金員の支払確保のために振り出された手形の返還との引換給付の抗弁権を有する場合には、連帯保証人は、右債権者の金員支払請求に対し、自己あてに手形を交付すべき旨の引換給付の抗弁を主張することができる。

【参照条文】      民法448

             民法458

             民法533

             手形法2編

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集19巻6号1542頁

 

 事案は、貸金債務の連帯保証人が、債権者からの連帯保証債務の履行の請求に対し、右債権の支払確保のために主債務者らが振り出した約束手形との引換給付の抗弁を主張しうるかどうかが問題となつたものである。

 

 

民法

(保証人の責任等)

第四百四十六条 保証人は、主たる債務者がその債務を履行しないときに、その履行をする責任を負う。

2 保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じない。

3 保証契約がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、その保証契約は、書面によってされたものとみなして、前項の規定を適用する。

 

(連帯保証人について生じた事由の効力)

第四百五十八条 第四百三十八条、第四百三十九条第一項、第四百四十条及び第四百四十一条の規定は、主たる債務者と連帯して債務を負担する保証人について生じた事由について準用する。

 

(同時履行の抗弁)

第五百三十三条 双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行(債務の履行に代わる損害賠償の債務の履行を含む。)を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる。ただし、相手方の債務が弁済期にないときは、この限りでない。

 

保証人敗訴の判決確定後に主債務者勝訴の判決が確定した場合と保証人敗訴の確定判決に対する請求異議

 

 

              請求異議事件

【事件番号】      最高裁判所第1小法廷判決/昭和49年(オ)第937号

【判決日付】      昭和51年10月21日

【判示事項】      保証人敗訴の判決確定後に主債務者勝訴の判決が確定した場合と保証人敗訴の確定判決に対する請求異議

【判決要旨】      債権者から保証人に対する保証責務履行請求訴訟における保証人敗訴の判決が確定した後に債務者から主債務者に対する主債務履行請求訴訟における主債務者勝訴の判決が確定しても、主債務者勝訴の判決が保証債務履行請求訴訟の事実審口頭弁論終結の時までに生じた事由に基づいてされているときは、保証人は、右の主債務者勝訴の確定判決を保証人敗訴の確定判決に対する請求異議の事由にすることはできない。

【参照条文】      民事訴訟法199-1

             民事訴訟法201-1

             民事訴訟法545

             民法448

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集30巻9号903頁

 

 

民事訴訟法

(既判力の範囲)

第百十四条 確定判決は、主文に包含するものに限り、既判力を有する。

2 相殺のために主張した請求の成立又は不成立の判断は、相殺をもって対抗した額について既判力を有する。

 

(確定判決等の効力が及ぶ者の範囲)

第百十五条 確定判決は、次に掲げる者に対してその効力を有する。

一 当事者

二 当事者が他人のために原告又は被告となった場合のその他人

三 前二号に掲げる者の口頭弁論終結後の承継人

四 前三号に掲げる者のために請求の目的物を所持する者

2 前項の規定は、仮執行の宣言について準用する。

 

 

民事執行法

(請求異議の訴え)

第三十五条 債務名義(第二十二条第二号又は第三号の二から第四号までに掲げる債務名義で確定前のものを除く。以下この項において同じ。)に係る請求権の存在又は内容について異議のある債務者は、その債務名義による強制執行の不許を求めるために、請求異議の訴えを提起することができる。裁判以外の債務名義の成立について異議のある債務者も、同様とする。

2 確定判決についての異議の事由は、口頭弁論の終結後に生じたものに限る。

3 第三十三条第二項及び前条第二項の規定は、第一項の訴えについて準用する。

 

 

民法

(保証人の負担と主たる債務の目的又は態様)

第四百四十八条 保証人の負担が債務の目的又は態様において主たる債務より重いときは、これを主たる債務の限度に減縮する。

2 主たる債務の目的又は態様が保証契約の締結後に加重されたときであっても、保証人の負担は加重されない。

 

 

地方公共団体の議会の議決と地方自治法第243条の2第4項の訴訟

 

 

地方自治法に基く警察予算支出禁止事件

【事件番号】      最高裁判所大法廷判決/昭和31年(オ)第61号

【判決日付】      昭和37年3月7日

【判示事項】      1、地方公共団体の議会の議決と地方自治法第243条の2第4項の訴訟

             2、法令審査権と国会の両院における法律制定の議事手続

             3、市町村警察を廃止しその事務を都道府県警察に移した昭和29年法律第162号警察法は、憲法第92条に違反するか

【判決要旨】      1、地方公共団体の議会の議決があつた公金の支出についても、地方自治法第243条の2第4項の訴訟によりその禁止、制限等を求めることができる。

             2、裁判所の法令審査権は、国会の両院における法律制定の議事手続の適否には及ばないと解すべきである。

             3、市町村警察を廃止しその事務を都道府県警察に移した昭和29年法律第162号警察法は、憲法第92条に違反するものではない。

             (少数意見及び補足意見がある。)

【参照条文】      地方自治法243の2

             憲法59

             憲法81

             憲法92

             警察法(昭和23年法律第196号)40

             警察法(昭和29年法律第162号)36

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集16巻3号445頁

 

 

地方自治法

(普通地方公共団体の長等の損害賠償責任の一部免責)

