史上最多の48カ国にて行われた2026年の北中米ワールドカップ。
開催方法や大会運営をめぐって様々な批判や議論が巻き起こった大会となったが、ひとまず大きなアクシデントもなく、無事に1ヶ月を超える大会が終幕となった。
過去の大会と同様に、このブログでも簡単に個人的な総括を更新させてもらうこととする。
ピッチ上の事象に目を向けると、最も目を引いたのはやはりスター選手たちの活躍だ。
エムバペが10得点、メッシが8得点、そしてハーランドとベリンガムが7得点。
世界最高峰のタレントたちがその実力を余すことなく発揮したのは、出場国拡大による影響が大きいと見ていいだろう。
出場国の裾野が広がったことで各国の戦力差はさらに拡大し、列強国の多くはグループステージを易々と突破。そして彼らスター選手たちがゴールを量産することとなった。
決勝トーナメント目を向けても、今大会は「極めて波乱の少ない大会」となったと言っていい。
ラウンド32で敗れたドイツを除けば全ての優勝候補国が順当にトーナメントを勝ち上がり、ベスト4にはFIFAランキング上位4カ国がそのまま名を連ねることとなった。
そしてこの理由もまた、出場国の拡大に伴う試合数の増加が影響していると見ていいだろう。
試合数の増加に加えて試合ごとの長距離移動など、過去にない過酷な戦いを強いられた今大会は、チームの総合力がこれまで以上に問われる大会ともなった。
メディカルスタッフのクオリティやサッカー協会の運営力などもより問われるようになったことで、中小国にとってはこれまで以上に波乱が起こしづらい大会となっただろう。
もちろん強豪国にとっても難しい大会となったことは間違いないが、優勝したスペインは怪我人がほとんどなく、最も「コンテディション調整で上手くいったチーム」と言っていい。
決勝トーナメントに入ってからも延長戦は一度もなく、決勝までの各試合を見ていてもその他の優勝候補国に比べて消耗の少なさは明らかだった。
話題を集めた華麗なパスサッカーも素晴らしかったが、この「コンディション調整」が優勝の最大の要因だったと私は思う。
その一方で、「消耗の抑制」にこのパスサッカーが一役買っていたのもまた事実。
ヒトよりもまずはボールを動かし続けるスペイン流の「ティキ・タカ」は、過酷な今大会を勝ち抜くにおいて最も適したフットボールだったと言えるだろう。
加えてスペイン代表は組織力の高さや各選手の精神的な成熟ぶりも印象的なチームだった。
決勝戦では一方的に苛立ちを募らせて目に余るラフプレーを繰り返したアルゼンチン、一部の主力選手が監督の指示に従わない様子を見せていたフランスなどに比べ、スペイン代表はデ・ラ・フエンテ監督のもとで選手全員が団結した素晴らしいチームであった。
とりわけ今大会は「監督と選手のパワーバランス」が崩壊していたチームが多かっただけに、こうしたスペインの組織力の高さは特に目についたと言っていい。
「専門家の助言を受けて10分以上のミーティングを設けることができなかった」と大会後に嘆いていたビエルサ監督(ウルグアイ)のコメントなどを聞いていると、いわゆる”Z世代”の選手たちを率いることの難しさを改めて感じさせられる大会でもあった。
話を少し巻き戻すが、出場国の拡大については「大会のレベルを下げた」と批判の声が多かったのも事実である。
しかし、実際に初出場国の試合を見ていると、レベルの低さよりも「世界全体におけるサッカーのレベルの底上げ」をむしろ感じさせられたという印象が強い。
丁寧なパスサッカーを貫き通して「旋風」を巻き起こしたカーボベルデを筆頭に、その他の国も戦術的には感心するほど洗練されたチームが多かった。
スタミナ切れなどによって結果的には大量失点を喫してしまうような試合が多かったのも事実だが、戦力差があるからといってロングボールの放り込みを徹底するようなチームが少なかったのは正直なところ驚きだった。
これらは、SNSなどを通じて最先端の戦術が世界の隅々まで行き届くようになった「現代社会の賜物」とも言っていいだろう。
故に出場国枠の拡大を簡単に批判するつもりはないのだが、大会中の選手たちの様子を見ているとやはり「104試合」「39日間」、そして「3カ国間の度重なる移動」という今大会の環境はあまりにも「選手ファースト」の姿勢から外れていたと言わざるを得ない。
特に欧州のトップクラスの選手たちになればなるほどシーズン中からの蓄積疲労が大きいのは明らかであり、怪我や体調不良を押してプレーする一流選手の姿を見るのは心苦しいものがあった。
たとえ今大会を怪我なく乗り越えたとしても、来月から始まる新シーズンに大きな影響があることは間違いないだろう。
大会の開催方法に関しては、やはり再考の余地があるように感じられる。
また、決勝戦での「ハーフタイムショーの実施」や「バログンの退場処分の撤回」など、言語道断と言っていい「政治とカネの介入」が相次いだ点は極めて残念であった。
後者に関しては残念という言葉では片付けられない、スポーツの歴史における最大級の汚点と言っていいだろう。
商業主義、拝金主義という言葉では到底言い表せないこうした「FIFAの腐敗」に関しては、サッカーに携わる全ての人間が連帯して否定の意思を表さなければいけないはずだ。
日本代表についても触れるのであれば、2度のビハインドを追いついたオランダ戦、ワールドカップ史上最多ゴールが生まれたチュニジア戦を踏まえると、尻すぼみな結果となってしまった感は否めない。
ワールドカップ後に必ず巻き起こる「戦術or個」の議論には辟易してしまうが、 日本代表がこの8年間で最も伸ばしてきた、かつ現チームの最大のストロングポイントは個の部分。
それだけに、ブラジル戦後半での腰が引けた戦い方に関してはやはり残念だったと言っていい。
前回大会後に選手たちが口々に「主導権を握って戦うことの重要性」を述べていただけに、そのような角度からも成果の感じられない結末となってしまったことが残念だった。
その一方で、あの時の日本は「引くことを選んだというよりも、選ばざるを得なかった」という会場の雰囲気が画面越しにも伝わるものがあった。
ワールドカップの、そして決勝トーナメントのあの緊張感の中で自分たちのサッカーを貫くには日本代表はまだまだ経験不足だったようにも思うし、対してブラジルは「あの独特の空気感を自分たちのモノにする」手筈を知っていた。
そういった、戦術や個の力といったワードだけでは到底測ることのできない「ワールドカップを勝ち抜くために必要な要素」が大会の現場にはいくつも散らばっている。
ラウンド32で敗退という結果からそれらをいかに多く持ち帰り、そして次世代のチームへと繋いでいくか。
後任監督の人事に全てを委ねるのではなく、今大会の正しい検証が日本サッカー界全体できちんとなされることを期待したい。
長くなったが、個人的には104試合のうち80試合以上を画面越しながら観戦し、ここ数大会の中でも特にどっぷりとワールドカップに浸かる39日間を過ごさせてもらった。
先に挙げたFIFAの腐敗への不満なども多く残ったが、全試合を熱心に追いかけたからこそ「サッカーというスポーツの魅力」を改めて感じさせられた大会になったとも言っていい。
特に今大会はサッカーというスポーツを通じて、今まであまり知ることのなかった多くの国の文化にも触れることができて、多角度から楽しませてもらう大会となった。
カーボベルデ代表のDF、ロベルト・ロペスは大会後にこのように語っている。
「カーボベルデがどこにある国なのか、もう誰も聞いてこなくなった」
スポーツの域を超え、国家全体にこれだけの影響を持つ大会だからこそ、今後もワールドカップという大会が政治と金に侵食されない、全てのサッカーファンにとって誇り高き大会であることを今はただただ望むばかりである。
2026年北中米ワールドカップ 決勝
スペイン vs アルゼンチン
●Preview
史上最多となる48カ国にて行われた2026年北中米ワールドカップ。
開幕戦がもはや遠い昔の出来事に思われるくらいだが、いよいよ「104試合目」となる決勝戦が幕を開けることになる。
前回大会王者のFIFAランキング1位、アルゼンチンか。
それとも2024年のEURO王者、FIFAランキング2位のスペインか。
一切の不足なし。
これ以上ない夢のカードにより、世界王者がついに決まることとなる。
●STARTING LINE-UP

