2024年J1戦力診断 その3 | BBGのブログ

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【2024年J1戦力診断 その3】

アルビレックス新潟(昨シーズン10位)
『確固たる戦術をベースに退団選手の穴も素早くカバー。若手の台頭にも期待。』

2024年予想フォーメーション
【各セクション診断】
FW 7
MF 7
DF 7
GK 8
指揮官 8
【総合値】37(9位)
【補強評価】B
【キーマン】宮本英治


J2で培ったパスサッカーを武器に、継続性と組織力を発揮して昨季はJ1の舞台でも躍動。
いわゆる「2年目のジンクス」が懸念される今シーズンだが、昨季終盤の好成績を考えれば過度な不安は必要ないだろう。

今オフは昨季のJリーグ「ベストヤングプレーヤー」に選ばれた三戸が海外へ、そしてゲームキャプテンを務めた高がFC東京へ移籍と、継続性に小さくないメスを入れられた。
それでも、高の穴埋めにはJ2のいわきから宮本を獲得し、前線にも小野と長谷川という実力者2名を獲得。
宮本と小野はそれぞれ12月初旬に獲得が決まるなど、明確な戦術コンセプトがあるが故のスカウティングの早さからは、クラブが良いサイクルにはまっていることが伺える。

松橋監督は昨季から試合によって選手を使い分ける采配が多く、今季も恐らくは多くの選手が出場機会を分け合うことになるだろう。
甲府から加入した長谷川はサイドハーフでも起用が可能だが、恐らくはトップ下にて高木と併用という形が濃厚と予想する。
本間、そして三戸とここ数年は活きの良いドリブラーが次々と台頭する土壌が出来つつあるので、松田や小見といった若手選手には注目しておいて損はないはずだ。

そんな中、唯一と言ってもいい全幅の信頼を与えられていた存在が高だっただけに、新加入の宮本には大きな重圧がのしかかることとなってくる。
自身初となるJ1の舞台にて、いかにすぐ強度の差にアジャスト出来るかはチーム全体にとっても重要なポイントだ。
また、3年間で鍛え上げたフィジカルと走力がどこまで通用するかという点は、今オフ多くの選手が他クラブへとステップアップしたいわきFCにとっても「クラブの方向性の成否」を示す注目のバロメーターとなるだろう。


セレッソ大阪(昨シーズン9位)
『大型補強で4-3-3の本格導入が見込まれる。アンカーの新戦力が肝となるか。』

2024年予想フォーメーション
【各セクション診断】
FW 8
MF 8
DF 8
GK 8
指揮官 8
【総合値】40(5位)
【補強評価】B
【キーマン】田中駿汰


タイトル獲得を目標に臨んだ昨季だったが、結果は無冠に終わりリーグの順位も9位に留まった。
小菊体制も4年目を迎える今季こそは、タイトル獲得へ向けて勝負の年となるだろう。

長らくクラブに尽力してきた指揮官をサポートすべく、フロントも今オフは大型補強を敢行。
最大の目玉となるのはブラジル1部から加わったヴィトール・ブエノの存在であり、その移籍金は実に2億円程度と報じられている。
185cmの大型アタッカーであるブエノはパワフルな推進力を持ち味としており、今季本格導入が予想されている4-3-3ではインサイドハーフでの起用が濃厚。
エースのレオ・セアラ以外で得点力のある選手が不足していただけに、攻撃のキーマンとなることは間違いない。

また、昨季何度か導入を試みた4-3-3が成功するためには、アンカーとして獲得した田中駿汰もキーマンとなるはずだ。
昨年はこの位置に香川を起用するなど「適任者不在」が導入を阻む大きな要因となっただけに、彼のフィットは絶対条件。
田中に加えて平野佑一を獲得するなどバックアッパーの補強にも余念がないあたりからは、新システム導入へ向けての強い意気込みも伺うことが出来る。

小菊監督の就任以降守備の強度は高まった一方で、攻撃に関しては単調なサイドアタックに頼るケースが多かったのもまた事実。
ルーカス・フェルナンデスや登里といった実力者も獲得した今季、またも同じサッカーを繰り返すのはあまりにも勿体ない。
ここ数年で築いた堅守をベースに、往年のセレッソらしいテンポの良い攻撃の再建を望みたいところだが果たして。


川崎フロンターレ(昨シーズン8位)
『大型CFのエリソンを筆頭に活発な補強。リーグ奪還は現実的な目標に。』

2024年予想フォーメーション
【各セクション診断】
FW 8
MF 8
DF 8
GK 7
指揮官 8
【総合値】39(6位)
【補強評価】B
【キーマン】エリソン


リーグ戦では苦しみながらも、最後の最後に天皇杯を制し有終の締めくくりとなった昨シーズン。
2シーズン続けてのACL出場も決まり、今オフは例年以上に「量」を重視する補強戦略となった。

その分退団選手も多く、特に不安要素となるのは山根と登里が揃って退団となった両SBになるだろう。
エールディヴィジで活躍していたファン・ウェルメスケルケン・際と、1月にはA代表にも招集された三浦というふたりの実力者を獲得したものの、川崎のSBはまさに鬼木サッカーの生命線。
このポジションを長らく務めていた山根と登里と同等の活躍をすぐに望むのは酷であり、戦術の浸透には苦労する可能性もあるだろう。

