日本は、北海道を除くと、いよいよ梅雨の季節に入ってきました。


この時期になると、

「雨が続くと気分が重い」

「洗濯物が乾かない」

「外に出るのがおっくう」

そんな声も増えてきます。


たしかに、梅雨は少し面倒です。

空はどんよりしているし、

足元は濡れるし、

湿気で体も重く感じる。


でも私は、雨が続くと不思議と聴きたくなる曲があります。

ビートルズの「Rain」です。

「Rain」は、「Paperback Writer」のB面として発表された曲なので、ビートルズの代表曲として真っ先に名前が挙がる曲ではないかもしれません。


でも、私はこの曲がとても好きです。

雨をただ憂鬱なものとして見ていないところがいいんです。

歌の中では、雨が降ると人は逃げるように身を隠し、太陽が照れば今度は日陰に入ってレモネードを飲む。

雨でも晴れでも、人は結局、外の状況に反応している。


でも本当は、雨だから悪い、晴れだから良い、というほど単純なものではない。

受け取り方ひとつで、雨も晴れもまったく違って見えてくる。

そんな感じが、この曲にはあります。

イギリスには日本のような梅雨はありません。


それでも、雨が続くことへの気分の揺れや、天気によって心が動く感覚は、きっと同じなのだと思います。

空が暗いと、気持ちも少し沈む。

雨音が続くと、どこか内側にこもりたくなる。


でも、ふと考えてみると、雨の日には雨の日の良さもあります。

外の音が少しやわらかくなる。

街の色が落ち着いて見える。

家の中で聴く音楽が、いつもより深く響く。

熱いお茶やコーヒーが、少しおいしく感じる。

晴れた日には気づかないものが、雨の日には見えてくることがあります。

「Rain」を聴いていると、雨を嫌がるだけではなく、少し肩の力を抜いて受け止めてもいいのではないかと思えてきます


もちろん、梅雨の時期は現実的には大変です。

通勤も面倒になるし、洗濯物も困るし、湿気で体調がすぐれない人もいるでしょう。

だから、無理に「雨を好きになりましょう」と言いたいわけではありません。


ただ、雨の日にしか開かない感覚もある。

そんなふうに思うだけで、少し気持ちが軽くなることがあります。

雨が降ったら、少しだけ音楽を聴いてみる。

窓の外をぼんやり眺めてみる。

雨音と一緒に、昔好きだった曲を流してみる。

それだけで、憂鬱だった時間が、少しだけ違う表情を見せるかもしれません。

梅雨の雨音の中で聴くビートルズの「Rain」。


派手な曲ではないけれど、

雨の日の心の持ち方を、少しやわらかくしてくれる一曲だと思います。