THE EXECUTE 1st flexi | Hard “metal” Core Side

Hard “metal” Core Side

福岡県在住の美容師が好き勝手に執筆する
80年代を中心とするハードコアパンクや主にマイナーなスラッシュメタルや
90年代以降でも80年代の要素を取り入れている音源のレビュー形式日記です。

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とうとう本ブログが今回で100回目を迎えてしまいました。



過去のブログを見返してみたら一番最初のブログって2014年なんですね


アメブロ始めてもう7年経ってる上に改めて思ったのは7年でブログ回数100回ってなんて、えらいペース遅いんだろうと思いましたが、
基本何でも長続きしない筆者がこれだけ続けれたのはやはりハードコアパンクやスラッシュメタルは筆者にとって生き甲斐なんだとつくづく感じた次第ですし、長く続けれた自分を誉めてやりたいのと、これからもマイペースではありますが投稿していくスタンスは変わらないですし、こんなブログでも楽しみにしてくれている方が一人でもいるなら続ける意義もあるでしょう。



ということで今回はTHE  EXECUTEをご紹介。




といいますか、もしブログが100回目を迎えた時はこのバンドを取り上げようと最初っから決めていたんです。






このTHE EXECUTEこそ筆者が心から崇拝しているバンドで今まで聴いてきた全ジャンルのアーティストでNO.1なのです。





THE EXECUTEは82年に結成され88年に解散した日本のハードコアパンクバンドで、GISM 

、THE COMES~LIPCREAM 、GAUZE達と日本のハードコアパンクの黎明期から活動したレジェンドでありながらもパイオニアで、活動期間中もメンバーチェンジに伴い音楽性を変化させていきましたがハードコアパンクマニアックスの方はご存知の通りオリジナルメンバーは後にGASTUNK を結成するBABY氏と後にヴォーカルで加入するBAKI氏が在籍していたことで知られています。
GASTUNKのメロディーの要となるギターのTATSU氏は高校生の時にこのバンドのベースのオーディションを受けたことがあったことでも有名ですね。


まずこのTHE EXECUTEは作品こそはそれなりの数を発表はしているもののリーダーでありギタリストのLEMMY氏が極度にメディアへの露出を嫌っていたせいもあって初期のDOLL magazineでの数少ないインタビューや顔の露出はあってもそれ以降はメンバー写真の掲載すらも当時は殆どなかったくらいでこんなミステリアスな要素も当バンドがハードコアパンクマニアックスにカリスマ化している要因なのかもしれません。


現在ではネットの普及に伴い、当時のライブ映像を観ることが可能になってはいるものの、やはり筆者的にはミニコミ「修羅」とかのライブレポートで数少ないライブ時の写真なんかでエライ興奮をしていたものでした。


作品としてはBAKI氏が在籍していた頃の音源が異常な程のプレミアがついており、特に今回紹介する当バンドの記念すべき初作品となる1st  flexiは世界的に見ても超絶鬼レアアイテムとして名高いモノとなっていることや日本のハードコアパンクにおいて初のレコード作品であり全世界のハードコアパンク作品においても大変重要なモノでもあります。


まずこの作品の市場価値の現状を確認しますと現在においても中古市場では10万円は下らない価格で取引されており(一時期は20万円位まで値上がりしていた時もありました)、主な要因はもちろん全世界のハードコアパンク作品の歴史においても非常に重要な作品であること先にも述べましたが、ハードコアパンク四天王(一般的には先に挙げたGISM 、GAUZE 、LIPCREAMにこの THE EXECUTEを加えたもの)の中でも唯一このバンドの作品だけ未だに正規再発をされていないことも一つの要因なのかもしれませんし、意外と以下のことも原因もあったのかもしれません。
コチラはあるサイトに掲載されていたTHE EXECUTEの紹介エピソードの一文。




“2005年頃、昔雑誌『DOLL』にいた黒田氏に、LIVE音源、未発表のスタジオテイク、別ヴァージョンを含めた再発を打診されるも、Lemmy氏は断っている。
同じく2005年頃、Lemmy氏のサイト『13grave』にて、THE EXECUTEのリリース音源が数ヶ月間のみ無料配信された。

2007年3月と6月、Lemmy氏がmixiのTHE EXECUTEコミュニティーで、『execute boot』として、過去に発売された音源をCD-Rに焼き、vol.1からvol.3まで3種類を各20枚希望者が購入し、売り切れたらコピーして売っても良いとの条件でディストロを募り、希望者が出たが、実際に発売されたのかどうかインフォメーションは無かった。”


