《トリビアNo.82》ギネス世界記録®の漁港・石巻漁港 -なぜ世界一長いのか?- | いっきゅう会がゆく~宮城マスター検定1級合格者のブログ~

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 2021年(令和3)9月21日、石巻魚市場が世界で一番長い魚市場としてギネス世界記録に認定されました。

(ギネス世界記録認定証)

 これは1,000mを超える一直線の岸壁に沿う形で設置されている建物4棟を結ぶ屋根の長さ(875.47m)が認定の対象です。しかし、なぜこれほど長い漁港ができたのでしょう。
 以前、石巻魚市場は北上川に架かる内海橋の東岸にありました。中瀬には映画館、西岸には百貨店等があり、たいへんにぎやかなエリアでした。しかし、漁獲高が増えるにつれ市場が手狭になったことから、北上川河口の東側に広がる長浜に新たな漁港を造り、1974年(昭和49)に移転しています。岸壁が一直線なのはもともとが砂浜だったところに開港したためです。この頃からすでに東洋一の漁港ではないかと噂されていました。2011年(平成23)3月の東日本大震災で市場は全壊しましたが、7月には応急仮設テントで業務を再開、2015年(平成27)には漁港が復旧し、今の業務体制になりました。

 石巻魚市場の特長は魚種別(海外施網カツオゾーン、施網カツオゾーン、養殖銀ザケゾーン等)、漁法別(陸送・活魚ゾーン、沖合・近海・小型底引ゾーン等)に接岸場所を決め、鮮度が落ちないうちに岸壁側から陸揚げエリア、選別エリア、陳列・販売エリア、出荷エリアを配置し、極力鮮度を落とさず、スムーズに選別、輸送ができるようにしていることです。
 また、自動選別機、海水浄化設備、人や車の厳重な入退室管理、電動フォークリフトの導入など、高度な衛生管理を進めた結果、水産庁が定める衛生管理基準レベル3に対応した先進的な魚市場となっています。石巻魚市場の7つのゾーンは一般社団法人大日本水産会が認定する「優良衛生品質管理市場・漁港」に認定されています。

(資料提供:石巻市水産物地方卸売市場管理事務所)

 

(執筆 斗田浜 仁)