104人の大和魂 Q.18 北条泰時 御成敗式目 | 社長力検定「後継者育成塾」

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 元仁元年(1224)、北条泰時は父義時の

死去に伴い、「尼将軍」の指名により、3代目

執権となる。翌年、政子は北条家の磐石な体制

を見届け、この世を去る。泰時は「尼将軍」

亡き後、独自の政権を築いていく。
従来の独裁政治を改め、「合議制」を導入し、

話し合いを重視した。叔父の時房を京から呼び

戻し、新たな役職「連署」に付けた。さらに

「評定衆」として11名を任命、執権と連署を

加えた13人を「評定衆」とし、最高の議

決機関にした。現代で言えば、内閣と国会を

重ね合わせたようなものである。
泰時最大の業績は、「御成敗式目」の制定

である。従来、刑罰を定める国の律令は漢文で

表記されており、よほどの教養人でもない限り、

理解不能であった。そのため、法律の文章を庶民

にも分かるように仮名混じりの平易なものに書

き改めた。京都の六波羅探題職にある弟重時に対し、

「身分の上下に関わらず、公正な裁判をするために

新たに法律を定める」と方針を伝えている。幕府

の法令として、武蔵守平(北条)泰時名で出した。

皇室との戦いに勝っても、あくまでも天皇の臣

下として立場をわきまえていたのである。
「人の心の正直さを尊び、庶民が安心して暮らせる

世の中を作りたい」と心情を吐露している。

本式目51条には、守護の役割を山賊、海賊など

を取り締まる警察権に重点を置くこと、国司では

ないものが地方を治めること、地頭でない者が税

を取り立てることを禁ずること等が明記されている。

殺人罪は、死刑又は流罪に処することや悪口を禁じ、

悪質性が高ければ流罪、軽い場合でも牢に入れると定

めた。判断に迷うような時は、幕府に相談するよう

義務付けた。
当該法規は、日本人の根本である、「土地」にまつ

わる相続やトラブル解決(納得)法を定めたものと

言えるだろう。
仏教説話集「沙石集」では、泰時を誠の賢人として、

民の嘆きを自分の嘆きとする万人の父母のようだと

崇めている。「地頭が領家との訴訟で先に負けを認

めたことを潔いと褒め、嬉しい出来事だった」と泰時の

人柄を示す記事を載せている。武家社会の基本法として、

室町幕府に受け継がれ、徳川幕府の「武家諸法度」にも

影響を及ぼした。