普段、家の色々なことに目をつぶり、見ないようにして生活しています。
私だって助かってるんだから‥‥、と。

今朝、お気に入りの小鉢を割りました。
片付けようとしたときに手が触れて食器乾燥機から落ちたのです。
基本、自分たち夫婦が使ったお皿、洗濯ものは私が片付けます。
それは結婚当初からお互いの約束でした。
「あなた嫁なんだからやりなさいよ。」ということは義母も言わないので
その点は同居するにはとても助かっています。
家にある共通の皿に義母が分けてくれたおかずは
わざわざ自分たちのお皿に入れ替えることなく、そのままいただいています。
敢えてそんなことをするのもは角が立つというもので。
せっかくだから厚意に甘えるというものです。

義母は食後、すぐに片付けません。
整理整頓とは真逆のところにいる人です。
流しに全て置きっぱなしで、寝る前になってやっと重い腰を上げます。
私たちは食事が済んだらすぐに片付けるので
食事の時間が早い義父母のものが放ったらかしになっており、
自然に私が調理器具から何から全て洗ってしまうことも多いです。

私たちがこの家に戻ってきた当初、食器乾燥機の中は常に満タンに入っていました。
義母は水屋やキッチンの棚に片付けることはせず
乾燥機から出して使ったらまたそのまま戻す、というやり方です。
おまけに上に皿をどんどん重ねていくので下にあるのを取るのに難儀します。
洗った皿を重ねると渇いたお皿も当然濡れます。
ただ私は一度乾燥させたものは水屋に戻したい性分なので
ある時期を境に、三段の一番上の高い棚に自分たちのものを入れたい、と申し出ました。
義母は自分たちのものまで私に片付けさせるのは申し訳ない、という考えなので
それは全然構わない、と言ってくれました。

だから常に上段はスッキリしているわけですが
元々、小さいものを置く仕様になっておらず
(内部には上段にはざるや鍋、中段には大きめの皿、下段には小鉢や茶碗を
置くようにイラストで説明書きがされています。)
気をつけてはいるのですが、たまに隙間から小皿や小さい取り皿なんかが落ちるのです。
それも落ちるのはいつもお気に入りの皿。

そして今朝、またお気に入りが落ちました。
真っ二つに割れました。
日頃、気付かないフリをしている思いが表面化して久々に不愉快になりました。

それもこれも全部、私がやれば済むことなのに!
私がキレイに片付けるのに!

義母は家事が得意ではありません。
出来ればやりたくないと思っています。
でも来る日も来る日も時間キッチリ『お三どん』をせねばならないのは義父のせいです。
義父が遊びに出掛けていると、義母は私に何気なく助けを促してきます。
本当に気の毒です。

何もかも義母に押し付けて、世話をやってもらおうとする義父が腹立たしい。
へりくだることを学んでいれば私だってやってあげようかな、という気になるのに。
“とにかく自分が一番偉い”という考えを他人にも無理強いさせるなんて裸の王様じゃねぇか。


定年後、私たちが転勤で離れている間に色々と、金のかかる遊びばかり覚えていた義父。
その中でも“プチ”イラッと感が芽生えるのがコーヒーコーヒー。
健康番組で一日一杯のカフェインが健康に良い、とか聞いたらしく
必ず朝食後にコーヒーを飲むように。

ネット通販でコーヒーを注文しています。
それもブルーマウンテンのみ!
どこぞの知識でブルマンが最高級品だと知ったらしい。
今や『コーヒーはブルマンじゃなきゃ!』というコーヒー通気取りで
え、そんな安もん飲んでまんのんか?的上から目線。
偉そうにっ!
確か数年前までコーヒーなんて飲んだ事もなかった、って義母が言ってたぞ。

ちなみに私の母はかなりのコーヒー党。
いきつけのコーヒーショップでオリジナルのブレンドを指定しています。
実家に帰ると食後に豆をガリガリ。
いつも美味しいコーヒーを淹れてくれます。
そしてカップのコレクションもしており、それ専用の食器棚もあります。
そんな母と比べると義父の浅はかな行動は失笑です。

わざわざカップとソーサーを用意している姿もムカつきます。
おまけにスティックシュガーとフレッシュを使用。
義母に買いに行かせています。
ブルマンのついでにネットパソで買えよ。

それに家で飲むのに何でスティックシュガーを使うんだ? 不経済な。
それも1本丸々だと多いとかで、必ず3分の2を残して
キッチンのカウンターに溜めておきます。
カウンターにはこぼれたシュガーと折れたスティックが常に数本散乱。
おまけにコーヒーには甘いお菓子を添えて、というのが義父のセオリーらしい。
どうやら年寄り連中らと出掛けた際に“お茶する”という文化を覚えたようです。

あー、もう。
この言う程でもない、ちょっとイラッとする加減がたまらんストレス。
もう今や何もかもがウザイ。


現在も私たちはこの家に住んでいます。
毎日、色々な事に妥協して、見ないフリして、ガマンして生活しています。
毎朝、挨拶だけは返って来なくとも自分からしています。

でももしこの先、何かあれば今度は私が言ってやります。

まさか住まわせてやってると思ってるんじゃないでしょうね!?
住まわせてやってるんじゃないですよ、こっちが住んでやってるんです。

誰が好き好んで今どき、同居すると思います?
周りにどれだけ同居解消してる人がいると思います?
実際に何組の夫婦が同居が原因で離婚してると思ってます?