(布陣は試合開始時のもの。一部、選手名が記事内での表記と異なることをご了承下さい。)
スペインは準々決勝、準決勝、そして決勝と一切のメンバー変更なし。
準決勝では途中交代となったポロの状態が懸念されたが、どうやら疲労の蓄積程度で負傷ではなかったとのことでひと安心だ。
一方のアルゼンチンは、準決勝から3名の選手を交代。
準決勝では突然のシメオネの抜擢がチームに良い効果をもたらしたが、今度はニコ・ゴンサレスが今大会初スタメンに抜擢された。
●Review

試合は大方の予想通り、立ち上がりからスペインが主導権を握る内容に。
フランス戦と同様に高めのライン設定を敷くことでコンパクトな陣形を保ち、各選手が積極的なプレスを展開。
出しどころを失ったアルゼンチンから易々とボールを回収すると、パスを回しながら自分たちのリズムで試合を進めていく。
対するアルゼンチンも序盤は前から積極的にボールを奪いにいく姿勢を見せたが、スペインが相手ではやはり守備が免除されているメッシの存在が足枷になってしまう感は否めない。
常に1枚足りない相手のプレスをスペインの選手たちは大きな苦とせず、ボールを持った際の優位性はスペインの方に圧倒的な分があるのは誰の目にも明らかだった。
また、アルゼンチンにとって大きな痛手となってしまったのはリサンドロ・マルティネスの負傷退場。
前に出て相手を潰せるCBとしてこの試合でも絶大な存在感を放っていたリサンドロ・マルティネスは代えの効かない選手であり、彼に代わって機動力に欠けるオタメンディが投入される「1枚目の選手交代」はチーム全体にとっても大きな影響を与えることとなってしまった。
後半に入り、スカローニ監督はニコ・ゴンザレスを早々に諦めパレデスを投入。
リサンドロ・マルティネスに代わってパレデスに中盤での潰し役を与え、素早く守備の修正に打って出る。
しかしその一方でサイドで幅を取れる選手がいなくなったことで、後半はポロやククレジャのオーバーラップによるスペインのサイドアタックに苦戦。
デ・ラ・フエンテ監督もこの日は早めのN・ウィリアムズ投入などで積極的にサイドからの圧力を強め、結局アルゼンチンは前半以上に防戦一方の展開を強いられてしまう。
気づけば80分ごろまでシュート0本と、前回王者が何もできないまま試合終盤を迎えることになってしまった。
それでもアルゼンチンとしては今大会で度々ミラクルを起こしてきた「80分以降の時間帯」まで0-0で持ち込んだことで、むしろ何かが起こるような予感があったのも事実。
シュート0本という数字すらアルゼンチンの勝利へのフラグのようにすら思えてしまう、そんな期待感がスタジアムには漂いつつあった。
…だったのだが、その期待感をE・フェルナンデスが台無しにしてしまう。
82分に手を使った不必要なファウルで警告をもらうと、90+3分にはクバルシに対して危険なタックルを見舞って2枚目の警告。
この場面も全くタックルの必要ない場面であり、誰も擁護のしようのないラフプレーで10人での戦いを強いられることになってしまう。
こうなるとさすがのアルゼンチンもミラクルを起こすというわけにはいかず、あとは何とか120分を耐え凌ぐだけという試合になってしまった。
それでも延長に入ってからの苦しい時間帯をE・マルティネスの度々のビッグセーブで乗り切った際には前回大会の決勝の再現も頭によぎったが…。
残念ながら自分たちの愚行により10人での戦いを招いた中、さすがにそう全てが上手くアルゼンチンに傾くほどワールドカップという舞台は甘い舞台ではなかった。
延長後半開始早々の106分、スペインはペナルティエリア角からのポロのクロスを大外でN・ウィリアムズが折り返し、ここにF・トーレスが詰めてネットを揺らす。
再三再四のサイドアタックから、最後は今大会で何度も見られた「ペナ角クロス」でアルゼンチンの守備を攻略。
これが決勝点となって、16年ぶり2度目のワールドカップ制覇を成し遂げることとなった。
敗れたアルゼンチンは試合後にもパレデスが相手選手に暴行をふるって退場処分を受けるなど、圧倒的劣勢を強いられた中で選手たちがセルフコントロールを欠いてしまい、この「精神的未熟さ」が大きな敗因となった感は否めない。
一方のスペインは度々に渡るアルゼンチン側の挑発を意に介さず、ゴールが奪えない中でも最後まで淡々と自分たちのすべきことを全うし続けた120分間だった。
メッシ、エムバペ、ハーランドといった強烈なタレントたちの活躍が目立った今大会において、決勝戦はこの「精神力の差」によって明暗が分かれる結末となった。
●Result
Final
SPAIN 1-0 ARGENTINA
得点 106 F・トーレス(ESP)
MOM ポロ(ESP)
スペイン vs アルゼンチン
●Preview
史上最多となる48カ国にて行われた2026年北中米ワールドカップ。
開幕戦がもはや遠い昔の出来事に思われるくらいだが、いよいよ「104試合目」となる決勝戦が幕を開けることになる。
前回大会王者のFIFAランキング1位、アルゼンチンか。
それとも2024年のEURO王者、FIFAランキング2位のスペインか。
一切の不足なし。
これ以上ない夢のカードにより、世界王者がついに決まることとなる。
●STARTING LINE-UP

