第3246回 田中義一内閣総理大臣 暗殺未遂事件前夜のお話。 | 模型公園のブログ

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第3246回 田中義一内閣総理大臣 暗殺未遂事件前夜のお話。

 

 

 

            2024年5月5日日曜日の投稿です。

 

 

 

昭和の伝道師【戦中・戦後のパイロットの物語】第2808話

 

 

 

 

 

 

【前話 第3231回の続きより。】

 

 

 昭和三年こと、1928年5月4日からの支那大陸

 

での戦闘こと、通称、済南事変とか、済南事件と呼び

 

ますが、この1か月後に発生する張作霖爆殺事件と、

 

その後に発生する、田中義一内閣総理大臣暗殺未遂事件は

 

連動していたとされています。

 

 

 

 

それは背後に日本陸軍の高級将校が立案し、組織的に

 

実行されていった陰謀であったと言う説が主流です。

 

当時、昭和天皇が、

 

「陸軍参謀長も知らず、内閣も知らず、勝手に大陸で

 

戦争を始めるとはどうなっておるのか、田中。」

 

 

と、激怒され、当時の陸軍の済南事変関係者を処分しようとして、

 

陸軍の皇道派の突き上げによって、田中義一内閣総理大臣は

 

中途半端な対応となり、内閣総辞職に追い込まれて行くのですが、

 

 

 

 

 

陸軍の内部では、高橋是清 大蔵大臣や、それと手を結ぶ

 

田中義一 内閣総理大臣を斬らなければならないと考える

 

高級将校が増えていたそうです。

 

 

 

 

明治時代、日本陸軍の派閥は、以前紹介したように、

 

西郷隆盛を中心とする薩摩閥と、山縣有朋を中心とする

 

長州閥に分かれていました。

 

その後、時代は大正時代となって、山縣有朋公が亡くなると、

 

田中義一陸軍大将の 統制派と、上原 勇作元帥の皇道派に

 

なって行き、そして昭和になって行ったのです。

 

 

 

 

 

 

ところで、以前紹介したように大正時代の頃、シベリアを

 

占領していたのですが、金が続かないとか、国庫が破綻する、

 

などと高橋是清さんらが大騒ぎして、原 敬 内閣総理大臣

 

がシベリア撤退を表明して暗殺されたのです。

 

 

「陸軍としたら、大勢が戦死し、血がしみ込んだ領土を

 

占領している場所を捨てられるか。」

 

と言う訳です。

 

その後、海軍の加藤 友三郎 内閣総理大臣と、

 

宇垣一成陸軍大将らが強引にシベリア撤退事業を

 

行った結果、戦争成金とか言われていた企業が

 

次々と倒産し、食料バブルがはじけて、経済恐慌が

 

発生し、陸軍の高級将校達は、

 

 

「そのまま、シベリアを占領して、日本の領土にすべきで

 

あった。」

 

 

「世の中の景気が悪くなったのは、海軍の加藤友三郎

 

の責任だっ。」

 

 

などと、恨らむ人が多く出ていたのです。

 

こんな経緯で、陸軍と、海軍が向き合う対立になって行った

 

原因でもありました。

 

 

 

 

 

このような事情で、田中義一内閣総理大臣の満州での協力者で、

 

重要な資金源であった、張作霖を暗殺し、右腕を叩き斬って、

 

その後、張作霖の領土であった満州に勢いに乗じて、

 

 

 

 

攻め込んで満州を占領し、そして、田中義一内閣総理大臣を

 

殺害し、陸軍の皇道派に都合が良い人物を総理大臣に据え

 

ようと言う陰謀が進んで行ったのでした。

 

 

 

【次回に続く。】