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EURO2024「Today's Pick Up」DAY22-1
スペイン vs ドイツ


●Preview

準々決勝の幕開けは、今大会の「事実上の決勝戦」と言っていいだろう。
強豪国の中でも、ここまで飛び抜けて質の高い試合を見せてきたドイツとスペイン。
どちらかがベスト8で去ることになるのはあまりにも惜しいが、これもまた国際大会の魅力であることは間違いない。
4試合で10得点2失点のドイツ、4試合で9得点1失点のスペイン。極上の一戦がいざ幕を開ける。

●STARTING LINE-UP


(布陣は試合開始時のもの。一部、選手名が記事内での表記と異なることをご了承下さい。)

ラウンド16ではジョージアを4-1の快勝で下し、負荷の少ない勝ち上がりとなったスペイン。
スタメン11人には一切の変化なく、今大会のベストメンバーで「敵地」での一戦に臨む。

対するドイツは、こちらもラウンド16の流れを汲んだ11人を選択。
ヴィルツではなくて両翼にはサネが入り、中盤ではエムレ・ジャンが今大会初先発となった。

●Review



両チーム試合の入り方に注目が集まったが、互いにハイテンションな序盤戦となった。

特に、母国の大歓声を受けたドイツはキックオフ直後からかなり選手たちが昂っている様子。
激しいチャージの末にスペインは8分でペドリが負傷退場してしまうなど、試合の先行きにはやや暗雲が立ち込める。

しかし、ハイテンションな試合を得意とするのはドイツよりもスペイン。
ヤマルとN・ウィリアムズという今大会絶好調の両翼は縦に速い攻撃を何より得意としており、序盤戦は彼らを生かした攻撃でドイツを自陣へと押し込んだ。

試合も徐々に落ち着き始めた20分以降は、それぞれ丁寧なボールを保持から局面打開を図ろうという様相に。
両国共にゴールは生まれなかったものの、相手をより苦しめていたのはやはりスペインか。
ゴールキックを徹底的にクロースのポジションに蹴るなど、ドイツの司令塔を不得意な守備に忙殺させることで中盤の主導権を握りにかかる。

たまらずドイツは後半開始からジャンに代えてアンドリッヒを、サネに代えてヴィルツを投入。
しかし、根本的な問題の解決は図れないままスペインに押し込まれる時間が続くこととなる。
さらなる交代で何とか打開を図りたいナーゲルスマンだったが、51分にスペインが先制点。
右サイドを崩したヤマルの突破も見事だったが、中盤で空いたスペースにオルモが飛び込んだゴールはまさにスペインが狙い続けた形そのものだった。

失点直後にドイツはスーパーサブのフュルクルクを投入し、ここからはパワープレーを徹底。
ポゼッションに偏りがちなチームにおいて特異な存在である彼は今大会のドイツの大きな強みであり、この日もこのなりふり構わぬ戦法が結果に結びつくこととなった。
試合終了間際の89分、左サイドでミッテルシュタットがあげたアバウトなクロスをキミッヒが頭で折り返し、最後はヴィルツが合わせてドイツが同点に追いつくことに成功する。

押し込まれる展開が続き、ヤマルとN・ウィリアムズを既に下げていたスペインには痛恨の失点。
延長戦もドイツに押し込まれ続けたが、この時間を凌ぎきった守備陣には称賛を送るべきだろう。
すると119分、タレント不在となった前線でひとり違いを生み出していたオルモが起点となり、彼のクロスにミケル・メリーノが合わせてまさかの劇的決勝弾を決めてみせた。

最低でもPK戦という様相だったドイツにとっては非常に悔やまれる失点だったが、内容を考えるとスペインがベスト4進出にも納得か。
開催国を相手に「耐える展開」もしっかりとモノにし、さらに盤石な状態で準決勝へと進出した。

●Result

Round8
SPAIN 2-1 GERMANY

得点 51 オルモ(SPA) 89 ヴィルツ(GER) 119 メリーノ(SPA)
MOM オルモ(SPA)
EURO2024「Today's Pick Up」DAY22-2
ポルトガル vs フランス


●Preview

準々決勝2試合目は、16年大会王者のポルトガルと18年W杯王者のフランスの対決。
グループステージ、決勝トーナメント初戦とここまでは比較的カードに恵まれてきたポルトガルにとっては、2大会ぶりのEURO制覇へ向けてまずは最初の試金石を迎えることになる。