そうした不安要素を何とか個の力で補うべく、クラブは今オフビッグネームの獲得に打って出た。
最前線に加わったエリソンはブラジル1部でも実績十分の紛うことなき実力者。
パワーとスピードを兼ね備えたフッキを彷彿とさせるストライカーであり、練習試合で既にゴールを量産するなどフィット感も上々の様子。
CF不足はここ数年の大きな課題だっただけに、彼の活躍に今季の命運が託されていることは間違いない。

その他のポジションに関しても、丸山や松井が加わり層のぐっと厚くなったDFラインや、山本とゼ・ヒカルドの加わった中盤のラインナップなど、昨季に比べればかなり充実の陣容が完成したことは間違いない。
ここ数年は「若手の育成」を理由に補強の乏しいシーズンが続いていたが、これだけの戦力を与えられれば鬼木監督にとっても言い訳無用のシーズンとなるだろう。
多彩なメンバーをまとめ上げ、もう一度リーグ優勝へ導くことが出来るか否か。8年目を迎えた鬼木体制にとっても節目の一年となりそうだ。


アビスパ福岡(昨シーズン7位)
『山岸の退団は大きな不安要素。昨季を超えるためには戦力の底上げが必須。』

2024年予想フォーメーション
【各セクション診断】
FW 6
MF 7
DF 8
GK 7
指揮官 10
【総合値】38(8位)
【補強評価】D
【キーマン】岩崎悠人


リーグ戦ではクラブ最高となる7位進出、さらにルヴァン杯制覇と昨シーズンは最高の一年に。
それだけに前年を超えるのは難しい目標となるが、まずは上位定着へ向けてさらなる足場を築くシーズンとしたい所だ。

オフの出入りを見ると、真っ先に不安要素として挙げられるのが山岸の退団したFWになるだろう。
2年連続2桁得点を挙げるだけでなく、昨季は全試合に先発出場するなど長谷部監督が全幅の信頼を寄せていた選手だけに、彼の穴埋めは容易ではないミッションとなる。
山岸と2トップを組む機会の多かったルキアンも退団し、前線の戦力は何とも心許ないところ。
広島から獲得したベン・カリファは献身性などにおいては長谷部サッカーとの愛称の良さを感じるも、決定力の高さには不安が残る。
山岸が挙げた10得点分を補うためには、鳥栖から加わった岩崎の存在がカギを握ることになるだろう。

中盤では同じくチームのキーマンだった井手口が退団となったが、こちらは松岡の獲得である程度は穴埋め可能と見ていいのではないだろうか。
ブラジルではほとんど出場機会がなかっただけにゲーム勘には不安が残るも、Jリーグ時代の実績を考えれば井手口に劣らぬ実力者であることは間違いない。大きな不安は要らないだろう。

その他は概ね昨季からの戦力が変わらずという形となっただけに、それこそ昨季以上の成績を目指すのであれば「戦力の底上げ」が求められることとなる。
重見や鶴野、レンタル先の東京Vで経験を積んだ北島など、ポテンシャルを感じる若手選手たちをさらなる成長に導くことが出来れば、自ずとチーム全体の総合力は高まることになるだろう。
勝敗と並行してこの目標を叶えることは容易ではないが、多くの夢を実現させてきた長谷部監督であれば「結果と育成」の両取りも決して不可能ではないはずだ。


名古屋グランパス(昨シーズン6位)
『DFラインは刷新も、リーグ有数の大型補強で優勝は至上命題に近い目標に。』

2024年予想フォーメーション
【各セクション診断】
FW 8
MF 8
DF 7
GK 9
指揮官 8
【総合値】39(6位)
【補強評価】B
【キーマン】ハ・チャンレ


シーズン途中のマテウス退団の影響をモロに受け、尻すぼみの結末となった昨シーズン。
長谷川体制も3年目を迎え、そろそろタイトルなしでは許されない状況となってきた。

まずはマテウスの穴埋めを目指したいオフシーズンだったが、チームにのしかかったのは「DFラインの再編」だ。
不動のCBだった藤井と中谷がそれぞれ退団となり、丸山との契約が満了となった今オフはDFラインの一変が余儀なくされることに。
丸山との契約を延長しなかった判断などには疑問も残るところだが、「新生3バック」の成否がタイトル獲得へ向けては最大のカギとなることは間違いない。

中でもキーマンとなるのはハ・チャンレの存在となるだろう。
Kリーグでの実績十二分の「闘将」は、既にDFリーダーとして存在感を発揮していると聞く。
ややおとなしい選手が多い印象のチームだけに、ピッチ内外での貢献に期待したい所だ。

中盤から前線にかけては、「総入れ替え」が求められたDF以上に激しい補強ラッシュとなった。
FWにはパトリックと山岸、中盤には山中、小野、中山、椎橋が加わるなど、補強に関しては今オフ最も積極的に動いたクラブと言っても過言ではないだろう。

それだけに、長谷川監督にとってはタイトル獲得へ向けて言い訳無用の一年となってくる。
昨季は戦力がほぼ固定となり多くの戦力が「持ち腐れ」状態となってしまったが、リーグ優勝を目指すのであれば同じような戦い方では無理があるだろう。
新加入選手たちをしっかりと戦力に組み込みながら、課題のビルドアップの構築などにどう挑むか。
自身にとっても「後のない」シーズンとなることが予想されるだけに、G大阪・FC東京とそれぞれでタイトルを獲得してきたその手腕に期待を懸けたい。