広報力向上ブログ -37ページ目

大学は政党と同じ商店街

前回、大学広報のカギは「学内受信力」 というテーマで書きました。


ひとことで言えば、発信力を高めていくためには学内情報を集約する仕組み作りが重要という内容ですが、この組織内受信力を高めていくという点で、大学広報は企業広報と違った難しい側面があります。


これはある種政党の広報と同様と言えますが、組織よりも”個”を優先する、或いは帰属意識が高くない点にあると言えるだろうと思います。


企業であれば社長をトップとしたピラミッド組織や指揮命令系統が明確に存在しますが、大学の場合は情報ソースである教員の方々がこれに当てはまらず、表面的には企業同様に組織体型を保っていても、あくまでも個々が自身のトップである個人商店であり、言い換えると大学は商店街であると言えるのではないでしょうか。


そのため個人商店主である教員は、何よりも優先するのは自身の研究や授業のことであり、大学自体や広報部門との協力関係などは余り頭にありません。その証拠に慣れた人は広報部を通さずにメディアを通じて情報発信を積極的に行っているでしょう。


広報を積極的に行っている教員は、広報部門や大学自体をたてるというメリットは余り感じていないというのが現状だろうと思いますが、広報部門を通すことにより資料のサポートが得られることやメディアの幅が広がるなどのメリットを感じてもらうことから始めていくことが重要と思います。


またメディアに出たことのない教員については、事前に研究や授業内容を把握しメディアプロモートをして露出につなげていくことで広報部門を通すメリット、関係強化が得策であるという認識を醸成していくことが重要だろうと思います。


教員と広報部門では”壁”があるところが少なくないでしょうが、教員は大学にとって最大の商品のひとつであり、まず商品知識を高めること、そして露出をすることで商品力を高めていくことを積極的に行っていくことが大切です。


広報部門の重要性が解った教員は協力的になり、また他教員への伝播も含めて相乗効果を図っていくことが重要だろうと思います。



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大学広報のカギは「学内受信力」

発進力を強化したいというご相談をよくいただきます。


確かに広報素材を見直し、ニュース性や切り口の検証、タイミングや発信手法などを見直すことで発信力が向上することはあります。学外の人間の方が客観的なアドバイスが出来る部分は多々あります。


またメディア対応という広報専任者をなかなかおけない場合などはPR会社に頼むことは効果的でしょう。広報課で予算化できなくとも入試課の広告宣伝費の極一部で賄えることもありある意味容易な対処法だろうと思います。


しかし発信力を強化するためにも、総合的な広報力を向上させるためにもより大事なことがあります。それは「学内の情報収集力」です。


情報発信する際、現場から如何にタイムリーに質の高い情報が集まるかで発信力に格段の違いが出てきます。ネタを仕入れても発信の機会を逸していたり、十分な検討を行う時間がない、或いは、得られた情報でリリースを書こうともなかなか具体的な記事がイメージできないことも少なくないのではないでしょうか。


加えて単発的な発信ではなく、安定的に情報発信していくためには、広報部門にネタが集まる仕組みを構築しておく必要もあります。


このように広報力向上には、「情報受信力」が一番重要なこととも言えます。


同様にこの情報受信力は、有事の際にも価値を発揮します。


有事の際に何をどのように発信するかなどは専門家に委ねるという手がありますが、それは情報あっての話。不祥事などの際は、情報収集が遅れただけでマイナスイメージを与えるばかりか隠蔽疑惑まで飛び交い、不利な状況に陥ります。


広報部門の日頃の情報収集力が、大学の価値を上げることでき、また反対に大きなイメージ低下を招くことにもなるということを認識する必要があるように思います。


一度、学内の情報収集力を見直してみては如何でしょうか?



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書かれる覚悟

マスコミが事実と異なる内容を報じた場合、報じられた当事者に有形無形のダメージを招くことがあります。国語辞典によれば「伝えるべき事柄を正しく伝えていない知らせや報道」のことを誤報といいますが、最近は“誤用”されることもあるようです。


日本軍の慰安婦をめぐる自らの発言で物議をかもした橋下徹大阪市長ですが、同氏と報道機関との間で認識の違いが明らかになりました。朝日新聞では2013年5月29日付の紙面で「『誤報』との指摘あたらない」との見出しで大阪本社社会部長が、また毎日新聞も30日の紙面で「『誤報』の主張 橋下氏に反論する」と題し、大阪本社編集局長がそれぞれの主張を述べています。


橋下氏は全体を報道しないで発言の一部を切り取っていることを誤報だとしていますが、スペースに限りがある以上、記者が問題だと感じた部分を中心にまとめるのは自然であるし、ましてや一問一答の要旨も掲載されていますので、今回の両者の主張はメディア側に分があると感じます。


当然のことながら、広報担当者の立場としては何としても誤報は避けなければなりません。私自身,こちら側の一方的な理屈で記事を「誤報だ」と断じることに違和感を持っているので、そうした経験はありません。


ただ、記者がインタビューなどでつかんだネタについて、憶測を含んだ記事や数字やニュアンスの取り違いといったことは何度か経験しました。これらは、こちら側にとっての「意図しない記事」や「都合の悪い記事」ではあっても、話したことや事実と大きくかけ離れていたことはありませんでしたので、いわゆる誤報とは違うと思っています。


例えば、経営トップと記者のインタビューの席上、不振が続くある事業の今後の展開について質問され、「他社との事業提携を含め、あらゆる可能性を検討している」と答えました。すると2,3日後の紙面で「●●事業、見直しへ」と1面大見出しで書かれてしまいました。事実、その事業は他社との提携交渉が進んでいましたが、そのさなかに記事になってしまい、交渉に悪影響が出るのではと大いに肝を冷やしました。


上記のようなケースはなかなか防ぎようがありませんが、誤報ではありませんから、記者には、「大きな記事になってびっくりしています」といった腰が引けた事しか言えません。対処法は「微妙なタイミングでの取材設営は控える」ことぐらいでしょうか。


ただ、記者からの取材要望にも関わらず、取材設営をいたずらに先延ばしすることは相手の不信感を生みますし、「何かある」と思わせる事にもつながります。さらに、夜討ち朝駆けのように別の取材手段に訴えることもあり得ます。


では、微妙なタイミングと知りつつ、取材を設営せざるを得ない場合はどうすればいいでしょうか。


これには「書かれることを覚悟する」しかありません。冗談のようですが、それだけの覚悟を持って応対していただく必要があることを取材応対者はもとより関係者に伝えなければならないでしょう。取材を受けて薄氷を踏むか、取材を受けるのを控えて不確かな記事が出るのを待つのか、ケースバイケースの判断が求められるところです。


余談になりますが、「GoHoo」(http://gohoo.org/ )というマスコミ誤報検証・報道被害救済サイトがあります。社会、政治、国際、経済など様々なジャンルの誤報と思しき事例がまとめられており、企業に関わる事例も多数紹介されています。はっきりと誤報であると確認できていなければ「注意報」としている点に好感を持ちます。

橋本拓志
広報コンサルタント
Twitter ID:@yhkHashimoto https://twitter.com/yhkHashimoto


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