一方、イングランドと並んで優勝候補の本命と目されていたフランスは大会に入ってから苦戦続き。
ラウンド16ではベルギーを破ったものの本調子には程遠く、母国では批判に晒されているデシャン監督はこの試合でそうした論調を吹き飛ばしたいところだ。

●STARTING LINE-UP


(布陣は試合開始時のもの。一部、選手名が記事内での表記と異なることをご了承下さい。)

ラウンド16ではスロベニアとPKにまでもつれこみ各選手の疲労が心配されたポルトガルだが、この日も一切変更のないスターティングラインナップ。
39歳ながらスタメンでの起用が続くロナウドだが、今大会はここまで無得点。主要国際大会で無得点に終わるとキャリア初という結果になるだけに、何としてもゴールがほしいだろう。

フランスは出場停止のラビオに代わりガマウィンガがスタメンに。
また、裁定はオウンゴールとなったもののベルギー戦で貴重な決勝点に絡んだコロ・ムアニが今大会初先発となった。

●Review



互いにここまでロースコアの試合が多い両国だが、この日も予想通りのロースコアゲーム。
手堅いと言うよりも互いに得点が遠く、結局両者1点も奪えないままPK戦の末の決着となった。

フランスで気がかりなのはやはりエース、エムバペの不調だろう。
得点だけでなく爆発的なスピードを武器にチャンスメイクでも活躍するのがこの選手の特徴だが、今大会はここまでそうした場面がほとんど見られない。
デシャン監督も不調のエースの「サポート役」の人選には悩んでいるようだが、この日先発となったコロ・ムアニも残念ながらその役割を果たせたとは言い難いだろう。
3センターハーフ3枚は攻守両面で中盤を制圧する試合が続いているだけに、前線の選手の低調さは極めて残念と言っていい。

一方のポルトガルは、攻撃の連動性が乏しく「タレント頼み」のサッカーから抜け出せず。
ロナウドは既に独力で違いを生み出せるタレントにはあらず、この日はレオンが前半から奮闘。
カンセロのオーバーラップなども武器にサイドからの攻撃に活路を見出すが、選手個々のコンビネーションも奮わずどこかチグハグな展開が続くこととなった。

カンテ、ヴィティーニャらが中盤で見せる試合の主導権を巡った攻防は見所十分だったが、互いに前線の選手たちが迫力を欠き、試合はどこか「尻すぼみ」な内容に。
延長に入りフランスはエムバペを下げて21歳の若きバルコラに命運を託すも、残念ながら得点には結びつかず。
ポルトガルに関してはネトやジョタといった切り札を最後まで使わないという消極的な交代策ではゴールが生まれないのも当然であり、PK戦の末に最後はフランスがベスト4進出を決めた。

マルティネス体制に移行しても結局属人的なサッカーが続くポルトガルは妥当な敗戦と言っていい。
何とか結果を出し続けているフランスも、スペイン相手に勝てる画は浮かびづらいのが率直な感想だ。

●Result

Round8
PORTUGAL 0 (PK3-5) 0 FRANCE

得点 なし
MOM メニャン(FRA)
EURO2024「Today's Pick Up」DAY19
オーストリア vs トルコ


●Preview

EURO2024も気づけば今大会でラウンド16最終日。
ベスト8進出をかけたオランダの戦いも気になるところではあるが、そのオランダをグループステージでは退けたオーストリアを見ないわけには行かないだろう。
対するトルコもグループFを激闘の末に勝ち上がってきた好チームだけに、恐らくこの試合も見応え充分な「熱戦」が期待できるはずだ。

●STARTING LINE-UP


(布陣は試合開始時のもの。一部、選手名が記事内での表記と異なることをご了承下さい。)

グループステージ第3節では壮絶な戦いの末にオランダを3-2で下したオーストリアだったが、さすがに選手の疲労の色が濃いか複数の選手がベンチスタートに。
特に、不動のレギュラーだったグリリッチュがベンチというのは気がかりなところだが、複数ポジションをこなせるザビッツァーのポリバレント性で何とか補いたい。

対するトルコもグループステージ第3節のチェコ戦は「大荒れ」の試合となり、何と1試合で11名の選手が警告を貰うという前代未聞の記録を樹立。
この試合はチームの大黒柱であるチャルハノールと、DFのレギュラーだったアカイドゥンがそれぞれ出場停止と苦しい陣容での試合を強いられることとなった。

