日々のカラオケライフにはイライラさせられますが
実際に義父が歌を歌うのは私たちの部屋から遠く離れたフロア。
勝手に部屋にこもってヘタな雑音をかますのは妥協しましょう。
同居も譲り合いが必要です。

実は義父が周りに内緒で(バレてまっけど?)やっているのが社交ダンス。
ゾゾゾゾゾゾー。
公言するのは恥ずかしいらしい。
きっかけは表向きには運動不足解消だそうですが、
カラオケを始めてからというもの、季節の折にホールを貸切って行われる
カラオケパーティの席でダンスを踊る機会があるらしく、
見ているだけなのはつまらないとのこと。

よく老夫婦で社交ダンスをやっているほほえましい光景は見られますが
義父の相手というのは義母以外の不特定多数のババァども。
義母のことは考えていないようです。
男はいつまで経っても男でありたいのでしょうか。
教室に出掛ける前には必ず歯を磨き、マウスウォッシュも忘れずに。
さらに鏡の前で丁寧に薄くなった髪を整え、安物のコロンをふって出掛けて行きます。
たまにパーティに行くのに服を新調したいと願いでて
元々、ダンス通いを快く思っていない義母に拒否されています。
義父はニヤニヤするタイプなので、確実にダンス中はほころんでいること、と。
あーーー、考えただけでも気持ち悪い。

さて私が義父を偉いと思うのは、好奇心旺盛なところでしょうか。
義父は年齢的にも当然覚えが悪くなっているようで、
教室で習ったステップをすぐに実践することは出来ないようです。
リビングのTV横に小さなダンボールがあり、
フタが開いていたのでふと見ると『あなたにも出来る社交ダンス』全5巻(VHS)。
家でも予習復習を欠かさず、勉強しているようでした。

ただ、可笑しいのはそれらを開く時義母を部屋から追い出し、
リビングで独りこっそりと見ていることでした。
それもTVの真ん前で音量最小にして。
まるでエロビデオを見ているかのようです。

私は気にせず入るのですが、途端に義父の動きは一時停止になります。
ちょっと義父さん、教則VTRは続いとりまっせ?
私がリビングで用をしている間、ずっと止まっています。
そのままリビングに居続けてやろうか、と意地悪な気持ちが起こりますが
しばらくしたら何も無かったようにリビングをあとにします。
ふん、そんなステップが踏めるのもあと数年だ。

数年‥‥。
長いのか短いのか。

あー、同居ってホントに‥‥。
何故、こんなことを考えてしまうようになってしまったんでしょうか。


毎朝、私は憂鬱な気分で目が覚めます。
朝、憂鬱になるなんてうつ病のようじゃねえか。
どうしようもないほど絶望的になる時があります。
また今日も朝が来た‥‥。
私は何故、此処に居る‥‥?

何故ならリビングからTVの音が大音量で聞こえてくるからです。
義父はある意味TVっ子で、リビングに居る時は常に点いています。
あぁ、起きたんだな、と思います。
義父は私たちがこの家を離れている間に随分と耳が遠くなったようでした。
義母と話している最中に何度となく「何て?」と聞き返しています。
昔は祖母のTVの音量にいちいち文句を言っていたことなんてすっかり忘れているんでしょう。

そしてしばらくすると洗面所からすごいうがい音がします。
義父は昔から呼吸器がヨワいらしく、常にゴホゴホ(タン払い?)と音をたてていて 
特に緊張すると可笑しいくらい大きな咳払いをするのです。
うがいにしても喉の全ての菌を蹴散らすかのように吐き出します。


ゴゴゴゴー、グワッッ、グワーーッ!
ゴゴゴゴゴゴゴゴ、グググ、グワッグワーッッッッ!!



まさにケモノです。

そして起きてから毎日1時間は何故かずっとゴワッゴワッと言っています。
朝食を取りながらも、TVの感想を述べながらもずっとです。
食べ物が喉に詰まる感じがあるのか、食べながら時折ティッシュを取り、吐き出します。
食事のマナー、悪過ぎ‥‥。
食べるか話すかどちらかにしなさい、なんて70過ぎたじじいが言われることけ?
私たちがあとで食卓に着いてからもまだ大きな咳払いは続いています。
たまに食べるのが気持ち悪くなる時があります。

で、本調子になって来たのか、朝食を済ませ、見たい番組も終わったら
自分のカラオケ部屋に消えて行きます。
そして聞こえてきます。
♪まるで~~~ う~み~~ゆ~きぃ~~ ゴワッッ



もうそんだけ喉が弱いならカラオケなんて止めちまえ!


