色 | たのしいゲイせいかつ
綺麗な色と、奇麗じゃない色。
人はそれを見分ける能力がある。
人によって、その「綺麗」の基準はちがうけれど、直感的に感じるそれは、だいたい一緒だと思う。

日本は、奇麗な色?
僕は綺麗じゃないと思う。町の灰色だらけな光景は、どう考えても景観としてはレベルの低いものだと思う。

最近、フランスってすごいなと思う。
フランスは、美の都。住んでいる人は最低ランクとのうわさだけど、あそこは学びにいくところで住む所じゃないと思う。

学ぶのは、色。
ピンクだけど、自分のよく見るピンクとは違う。
ブルーだけど、自分のよく見るブルーとは違う。

どれもなんともいえない上質なシルクのような、質感が感じられる。
あの色はどうやって出すのだろう?
そこへ行くと、日本のピンクやブルーはファンシーで、よく言えばファンシーだけど、悪く言えば幼稚園児みたいな感じ。ダイソー的ともいえるかもしれない。

街の景観も全然違う。全部が全部じゃないと思うけど、街自体が色彩の森なのだ。
絵具をグチャグチャにひっくり返した日本とは違って、建物ひとつひとつが、すごく丁寧な塗り絵みたい。
あんな街に住んでたら、緊張して歩けなそう…とか、思うけど。

色彩は、人を緊張させる。

昔、上野の美術館にルーブル美術館の絵がごっそり日本に輸入されたことがあった。
当時、まったく絵画とか美術とか興味なかったけど、異例の出来事だとマスコミは騒ぎたてた。なので、損したくない性分の僕は、ちょっと割高だなーと感じつつチケットを買った。

ひしめく人々の頭の山。マナーのなってない客に辟易しながらも、絵画を見た。

絵の前で、動けなくなった。
美しすぎて。

本当に美しいものをみると、人って動けなくなるんだなって思った。
これを逃したら、もう二度とみられないかもしれない。
そう思うと、本当に目を動かすのももったいなくて、絵は逃げたりしないのに、自分の体はその絵の前で動かなかった。
どれも、本当に色が綺麗で、柔らかくて、鮮明だった。
個人的にはモネとルノワールの絵が特に感動した。

芸術とファッションは、表裏一体だと思う。
この間、原宿周辺を歩いていた時、外国人が植物柄の服を着ていた。
ふと、最近はやりの植物柄ってどこからやってきたんだろうって思った。
日本人は、多分パリコレとか、海外のファッションを真似て日本に輸入してきていると思うけど、じゃあ西欧の人は、誰がこういうのを作ってるんだろう。
そりゃーデザイナーとかなんだろうけど、発想の源はどこなんだろう?

そう考えると、やっぱり、あのフランスの建物や、ルーブル美術館の絵が思い浮かぶ。
芸術の都、からなのかなあ? と思う。
もとをたどれば、デザインも色彩も、芸術的な観点から作られたもの。
そうなると、ファッションデザイナーは芸術に親しむことが大事なのだなあと思う。
でも、そういうのに親しんでいる日本のデザイナーているのかな? と思う。いると思うけど、やっぱり身近にルーブル美術館やら、歴史的建造物やらがある人たちには負ける気がする。小さい頃からの素養が違いそう。

フランスの色彩センスはやっぱり別格。
じゃあ、日本には無いのか? 日本人もフランス人を真似るべき?
個人的には真似たいけど、日本にも日本特有の色がある。
日本では配色を「かさねいろ」っていって、十二単の合わせ方とかにこのセンスが使われているけど、これこそ日本人が海外に誇れる色彩センスだと思う。地味だけどね。

海外の文化を尊敬することと同時に、日本の素晴らしさも知っていなければいけないと思う。なんとなく。
日本人でさえ、こういう日本特有の色というものに疎いけど、ちょっと振り返ってみる必要があるなと思った。