(布陣は試合開始時のもの。一部、選手名が記事内での表記と異なることをご了承下さい。)
スペインは準々決勝、準決勝、そして決勝と一切のメンバー変更なし。
準決勝では途中交代となったポロの状態が懸念されたが、どうやら疲労の蓄積程度で負傷ではなかったとのことでひと安心だ。
一方のアルゼンチンは、準決勝から3名の選手を交代。
準決勝では突然のシメオネの抜擢がチームに良い効果をもたらしたが、今度はニコ・ゴンサレスが今大会初スタメンに抜擢された。
●Review

試合は大方の予想通り、立ち上がりからスペインが主導権を握る内容に。
フランス戦と同様に高めのライン設定を敷くことでコンパクトな陣形を保ち、各選手が積極的なプレスを展開。
出しどころを失ったアルゼンチンから易々とボールを回収すると、パスを回しながら自分たちのリズムで試合を進めていく。
対するアルゼンチンも序盤は前から積極的にボールを奪いにいく姿勢を見せたが、スペインが相手ではやはり守備が免除されているメッシの存在が足枷になってしまう感は否めない。
常に1枚足りない相手のプレスをスペインの選手たちは大きな苦とせず、ボールを持った際の優位性はスペインの方に圧倒的な分があるのは誰の目にも明らかだった。
また、アルゼンチンにとって大きな痛手となってしまったのはリサンドロ・マルティネスの負傷退場。
前に出て相手を潰せるCBとしてこの試合でも絶大な存在感を放っていたリサンドロ・マルティネスは代えの効かない選手であり、彼に代わって機動力に欠けるオタメンディが投入される「1枚目の選手交代」はチーム全体にとっても大きな影響を与えることとなってしまった。
後半に入り、スカローニ監督はニコ・ゴンザレスを早々に諦めパレデスを投入。
リサンドロ・マルティネスに代わってパレデスに中盤での潰し役を与え、素早く守備の修正に打って出る。
しかしその一方でサイドで幅を取れる選手がいなくなったことで、後半はポロやククレジャのオーバーラップによるスペインのサイドアタックに苦戦。
デ・ラ・フエンテ監督もこの日は早めのN・ウィリアムズ投入などで積極的にサイドからの圧力を強め、結局アルゼンチンは前半以上に防戦一方の展開を強いられてしまう。
気づけば80分ごろまでシュート0本と、前回王者が何もできないまま試合終盤を迎えることになってしまった。
それでもアルゼンチンとしては今大会で度々ミラクルを起こしてきた「80分以降の時間帯」まで0-0で持ち込んだことで、むしろ何かが起こるような予感があったのも事実。
シュート0本という数字すらアルゼンチンの勝利へのフラグのようにすら思えてしまう、そんな期待感がスタジアムには漂いつつあった。
…だったのだが、その期待感をE・フェルナンデスが台無しにしてしまう。
82分に手を使った不必要なファウルで警告をもらうと、90+3分にはクバルシに対して危険なタックルを見舞って2枚目の警告。
この場面も全くタックルの必要ない場面であり、誰も擁護のしようのないラフプレーで10人での戦いを強いられることになってしまう。
こうなるとさすがのアルゼンチンもミラクルを起こすというわけにはいかず、あとは何とか120分を耐え凌ぐだけという試合になってしまった。
それでも延長に入ってからの苦しい時間帯をE・マルティネスの度々のビッグセーブで乗り切った際には前回大会の決勝の再現も頭によぎったが…。
残念ながら自分たちの愚行により10人での戦いを招いた中、さすがにそう全てが上手くアルゼンチンに傾くほどワールドカップという舞台は甘い舞台ではなかった。
延長後半開始早々の106分、スペインはペナルティエリア角からのポロのクロスを大外でN・ウィリアムズが折り返し、ここにF・トーレスが詰めてネットを揺らす。
再三再四のサイドアタックから、最後は今大会で何度も見られた「ペナ角クロス」でアルゼンチンの守備を攻略。
これが決勝点となって、16年ぶり2度目のワールドカップ制覇を成し遂げることとなった。
敗れたアルゼンチンは試合後にもパレデスが相手選手に暴行をふるって退場処分を受けるなど、圧倒的劣勢を強いられた中で選手たちがセルフコントロールを欠いてしまい、この「精神的未熟さ」が大きな敗因となった感は否めない。
一方のスペインは度々に渡るアルゼンチン側の挑発を意に介さず、ゴールが奪えない中でも最後まで淡々と自分たちのすべきことを全うし続けた120分間だった。
メッシ、エムバペ、ハーランドといった強烈なタレントたちの活躍が目立った今大会において、決勝戦はこの「精神力の差」によって明暗が分かれる結末となった。
●Result
Final
SPAIN 1-0 ARGENTINA
得点 106 F・トーレス(ESP)
MOM ポロ(ESP)
2026年北中米ワールドカップ 3位決定戦
フランス vs イングランド
●Preview
大会初戦から毎試合快勝を続け、「優勝候補の最右翼」と目されながら、準決勝でスペインに完敗を喫してしまったフランス。
60年ぶりの優勝へ向けてアルゼンチン相手にリードを得ながら、終盤の2失点で痛恨の逆転負けを喫してしまったイングランド。
両チームいまだに準決勝の傷が癒えない中で迎える3位決定戦。
モチベーションの保ち方は極めて難しいだろうが、少しでも好ゲームとなることを期待したい。
●STARTING LINE-UP