このブログを始めてしばらくしてから何となく自己嫌悪に陥りました。
私って人の悪口ばかり書き立てて嫌なヤツ。
仮にもオットの肉親なのに毒ばかり吐いて悪い嫁。
色んな面で助けられているのに、それに気付かない大馬鹿者。
これを書いてるって周りにバレたら皆は何て思うだろう。うんぬん。

何となく管理画面を開くことを止めてしまった私。

ある日。
ポストを見ると私とオットそれぞれ宛への返信ハガキが入っていました。
裏を見ると『抽選ハズレのお知らせ』。

このたびはNHKのど自慢公開生放送観覧にご応募いただきましてありがとうございました。
残念ながら今回は抽選に洩れ‥‥

は??

ふと他に来ていた郵便物を見ると同じ文面のハガキが2枚ありました。
義父と義母宛でした。


くそじじいーーーー!!


義父は自分がのど自慢観覧に行きたいが為に
勝手に私たちの名前を使って抽選に応募していたのでした。
もちろん了承も無し。事後報告も無し。

後日、10枚近く抽選ハズレのハガキがテーブルに置いてありました。
どうやら友人知人、親戚筋まで手を広げて応募していたようです。
そこまでしてその観覧に行きたいのか!
友人関係に頼んでるならまだマシです。

何故、しれーっと私たちを利用してるのか。
日頃、あいさつすら返さないのにこれって何なのさ?
見境いが無さ過ぎませんかって?
礼儀に欠けすぎてませんかって?


やっぱりぼちぼち書き連ねて行こうかと思った嫁っこでした。


義父がカラオケを始めたなんて本当に信じられませんでした。
カラオケ三昧ぶりは幅を広げていました。
カラオケ教室2カ所、週に1~2度カラオケスナックにも
行っていることが判りました。

義父がリビングに居る時は今までのニュース、
野球中継に加え、演歌番組がほぼ毎日。
こんな時間にやっているのか、と思う程
朝から晩までくまなくチェックしていました。
最近は懐メロ教室にも通い出したようです。

新曲や新人歌手が出たらすぐCDを買いに行き、
流行に乗っている自分を自画自賛。
自分のヘタぶりは棚に上げ、のど自慢番組では
審査員のごとく素人出演者たちを扱き下ろす。

エラそうに語っている姿を見ると、もうホントにウザイです。
私からすりゃ、目くそ鼻くそのレベルだって。


私たちが転勤でこの家を空けている間に一番変わったのは義父でした。
義父は現役時代、無趣味で人付き合いもほとんどしなかったとは
以前書きました。
義父のリタイア後、メールでちょくちょく忙しいとは書いてありましたが
何を始めたのかイマイチ分からなかったのです。

義父は何とカラオケを始めたのでした。それも演歌。

驚愕でした。
あの義父がカラオケ?人前で歌う??

私たちが戻って来てみると、客間だった部屋が
義父のカラオケルームと化していたのです。
部屋にはカラオケセット、教則本、CDやテープが山積みでした。

ある日、私は引越の片付けを始めようとバタバタしていると
同じフロアの奥の部屋から大音量で演歌が流れてきました。
そして前奏が終わったら高らかに義父が歌い始めました。
午前中、ずっと演歌が聞こえてきました。

私は思わず義母に聞きました。
義母は「家に居てヒマな時は一日中ずっとあんなんやで。」と言いました。

おまけに義父はダラダラと歌うのです。
朝食を食べたら歌、昼を食べたら1時間、歌、昼寝をしたら1時間、歌。


耐えられない。


このヘッタクソ!!


現実は‥‥‥‥。



私の腹の中ではメロディーが怒濤のごとく、
こんなにもスラスラと奏でているのに
「ふ、ふーーーん‥‥。」としか言えませんでした。

あの時、“前にも言ったと思うけど。”と続けて切り出していれば。

“私、台所でされるんイヤやねん。”とついでに言ってしまっていれば。

そのタイミングを逃して以来、その件に関して全く言えなくなりました。

歯ぶらしは今も食器乾燥機の中に入ったままです。
カスのつまった黄ばんだ歯ぶらし。
気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い‥‥。

それにしても家族は、義父やオットは何も思わないのか。
オットにだけは改めて聞いてみました。
「実は僕はあんまり気にならへんねん。入ってるわ、程度。」

‥‥‥。
あ~あ。やっぱり私はよその家の子なんだわ。
結局、コレについてはこの家の人たちとは話にならないのね。


その後、もちろん今もなお、あの一本の歯ぶらしが
私の同居ストレスの象徴となりました。

ある日、思い切って会話の合間にそれとなしに言ってみました。
「2階の洗面所ってお義母さんは使わんの?」
2階の義父母の部屋の前にはミニ洗面所があるわけですが
そこは義父が一人、占領して使っています。
1階には大人が2~3人並んで立てるような広さで作ってあって
いわばそこが家のメイン洗面所とされています。

「まぁ、お父さんが自分の使いたいようにしてしまってるわな。」

「誰も使うな、みたいな感じがあるの?」

「そんな事はないけど。」

「1階の洗面所は私らだけで広いし、よかったら一緒に使わへん?」
↑私としては精一杯の、“台所で洗顔をするな!”と言ってみたつもり。

「う~~ん。わざわざ1階に行くのメンドくさいわ。」


メンドくさい‥‥‥‥。


メンドくさい??


