大学の社会貢献活動と広報
最近大学業界でも社会貢献活動という表現が多用されてきている。民間企業が本業の営利活動の他にも社会に貢献している活動を行っていることをアピールすることは理解できるが、大学における社会貢献活動とは何を指すのだろうか。
そもそも大学は教育研究機関であり、営利目的の組織ではない。一人でも多く学生を集めて受験料収入や学費を徴収、また補助金を多く獲得することで教職員の給料に反映させるというものではない。如何に教育の質を向上させるか、研究開発の分野で成果を挙げるかに注力している組織。
つまり大学の存在自体、役割が社会貢献活動を意味しており、敢えて社会貢献活動を謳うことが良いのだろうかと疑問視する。単に大学名を売り込みたいからアピールしているようにも見えてしまう。
日頃大学では、産学連携や官学連携、地域連携なりとさまざまな社会貢献活動を行っている事が多い。その個々の活動を社会貢献という言葉を使わずにそのまま情報発信をしていくことで、結果的にその情報を受け取った人々が”社会貢献を積極的に行っている”と捉えてくれた方が効果があるのではないだろうか。
有意義な活動がアピールしたいという気持ちが強いがために、”安売り”表現をしていることが少なくない。一度チェックしてみては如何でしょうか?
大学中退予防をテーマに小冊子
東京都多摩地域を中心に14の大学・短大で構成する「東京多摩私立大学広報連絡会」が、中退予防をテーマに「なぜ、大学に行くの?自分の将来を考える高校生のための本」(A4判 14頁)を制作した。
現在、大学・短大に進学した者のうち、約1割が中退しているという背景があり、加えて正確に把握するのは難しいが学内ニートという者も存在することから状況は社会現象化していると言える。
日本では欧米よりはるかに中退者率は低いものの、勉強についていけなくなったという理由ではなく、もともと入学が不本意であったとか仲間や教員との人間関係が上手くいかなかったことが原因として挙げられており、大学業界全体の課題であり大きな社会問題とも言える。
当冊子では、中退して再度大学に入り直した15名の体験談を紹介しており、安易な大学選びは避けてと呼びかけている。この様なテーマは意義あることであり、どうせなら冊子ではなくデジタルデータで制作し各大学に広く配布してはどうかとも思う。
しかし中退者が増加している背景として、少子化などを契機とした全入時代に向けて資格取得を前面に押し出した学部学科が急増したことも挙げられるのではないだろうか。不況になると資格取得が注目されるが、単に資格取得を餌にした入試広報のあり方も見直す時期ではないだろうか。
ご参考:読売新聞記事
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リリース配布。でもその前に
■それだけで記事が書けるか(2-1)
ニュースリリースの配布は広報活動の基本であり、もっとも重要なことのひとつであることは共通の認識でしょう。漸くネタが見つかり、想いを込めてニュースリリースを仕上げられている事と思います。
しかしリリースは熱い想いを表現するのではなく、あくまでも起こった事実、決定した事実を淡々と書くモノ。余り熱過ぎると“宣伝の片棒を担がされる”という記者の最も嫌う印象を与えかねないので注意が必要です。
そして何よりも大事なのが、まず「リリースだけで十分記事が書けるかどうか」と「取材などで記事が拡げられるか」という視点が重要となります。そのためには、記事を書く上で必要な要素が含まれている必要があります。
話にはよく「起承転結」が大事と言います。その必要な要素はリリースも同様ですが、順番は「結起承転」となります。見出しと冒頭で如何にニュース性を伝え、事実を伝えるかが大事であることは言うまでもありません。
しかし意外と「承転」が抜けていることが多いのが事実です。極論で言えば「結起」で記事は書けますが、そのニュース性を確かなモノにする、記事の幅を拡げるには「承転」が必要となります。つまり背景と今後の展開。
背景で如何に社会的にも価値があるか、そして今後の展開をも感じさせられるかが大事と言えます。一度自身の思う理想的な記事を事前に書いてみて、リリースの検証をしてみてはいかがでしょうか。
■配布先には理由が必要(2-2)
そしてリリースの内容と同等に重要なのが、メディアリスト、配布先と言えるでしょう。皆さんは毎回リリースの切り口、ニュース性を吟味した上でメディアリストの見直しを行っていますか?
大手企業にもなると毎回300や500、或いはそれ以上の件数を配布しているところもあります。正直多ければ良い訳ではありません。皆さん、記者の机の上を見たことがありますか?ほんと雪崩寸前の資料の山です。
とは言え、リリースを出したからと言ってその山の中に入れてもらえる訳ではありません。山の一部になるにも取捨選択されている訳です。選ばれた案件だけが山の中に入れ、残りはゴミ箱に直行する訳です。
つまりゴミ箱に直行するリリースを送り続けても、記者にとってはマイナスイメージしか持たれないということです。結果的に書かれないことは致し方ないですが、せめて山の中に入れる様にする努力は必要でしょう。
その為には、その案件について直ぐにでも、或いは将来的に報道される可能性があるメディアだけに配布するのが適切と言えます。単に数打ちゃ当たるではなく、各々に送る理由が必要だと思います。
「今まで送っていたから送る」という観点ではなく、今書けるか、将来的にも書けるか、などという観点から毎回案件毎にメディアリストを見直していくことが必要です。数で言うなら掲載率を意識しましょう。
【ポイント】
1.リリースは「起承転結」が必要
2.「背景」と「展開」の内容を十分に吟味せよ
3.リリース配信先には理由が必要
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