ちょっと気まずくなったあと、

なかったことにしようとして、
さらに気まずくなることがある。

あれは、かなりある。

一瞬、空気がズレる。
言い方が少し変だったかもしれない。
今の返し、ちょっと違ったかもしれない。
そのくらいの、小さいやつ。

本当は、
そのまま流れていくことも多い。

でもこっちが気にすると、
急に“修正したい人”が出てくる。

何事もなかった感じで笑う。
少し感じよくする。
ちょっと丁寧に返す。
場合によっては、いらない一言まで足す。

だいたい、ここから悪化する。

さっきの小さい気まずさは、
まだ相手も忘れていたかもしれない。
でも、こっちが不自然に埋めようとすることで、
逆に
「あ、今なんかあった?」
みたいな空気が立ちのぼる。

もう、自分で再点火している。

気まずさって、
放っておくと消えることもあるのに、
手を入れると延びることがある。

それがまた、少しおもしろい。

本人は必死だ。
立て直したい。
自然に戻したい。
できれば、さっきの数秒を消したい。

でも、
“消したい気持ち”が前に出るほど
動きがひとつ多くなる。

そうすると今度は、
その一個多い動きが
また新しい気まずさになる。

気まずさの自家発電である。

前は、こういうとき
ちゃんと戻さなきゃと思っていた。

でも最近は、
小さいズレほど、
うまく処理しようとしないほうがマシなこともあるんだなと思う。

少し変だったかもしれない。
少しズレたかもしれない。
でも、そのくらいで止めておく。

すぐ名誉回復しない。
急に感じよくしすぎない。
余計な一言で埋めない。

そのまま次に進んだほうが、
案外、ふつうに薄くなる。

気まずさって、
消す技術より
育てない技術のほうが大事なのかもしれない。

ごまかすほど、気まずくなる。

あれは少し恥ずかしい。
でも、たぶん多くの人がやっている。

だから次に小さくズレたときは、
なかったことにする演技をがんばるより、
少しだけ何もしないほうがいいのかもしれない。

そのほうがたぶん、
いちばん自然だ。

今日の問い
気まずさをごまかそうとして、さらに気まずくしたことってある?

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「ある」だけでも置いていってください。