標題のテーマで前回書くつもりでしたが、思ったより文章量が
多くなってしまったので、「後編」としてお話します。
① 隣の家が火災で燃え盛る中、自宅への延焼被害を防ぐには
屋外の水道を使ってホースで自宅外壁や屋根に放水することで、
延焼を抑えることができます。この際、「噴霧モード」だと、熱で
すぐに蒸発してしまうので、「直噴(ストレート)モード」で、
外壁に「水を塗るように」たっぷりとかけることが大切という、
消防士の方のアドバイスをうかがいました。
これは、同じ量の水でも「噴霧モード」にすると表面積が大きくなり
それだけ熱への「露出」が大きくなって蒸発してしまうからです。
「物質の体積が同じなら、細切れの方が表面積が増える」という
法則を当てはめると理解できます。煮物などをする際に、具を細かく
切ったほうが火が通りやすいのと同じですね。
② 膝下程度の洪水でも、水流1m/秒だと「約4㎏のチカラ」がかかる。
「膝下ぐらいなら逃げられる」と思われる方も多いでしょうが、
水は流れていると思わぬ力がかかります。2人ペアとなり、
一人の膝下に「バネ量り」(↓)を横向きに引っ張れるように着けて
両膝にかかる力が4㎏程度になるようにもう一人に押さえてもらいながら
歩いてみると、その負担の大きさは予想外でした。
普段は「縦向き」で使う量りを横向きに使って水流の力を体感するのは
物理の「重さと質量」の応用ですね。
また、洪水では水が濁っていることも多く、足元に障害物があってつまずくと
(膝下の水位でも)溺れてしまうことがあります。フタの開いたマンホールも
命取りです。「杖を突きながら歩けば、大丈夫」とも言われてますが、
濁った濁流の中慌ただしく避難する時には、いかがなものでしょうか。
スピーカーの方の曰く、「避難は早めが鉄則」ということでした。
③ 川でおぼれた人を助ける時は、ロープを投げてつかませ、引っ張らない。
災害とは違いますが、上記のような時は、「ひもをつけたペットボトルを
溺れた人に向けて投げてつかませ、そのまま引っ張らないでよい」ということを
教わりました。以下ページにも説明がありますが、原理としては下記掲載の
イラストのように、コンパスの支点のように固定することで、自然に人が岸に
流れ着きます。これは、「太陽の周りを公転する惑星」の原理と同じで、
天文学に通じるものでもあります(笑)。
④ LEDライトの光は「直進」。ランタン的に使うには「屈折」と「反射」
懐中電灯は、今やLEDライトが主流ですが、LEDの光は直進性が強く、
広い範囲を優しく照らす「ランタン」のようなものには不向きです。
しかし、ペットボトルに水を入れてLEDの光を通すと、光が屈折・乱反射
することで、ランタンのような光になります。これは、光の「直進」
「反射」「屈折」という理科のお話ですね。なお、以下の動画では、
ペットボトルに入れる液体をスポーツドリンクにして、濃度別に明るさを
実験しています。
以上、私の気づきの範囲で書いてきたので、詳しい方から見ると稚拙な説明も
あるかもしれませんが、楽しんでいただけましたでしょうか?
こんな内容を、防災講話に盛り込んでもらえたら、面白いと思いませんか。
◆前回と前々回の関係記事
東水会 自治会長
菅野 哲央