●Review



試合は開始早々にセットプレーからいきなりスコアの動く幕開けに。
1分、コーナーキックからのこぼれ球をデミラルが押し込んでトルコが先制に成功する。

激闘明けの両チームだったが、試合が早くから動いたことで前半からオープンなゲームを展開。
ボールを持つと互いが一直線へとゴールへ迫る、予想通りの見ごたえ十分な試合となった。

ビハインドを喫したこともあり徐々に圧力を強めたのはオーストリアで、中央のアルナウトビッチがポスト役を担いながらシンプルなサイドアタックでチャンスを量産。
後半に入ると193cmのグレゴリッチュを投入し文字通りの強烈な「ツインタワー」を形成し、アバウトなボールでもとにかく早くエリア内にボールを入れることでトルコを自陣に押し込んでいく。

しかし、こうした個を活かした攻撃にしっかりと組織で対抗できるのが今のトルコ。
局面によって巧みに布陣をシフトしながらオーストリアの攻撃をしっかりと跳ね返すと、攻撃面では176cmのギュレルが「偽9番」として中盤の幅広いポジションに顔を出して相手の守備陣を翻弄。
こうした動きで獲得したセットプレーから追加点というまさに理想通りの展開で、59分にはまたしてもデミラルがコーナーキックからゴールを奪ってみせた。

オーストリアも66分にセットプレーからグレゴリッチュが右足で合わせて1点差に迫ると、終盤はさすがにトルコも大きく守勢を強いられる展開に。
最後の最後の90+4分には、サイドからのクロスをバルムガウトナーが頭で合わせる大ピンチを迎えたが…ここはギュノクの「超ファインセーブ」で何とか堪えてベスト8進出を決めてみせた。

カードの数ばかりが取り沙汰された前節とは違い、したたかな戦術で勝ちきったトルコはお見事。
強豪国が順当にベスト8進出を決める中で、今大会のダークホースとなる可能性もありそうだ。

●Result

Round16
AUSTRIA 1-2 TURKIYE

得点 1 デミラル(TUR) 59 デミラル(TUR) 66 グレゴリッチュ(AUT)
MOM ギュノク(TUR)
EURO2024「Today's Pick Up」DAY18
フランス vs ベルギー


●Preview

ラウンド16の中でも最も注目のカードと言っていいだろう。
優勝候補の一角と言われたフランスとベルギーのどちらかが、今日で大会を去ることとなる。

1勝2分と首位通過ながら本調子とは言い難いフランスと、グループステージは1勝分1敗とこちらも波に乗り切れないベルギー。
PKのみの1得点に留まる手負いのエースエムバペ(GS初戦で鼻骨を骨折)と、決定機逸が続き未だ無得点のルカク。
彼らのパフォーマンスも含めて、どちらの国が復調のきっかけを取り戻す試合となるだろうか。

●STARTING LINE-UP


(布陣は試合開始時のもの。一部、選手名が記事内での表記と異なることをご了承下さい。)

フランスはグループステージ第3節をベンチスタートとなったグリーズマンが先発に復帰。
現時点でのベストメンバーを揃えて決勝トーナメントへと臨む。

対するベルギーは数人のメンバーを入れ替える形となったが、この11人が今大会の「ほぼ」ベストメンバーと言っていいだろう。
大会初先発となったオペンダは、今季ブンデスリーガで24得点を挙げ話題を呼んだストライカー。
次世代のエースとして期待されている選手だけに、初めて臨むEUROの舞台で結果を残したい。

●Review



互いに本調子とは言えない影響もあり、カードのネームバリューに反して見所の乏しい90分となった。

ボールを保持したいという気持ちが強い両者だけに、立ち上がりはプレス合戦は避けて互いにDFラインからしっかりとしたビルドアップを進める静かな展開に。
ベルギーはルカクとオペンダを2枚並べることによる「質的優位」から前線に起点を作ることを狙ったが、2トップへのサポートが乏しくどちらかと言えば彼らが孤立気味の状態を強いられてしまう。
対するフランスも前線のトライアングルを中心とした細かいパスワークで中央突破を狙うも、ここはベルギーのディフェンス陣も簡単には突破を許さない。

膠着状態が続く中で、徐々に攻撃の形を増やしながらリズムを掴んでいったのはフランス。
SBの大外からの駆け上がりや、大胆なサイドチェンジなどを織り交ぜてベルギーのゴールへと迫る回数が増えてくる。
劣勢を強いられても中々状況を変えられないベルギーは、後半途中にデ・ブルイネをトップ下へ上げる形で局面打開を図ったが、豪華絢爛なタレントを擁しながら結局彼のポジションチェンジを「切り札」にしなければいけないのがベルギーの苦しい所だ。

