以前、アメトーークの読書芸人で紹介されていた、筒井康隆の笑うな。
今日、本屋に行ったら偶然見つけたので、最初の項だけ読んでみた。
短編集で最初の項が表題作の「笑うな」
ちょっとぶっとんだ。なんだこの不条理小説は。
カフカの変身の最後並みに投げっぱなしなラスト。
ていうか、そもそも起承転結がほとんどない。
短編小説で起承転結がないというのはどういうことか。
いや、厳密にいうとあることはあるのだ。
でも起から結に至るまでの山なりが緩やかすぎて、いつ山が昇って、いつ山を降りたのか、殆ど気づかず最後に至る感じ。
「・・・・・・・・・・あ、終わり?」みたいな。
僕には、その緩い話の展開が、なんか面白かった。
これはお笑いコントのノリで書かれた小説だと思う。
大した内容じゃないけど、ちょっとしたセリフ回しや、意表をつくトンデモ展開、くだらないオチ、そういう小さな一つ一つが堪らなく面白い。
それらの構成を、すごく計算して書かれている気もするし、思いつきだけで書いている気もする。
その文章の妙が本当に絶妙で、何か知らんけど面白くて、正直「天才…!」とさえ思った。少なくとも自分は。
でも、ものすごく好き嫌いが分かれるだろうなあ、この人。
ジャンルで言うと、椎名桔平や町田康の分類だと思う。独特の文体で、パンクパンドの作詞の延長線上みたいな文章を書く人。
正直、上記のふたりはあまり好きじゃないけど、この人は面白かった。買おうか迷ったくらいだし。
ちなみに奥付を見たら、初版が昭和50年だった。最近の本だと思ったのに。なんて斬新な小説!
ということで、分かる人にはわかる、分からない人にはまず分からない、高円寺並みの踏絵小説。
新しい友人や恋人ができたら、感覚が合うかかどうか識別に使えそう。