(布陣は試合開始時のもの。一部、選手名が記事内での表記と異なることをご了承下さい。)
準決勝からは両チームともに大幅なターンオーバーで臨むこととなった。
フランスは得点王獲得のかかるエムバペと、彼のサポート役としてオリーセとラビオを残した以外はほぼ全員が総入れ替え。
イングランドも大半の選手が入れ替えとなった中で、ライスがこの試合もスタメン出場となったことは驚きだった。
細かい怪我や体調不良などのアクシデントに見舞われながら満身創痍の中でプレー続けてきたライスが、主将の腕章を巻いて今大会7試合目のピッチに立つ。
●Review

試合はイングランドが早々のゴラッソで先制に成功する。
3分、ドゥエの緩いパスをカットしたライスがそのままドリブルで持ち上がり、最後はペナルティエリアの手前から力みなく右足を振り抜いて鮮やかに先制点を奪った。
この場面でもライスに寄せることができなかったフランスだが、この日は各選手のモチベーションの低さが明らかだったと言わざるを得ない。
ラインを上げているにも関わらず前線の選手たちはプレスに行こうという姿勢が一切見られず、中盤の選手たちも守備意識が低いためバイタルエリアのケアが緩慢。
イングランドはボールを持てば自由に攻撃を打ち込める状態で、先制点を決めて以降もフランスの緩慢な守備を前にチャンスを量産し続けた。
この流れのまま18分にはライスのコーナーキックにコンサが合わせて追加点を奪うと、30分以降は今大会苦しみ抜いたサカがその鬱憤を晴らすかのようにゴールラッシュ。
37分にはゴール前の混戦からこぼれ球に詰めて3点目を奪うと、45+1分には同僚のエゼからのスルーパスに抜け出して追加点。
結局前半はイングランドが4-0と、今大会で最多となる得点差をつけての折り返しとなった。
この試合をもって退任の決まっているデシャン監督は後半の頭から怒りの4枚替えで選手たちに喝を入れると、その喝に早速交代組の選手が応えてみせる。
後半開始早々の48分、ウパメカノがワトキンスに対してガツンと当たってボールを奪うと、DFラインの背後を取る絶妙なラストパス。
ここまでに無かった「球際の強さ」をきっかけに、最後はラストパスを受けたエムバペがしっかりとシュートを沈めて1点を返した。
するとこの1点に怖気付いてしまったのか、ここからはイングランドの守備が極めて後ろ向きな状態になってしまう。
攻撃の圧を強めるフランスのアタッカーに対してズルズルとDFラインを下げる守備を繰り返してしまい、後半は一転してフランスがやりたい放題の内容に。
54分にはまたもDFラインの裏を取ったバルコラが2点目を決めると、67分にはオリーセとの細かいパス交換からエムバペが今大会10得点目を決めてみせた。
こうなるとフランスの大逆転劇もあるかと思われたが、ここで試合の流れを変えたのは途中出場でピッチに入ったイングランドのベリンガム。
持ち前の推進力、そして何より今大会全ての試合で示し続けてきた「勝利への執念」を発揮し、防戦一方だったチームは彼の存在により息を吹き返すこととなった。
こうしたベリンガムのプレーに呼応したのは、この試合で「ただひとり」と言ってもいいほど全力プレーを見せていた左SBのスペンス。
85分という時間帯に左サイドを駆け上がってPKを獲得すると、このPKをサカが決めてイングランドがフランスを突き放す。
それでも1点を返してなんとか追いすがるフランスだったが、最後の最後に試合を決めたのはやっぱりベリンガムだった。
90+8分、センターサークル付近でボールを拾うとひとりでペナルティエリア内に侵入し、最後はウパメカノの股を鮮やかに抜いて自身今大会7得点目を決めてみせた。
終わってみれば6-4というワールドカップ史上類のないゴールラッシュとなったが、互いにモチベーションの低さがはっきりとプレーに表れてしまい、レベルの高い試合が続いていた中で「興醒め」のような試合になってしまった感は否めない。
終盤は足を攣る選手が多発するなど、たとえ出場機会の多くない選手でも1ヶ月を超える長丁場の大会がいかに選手たちを疲弊させるかということが顕著に見て取れる試合でもあった。
試合前から必要性に関して議論が続いていた「3位決定戦」について、やはり必要がないことが明らかになったようにも思われる試合だったが、おそらくゴールラッシュに気をよくしているインファンティーノ会長の耳にはこうした意見は一切届いていないことだろう。
●Result
Third-Place Match
FRANCE 4-6 ENGLAND
得点 3 ライス(ENG) 18 コンサ(ENG) 37 サカ(ENG) 45+1 サカ(ENG) 48 エムバペ(FRA) 54 バルコラ(FRA) 67 エムバペ(FRA) 87 サカ(FRA) 90+6 デンベレ(FRA) 90+8 ベリンガム(ENG)
MOM サカ(ENG)
フランス vs イングランド
●Preview
大会初戦から毎試合快勝を続け、「優勝候補の最右翼」と目されながら、準決勝でスペインに完敗を喫してしまったフランス。
60年ぶりの優勝へ向けてアルゼンチン相手にリードを得ながら、終盤の2失点で痛恨の逆転負けを喫してしまったイングランド。
両チームいまだに準決勝の傷が癒えない中で迎える3位決定戦。
モチベーションの保ち方は極めて難しいだろうが、少しでも好ゲームとなることを期待したい。
●STARTING LINE-UP

(布陣は試合開始時のもの。一部、選手名が記事内での表記と異なることをご了承下さい。)
準決勝からは両チームともに大幅なターンオーバーで臨むこととなった。
フランスは得点王獲得のかかるエムバペと、彼のサポート役としてオリーセとラビオを残した以外はほぼ全員が総入れ替え。
イングランドも大半の選手が入れ替えとなった中で、ライスがこの試合もスタメン出場となったことは驚きだった。
細かい怪我や体調不良などのアクシデントに見舞われながら満身創痍の中でプレー続けてきたライスが、主将の腕章を巻いて今大会7試合目のピッチに立つ。
●Review