皆、どれだけ生活苦しくても自分たちだけで暮らす方を選ぶんですよ!?
こんなわずらわしい思いするよりマシだと思ってるからですよ。

自分の事は自分で出来るですって?
自分の歳を幾つやと思ってるんです?
まさか自分だけは病知らずの不老不死だと思ってるんじゃないでしょうね?



おい! そろそろ、現実を知れ!

己の今までの5年とこれからの5年が一緒やと思うなよ!



これが今の冷えきった家庭内別居状態の直接的原因になった、リフォーム事件です。


義母があとから謝ってきました。

お父さんはあの通り、本当に子供っぽい人やから、と。

私らは年金生活で日々の生活も楽じゃないねん。
2人が帰ってきてくれたおかげで生活にすごくゆとりが出来た事を
お父さんは全く解ってないねん。
兄ちゃんらだって、もううちには帰ってこないのに。

オットは解っています。
もう自分がこの家に残るしかない、と。

今でこそ兄2人は年に何回かだけ実家に戻りますが
何となくギクシャクしています。
事実、長兄は若い頃、義父とモメて家を出ています。
次兄は自由奔放な性格で、色々と破天荒な人生を家族からたしなめられていますが
長い事、仕事の関係で遠く離れた都市に住んでおり、家を建てました。
二人とも生活は既に確立されています。

そんな兄たちが戻って来るワケがありません。
だからこそオットにあんな態度を取った義父が腹立たしくて仕方無いのです。
オットにノドまで出かかった『出て行く』という言葉をギリギリのところで
抑えさせた義父が許せないのです。


ところが義父はその日を境に、私が挨拶しても返さなくなりました。
横に義母が居た場合は話し込んでいて、気付かないフリをするように。
テレビを見ていたらそれに没頭していて聞こえないかのように。
確実に聞こえる時でも忙しく振る舞ってそれどころじゃない、という
大根役者並みの焦り芝居をするように。
当然、向こうから挨拶をしてくる事はありません。

これは非常に不愉快です。
同居のコツは適度な距離と基本的な礼儀です。
おはよう、ただいまから始まり、何かをしてもらったらありがとうと返す。
同居、というより人付き合いに最低限必要不可欠な要素ではありませんか?
あの歳で、仮にも三人の子供を育て、家を建て、定年まで勤め上げた人間が
挨拶も返さないって、どういう了見だ?

まぁ、元々基本的礼儀に欠けた人ではあるんですが。
挨拶はもとより、感謝の意など自分から言ったことは無いらしく。
義父曰く、“心の中で言ってればいい”との事。
どこまでお偉い方なんでしょう。
えぇ、えぇ、あなた様に受けて頂くだけでありがたい事なんです~。

非常に気分が悪い!
私はそれ以来食事を一緒に取る事が無くなりました。
もちろん義母と私たちは変わらず会話をしています。
でも義父が部屋に入ると一瞬にして皆、散らばるようになりました。

それからほどなく。
義父が私に対して言っているのを聞きました。

めじろ子ちゃんはでしゃばりすぎや。
この家のことを仕切らんといて欲しいわ。

は? 息子憎けりゃ嫁までか?

何様じゃ、このクソじじい!!

ぶすぶすとくすぶっていた火元へ、一気に油を注がれたような気分でした。


私たちはその日、一日家から離れました。
もしあのまま怒鳴り合いに発展していたら
私たちは新居でまた違った生活を送っていた?
あるいは万一、ヘタすれば翌日の社会面に出ていた? かも。

オットが言うには、義父は相手の癇に障ることを絶妙なタイミングで言い、
激昂させるのが得意な人間。
『負けるが勝ち』という言葉は義父の辞書にはありません。
言いたい事を言いたいだけ言うので、今までご近所さんとのトラブルも数知れず。
でも皆さん、大人なようで、ややこしい輩とは距離を置くことが一番だと
キチンと理解しているのでしょう。
そりゃ喧嘩してムカついたから引越してやる!だなんてリスクが高過ぎる。
そういえば義父を慕って尋ねてくる友達なんて見た事無い。
何であれで定年まで社会で働く事が出来たのか‥‥。

結局その後、義父はあんなにしつこく言っていたベランダ改修計画は
全く口にしません。
きっと送られてきた見積りを見て現実を知ったのでしょう。
そりゃそうだ。
年金暮らしの年寄りにやり過ぎのリフォーム代なぞ払えるわけが無い。

ただ心配なのは。
オットはあの時義父が吐き捨てた、ある言葉に大変傷ついたようです。
その言葉を聞いた途端に何かぷっつり切れた気がしたと今も言います。
そしてそれ以来、オットは義父と言葉を一切交わさなくなりました。
今でも目を合わせようともしません。

ただ私だけは義父母とコミュニケーションを取らねばと思っていました。


大工が帰ってからリビングでは一触即発状態でした。
口火を切ったのは義父でした。

お前な、何か文句あるんやったらいつでも出て行ってくれてええんやぞ。

何を言ってるんや。僕らが出て行ったら今後どうするつもりや。

フン! お前に住んでくれなんて、こっちは思とらんわ。
ホンマ、今すぐ出てってくれ。
出て行け。今すぐ出て行け!!

