今回は前置き抜きで本題に入ろう!
ある日、突然人間を襲い始めた生物、その代表格がアルフレッド・ヒッチコックの(鳥、1963年)であり、スティーヴン・スティルバーグが監督した(ジョーズ、1975年)だ。
鳥と鮫があたるならと、この時代に相次いで製作された熊が人間を襲う(グリズリー、1976年).シャチが人間を襲う(オルカ、1977年)、ゴカイが人間を襲う(スクワーム、1976年)など間髪入れずに大量生産されたアニマルパニック作品の数々、そしてついには蛇、蛙、毒蜘蛛、ヒルなどが大挙登場する極北作品(吸血の群れ、1972年)が登場する。
とにかく映画人が昆虫も含めたあらゆる生物を使って人間を襲撃させようと頭を絞る中で、ただひとり、これがまだだ! と思いついてしまったヤツがいた、
そうだっ! トマトがあった!! (笑)
それが、ジョン・デ・ペロ監督による本作品、1978年のアメリカ映画
ー アタック・オブ・ザ・キラートマト ー
トマトが人間を襲う(笑)、内容はそれがすべて(笑)
なぜ、そうなったのかという前置きは一切ない。
映画が始まった段階でトマトが登場したら人が死ぬのだ(笑)
基本的にこれの繰り返し、さすがに鮫や熊ならともかくトマトでいきなり人が死ぬなんてことがあるか(笑)
そんな野暮なツッコミを予想したのか映画の冒頭で、ヒッチコックの(鳥)を人々は最初笑ったが、コレと似たような事件が本当に起きてからは、もう誰も笑わない。
という字幕が出る(笑)
でも、やっぱりトマトだし(笑)と思ったひとは、ここで心のスペースを広げておかないと、巨大トマトが町を襲うシーンでトマトの下に台車がしっかりと見えるのを許せなくなるので要注意(笑)
この作品がカルト映画という評判をとったのは、トマトだけではなく全編のふざけ具合も徹底しているからだ。
メインタイトルのバックに流れる調子ハズレのマーチは監督の作詞、作曲による渾身のテーマ曲(笑)
独特の節回しと同一フレーズの繰り返しで覚えたくないのに耳についてしまう(笑)
内容はー キラー・トマトが襲ってくる〜 ー と言っているだけ(笑)
緊急ニュースと言いながら番組提供のスポンサー名を延々読み続けるというギャグが笑わせる。
なかでも各都市で人々が逃げ惑うシーンが素晴らしい(笑)
ロサンゼルス、ボストン、シアトル、シカゴと言いながら同じ場所で左右にエキストラを往復させているだけ(笑)
文字通り右往左往な状況をわかりやすく描写している。
超低予算のこの作品だが、トマトとの攻防を繰り広げる警官隊の横に着陸しようとしたヘリが、突如グルグル回転した末に大破、爆発するスペクタクルシーンがある、しかもコレ、本当に撮影中の墜落事故だったらしく警官たちのリアクションも心底驚いているように見える
そして、これ幸いにと劇中のワンシーンにしてしまう監督の商魂、突発的な事故などに怯んでいては超低予算映画に勝ち目はない(笑)
この作品から11年を経た89年には続編(リターン・オブ・ザ・キラー・トマト)が製作されている、VHS時代にこれを入手して鑑賞したが、ナンセンス度がさらにあがり人間に変身するトマト美女が登場していた(笑)
(マーズ・アタック、96年)や(アリス・イン・ワンダーランド、2010年)のティム・バートンによるB級映画へのオマージュの元ネタのひとつはこの(アタック・オブ・ザ・キラートマト)かも知れない。