試合はイングランドが早々のゴラッソで先制に成功する。
3分、ドゥエの緩いパスをカットしたライスがそのままドリブルで持ち上がり、最後はペナルティエリアの手前から力みなく右足を振り抜いて鮮やかに先制点を奪った。
この場面でもライスに寄せることができなかったフランスだが、この日は各選手のモチベーションの低さが明らかだったと言わざるを得ない。
ラインを上げているにも関わらず前線の選手たちはプレスに行こうという姿勢が一切見られず、中盤の選手たちも守備意識が低いためバイタルエリアのケアが緩慢。
イングランドはボールを持てば自由に攻撃を打ち込める状態で、先制点を決めて以降もフランスの緩慢な守備を前にチャンスを量産し続けた。
この流れのまま18分にはライスのコーナーキックにコンサが合わせて追加点を奪うと、30分以降は今大会苦しみ抜いたサカがその鬱憤を晴らすかのようにゴールラッシュ。
37分にはゴール前の混戦からこぼれ球に詰めて3点目を奪うと、45+1分には同僚のエゼからのスルーパスに抜け出して追加点。
結局前半はイングランドが4-0と、今大会で最多となる得点差をつけての折り返しとなった。
この試合をもって退任の決まっているデシャン監督は後半の頭から怒りの4枚替えで選手たちに喝を入れると、その喝に早速交代組の選手が応えてみせる。
後半開始早々の48分、ウパメカノがワトキンスに対してガツンと当たってボールを奪うと、DFラインの背後を取る絶妙なラストパス。
ここまでに無かった「球際の強さ」をきっかけに、最後はラストパスを受けたエムバペがしっかりとシュートを沈めて1点を返した。
するとこの1点に怖気付いてしまったのか、ここからはイングランドの守備が極めて後ろ向きな状態になってしまう。
攻撃の圧を強めるフランスのアタッカーに対してズルズルとDFラインを下げる守備を繰り返してしまい、後半は一転してフランスがやりたい放題の内容に。
54分にはまたもDFラインの裏を取ったバルコラが2点目を決めると、67分にはオリーセとの細かいパス交換からエムバペが今大会10得点目を決めてみせた。
こうなるとフランスの大逆転劇もあるかと思われたが、ここで試合の流れを変えたのは途中出場でピッチに入ったイングランドのベリンガム。
持ち前の推進力、そして何より今大会全ての試合で示し続けてきた「勝利への執念」を発揮し、防戦一方だったチームは彼の存在により息を吹き返すこととなった。
こうしたベリンガムのプレーに呼応したのは、この試合で「ただひとり」と言ってもいいほど全力プレーを見せていた左SBのスペンス。
85分という時間帯に左サイドを駆け上がってPKを獲得すると、このPKをサカが決めてイングランドがフランスを突き放す。
それでも1点を返してなんとか追いすがるフランスだったが、最後の最後に試合を決めたのはやっぱりベリンガムだった。
90+8分、センターサークル付近でボールを拾うとひとりでペナルティエリア内に侵入し、最後はウパメカノの股を鮮やかに抜いて自身今大会7得点目を決めてみせた。
終わってみれば6-4というワールドカップ史上類のないゴールラッシュとなったが、互いにモチベーションの低さがはっきりとプレーに表れてしまい、レベルの高い試合が続いていた中で「興醒め」のような試合になってしまった感は否めない。
終盤は足を攣る選手が多発するなど、たとえ出場機会の多くない選手でも1ヶ月を超える長丁場の大会がいかに選手たちを疲弊させるかということが顕著に見て取れる試合でもあった。
試合前から必要性に関して議論が続いていた「3位決定戦」について、やはり必要がないことが明らかになったようにも思われる試合だったが、おそらくゴールラッシュに気をよくしているインファンティーノ会長の耳にはこうした意見は一切届いていないことだろう。
●Result
Third-Place Match
FRANCE 4-6 ENGLAND
得点 3 ライス(ENG) 18 コンサ(ENG) 37 サカ(ENG) 45+1 サカ(ENG) 48 エムバペ(FRA) 54 バルコラ(FRA) 67 エムバペ(FRA) 87 サカ(FRA) 90+6 デンベレ(FRA) 90+8 ベリンガム(ENG)
MOM サカ(ENG)
2026年北中米ワールドカップ 準決勝
イングランド vs アルゼンチン
●Preview
フランスがスペインに完敗という予想だにしない結果に終わった準決勝第1戦。
スペインが待つ決勝に駒を進めるのはイングランドか、アルゼンチンか。
86年のマラドーナの「神の手ゴール」に始まり、02年の日韓大会での「ベッカムの退場」など、ワールドカップにおいて数々の因縁があるこのカード。
両者の因縁の歴史に、今夜また新たな1ページが刻まれることになる。
●STARTING LINE-UP

(布陣は試合開始時のもの。一部、選手名が記事内での表記と異なることをご了承下さい。)
イングランドはここまで「悩みの種」となっている右サイドハーフに、準々決勝では決勝点の呼び水となるミドルシュートを放ったロジャーズを起用。
サイドハーフは決して本職とは言えない選手だが、優勝へ向けて彼の起用で「最終決着」となることを願いたい。
アルゼンチンは、今大会ここまで19分しか出場機会のなかったジュリアーノ・シメオネがここに来て初スタメン。
先述した日韓大会のベッカム退場は、父であるディエゴ・シメオネの数々に渡る挑発がきっかけとなったが、息子はまたしても因縁の担い手となるのだろうか。
●Review