メンドくさいだとーーーーっ!!??


自分は口の中に入れるから何とも思わんかもしれんけど、いわゆる掃除道具やないか。
そんなモンが横にピタッとついてる箸で作ったご飯、食べれるかいな。
その歯ぶらし、いつから替えてないねん。
口をゆすいて吐き出したシンクに皿置きたくないわ。
何でもかんでもメンドくさいで片付けるなよ。
義父に命令されてムダな動き、なんぼでもしとるやないか。

はよ放り出さんかい。捨ててまわんかいーーー。


さて私の同居ストレスは台所ですが、やはりまたコレに悩まされることとなりました。
義母の洗った食器がヌルヌルなのがどうしてもイヤで
最初は私が洗うようにしていたのですが、
ある日、見てしまいました。

食器乾燥機の中にヤツがいたのです。
そうです、歯ぶらし が。
私は愕然としました。
私たちが転勤で出て行ってから、やはりメンドくさくなったのでしょう。

もう忘れているのかな。

言おうかどうしようか迷いました。
長らく迷いました。
でも一向に取り除かれることはありませんでした。
既に日常化しているものと思われます。

私はオットに相談しました。
オットは「そっか‥‥」と一呼吸置いて
以前と同じように「気になるなら言ったら?」と言いました。
言いにくいならボクから言おうか、とも言ってくれました。
でも以前、苦言を告げたのは私自身です。
今回に限ってオットから言ってもらうのは卑怯かなと思いました。
だってイヤなのは私なのですから。

最初にさっさと言ってしまえば楽だったのに
いったん転勤で離れて年月を過ごすと
ちょっと他人行儀な距離間が出来てしまったというか、
嫁と姑の関係になってしまったというか。


義母は基本、食器や調理器具は水洗いです。
何を食べても水洗いです。
油料理をしたら洗剤を少量つけてすすぎながら洗います。
だから義母が洗った皿はどれも常にヌルヌルしています。
さらっと流すだけなのでカスや汚れが付きっぱなしというのも
多々、本当に多々あります。

並べられた大型の水屋の一つはガラス製品が埋まっていました。
そのほとんどが景品などもらいもののコップです。
そしてそれらのほぼ全てがくすみ、汚れています。
日頃、同じコップを使い回すので
水屋にほったらかされたコップはヌルヌルのまま、
どんどん古ぼけていきます。

一度、親戚が集まった時に兄嫁がコップの用意をしていましたが
「ヌ?」と目を見張った後、黙々とそれらを洗ってから
持っていったのを私は見逃しませんでした。

よくこれで食中毒を起こさないものだと感心します。
私はこちらに帰って来てから数ヶ月、お腹をずっと下していたのは
多分にこのせいだと疑っています。
現在、腹の具合は全く改善されているので
体が馴染んだと思い込んでいます。

良いのか悪いのか。


オットは自分らの必要最低限のものだけ何とか場所を確保しといて
徐々に邪魔な皿を整理していったらどうや?と言いました。
確かにいきなりここの皿を全部捨てろというのは角が立ちます。

私は恐らく何年もここから出していないと思われる水屋の皿を
少しずつ、上の戸棚に移動していきました。
ある日、水屋の皿の一つを取り出すとそこには
食べたまんま水屋に戻したらしき、カッピカピに干涸びたミートソースらしきものが
一面、ベッタリついた大きな皿が出てきました。
何故、洗っていない皿が水屋の中に入っていたのか、理解不能です。

うっ、触りたくもねえ‥‥。

私はそのまま元のように皿を重ね、棚の上に移動させました。
次、お目にかかれるのはいつか?

私は何ヶ月もかけて少しずつ進出していきました。
現在、並んだ水屋のたった2段分、領地を確保することに成功しました。
義母は「綺麗に片付けてくれたんやなぁ。」とニコニコしていました。
とはいえ、引越で持って来たダンボールの中には
使っていた食器類はまだたくさん眠っています。
可哀想に。

でも今のところ、これでいいかと思っています。