2023秋の研修会「東一番丁界隈の歴史と推移」 | いっきゅう会がゆく~宮城マスター検定1級合格者のブログ~

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  難関ご当地検定として知られる宮城マスター検定1級の合格者で作る「いっきゅう会」のメンバーが、宮城の魅力をお伝えします!

 2019年11月を最後に、新型コロナのために休止していたいっきゅう会会員による研修会を、10月21日に開催しました。4年ぶりの開催です。

 

 いっきゅう会の会長が昔の資料を元に簡略化して作ってくれた明治44年、昭和8年、昭和42年の地図を片手に、東一番丁通りとその周辺を13名でぶらぶら歩きました。

 なお、少し前に「東一番丁界隈の歴史と推移(その1)」、「東一番丁界隈の歴史と推移(その2)」という記事を出しましたが、これは研修会の予習用の意味もあって掲載したものでした。

 

 午後1時に地下鉄東西線「青葉通一番町駅」に集合し、まずは南へ。野中神社を訪ねました。

 野中神社には、仙台の町割りの縄が納められています。

 「野中神社」、藤崎の氏神である「えびす神社」、フォーラス屋上の「和霊神社」(後ほど出てきます)が「仙台三社」と呼ばれ、毎年7月に東一番丁とおおまち商店街が「一番町三社祭り」を催行しています。

 野中神社は、のぼりにも書かれているとおり、商売繁盛のほかに縁結びのご利益もあり、恋愛の成就を願う絵馬がたくさんありました。若い参拝者も多い神社です。

 

 続いて、壱弐参横丁へ。

 ブラタモリでも訪れた四ツ谷用水の井戸に立ち寄りました。

 老舗のうなぎ屋さんが閉店となっていたり、新しいおしゃれな店が出来ていたり、新陳代謝を繰り返しながらも、横丁の魅力は受け継がれています。

 

 北上し青葉通を渡ったのち、国分町通りへ。 芭蕉の辻です。

 東一番丁は、城下の中心である「芭蕉の辻」から東に向かって最初の町割りとして「一番」とつけられました。仙台藩では、武家屋敷地は「丁」、町人や足軽屋敷地は「町」と呼称しました。武家屋敷地の東の一番の町割りなので、「東一番丁」。

 芭蕉の辻の交差点を北に向かって撮影した写真。右端にちらっと写っているのが日本銀行仙台支店です。

 ここで会長から問題が出ました。「交差点から北側(写真奥)の道幅と、南側(写真手前)の道幅が違うのはなぜでしょうか?」

 答えは、「手前側には市電の停留所があったから」でした。なるほど。歴史の痕跡。面白いです。

 

 次は、フォーラスの屋上へ。1階の受付窓口にお願いして、警備員の方にエレベーターを操作していただかないと屋上へは上れませんのでご注意ください。

 和霊神社です。

 明治初年、藩士の窮乏を救うため、東一番丁と広瀬通の北西角に屋敷を構えていた山家豊三郎が、30軒ほどの店舗を建てて藩士に貸し与え、商売をさせたのが、東一番丁繁栄の出発点です。

 山家家の氏神である「山家明神」は、「和霊神社」として地域の崇敬を集めており、それが現在はフォーラスの屋上に鎮座しています。ビルの上から、地域の繁栄を見守ってくれているのですね。

 

 広瀬通を渡って、仙台市役所方面を望みます。

 アラフィフの筆者が子どもの頃からあるこの眺めも、市役所の建替で変わるんだなあ。

 

江陽会館の脇にあるすてきな看板。

 

その向かいには、閉店となったブラザー軒。

「『ブラザー軒』っていう歌(高田渡)があったよね」などと、レトロなトークが弾みました。

 

 「虎屋横丁」と書かれたとなりの面には、「糠蔵丁(ぬかくらちょう)」と書いてあります。

 藩政時代、東一番丁には、現在の広瀬通との北西角付近に糠蔵が建っていたことから、大町通との交差点から北側を「糠蔵丁」と呼んだそうです。なお、現在の青葉通との角付近に塩蔵が建っていたので、大町通との交差点から南側は「塩蔵丁」と呼ばれていました。

 

 稲荷小路に入りまして、通りの名前の由来である「豊川稲荷」を参拝。

 概ね酔っているときに通る道なので、立ち寄ったのは初めてでした。いつもお世話になっております。

 

 現在の千松島パーキングの場所では、かつて菅原酒造店がお酒を造っていました。その銘柄が「千松島」。現在はこの地では造っていませんが、パーキング敷地内店舗で清酒「千松島」が販売されているそうです。
 
 こんどは三越前に移動。
 金蛇水神社です。
 改めてめぐると、街中にはたくさんの神社があり、どれも非常にきれいに管理されています。商売繁盛を願う商店主の皆様の切なる思いが感じられます。
 
 最後に東一市場を覗きました。岩井俊二監督の映画「ラストレター」にも登場した、エアコンの室外機すら味わいに感じられるこの風景。素敵ですね。
 
 4年ぶりの研修会は、これで終了。
 途中、急に冷え込んだりしましたが、2時間半があっという間に感じられる楽しい会でした。
 
 11月12日は、第13回宮城マスター検定です。
 次回、来年の春の研修会には、いっきゅう会の新しい仲間にご参加いただけるよう祈っています!
 
 (執筆 ひとしさん)