今朝の日経新聞に「20歳の町内会長 奔走」という記事を見つけました。

鹿児島のある自治会の町内会長だそうです。素晴らしい!

 

「輪番で自治会長をやっていた中、立候補してやり始めた」

「新型コロナ禍と同じタイミング」…というのが、私と似ている(笑)。

 

 

そんなこと言うと、「我田引水もいい加減にしろ!」とお叱りを受けそうですね。

こういう若い自治会長も頑張っているということを知って、私も勇気が出てきました。

(年齢は、私のほうが2倍近く上ですが、そこはご愛敬ということで)

 

記事には、参考になる情報も多いので、後学のために掲載しておきます。

 

 

 

 

~~~~~~~ 記事引用 ここから ~~~~~~~

【Answers】20歳の町内会長奔走

多様な住民「得意」生かす 日本経済新聞 朝刊 社会2(35ページ)

2023/10/30 2:00

 

町内会の集まりを終え、近隣住民と話す金子陽飛さん(右)(1日、鹿児島市)

 

 10月上旬の朝、鹿児島市の唐湊(とそ)地区の公園に作業着姿の住民約15人が集まった。「きょうもきちんと掃除しましょう」。輪の中心で声をかけていたのは20歳の唐湊山の手町内会長、金子陽飛(はるひ)さんだ。

 加入する約50世帯のうち3分の1が75歳以上の町内会で、高校3年から会長を務め4年目になる。市や学校の会合への出席や行事の調整など、会長らしい業務も板についてきた。

 

 若さに目が行きがちだが、町内会の取り組みは2022年、全国の優れた政策を表彰する「マニフェスト大賞」の優秀賞に選ばれた。「町内会活動の負担が人々の参加を阻む中で画期的」とされ、講演依頼も相次ぐ。

 

 人付き合いがいい方ではなかった。宿題などに追われ、やりたいことができない中学生活に嫌気が差し、半分以上は不登校に。卒業後は通信制高校に進んだ。

 

 20年4月、輪番で務める町内会の役員に金子家の番が回ってきた。

 「そもそも町内会に入る意味はあるの」「やめてもいいのでは」

 そんなやり取りのなかで、地域づくりなどを研究する鹿児島大准教授の父、
満さんから「お前が町内会長やってみたら」と声をかけられた。

 思わぬ提案に、なぜか心が揺さぶられた。「面白いかもしれない」

 

 頭に浮かんだのが、高校進学後に始めた地域のアーチェリー協会の練習だ。

小学生から高齢者まで年齢を問わない競技。

年の離れた〝仲間〟とのやりとりが新鮮で楽しかったことが思い起こされた。

 

 新旧役員の集まりで、会長に手を挙げる人はいなかった。

重苦しい雰囲気の中「僕がやります」と声を出した。

戸惑いの表情が広がりつつも拍手で承認された。

 

 当初は空回りが続いた。他地域を参考に提案したのはマルシェ、食事会、

お祭りなど。「面白いね」と言われても「やろう」という声につながらなかった。

若者が減り運動会などは既に取りやめていた同地区。思いが現実とかみ合わなかった。

 

 ひとりの住民の言葉が胸にしみた。「地元の声を聞きながらやりたいことを

進めるのが地域にもあなたにもよいのでは」

 

 自分が住む地域を知ろう――。会長就任の挨拶まわりで町内会に加入する家を

一軒一軒まわり、できることや得意なことを尋ねた。金属加工が仕事の人、

ドイツ語が話せる人、草刈りが好きな人……。かつては気にとめなかった

町内会が多様な個性を持つ人たちでできていることを知った。

 

 「得意を生かしてもらえればいい」。町内会で必要な仕事をカードに書き出し、

できることを担ってもらう仕組みが頭に浮かんだ。

ジグソーパズルの空いた部分に、形のあったピースを当てはめるように。

 

 会社で営業担当だった住民に町内会への勧誘を委ね、新たに4世帯が加入。

街灯が切れたときは電気関係の仕事に就く人が交換作業を担った。

不安の声はいつしか「若いのに頑張っている」に変わっていった。

 

 就任時期は新型コロナウイルスの流行時期とも重なる交流が減り

「顔見知りと会えない」と不安を訴える声もあった。

日ごろから顔を合わせる関係が安心につながる」と町内会の役割を実感した。

 

 担い手不足は全国共通の課題だ。時代に合った形でどう活動を維持していくか、

鹿児島から取り組みを発信していくことが今の目標だ。

 

 その一環で、県内の自治体と連携し町内会活動を支えるアプリ開発に取り組む。

回覧板のように地域の情報を共有する機能を盛り込むなど準備を進めている。

 

 年齢も考え方も違う人が集まる町内会に関わる面白さも会長を続ける理由だ。

「一人では思い浮かばないアイデアを寄せ合い、作り上げていくのが楽しい。

活動の原動力」と話す。

 

 若者と高齢世代と、双方の思いをくみ取れることが強みだ。

これからも続く町内会をつくるために、20代の自分だからこそ

考えられることを提案していきたい」

 

 文 駒木梓

 

 写真 笹津敏暉

 

 

自治会、担い手不足8割超

業務デジタル化、遠く

日本経済新聞 朝刊 社会2(35ページ)

2023/10/30 2:00

 町内会のような組織は2021年4月時点で全国に約29万あるが、担い手不足は深刻だ。16~17年の内閣府調査では自治会の課題として「役員・運営の担い手不足」との回答が86.1%で、「役員の高齢化」(82.8%)「近所付き合いの希薄化」(59.2%)が続いた。

 

 総務省の地域コミュニティに関する研究会が22年に出した報告書は、町内会活動の負担を減らす必要性を提言。行政が依頼する回覧板による情報伝達や民生委員の推薦などの業務は、見直す必要があるとした。

 報告書は業務効率化のためデジタル化の推進に言及するが、道のりは険しい。22年に公表した総務省の調査によると、自治会でどのようなデジタル化が行われているかという問いに「取り組みがない」と答えた自治体は75.1%(1741市区町村対象)に及んだ。

 

 

 

~~~~~~~ ここまで ~~~~~~~

東水会 自治会長 

菅野 哲央