2023年J2戦力診断 その1 | BBGのブログ

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さて、いよいよ2023年のJリーグも幕開け間近!
ということで本日からは、毎年恒例J1・J2全クラブの戦力診断企画を行いたいと思います。

開幕までに終えられるかは怪しいところではありますが(苦笑)まずはJ2の全22クラブから更新していきましょう!
昇順で紹介していきますので、今回は昨シーズン18位の甲府から「昇格組」のいわきと藤枝を含めた5クラブを紹介いたします!よろしくお願いいたします!


【2023年J2戦力診断 その1】


ヴァンフォーレ甲府(昨シーズン18位)
『大きな方向転換の一年か。戻ってきたエースの活躍が鍵を握る。』

2023年予想フォーメーション
【各セクション診断】
FW 8
MF 7
DF 7
GK 6
指揮官 6
【総合値】34
【補強評価】C
【キーマン】ピーター・ウタカ


昨シーズンは天皇杯を制しクラブ史上初となるタイトルの獲得に成功したものの、リーグ戦では一年間低迷。
結局18位という近年ではワーストとなる成績に終わり、タイトル獲得監督となった吉田監督は一年での退任が決定した。

それだけに、今シーズンは基本的には「再出発」を期す一年となる。
伊藤体制から続いたポゼッション重視の指導者との別れを選び、シンプルな堅守速攻を持ち味とする篠田監督の招聘でチームのスタイルも大きく変わることとなるだろう。

その一方でオフの動向は「戦力維持」がベースとなった。
いかんせんACL出場というビッグイベントがあるため「枚数」を揃えなければならなかったという事情もあるが、篠田監督のサッカーを知るような選手の補強も一切なし。
指揮官が今季どのようなサッカーを志向するかはまだ未知ではあるものの、従来のサッカーからの大きな転換を図った際に既存選手たちが心身共にどれたけ「ついてこれるか」はキーポイントとなるだろう。

とはいえ、将来性豊かな長谷川、荒木、鳥海といった若手選手たちを概ねチームに残せたことは心強いことは間違いない。
大きな課題であった決定力不足に対してはピーター・ウタカという「一発回答」の補強にも成功し、比較的期待感の高いシーズンインとなっている。

鍵を握るのは、過密日程が予想される中で選手たちのコンディションを維持となるだろう。
特に、38歳を迎えながら最も代えの利かない存在であるウタカに関しては、首脳陣も最大限に気を遣いながらの起用が求められることとなってくる。


大宮アルディージャ(昨シーズン19位)
『アンバランスな編成は引き続き。まずは謙虚に残留争いから脱したい。』

2023年予想フォーメーション
【各セクション診断】
FW 6
MF 6
DF 5
GK 6
指揮官 6
【総合値】29
【補強評価】D
【キーマン】柴山昌也


20年以降はJ2でもすっかり下位が定位置となっており、昨季はいよいよ残留争いに巻き込まれる一年に。
シーズン途中の監督交代も効果を発揮せず、最後は19位とまさに命からがらの残留劇となった。

潤沢な資金を武器にタレント軍団として鳴らしたのも今や昔であり、親会社からの支援縮小が進む今オフも選手補強は非常に寂しい結果になった感は否めない。
西村、矢島、小野といった主力選手がチームを去り、即戦力の補強も浦上と石川という2名の「復帰組」がファンを少々沸かせるだけに留まった。

資金力が乏しい点は仕方がないとしても、昨季から続く編成の「アンバランスさ」も非常に懸念される要素だろう。
FWやボランチには控えにまで実力者が顔を揃える一方で、DFラインの選手層の薄さは相変わらず。
また、矢島や高田の退団によってサイドハーフの戦力不足も今季は際立つ編成となってしまった。
昨季ブレイクの兆しを見せた柴山以外には信頼に足る戦力がほとんどいないのが現状で、今季はこの20歳の若武者にチームの攻撃は大きく依存する形となっている。

それだけに昨季は真価を発揮できなかった「相馬サッカー」が今季こそは形になることを何としても望みたい。
長らく指導した町田時代は決して豊富とは言えない手駒を操って優勝争いを繰り広げた実績もあるだけに、戦術の浸透で何とか戦力不足を補いたいところ。
守備面に関してはやや立て直したという印象も見られただけに、今季はまず安定感のあるシーズンを目標としたい。

とはいえ、昨季20位のクラブが戦力アップもほとんど見られないという状況を考えれば高望みは厳禁。
チーム全体に漂う停滞感を払拭し、まずは残留争いからの脱却が第一目標となるだろう。


ザスパクサツ群馬(昨シーズン20位)
『戦力ダウンは否めず、指揮官にはアグレッシブな変化を求めたい。』

2023年予想フォーメーション
【各セクション診断】
FW 5
MF 5
DF 6
GK 6
指揮官 6
【総合値】28
【補強評価】D
【キーマン】佐藤亮


大槻新体制で臨んだ昨季は、序盤戦こそ好スタートを切ったものの徐々に低迷。
7月から9月の15試合でわずか3勝と後半戦は非常に苦しみ、何とか最低限の目標を達成するだけの一年となった。

