社長力検定

社長力検定

人生は、短くあっという間に時が過ぎていきます。

悔いなく、自分らしく生きるためには、「読書」によって

教養を身に付ける以外に手はありません。

誰もがほほ笑むことができる世の中を!

大いに読書に励み、郷土を愛し、

世界へ羽ばたこう!

 

「儂は、このまま突っ走るしかない。じゃが、

顕助は別だ。顕助は、長崎で商いを学んでこい。

五年も経てば、世の中が変わっちょる。オラが、

土佐に呼び戻す。悪いことは言わん。今、すぐに行け」

 

 確かに長崎には、海援隊の知己が大勢いるが、すぐに行け

と言われても決断がつかない。

「海援隊を俺に任せるちゅうは、嘘だったんか?

寺崎様が言うたき」 

 谷口は、何も答えない。寺崎もいずれ用済みとなる身か。

 谷口が良顕を睨みつけた。

「顕助のことは、福岡さまから許しを貰えた。

いいことを教えてやろう。お鶴は、口吸いをさせんじゃろう。

それは、思い人がいるからじゃありゃせん。

タバコで口が臭いからじゃ。どんなに臭いを

消そうとしても、タバコばかりは染みつくから無理だ」

 

 最初、お鶴が何気なく「タバコを吸うか」

と聞いてきた時、「タバコを吸う女は女郎にしか思えん」

と吐き捨てるように言ったことを思い出した。

お鶴は、良顕に嫌われないように口を吸わせ

なかったということになる。お鶴は、愛妾のうっ

ぷんに耐え兼ね、いつしかタバコの味を覚えた

のだろう。谷口は、お鶴がタバコを吸っていること

を暴露すれば良顕の百年の恋が醒めると踏んでいた。

良顕がタバコを吸う女に嫌悪感を強くもっている

ことを分かっていたのである。

 「聞かせてくれ。竜さんは、生きていたらいかんのか?」