岳真也「織田有楽斎:利休を超える戦国の茶人」を読みました。結構有名な作家みたいですが始めてです。
茶の湯太閤と呼ばれ、かの千利休を超えたとも言われる織田有楽斎。 有楽斎は織田信長の実弟であり、戦国の世を、己の茶人としての智恵によって生き抜いた。 本作は、「へたれ」と呼ばれた武劣の漢・有楽斎が、信長・秀吉・家康という錚々(そうそう)たる武将に仕えながら乱世を生き抜き、遂に茶の湯の道を極めるまでを描く。終章での、信長との茶の湯の一幕は、殊に必見。
織田有楽斎はこれまで他の時代小説で出てきていましたので、名前だけは知っていました。
生い立ちは、織田信秀の十一男で、信長の弟のひとりです。
本書では有楽斎の武将としての生き方ではなく、茶を通した人間関係が詳しく描かれていました。
本能寺の変の前の徳川家康と明智光秀との3人での茶会は初めて知り、それぞれの良さが出ていていい出会いだったと思いました。
本能寺の変以降は織田家の存続を願い、豊臣秀吉、徳川家康に仕えました。彼と利休の違いは、有楽斎はほとんど政事に口を挟まなかったことでしょうか。
本能寺の変や関ヶ原の戦い、大坂夏の陣などを経験しており、3天下人や淀君との関係も深く、地味な性格ながら重要な役回りをした人物でした。
そしてお茶の世界では利休をもしのぐ茶道有楽流を創始しております。
良い作品でした!!!
ちなみに有楽町は、彼が江戸在住の折、家康から賜った土地です。