準決勝に辿り着くまでそれぞれ「激闘」を繰り広げてきた両チーム。
さすがに各選手の疲労が懸念されたが、空調の効いたアトランタでの開催ということもあって序盤からエネルギッシュな試合を披露。
特にイングランドは立ち上がり非常に積極的にプレスに出ていく様子が伺えた。
時間が経つにつれて徐々に試合は落ち着いたが、さすが因縁のカードと言うべきか激しい中盤での潰し合いが続く。
それ故に両者ゴール前までボールを運ぶ機会が少なく、互いにシュート0本にてハイドレーションブレイクを迎えることとなった。
ブレイク明けにフリーキックからストーンズのヘッド、そしてリース・ジェームズが直接フリーキックを狙うなどふたつのチャンスを作ったイングランド。
この日は長らく悩まされていた体調不良から「完全に回復した」と語ったライスが、本人の言葉通り出色のパフォーマンスを披露。
中盤のボールの拠り所として機能することで、前半はイングランドが優勢に進めながらの折り返しとなった。
後半開始早々にゴールキックからの簡単な形でこの日最初の決定機を作ったアルゼンチン。
アルバレスとシメオネを使ったサイドからの攻撃がこの日は機能し、その後の時間帯はイングランドを押し込んでいく。
しかし、ペースを握っている時間帯にこそ大きな落とし穴があるのがフットボールのあるあると言うべきか。
55分、自陣まで下がっていたケインからのパスを受けたライスが右サイドにはたくと、ロジャーズのクロスに対してファーでゴードンが見事にモリーナの裏を取る。
この試合で何度も見せていたケインの下りる動き、そして「右サイドハーフ論争」をまさに決着づけるロジャーズの見事なクロスがハマり、イングランドが待望の先制点を奪ってみせた。
これで追いかける展開となったアルゼンチンは、ハイドレーションブレイク明けにデ・パウルとモンティエルを投入して右サイドをガラリと入れ替え。
ブレイク直後にデ・パウルからのクロスにマク・アリステルが飛び込む形で連続して決定機を作るなど、確実にゴールの匂いが漂うようになってくる。
一方のイングランドは同じタイミングでCBのコンサを投入し、早々と5バックでの逃げ切りを選択。
その後も次々とゴールに襲いかかるアルゼンチンの攻撃をなんとか凌ぎ続けると、82分にはライスに代えてバーンを投入し、試合を完全に締めくくろうという姿勢を見せた。
しかし、結果的にはこの「撤退」がイングランドにとっては仇となってしまった感は否めない。
85分、アルゼンチンのショートコーナーに対してイングランドの選手たちは全員がペナルティエリア内に下がってしまい、メッシからのパスを受けたE・フェルナンデスに対する反応が大きく遅れてしまった。
慌てて出て行ったベリンガムも時すでに遅く、E・フェルナンデスが強烈なミドルシュートを突き刺して同点に追いついてみせる。
その後も自陣から出られないイングランドの選手たちに対してアルゼンチンは自由に攻撃を打ち込み続け、90+2分にはマク・アリステルのミドルシュートがポストを叩く。
そしてこの跳ね返りを拾ったメッシが右サイドからクロスを上げると、中でフリーになっていたLa・マルティネスが頭で合わせてまたしても劇的な形で試合を決着させることとなった。
これだけ劇的な形での勝利が続くとさすがに「何かに導かれてる」ような印象すら受けるアルゼンチンだが、この試合に関しては納得の勝利と言えるだろう。
これまでのように中央からの崩しにこだわるだけではなく、サイドを使った攻撃や精度の高いミドルシュートなど、幅の広い攻撃で見事にイングランドを攻略しきってみせた。
シメオネを「隠し球」のような形で先発起用し、チームとして新しいスタイルを見せてくれたスカローニ監督の采配も素晴らしかったと言っていい。
一方で、アルゼンチンの多彩な攻撃を引き出したのはイングランドの「あまりにも早すぎる撤退」が要因だったのもまた事実。
メキシコ戦、そしてノルウェー戦とトゥヘル監督の割り切った姿勢がイングランドを準決勝まで導いたのも事実だが、アルゼンチンを相手にしても同じ作戦が通じると考えた判断は残念ながら浅はかと言わざるを得ない。
●Result
Semi-Final
ENGLAND 1-2 ARGENTINA
得点 55 ゴードン(ENG) 85 E・フェルナンデス(ARG) 90+2 La・マルティネス(ARG)
MOM La・マルティネス(ARG)
イングランド vs アルゼンチン
●Preview
フランスがスペインに完敗という予想だにしない結果に終わった準決勝第1戦。
スペインが待つ決勝に駒を進めるのはイングランドか、アルゼンチンか。
86年のマラドーナの「神の手ゴール」に始まり、02年の日韓大会での「ベッカムの退場」など、ワールドカップにおいて数々の因縁があるこのカード。
両者の因縁の歴史に、今夜また新たな1ページが刻まれることになる。
●STARTING LINE-UP

(布陣は試合開始時のもの。一部、選手名が記事内での表記と異なることをご了承下さい。)
イングランドはここまで「悩みの種」となっている右サイドハーフに、準々決勝では決勝点の呼び水となるミドルシュートを放ったロジャーズを起用。
サイドハーフは決して本職とは言えない選手だが、優勝へ向けて彼の起用で「最終決着」となることを願いたい。
アルゼンチンは、今大会ここまで19分しか出場機会のなかったジュリアーノ・シメオネがここに来て初スタメン。
先述した日韓大会のベッカム退場は、父であるディエゴ・シメオネの数々に渡る挑発がきっかけとなったが、息子はまたしても因縁の担い手となるのだろうか。
●Review