それだけに今オフは選手補強で巻き返しを図りたかったところだが、戦力はむしろダウンというのが率直な印象と言っていい。
加藤や田中といった長年主力選手を担ってきたアタッカーがチームを去っただけでなく、小島や高木友也などレギュラークラスの選手が次々と退団。
昨季36得点に終わった得点力不足の解消へ向けては2名の即戦力を獲得したものの、順位を上げるためにはあくまで戦術面での進化が必須となってくる。

しかし、堅守速攻と言えば聞こえはいいものの、昨季の群馬のサッカーからはあまり「伸びしろ」を感じなかったのもまた事実。
大槻監督は分析のスペシャリストと呼ばれる一方、前任の浦和時代から攻撃面での戦術の構築は不得手としている印象があり、昨季の得点力不足も決してタレント力だけの問題には限らないだろう。
指揮官の苦手としている部分を補えるようなコーチの招聘があればよかったのだが、コーチングスタッフにも大きな変化はなく望み薄という印象だ。

シーズン末には既にジリ貧という印象もあった中で、就任2年目の今季どのような変化をチームに授けることができるのか。
スローガンに掲げた「MORE AGGRESSEVE」という姿勢は、選手だけではなくむしろ監督にこそ最も求められるフレーズとなるだろう。

いわきFC(昨シーズンJ3 1位)
『徹底的な継続路線と勝ち癖を武器に、J2でも旋風を起こしたい。』

2023年予想フォーメーション
【各セクション診断】
FW 6
MF 5
DF 5
GK 6
指揮官 6
【総合値】28
【補強評価】C
【キーマン】有田稜


昨シーズンは2位の藤枝に10ポイント近くの大差をつける圧倒的強さでJ3を制覇。
72得点23失点という数字が示すように、攻守両面においてずば抜けた存在だったと言っていい。

それだけに、初めてとなるJ2の舞台でもクラブの方針は「徹底的な継続路線」。
ルーキー以外の即戦力の補強は高木和と宮崎程度に留め、戦力の入れ替えは最小限に留めたという印象だ。

継続路線は補強方針に現れただけではなく、12月中にほぼすべての選手補強を終えた上で練習を開始するという「Jリーグ史上最速の始動」を披露。
フィジカルを全面に押し出した独自のサッカー哲学を含め、Jリーグ60クラブの中でも異色ともいえるクラブ運営の行く末には大きな注目が集まっていることは間違いない。

とはいえ、各選手のキャリアや実績を考えると戦力面ではリーグでも相当苦しい立場であることは間違いない。
特に懸念されるのは千葉に引き抜かれた日高の穴埋めが進んでいないサイドバックの選手層であり、怪我人発生などのアクシデントが起きた際には後ろからチームが崩れる可能性も低くはないだろう。
それだけに、昨季のJ3で猛威を奮った「有田&有馬」の2トップには、引き続き守備の不安を補うほどの大活躍が求められることとなってくる。

このように期待要素、不安要素をそれぞれはらんだ非常に未知なクラブではあるが、J3で「勝ち癖」をつけたクラブが昇格初年度でいきなり躍進するというケースは往々にして起こりうること。
過去の昇格クラブに比べても特に強力な勝ち癖を身につけているだけに、J2でも「いわき旋風」を巻き起こす可能性も決して低くはないはずだ。


藤枝MYFC(昨シーズンJ3 2位)
『初となるJ2の舞台では、超攻撃的サッカー以外の戦い方を身につけたい。』

2023年予想フォーメーション
【各セクション診断】
FW 6
MF 6
DF 5
GK 6
指揮官 6
【総合値】29
【補強評価】B
【キーマン】新井泰貴


21年から就任した須藤監督のもとで「超攻撃的サッカー」を推し進め、昨季はついに悲願の昇格を達成。
優勝したいわきには差をつけられたものの、リーグ2位の59得点を挙げるなど自分たちのサッカーを貫きながら見事結果を出すことにも成功した。

そんなチームから今オフは守護神の内山と中盤の要だった鈴木惇がチームを去ったものの、岡西と新井という実力者を獲得して彼らの穴埋めにはしっかりと成功。
加えてJ3から魚里や杉本といった実績あるタレントを獲得し、新潟からは「ブレイク候補生」の矢村も獲得。
更には海外からの補強選手としてアンデルソンを迎え入れ、選手層はグッと厚みを増したことは間違いない。
補強選手の大半が攻撃的選手に割かれた点にもクラブの意向がハッキリと表れており、いわきに負けず劣らずの面白い存在となりそうだ。

一方でDFラインの選手層はやや物足りないことも事実であり、レギュラー3選手のフル回転は必須という状況。
「超攻撃的サッカー」は心意気こそ良いものの、清水や磐田と言った「J1級」の戦力を擁するクラブを相手に今のサッカーが通用するとは考えづらく、ボールを握れない試合での振る舞い方が身に着けられない場合は「玉砕」という可能性も低くはないだろう。

それだけに、新戦力の融合を含めてこのオフシーズンをどのように過ごしたかが非常に大事な意味を持つこととなってくる。
理想だけではない現実的な「妥協点」も探りつつ、まずはしぶとく残留をつかみ取りたい所だ。