寺院が葬儀の魔除の仏具として刀剣類を所持する場合と銃砲刀剣類等所持取締令第2条但書 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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寺院が葬儀の魔除の仏具として刀剣類を所持する場合と銃砲刀剣類等所持取締令第2条但書

 

 

              銃砲刀剣類等所持取締令違反被告事件

【事件番号】      名古屋高等裁判所金沢支部判決/昭和27年(う)第19号

【判決日付】      昭和27年6月20日

【判示事項】      1、寺院が葬儀の魔除の仏具として刀剣類を所持する場合と銃砲刀剣類等所持取締令第2条但書

             2、銃砲刀剣類等所持取締令第2条但書と刑法第35条の関係

【判決要旨】      1、寺院が葬儀の魔除の仏具として刀剣類を所持する場合は、銃砲刀剣類等所持取締令第2条但書第1号の「法令に基き職務のために所持するとき」に該当しない。

             2、銃砲刀剣類等所持取締令第2条但書の規定は、銃砲刀剣類等の所持行為につきその違法性阻却の原由を列挙限定した規定であるから、刑法第35条を適用する余地はない。

【参照条文】      銃砲刀剣類所持等取締法

             刑法35

【掲載誌】        高等裁判所刑事判例集5巻9号1459頁

             刑事裁判資料114号56頁

 

 

刑法

(正当行為)

第三十五条 法令又は正当な業務による行為は、罰しない。

 

 

銃砲刀剣類所持等取締法

(定義)

第二条 この法律において「銃砲」とは、拳銃、小銃、機関銃、砲、猟銃その他金属性弾丸を発射する機能を有する装薬銃砲及び空気銃(圧縮した気体を使用して弾丸を発射する機能を有する銃のうち、内閣府令で定めるところにより測定した弾丸の運動エネルギーの値が、人の生命に危険を及ぼし得るものとして内閣府令で定める値以上となるものをいう。以下同じ。)をいう。

2 この法律において「刀剣類」とは、刃渡り十五センチメートル以上の刀、やり及びなぎなた、刃渡り五・五センチメートル以上の剣、あいくち並びに四十五度以上に自動的に開刃する装置を有する飛出しナイフ(刃渡り五・五センチメートル以下の飛出しナイフで、開刃した刃体をさやと直線に固定させる装置を有せず、刃先が直線であつて峰の先端部が丸みを帯び、かつ、峰の上における切先から直線で一センチメートルの点と切先とを結ぶ線が刃先の線に対して六十度以上の角度で交わるものを除く。)をいう。