オットが何かを言おうとした途端、温厚な義母が横から怒鳴りました。

お父さん、何をアホな事言うてるんや。
この子らが帰ってきた事がどんなに有難い事なんか解ってるんか?
出て行け、とはどう言うことや。

わしは自分の事は何でも自分で出来る。
誰が住んでくれと頼んだんや。
もうこの家から出て行ってくれ。
何、ボサッとしてるんや。
早よ、出てってくれ!!

執拗な“出て行けコール”にあと一歩のところで爆発しそうな気持ちを抑え、
オットはとりあえずその場を離れました。


オットはとりあえず、今回は打合せ通りにするよう大工に言いました。
すると義父がそのまま続けるよう横から指示を出してきました。

オットは、思いつきで無計画に進めてはいけない、と咎めました。

もしかしてこの先将来、土台もダメになって
ツブして作り替えないといけないようになるかもしれんやんか。

すると急に義父は烈火の如く怒り出しだそうです。
どうやら“ツブす”の言葉が神経にするどく反応したようです。

ここはワシの家や。
お前に指図される覚えは無い!!


指図じゃないよ、話し合いやんか。
ボクは家の今後をもっと冷静に考えたらどうやと言うてるんや。


お前はこの家をゆくゆくは何らかしようと思っとるんかっ!?
そんな事は絶対に許さへんぞーっ!!


何をワケの分からん事を言ってるんや。
今、そんな大掛かりな事をする必要は無い、って言うとんや。


私が戻ると義父とオットは掴み掛からんくらいの勢いで怒鳴り合っていました。
横に居た義母もオロオロ。

大工は「今日の所はとりあえず打合せしてた危ない部分だけ直しますよって。」と
大急ぎで修理を終え、
「また話がまとまったら連絡下さい。」と
そそくさと逃げるように帰ってしまいました。


ではそもそもの、事の発端をお話しします。
以前はうまくいっていた同居生活が何故、今このような状態になってしまったのか。
砂の器ならぬ、泥の家のごとし。
今やわが家は家庭内別居状態。
狭い共同アパートに住んでると思えばいいんでしょうが。

原因はリフォームでした。
それも一部だけ。
この家は20年前に建て直しをしました。
当時は近所と比べてもハイカラ(死語?)な造りで大層、かかったようです。
カウンターキッチン、ロフト、リビング2つ‥‥。

しかし経過年数により、家のあちこちに老朽部分が出てきました。
お風呂周りが壊れたり、ガス台が壊れたり。
そしてベランダの土台が腐って抜けそうになっていたのです。
ベランダは家事をするにおいて日常使う場所です。
何かあっては遅いので、工務店に来てもらう事にしました。
修理代金は折半です。

工事は休日に行う事が決まったので、家族全員が家にいました。
一応、前もって簡単な打合せはしていました。
が開始直後、突然義父が現場で大工にあれもこれもと指示を出し始めました。
近くに居た家族はあまりに大掛かりな修理を依頼しているので心配になってきました。
希望の通りやっていたら日数がかかる、というような事を話しています。

このままいくと修理代のケタが変わるかもしれない。

するとオットがベランダにいた義父と大工の元へ向かいました。
私はホッとして、工事の合間に片付け物をしに別の階に居たのですが、
義父の怒鳴り声が聞こえました。


「何やと?もういっぺん言うてみぃ!!!」


どうやら喧嘩が始まったようでした。



この数年の間に、家を建てた或いは買った友達が周りに何人もいます。
年齢や賃貸の将来性なんかもあるでしょうが
大概皆、口を揃えて言います。

『とりあえず、同居を避けるための口実だ。』

おい、聞いたか、くそじじい?
世の嫁ごたちはいくら愛するダンナの親でも
一緒に住みたいなんてこれっぽっちも思っちゃいないんだ。
住んでもらってる、ってこと、そろそろ気付いてもいいんじゃない?

「足腰悪くなっちゃったからそろそろ面倒看てほしいんだけど?」
「あら~、すいませ~ん。もうこっちも家の支払い始まっちゃってるんで~~。
 一緒に住むことはありえませ~ん。」
てなことかしら?

同居をしたら経済的に助かる。非常に助かる。実に助かる。
自分の欲しいものはやりくりすれば多少、融通が利く。
子供の面倒だってお願いしたらやってくれるかもしれない。
体調不良を訴えればご飯だって作ってくれるかもしれない。
一緒に生活すれば楽なことは多いはず。

でも実際、同居を避けるのは、

わずらわしさを取るくらいならお金で苦労するほうがマシ、と

思えるから。

お金で悩むのはツライ。
毎日が喧嘩になるかもしれない。
同居をヤメられるならそれでもいっか、と思えてしまう今日この頃。