第二百四十三条の二 普通地方公共団体は、条例で、当該普通地方公共団体の長若しくは委員会の委員若しくは委員又は当該普通地方公共団体の職員(次条第三項の規定による賠償の命令の対象となる者を除く。以下この項において「普通地方公共団体の長等」という。)の当該普通地方公共団体に対する損害を賠償する責任を、普通地方公共団体の長等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、普通地方公共団体の長等が賠償の責任を負う額から、普通地方公共団体の長等の職責その他の事情を考慮して政令で定める基準を参酌して、政令で定める額以上で当該条例で定める額を控除して得た額について免れさせる旨を定めることができる。

2 普通地方公共団体の議会は、前項の条例の制定又は改廃に関する議決をしようとするときは、あらかじめ監査委員の意見を聴かなければならない。

3 前項の規定による意見の決定は、監査委員の合議によるものとする。

 

 

憲法

第五十九条 法律案は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、両議院で可決したとき法律となる。

② 衆議院で可決し、参議院でこれと異なつた議決をした法律案は、衆議院で出席議員の三分の二以上の多数で再び可決したときは、法律となる。

③ 前項の規定は、法律の定めるところにより、衆議院が、両議院の協議会を開くことを求めることを妨げない。

④ 参議院が、衆議院の可決した法律案を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて六十日以内に、議決しないときは、衆議院は、参議院がその法律案を否決したものとみなすことができる。

 

第八十一条 最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である。

 

第九十二条 地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める。

 

 

警察法

(設置及び責務)

第三十六条 都道府県に、都道府県警察を置く。

2 都道府県警察は、当該都道府県の区域につき、第二条の責務に任ずる。

 

(委員の任期)

第四十条 委員の任期は、三年とする。但し、補欠の委員は、前任者の残任期間在任する。

2 委員は、二回に限り再任されることができる。

 

被害者等が被害状況等を再現した結果を記録した捜査状況報告書を刑訴法321条1項3号所定の要件を満たさないのに同法321条3項のみにより採用した第1審の措置を是認した原判決に違法があるとされた事例

 

 

              公務執行妨害被告事件

【事件番号】      最高裁判所第1小法廷決定/平成26年(あ)第1422号

【判決日付】      平成27年2月2日

【判示事項】      被害者等が被害状況等を再現した結果を記録した捜査状況報告書を刑訴法321条1項3号所定の要件を満たさないのに同法321条3項のみにより採用した第1審の措置を是認した原判決に違法があるとされた事例

【参照条文】      刑事訴訟法321-1

             刑事訴訟法321-3

【掲載誌】        最高裁判所裁判集刑事316号133頁

             判例タイムズ1413号101頁

             判例時報2257号109頁

 

 

刑事訴訟法

第三百二十一条 被告人以外の者が作成した供述書又はその者の供述を録取した書面で供述者の署名若しくは押印のあるものは、次に掲げる場合に限り、これを証拠とすることができる。

一 裁判官の面前(第百五十七条の六第一項及び第二項に規定する方法による場合を含む。)における供述を録取した書面については、その供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明若しくは国外にいるため公判準備若しくは公判期日において供述することができないとき、又は供述者が公判準備若しくは公判期日において前の供述と異なつた供述をしたとき。

二 検察官の面前における供述を録取した書面については、その供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明若しくは国外にいるため公判準備若しくは公判期日において供述することができないとき、又は公判準備若しくは公判期日において前の供述と相反するか若しくは実質的に異なつた供述をしたとき。ただし、公判準備又は公判期日における供述よりも前の供述を信用すべき特別の情況の存するときに限る。

三 前二号に掲げる書面以外の書面については、供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明又は国外にいるため公判準備又は公判期日において供述することができず、かつ、その供述が犯罪事実の存否の証明に欠くことができないものであるとき。ただし、その供述が特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限る。

② 被告人以外の者の公判準備若しくは公判期日における供述を録取した書面又は裁判所若しくは裁判官の検証の結果を記載した書面は、前項の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。

③ 検察官、検察事務官又は司法警察職員の検証の結果を記載した書面は、その供述者が公判期日において証人として尋問を受け、その真正に作成されたものであることを供述したときは、第一項の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。

④ 鑑定の経過及び結果を記載した書面で鑑定人の作成したものについても、前項と同様である。

 

 

 

責任能力のある未成年者の不法行為と監督義務者の不法行為責任

 

 

慰藉料請求事件

【事件番号】      最高裁判所第2小法廷判決/昭和47年(オ)第1067号

【判決日付】      昭和49年3月22日

【判示事項】      責任能力のある未成年者の不法行為と監督義務者の不法行為責任

【判決要旨】      未成年者が責任能力を有する場合であっても、監督義務者の義務違反と当該未成年者の不法行為によって生じた結果との間に相当因果関係を認めうるときは、監督義務者につき民法709条に基づく不法行為が成立する。

【参照条文】      民法709

             民法714

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集28巻2号347頁

 

 

民法

(不法行為による損害賠償)

第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

 

(責任無能力者の監督義務者等の責任)

第七百十四条 前二条の規定により責任無能力者がその責任を負わない場合において、その責任無能力者を監督する法定の義務を負う者は、その責任無能力者が第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、監督義務者がその義務を怠らなかったとき、又はその義務を怠らなくても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。

2 監督義務者に代わって責任無能力者を監督する者も、前項の責任を負う。