
【回顧録】⑦分岐
↓続きです。
ほぼ1年ぶりの友人からの電話は
「4年生の卒業制作を手伝わないか」
というものだった。
研究室では代々
後輩が先輩の卒業制作を手伝う慣習になっていて
ひとりの卒業生に対して
2~3人のチームを組んで作品を仕上げていくらしい。
私も一応研究室に所属はしていたが
不登校なので当然出入りした事などなく
教授に合わせる顔もない。
何よりも、先輩が大学で学んだ全てを懸けて作り上げる集大成だ。
1年も怠けた私にその助手など務まるのか。
さらに、当時は今ほど自分がコミュ障だとは
自覚できていなかったが
スキル云々を抜きにしても
1年ぶりに学校に行く状況を想像すると
怖くてすぐに返事は出来なかった。
元々は嫌で嫌で中退するつもりでいたのだ。
それが資格試験に合格した事で
何かが少しだけ変わったのを感じてはいた。
けれど、これを足掛かりにして学校に復帰しようなどと思えたわけでは全然なかった。
ただ、中退するかどうかはさておき
これからの私にとってここでの選択は超重要。
バッドエンドに向かうのか
トゥルーの分岐に入れるのか
今自分が運命の別れ道にいる事だけは
子供だった私にも理解できた。
そうしてひとり悩みに悩んで
というより、もうきっと答えは出ていたのだけど
一度逃げ出した私が腹を括るまでには
それなりの時間が必要で。
「お手伝いさせてください」
そう返事したあの時の自分は、偉かった。
私は昔からずっと自分が嫌いで
何ができても、出来なくても、
なぜこんなにも私は私を認めないのか
その理由が未だにわからないのだけれど
19歳の自分にだけは
頑張ったねと、
こっちの道を選べてよかったねと、
無条件で言えるのはどうしてかな。
19歳じゃない自分にも
同じように言ってあげられたらいいのに。
↓続きます。
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