準決勝に辿り着くまでそれぞれ「激闘」を繰り広げてきた両チーム。
さすがに各選手の疲労が懸念されたが、空調の効いたアトランタでの開催ということもあって序盤からエネルギッシュな試合を披露。
特にイングランドは立ち上がり非常に積極的にプレスに出ていく様子が伺えた。
時間が経つにつれて徐々に試合は落ち着いたが、さすが因縁のカードと言うべきか激しい中盤での潰し合いが続く。
それ故に両者ゴール前までボールを運ぶ機会が少なく、互いにシュート0本にてハイドレーションブレイクを迎えることとなった。
ブレイク明けにフリーキックからストーンズのヘッド、そしてリース・ジェームズが直接フリーキックを狙うなどふたつのチャンスを作ったイングランド。
この日は長らく悩まされていた体調不良から「完全に回復した」と語ったライスが、本人の言葉通り出色のパフォーマンスを披露。
中盤のボールの拠り所として機能することで、前半はイングランドが優勢に進めながらの折り返しとなった。
後半開始早々にゴールキックからの簡単な形でこの日最初の決定機を作ったアルゼンチン。
アルバレスとシメオネを使ったサイドからの攻撃がこの日は機能し、その後の時間帯はイングランドを押し込んでいく。
しかし、ペースを握っている時間帯にこそ大きな落とし穴があるのがフットボールのあるあると言うべきか。
55分、自陣まで下がっていたケインからのパスを受けたライスが右サイドにはたくと、ロジャーズのクロスに対してファーでゴードンが見事にモリーナの裏を取る。
この試合で何度も見せていたケインの下りる動き、そして「右サイドハーフ論争」をまさに決着づけるロジャーズの見事なクロスがハマり、イングランドが待望の先制点を奪ってみせた。
これで追いかける展開となったアルゼンチンは、ハイドレーションブレイク明けにデ・パウルとモンティエルを投入して右サイドをガラリと入れ替え。
ブレイク直後にデ・パウルからのクロスにマク・アリステルが飛び込む形で連続して決定機を作るなど、確実にゴールの匂いが漂うようになってくる。
一方のイングランドは同じタイミングでCBのコンサを投入し、早々と5バックでの逃げ切りを選択。
その後も次々とゴールに襲いかかるアルゼンチンの攻撃をなんとか凌ぎ続けると、82分にはライスに代えてバーンを投入し、試合を完全に締めくくろうという姿勢を見せた。
しかし、結果的にはこの「撤退」がイングランドにとっては仇となってしまった感は否めない。
85分、アルゼンチンのショートコーナーに対してイングランドの選手たちは全員がペナルティエリア内に下がってしまい、メッシからのパスを受けたE・フェルナンデスに対する反応が大きく遅れてしまった。
慌てて出て行ったベリンガムも時すでに遅く、E・フェルナンデスが強烈なミドルシュートを突き刺して同点に追いついてみせる。
その後も自陣から出られないイングランドの選手たちに対してアルゼンチンは自由に攻撃を打ち込み続け、90+2分にはマク・アリステルのミドルシュートがポストを叩く。
そしてこの跳ね返りを拾ったメッシが右サイドからクロスを上げると、中でフリーになっていたLa・マルティネスが頭で合わせてまたしても劇的な形で試合を決着させることとなった。
これだけ劇的な形での勝利が続くとさすがに「何かに導かれてる」ような印象すら受けるアルゼンチンだが、この試合に関しては納得の勝利と言えるだろう。
これまでのように中央からの崩しにこだわるだけではなく、サイドを使った攻撃や精度の高いミドルシュートなど、幅の広い攻撃で見事にイングランドを攻略しきってみせた。
シメオネを「隠し球」のような形で先発起用し、チームとして新しいスタイルを見せてくれたスカローニ監督の采配も素晴らしかったと言っていい。
一方で、アルゼンチンの多彩な攻撃を引き出したのはイングランドの「あまりにも早すぎる撤退」が要因だったのもまた事実。
メキシコ戦、そしてノルウェー戦とトゥヘル監督の割り切った姿勢がイングランドを準決勝まで導いたのも事実だが、アルゼンチンを相手にしても同じ作戦が通じると考えた判断は残念ながら浅はかと言わざるを得ない。
●Result
Semi-Final
ENGLAND 1-2 ARGENTINA
得点 55 ゴードン(ENG) 85 E・フェルナンデス(ARG) 90+2 La・マルティネス(ARG)
MOM La・マルティネス(ARG)
2026年北中米ワールドカップ 準決勝
フランス vs スペイン
●Preview
フランス、スペイン、アルゼンチン、イングランド。
FIFAランク上位4チームがそのままベスト4に残るという、過去に例のない展開となった今大会の準決勝。
その中でもここまでは圧倒的な強さを見せつけ、優勝候補の最右翼と目されているフランス代表。
エムバペ、オリーセ、デンベレを擁し6試合で16得点を挙げている「最強の鉾」が、ここまで6試合でわずか1失点という「最強の盾」を持つスペインと激突する。
●STARTING LINE-UP

(布陣は試合開始時のもの。一部、選手名が記事内での表記と異なることをご了承下さい。)
準々決勝から一切のメンバー変更がなかったスペインに対し、フランスは準々決勝から2名のメンバー変更。
大会に入ってから負傷を繰り返していたチュアメニが3試合ぶりにスタメン出場となった。
彼が不在だった2試合で代役を務めていたコネは十分なパフォーマンスを見せていただけにこの選択には不安も残るが、デシャン監督の厚い信頼にチュアメニはプレーで応えたい。
●Review

