(悩み多き者よ)
悩み多き者よ 時代は変わっている
全ての事が あらゆるものが
悲しみの朝に 苦しみの夜に
絶えず時はめぐり 繰り返されている
あぁ 人生は一片の木の葉のように
あぁ 風が吹けば何もかもが終わりなのさ
流れゆく時に遅れてはいけない
移りゆく社会に遅れてはいけない
Oh…悩み多き者よ 時代は変わっている
全ての事が あらゆるものが
すさんだ日々に 歪んだ日々に
休みなく時は 通り過ぎてゆく
あぁ…人生は吹きすさぶ荒野のように
あぁ…生きる道を誰もが忘れてるのさ
暗い歴史のかげに埋もれてはいけない
Oh…悩み多き者よ 時代は変わっている
全ての事が あらゆるものが
悩み多き者よ 時代は変わっている
全ての事が あらゆるものが
作詞、作曲、歌 ・ 斉藤哲夫
70年に発表された斉藤哲夫さんのデビューシングル(悩み多き者よ)、72年の1stアルバム(君は英雄なんかじゃない)にも収録されている。
このメッセージ性の強い曲を初めて聴いたのは中学生のときだったが、本家の斉藤哲夫さんのテイクより先にカヴァーヴァージョンで知った。
歌っていたのが当時はまだ二人組のフォークデュオ(オフコース)だった!
かん高い声で歌う斉藤哲夫さんのオリジナルヴァージョンは勿論、二声コーラスにアレンジしてハモるオフコースのヴァージョンも僕は好きだった。
オフコースのデビューは70年、当時の名義は(ジ・オフコース)、アコースティックサウンドを中心としたフォークデュオでソングライティング、メインヴォーカルは小田和正、鈴木康博 両氏でほぼ半々のバランスだったが、デビューシングル(群衆の中で)を始め大きなヒットにはめぐまれていないマニアな存在ではあった。
僕が最初に手にしたレコードは74年発売の5枚目のシングル(もう歌は作れない)、同年発表の2ndアルバム(この道をゆけば)だった、この時期にラジオの公開ライブなどでも、よく耳にしていたが爽やかな二声コーラスで歌われる(悩み多き者よ)もこの時期のライブで知った曲だ。
ステージではギターとピアノの伴奏のみで歌われる楽曲はオリジナル以外にもカヴァー曲も多く、二人のハーモニーによるコーラスワークが看板だった。
シングル(もう歌は作れない)は作詞、作曲、メインが小田和正、B面の(はたちの頃)が鈴木康博
(はたちの頃)
君とはよく話したな アパートの狭い部屋で
お互い認めあえずに 夜更けまで話した
今の君に僕の悩みを
聞いてほしい 今すぐにも
古い友達の言葉は
また この胸にひびくだろうか
古びた手紙の文字は 懐かしい言葉ばかり
大人へと芽生え始めた はたちの頃の君
二人語った 未来物語
希望に燃えていたあの頃
誰にも嘘のないあの頃
手紙のひとつも 書いてほしい
希望に燃えていたあの頃
誰にも嘘のないあの頃
手紙のひとつも 書いてほしい
作詞、作曲 ・ 鈴木康博
歌 ・ オフコース
アレンジの感じはA面とそれほど変わらない印象だが、歌のキャッチーさはこの(はたちの頃)の方が好きだった、どこか女々しい男の言葉で描かれている小田和正氏の作風に対し、鈴木康博氏の方は男っぽく爽やかなイメージの作風、この両者のバランスがこの時代のオフコースだったと思う。
昔、ラジオの深夜番組にオフコースがゲストで出ていたのを偶然聴いた事があったが、語り口も対象的で、気さくで親しみやすい鈴木康博氏に対して小田和正氏の方は理屈っぽくて気難しい印象だった。
パーソナリティーは御大・吉田拓郎! 拓郎の突っ込みにも無表情で素っ気なくやり返す感じで、あまり盛り上がってはいなかった、拓郎側の印象もきっと悪かったんじゃないか? と推測してしまった。
グループはその後、デビュー7年目に松尾一彦、大間ジロー、清水仁の3人が加入しバンド体制となり、17枚目のシングル(さよなら)がヒット、それ以降も立て続けにヒット曲を生み出した。
が。82年に鈴木康博氏が脱退、89年の解散まで小田和正氏を中心とした4人編成でグループは継続された。
後々、鈴木康博氏のインタビューを目にしたが、オフコース脱退の理由は?
(さよなら)のヒット以降、オフコース=小田和正!
と言う図式が出来てしまって、グループ内で自分の居場所を見いだせなくなった!
少なからずメンバー内では確執もあったと思われるが、現在でもデュオ時代のオフコース再結成を望む声は少なくないようだ、ただ、解散から時間があまりにも経ちすぎているので可能性は低いだろう。
もしも、可能性を見出すなら決してリバイバルの懐メロではなく、何か新しいことが出来るかも知れない! と両氏が判断した時ではないだろうか?
流れゆく時に遅れてはいけない
移りゆく社会に遅れてはいけない
暗い歴史のかげに埋もれてはいけない
悩み多き者よ 時間は変わっている
全ての事が あらゆるものが
悩み多き者よ 時代は変わっている!
全ての事が あらゆるものが!
Oh… 悩み多き者よ!!!