特別高等警察
特別高等警察（とくべつこうとうけいさつ）は、
主義者、および国家の存在を否認するものを査察・内偵
し、取り締まることを目的とする日本の秘密警察 であった。
めとする一道三府七県に設置された。略称は特高
（とっこう）と言った。
1910年 （明治43年）、明治天皇 の暗殺 を計画したとして、大逆罪 の
容疑で多くの社会主義者 、無政府主義者 が逮捕・処刑された（幸
徳事件（大逆事件））。これを受け、翌1911年 （明治44年）に、それま
で高等警察事務の一部であった危険思想取締りのため、内務省 が
枢要地に特に専任警部を配置することを勅令 で決定し、同年8月21
日に警視庁 の官房内に従来より存在した政治運動対象の高等課
が分課されて、社会運動対象の特別高等課が設置された。
1922年 に日本共産党 が結成されると、1922年から1926年にかけて、
北海道・神奈川・愛知・京都・兵庫・山口・福岡・長崎・長野など主
要府県の警察部にも特別高等課が設けられ、1925年 には治安維
持法が制定され取締まりの法的根拠が整備された。
第二次世界大戦終戦直後の1945年 10月4日 、連合国軍最高司令
官総司令部（GHQ）の人権指令により、治安維持法と共に廃止さ
れた。しかしながら、内務省上層部は、日本共産党 などの反政府
的動静に対処するためにも、全国の特高警察網を温存させる必
要があると考えており、1945年 12月19日 、特高警察に「代わるべき
組織」として、内務省警保局に公安課が設置され、各都道府県警
察部にも警備課が設置された（公安警察 ）。
戦後、GHQによる人権指令により、特別高等警察に在籍していた
官僚・警察官は、公職追放 の対象になったが、戦争犯罪人 として指
定され、問責・処罰の対象者は１人もいなかった。
元特高警察関係者の中には、GHQ（G2 ）の方針に従い、内務省調査
局と、その後身である法務庁 特別審査局 に移籍し、レッドパージ の
先鋒としての役割を担った者もいた。
Ｑ． １９４５年、終戦時に「特高警察」職員は、何人いたか？
Ａ． 約１万人