共にボールを握れる両チームの対戦だけあって主導権争いが注目された前半だったが、立ち上がりの趨勢はまさに五分と五分。
お互いに様子を見ながらジリジリと、非常に緊張感のあるゲームが展開された。
その中で目立ったのはスペインの非保持の際の積極性。
フランスがボールを持った際には最前線のオヤルサバルから全員が積極的にプレスに動き、フランスに対して簡単にボールを運ばせまいという姿勢が強く見て取れた。
するとこの積極性が活きたのが20分。
左サイドからのクロスを処理しようとしたディーニュに対してヤマルが猛然とプレスをかけに行くと、背後から来たヤマルの存在に気づかなかったディーニュのキックがヤマルに直撃。
PKを獲得したスペインは、これを名手オヤルサバルがしっかりと決めて先制に成功する。
先制してからのスペインは、ボールを回しながら持ち前のポゼッションサッカーを披露。
奪われないのも凄いことだが、細かいショートパスの連続でそのまま崩し切ってしまうのがさらに凄いところ。
38分にはメニャンのゴールキックが乱れたことをきっかけに、ヤマル、オルモ、F・ルイスの3名が中央を見事に崩したが、F・ルイスのシュートは枠を捉え切ることができなかった。
守備でも堅さを見せるスペインは、フランスが時折見せる鋭いカウンターにもしっかりと対応。
難しい局面でも難なく処理できるのはスペインの守備陣だからこそなせる技であり、並のチームならば2,3点くらいは喫していてもおかしくはなかっただろう。
一方で前半の途中にサリバが負傷交代となるなど全てが噛み合わないフランスは、後半に入ってからコネを投入。
少しでもボール奪取を増やそうという意図が伺えたが、後半に入ってからもスペインの華麗なパスワークの前にほとんどボールは奪えない。
それどころか57分にドゥエを投入すると、交代に際してやや左サイドの守備がふわっとしたところをスペインに突かれてしまう。
58分、ポロの入れた縦パスに対してオルモがウパメカノを背負いながらもワンタッチで落とすと、リターンを受けたポロがそのままペナルティエリア内に侵入してフィニッシュ。
スペインらしい鮮やかなコンビネーションで貴重な貴重な追加点を奪ってみせた。
こうなると何としても前に出たいフランスだったが、スペインのポゼッションに対してこの日はボールの奪いどころを最後まで見出すことができなかった。
マイボールにしてからもコンパクトな陣形を保つスペインを相手に有効な攻め手を繰り出せず、オリーセを下げてまで投入したシェルキやT・エルナンデスも何もできず。
早めのロングボールなどがあってもいいようには思えたが…多彩な攻撃パターンを持つフランスもこのロングボールだけは自分たちの戦術として持ち合わせていなかった。
一方のスペインは、最後の交代カードとしてペドリを投入するなど、最後の最後までこのリードを「ポゼッションで守り切る」という圧巻の内容を披露。
「リードを得ればこちらものもの」というスタンスで、これぞまさしくティキ・タカという完璧な試合運びで決勝へ駒を進めることになった。
決勝点を決めたポロを筆頭にどの選手の活躍も素晴らしかったが、個人的には守護神のウナイ・シモンの存在を誰よりも讃えたい。
エムバペやデンベレの裏抜けを常にケアし、広大な守備範囲をひとりでカバーし続ける彼の存在がなければこのティキ・タカも決して成立することはなかっただろう。
●Result
Semi-Final
FRANCE 0-2 SPAIN
得点 22 オヤルサバル(ESP) 58 ポロ(ESP)
MOM シモン(ESP)
フランス vs スペイン
●Preview
フランス、スペイン、アルゼンチン、イングランド。
FIFAランク上位4チームがそのままベスト4に残るという、過去に例のない展開となった今大会の準決勝。
その中でもここまでは圧倒的な強さを見せつけ、優勝候補の最右翼と目されているフランス代表。
エムバペ、オリーセ、デンベレを擁し6試合で16得点を挙げている「最強の鉾」が、ここまで6試合でわずか1失点という「最強の盾」を持つスペインと激突する。
●STARTING LINE-UP

(布陣は試合開始時のもの。一部、選手名が記事内での表記と異なることをご了承下さい。)
準々決勝から一切のメンバー変更がなかったスペインに対し、フランスは準々決勝から2名のメンバー変更。
大会に入ってから負傷を繰り返していたチュアメニが3試合ぶりにスタメン出場となった。
彼が不在だった2試合で代役を務めていたコネは十分なパフォーマンスを見せていただけにこの選択には不安も残るが、デシャン監督の厚い信頼にチュアメニはプレーで応えたい。
●Review

共にボールを握れる両チームの対戦だけあって主導権争いが注目された前半だったが、立ち上がりの趨勢はまさに五分と五分。
お互いに様子を見ながらジリジリと、非常に緊張感のあるゲームが展開された。
その中で目立ったのはスペインの非保持の際の積極性。
フランスがボールを持った際には最前線のオヤルサバルから全員が積極的にプレスに動き、フランスに対して簡単にボールを運ばせまいという姿勢が強く見て取れた。
するとこの積極性が活きたのが20分。
左サイドからのクロスを処理しようとしたディーニュに対してヤマルが猛然とプレスをかけに行くと、背後から来たヤマルの存在に気づかなかったディーニュのキックがヤマルに直撃。
PKを獲得したスペインは、これを名手オヤルサバルがしっかりと決めて先制に成功する。
先制してからのスペインは、ボールを回しながら持ち前のポゼッションサッカーを披露。
奪われないのも凄いことだが、細かいショートパスの連続でそのまま崩し切ってしまうのがさらに凄いところ。
38分にはメニャンのゴールキックが乱れたことをきっかけに、ヤマル、オルモ、F・ルイスの3名が中央を見事に崩したが、F・ルイスのシュートは枠を捉え切ることができなかった。
守備でも堅さを見せるスペインは、フランスが時折見せる鋭いカウンターにもしっかりと対応。
難しい局面でも難なく処理できるのはスペインの守備陣だからこそなせる技であり、並のチームならば2,3点くらいは喫していてもおかしくはなかっただろう。
一方で前半の途中にサリバが負傷交代となるなど全てが噛み合わないフランスは、後半に入ってからコネを投入。
少しでもボール奪取を増やそうという意図が伺えたが、後半に入ってからもスペインの華麗なパスワークの前にほとんどボールは奪えない。
それどころか57分にドゥエを投入すると、交代に際してやや左サイドの守備がふわっとしたところをスペインに突かれてしまう。
58分、ポロの入れた縦パスに対してオルモがウパメカノを背負いながらもワンタッチで落とすと、リターンを受けたポロがそのままペナルティエリア内に侵入してフィニッシュ。
スペインらしい鮮やかなコンビネーションで貴重な貴重な追加点を奪ってみせた。
こうなると何としても前に出たいフランスだったが、スペインのポゼッションに対してこの日はボールの奪いどころを最後まで見出すことができなかった。
マイボールにしてからもコンパクトな陣形を保つスペインを相手に有効な攻め手を繰り出せず、オリーセを下げてまで投入したシェルキやT・エルナンデスも何もできず。
早めのロングボールなどがあってもいいようには思えたが…多彩な攻撃パターンを持つフランスもこのロングボールだけは自分たちの戦術として持ち合わせていなかった。
一方のスペインは、最後の交代カードとしてペドリを投入するなど、最後の最後までこのリードを「ポゼッションで守り切る」という圧巻の内容を披露。
「リードを得ればこちらものもの」というスタンスで、これぞまさしくティキ・タカという完璧な試合運びで決勝へ駒を進めることになった。
決勝点を決めたポロを筆頭にどの選手の活躍も素晴らしかったが、個人的には守護神のウナイ・シモンの存在を誰よりも讃えたい。
エムバペやデンベレの裏抜けを常にケアし、広大な守備範囲をひとりでカバーし続ける彼の存在がなければこのティキ・タカも決して成立することはなかっただろう。
●Result
Semi-Final
FRANCE 0-2 SPAIN
得点 22 オヤルサバル(ESP) 58 ポロ(ESP)
MOM シモン(ESP)










