スペイン vs アルゼンチン
●Preview
史上最多となる48カ国にて行われた2026年北中米ワールドカップ。
開幕戦がもはや遠い昔の出来事に思われるくらいだが、いよいよ「104試合目」となる決勝戦が幕を開けることになる。
前回大会王者のFIFAランキング1位、アルゼンチンか。
それとも2024年のEURO王者、FIFAランキング2位のスペインか。
一切の不足なし。
これ以上ない夢のカードにより、世界王者がついに決まることとなる。
●STARTING LINE-UP

(布陣は試合開始時のもの。一部、選手名が記事内での表記と異なることをご了承下さい。)
スペインは準々決勝、準決勝、そして決勝と一切のメンバー変更なし。
準決勝では途中交代となったポロの状態が懸念されたが、どうやら疲労の蓄積程度で負傷ではなかったとのことでひと安心だ。
一方のアルゼンチンは、準決勝から3名の選手を交代。
準決勝では突然のシメオネの抜擢がチームに良い効果をもたらしたが、今度はニコ・ゴンサレスが今大会初スタメンに抜擢された。
●Review

試合は大方の予想通り、立ち上がりからスペインが主導権を握る内容に。
フランス戦と同様に高めのライン設定を敷くことでコンパクトな陣形を保ち、各選手が積極的なプレスを展開。
出しどころを失ったアルゼンチンから易々とボールを回収すると、パスを回しながら自分たちのリズムで試合を進めていく。
対するアルゼンチンも序盤は前から積極的にボールを奪いにいく姿勢を見せたが、スペインが相手ではやはり守備が免除されているメッシの存在が足枷になってしまう感は否めない。
常に1枚足りない相手のプレスをスペインの選手たちは大きな苦とせず、ボールを持った際の優位性はスペインの方に圧倒的な分があるのは誰の目にも明らかだった。
また、アルゼンチンにとって大きな痛手となってしまったのはリサンドロ・マルティネスの負傷退場。
前に出て相手を潰せるCBとしてこの試合でも絶大な存在感を放っていたリサンドロ・マルティネスは代えの効かない選手であり、彼に代わって機動力に欠けるオタメンディが投入される「最初の選手交代」はチーム全体にとっても大きな影響を与えることとなってしまった。
後半に入り、スカローニ監督はニコ・ゴンザレスを早々に諦めパレデスを投入。
リサンドロ・マルティネスに代わってパレデスに中盤での潰し役を与え、素早く守備の修正に打って出る。
しかしその一方でサイドで幅を取れる選手がいなくなったことで、後半はポロやククレジャのオーバーラップによるスペインのサイドアタックに苦戦。
デ・ラ・フエンテ監督もこの日は早めのN・ウィリアムズ投入などで積極的にサイドからの圧力を強め、結局アルゼンチンは前半以上に防戦一方の展開を強いられてしまう。
気づけば80分ごろまでシュート0本と、前回王者が何もできないまま試合終盤を迎えることになってしまった。
それでもアルゼンチンとしては今大会で度々ミラクルを起こしてきたこの80分以降の時間帯まで0-0で持ち込んだことで、むしろ「何かが起こるような予感」があったのも事実。
シュート0本という数字すら、むしろアルゼンチンの勝利へのフラグのようにすら思えてしまうそんな期待感がスタジアムには漂いつつあった。
…だったのだが、その期待感をE・フェルナンデスが台無しにしてしまう。
82分に手を使った不必要なファウルで警告をもらうと、90+3分にはクバルシに対して危険なタックルを見舞って2枚目の警告。
この場面も全くタックルの必要ない場面であり、誰も擁護のしようのないラフプレーで10人での戦いを強いられることになってしまう。
こうなるとさすがのアルゼンチンもミラクルを起こすというわけにはいかず、あとは何とか120分を耐え凌ぐだけという試合になってしまった。
それでも延長に入ってからの苦しい時間帯をE・マルティネスの度々のビッグセーブで乗り切った際には前回大会の決勝の再現も頭によぎったが…自分たちの愚行により10人での戦いを招いた中、さすがにそう全てが上手くアルゼンチンに傾くほどワールドカップという舞台は甘い舞台ではなかった。
延長後半開始早々の106分、スペインはペナルティエリア角からのポロのクロスを大外でN・ウィリアムズが折り返し、ここにF・トーレスが詰めてネットを揺らす。
再三再四のサイドアタックから、最後は今大会で何度も見られた「ペナ角クロス」でアルゼンチンの守備を攻略。
これが決勝点となって、16年ぶり2度目のワールドカップ制覇を成し遂げることとなった。
敗れたアルゼンチンは試合後にもパレデスが相手選手に暴行をふるって退場処分を受けるなど、圧倒的劣勢を強いられた中で選手たちがセルフコントロールを欠いてしまい、この「精神的未熟さ」が大きな敗因となった感は否めない。
一方のスペインは度々に渡るアルゼンチン側の挑発を意に介さず、ゴールが奪えない中でも最後まで淡々と自分たちのすべきことを全うし続けた120分間だった。
メッシ、エムバペ、ハーランドといった強烈なタレントたちの活躍が目立った今大会において、決勝戦はこの「精神力の差」によって明暗が分かれる結末となった。
●Result
Final
SPAIN 1-0 ARGENTINA
得点 106 F・トーレス(ESP)
MOM ポロ(ESP)







