「えっ⁈ 犯人が捕まった⁈」
『嗚呼』
休日、いつもの人間ウォッチング目的で街へ出かけていたオレは
櫻井さんからの知らせで急いで帰宅した
ぬいだ靴も揃えずリビングへ向かい
待ち受けていた櫻井さんに詰め寄る
「だっ誰だったの⁈ 犯人は⁈」
『・・お前が知ってる人間だ』
「え?え?え?誰だれダレ⁈
わかんない わかんない わかんない…っ」
自分の知り合いであんな酷いことする人間がいるなんて信じたくない
けど櫻井さんが嘘をつくはずもないし…
「男の人ですか?それとも女の人?」
『女だ』
えーーーーーーっ💦
ますますわかんないっ わかんないっ
『心当たりは?』
「ないです!ないです!全然ない!!」
自分で言うのもなんだけど
老若男女お年寄りから子どもまで分け隔てなく
親切に接してきたつもりだし
恨みを買うような恋愛もしたことがない…
と思ってる
『犯人は、お前が慰めたあの女だよ』
「あの…女?」
『俺があしらった女をお前がご丁寧に追いかけて慰めに行ったの忘れたか?』
「・・・あっ、、の人⁈ 」
『思い出したか』
「でもっ、オレはっ…」
『情けをかけていい人間とダメな人間がいる。
皆んながお前が思うような善人じゃないんだ』
ショックだった
オレはただ傷ついた心を癒してあげたかっただけなのに
なぜ逆恨みされてしまったんだろう?
配慮が足りなかった?
それとも
彼女のプライドを傷つけてしまったとか?
どちらにしても
彼女が犯罪を犯してしまったのは
オレにも原因がある
「被害届…取り下げてきます、、」
『それは無理だろうな』
「なんで?被害に合ったオレが申し出たら…」
『殺人未遂罪の容疑もかかってるからだ』
「っ!?」
まさか!
トラックに轢かれそうになったのも
彼女が背中を押したから⁈
鳥肌が立ち身震いする
地上に堕りて30年
ますます人間の心がわからなくなりました
つづく……
人間同士でも
心を理解するのって難しいよね