訪問販売等に関する法律六条一項一号にいう「第五条の書面」に該当しないためクーリング・オフの期間が進行しないとされた事例
契約金返還請求事件
【事件番号】 東京地方裁判所判決/平成4年(ワ)第19268号
【判決日付】 平成5年8月30日
【判示事項】 一 訪問販売等に関する法律六条一項一号にいう「第五条の書面」に該当しないためクーリング・オフの期間が進行しないとされた事例
二 アルミサイディングの取付工事附帯売買契約においてクーリング・オフ権の行使による解除が認められた事例
【参照条文】 訪問販売等に関する法律4
訪問販売等に関する法律5-1
訪問販売等に関する法律6-1
訪問販売等に関する法律施行規則3
【掲載誌】 判例タイムズ844号252頁
【評釈論文】 別冊ジュリスト135号6頁
事案の概要
訪問販売等に関する法律(以下「訪問販売法」と言う。)6条1項は、契約の申込みの撤回又は契約の解除をする権利(クーリング・オフの権利)が認められる場合を規定している。
本件は、同法2条3項所定の指定商品(同法施行令2条別表第1の27号「壁用のパネルその他の建築用パネル」)の売買契約と指定役務(同法施行令2条別表第3の8号ホ「物品の取付け又は設置」)の役務提供契約とが一体となった混合契約について、Xのした解除の意思表示につき、同法6条1項1号によりもはや解除ができない場合に当たるか否かが争われた事案である。
特定商取引に関する法律
(訪問販売における書面の交付)
第四条 販売業者又は役務提供事業者は、営業所等以外の場所において商品若しくは特定権利につき売買契約の申込みを受け、若しくは役務につき役務提供契約の申込みを受けたとき又は営業所等において特定顧客から商品若しくは特定権利につき売買契約の申込みを受け、若しくは役務につき役務提供契約の申込みを受けたときは、直ちに、主務省令で定めるところにより、次の事項についてその申込みの内容を記載した書面をその申込みをした者に交付しなければならない。ただし、その申込みを受けた際その売買契約又は役務提供契約を締結した場合においては、この限りでない。
一 商品若しくは権利又は役務の種類
二 商品若しくは権利の販売価格又は役務の対価
三 商品若しくは権利の代金又は役務の対価の支払の時期及び方法
四 商品の引渡時期若しくは権利の移転時期又は役務の提供時期
五 第九条第一項の規定による売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回又は売買契約若しくは役務提供契約の解除に関する事項(同条第二項から第七項までの規定に関する事項(第二十六条第二項、第四項又は第五項の規定の適用がある場合にあつては、当該各項の規定に関する事項を含む。)を含む。)
六 前各号に掲げるもののほか、主務省令で定める事項
2 販売業者又は役務提供事業者は、前項の規定による書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、当該申込みをした者の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて主務省令で定めるものをいう。以下同じ。)により提供することができる。この場合において、当該販売業者又は当該役務提供事業者は、当該書面を交付したものとみなす。
3 前項前段の規定による書面に記載すべき事項の電磁的方法(主務省令で定める方法を除く。)による提供は、当該申込みをした者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルへの記録がされた時に当該申込みをした者に到達したものとみなす。
第五条 販売業者又は役務提供事業者は、次の各号のいずれかに該当するときは、次項に規定する場合を除き、遅滞なく(前条第一項ただし書に規定する場合に該当するときは、直ちに)、主務省令で定めるところにより、同条第一項各号の事項(同項第五号の事項については、売買契約又は役務提供契約の解除に関する事項に限る。)についてその売買契約又は役務提供契約の内容を明らかにする書面を購入者又は役務の提供を受ける者に交付しなければならない。
一 営業所等以外の場所において、商品若しくは特定権利につき売買契約を締結したとき又は役務につき役務提供契約を締結したとき(営業所等において特定顧客以外の顧客から申込みを受け、営業所等以外の場所において売買契約又は役務提供契約を締結したときを除く。)。
二 営業所等以外の場所において商品若しくは特定権利又は役務につき売買契約又は役務提供契約の申込みを受け、営業所等においてその売買契約又は役務提供契約を締結したとき。
三 営業所等において、特定顧客と商品若しくは特定権利につき売買契約を締結したとき又は役務につき役務提供契約を締結したとき。
2 販売業者又は役務提供事業者は、前項各号のいずれかに該当する場合において、その売買契約又は役務提供契約を締結した際に、商品を引き渡し、若しくは特定権利を移転し、又は役務を提供し、かつ、商品若しくは特定権利の代金又は役務の対価の全部を受領したときは、直ちに、主務省令で定めるところにより、前条第一項第一号及び第二号の事項並びに同項第五号の事項のうち売買契約又は役務提供契約の解除に関する事項その他主務省令で定める事項を記載した書面を購入者又は役務の提供を受ける者に交付しなければならない。
3 前条第二項及び第三項の規定は、前二項の規定による書面の交付について準用する。この場合において、同条第二項及び第三項中「申込みをした者」とあるのは、「購入者又は役務の提供を受ける者」と読み替えるものとする。
(禁止行為)
第六条 販売業者又は役務提供事業者は、訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の締結について勧誘をするに際し、又は訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回若しくは解除を妨げるため、次の事項につき、不実のことを告げる行為をしてはならない。
一 商品の種類及びその性能若しくは品質又は権利若しくは役務の種類及びこれらの内容その他これらに類するものとして主務省令で定める事項
二 商品若しくは権利の販売価格又は役務の対価
三 商品若しくは権利の代金又は役務の対価の支払の時期及び方法
四 商品の引渡時期若しくは権利の移転時期又は役務の提供時期
五 当該売買契約若しくは当該役務提供契約の申込みの撤回又は当該売買契約若しくは当該役務提供契約の解除に関する事項(第九条第一項から第七項までの規定に関する事項(第二十六条第二項、第四項又は第五項の規定の適用がある場合にあつては、当該各項の規定に関する事項を含む。)を含む。)
六 顧客が当該売買契約又は当該役務提供契約の締結を必要とする事情に関する事項
七 前各号に掲げるもののほか、当該売買契約又は当該役務提供契約に関する事項であつて、顧客又は購入者若しくは役務の提供を受ける者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なもの
2 販売業者又は役務提供事業者は、訪問販売に係る売買契約又は役務提供契約の締結について勧誘をするに際し、前項第一号から第五号までに掲げる事項につき、故意に事実を告げない行為をしてはならない。
3 販売業者又は役務提供事業者は、訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約を締結させ、又は訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回若しくは解除を妨げるため、人を威迫して困惑させてはならない。
4 販売業者又は役務提供事業者は、訪問販売に係る売買契約又は役務提供契約の締結について勧誘をするためのものであることを告げずに営業所等以外の場所において呼び止めて同行させることその他政令で定める方法により誘引した者に対し、公衆の出入りする場所以外の場所において、当該売買契約又は当該役務提供契約の締結について勧誘をしてはならない。