それでも83分に得た千載一遇の好機をデ・ブルイネが決めきっていれば試合展開は大きく違ったのだが…。
このシュートをメニャンに防がれた直後の85分、フランスはコロ・ムアニのシュートが相手のリフレクションを誘って幸運な形でゴールイン。
結局オウンゴールと認定されたこの1点を守りきって、フランスはこの日も芳しいとは言えない内容のままベスト8進出が決定。
ベルギーは最後まで攻撃のチグハグ感は否めず、ルカクはこの試合もほぼ見せ場なしという形で無得点のまま大会を終えることとなった。

●Result

Round16
FRANCE 1-0 BELGIUM

得点 85 オウンゴール(FRA)
MOM コロ・ムアニ(FRA)
EURO2024「Today's Pick Up」DAY17
イングランド vs スロバキア


●Preview

優勝候補の最右翼と目されながら、グループステージは1勝2分に終わったイングランド。
結果もさることながら低調な試合内容には批判の声も多く寄せられているが、決勝トーナメントで本領発揮しそうした声を黙らせたい所。

対するスロバキアは初戦でベルギーを下し注目を集めたものの、そこから2試合はルーマニアとウクライナに勝利が挙げられず尻すぼみな形での決勝トーナメント進出となった。
お互い本調子とは言い難い状況の両チームだが、ベスト8に勝ち残るのはどちらになるだろうか。

●STARTING LINE-UP


(布陣は試合開始時のもの。一部、選手名が記事内での表記と異なることをご了承下さい。)

イングランドはここまで試行錯誤が続く「ライスのパートナー」にメイヌーを抜擢。
ベリンガムよりも若いまだ19歳の選手だが、今季は所属するマンチェスター・ユナイテッドでスタメンを掴んだ超新星。
グループステージ最終節のスロベニア戦では好プレーを見せただけに期待していいだろう。

一方のスロバキアはルーマニア戦から一切メンバーの変更なく、大会を通じて先発が続くベストメンバー11人でイングランドに挑む。
中盤の底で八面六臂の活躍を見せるロボツカ、そしてGSで2得点を挙げたシュランツには注目だ。

●Review



セルビアに1点、デンマークにも1点と沈黙が続くイングランドの攻撃陣だが、この日もスロバキアを相手に大苦戦。
マンマーク気味で守るディフェンスに対してまるで効果的な崩しが見せられず、いくらボールを持ってもゴールが生まれる気配は全く起こらない。
期待のメイヌーもこの日は埋没し、ただただ虚無の時間が流れる過去3戦と同じ試合展開が続いた。

グループステージはそれでも結果を出すことが出来たが、舞台は決勝トーナメント。
徐々にペースを掴み始めたスロバキアにじりじりと主導権を握り返されると、25分にはシュランツの今大会3得点目でスロバキアに先制点を許してしまう。
攻撃の迫力不足もさることながら、この場面では大味なロングボールを簡単にゴールまで繋がれた守備陣の対応にも不満が残る。
グエヒとストーンズは1トップのストレレツにかなり苦しめられ、失点場面以外にも前線で起点を作られることが多かった。

後半に入ってようやくスロバキアを自陣に押し込む時間が続いたイングランドだが、戦術面の整理ができていないので試合展開に大きな変化は生み出せなかった。
頼みのトリッピアーは負傷交代となり、サウスゲイト監督が続々と投入した攻撃陣もどちらかと言えばピッチに混乱をもたらしただけと言わざるを得ない。

誰もがスロバキアの勝利を確信する試合内容だったが、ここで試合を動かせるのが今季レアル・マドリーで公式戦23得点を挙げたベリンガムの凄みだろう。
95分にロングスローのこぼれ球を鮮やかなアクロバティックシュートで押し込んで同点弾。
延長に入ると今度はフリーキックのこぼれ球をエースのケインが「目覚めの一発」で押し込み、終わってみれば内容でほとんど見所を作れなかったイングランドがまたも試合を制すこととなった。

●Result

Round16
ENGLAND 2-1 SLOVAKIA

得点 25 シュランツ(SVK) 90+5 ベリンガム(ENG) 91 ケイン(ENG)
MOM ベリンガム(ENG)