ひょっとしたらこの出来事もこのバンドをより神格化した一要因なのかもと筆者は勝手に臆測しています。この時期を境目にそれまでは5~6万円でしたが(これでも充分かなり高いプレミアがついてますが)、それ以降はさらにかなり値段が高騰化してますし。



因みにハードコアパンクマニアックス的雑学では他にも同等の超絶鬼レアアイテムでの80年代日本のハードコアパンク作品を挙げるなら新潟のTOXOVOMIT「CRISIS  OF  LIFE」 flexi 、
静岡のSO  WHAT 「BLOOD WASH  THE  DEAD CITY 」7' EP、去年ハードコアパンクマニアックスの方々を驚愕させ、とうとうオフィシャル再発した北海道元別のHUMAN GAS / STALINISMのsplit  EP なんかが有名でしょう。





さて改めてこの作品を説明しますと83年にバンド自身のレーベルDOA recordsから発表された10曲入りソノシート(flexi)なんですが、見てわかる通り非常に簡素な作りのジャケットはコンビニなんかにある¥10コピー機(ゼロックスコピー)によるものとされており、ジャケデザインのイラストはBABY氏によるものでこの作風は後のGASTUNKのアルバムジャケにも受け継がれてますし、なんだか凶々しく雰囲気を醸しだしてますが、通称"A to Z"、もしくは"GO  to  HELL"と呼ばれることもあり、BABY氏がTHE EXECUTEに参加している時の唯一の音源でもあります。


それにこの作品非常にコレクター泣かせなアイテムでして、発表当時は500枚作成された中でジャケットが6種類、歌詞カード付き、元から歌詞カード無しバージョンが存在していることを確認しています。
果たして全種類制覇した人っているんでしょうか?
万が一これから制覇しようとするなら最低でも60万円の出費ですね....。  恐ろしい....。



THE EXECUTEの音楽スタイルは昔から"メタルコア"と形容されることが多く散見されていましたが、こうして、改めて聴いてみると生粋の''メタルコア"とは違うというか異質な感じがするのですが、例えばGISMとGASTUNKが本当の意味で"メタルコア"だと思うし音楽性だけでいうと、この2バンドはDISCHARGEなんかのハードコアパンクをベースに正統派メタルのギターリフ、ことランディーローズやマイケルシェンカーに通じるギタースタイルの融合を果たしているかなりド渋いものだと筆者は思うのですが、THE  EXECUTEの場合はちょっと方向性が違ってて、ここではもっとプリミティブでよりハードコアパンクらしさを強く感じるスタイルのように思うんですね。

どちらかといえばDISCHARGE的ではなくDISORDERのようなノイズコアをベースにVENOMのブラック要素のあるメタルの融合のようなかなり独特なスタイルに聴こえます。



あくまでも個人的意見ですが....。



ある意味2000年代に出現したメタルパンクの原型の一つとも捉えることもできるようにも思うんです。


BAKI氏のヴォーカルはこの時点では初期衝動の塊でしかない喚きっぷりでハードコアパンク以外何者でもないスタイルですが、そこに何に影響を受けたのか未だにわからないLEMMY氏のギターの独特なメロディーとフレーズの入れ方がホントにカッコよ過ぎだと思います。

故CHELSEA氏の初期のギタープレイもLEMMY氏から影響がかなり大きいと語ったことがあるくらいでしたし。

*話とは全然関係ないですけど、YouTubeとかで凄いな〜って思うのが、こういう当時の映像が残っててそれがしっかり挙がってるてのが凄いと思うんです。

この初期の頃のTHE EXECUTEのライブ映像なんかハッキリいってお宝級だと思いますよ






絶妙にザラついた荒々しい音色も正に作風にマッチしていて最高ですし、83年の時点で10曲と比較的多い曲数を15分にも満たない時間内に速射砲の如く、まくしたてるスタイルは今現在でも凄いです。

あのSLAYERのRAIGN in BLOODでも発表が86年(同じ10曲で収録時間は大体28分台)で当時は短くて速いといわれて結構騒がれてましたがTHE EXECUTEの場合はそれよりも3年も早くそんなスタイルでやっていたんですね。


そんな訳で筆者の心の中で常にここバンドがある訳でおかげさまで何十年って聴き続けてるのってパンク/ハードコアではGASTUNKと共にこれからも死ぬまでこの姿勢は現在進行形で突き進むことでしょう