「マカロン」はイタリア発祥の洋菓子で、アーモンドの粉末、メレンゲ、砂糖を原料とした生地を乾燥して焼き上げ、間にナッツや果実のクリームやジャムを挟んだカラフルな菓子です。今、日本の多くの店で販売されているのは1930年にフランスのパリのお店が売り出したパリ風のマカロンとされています。
一方、「まころん」は仙台発祥とされ、メレンゲ(全卵の場合もあり)と砂糖は同じですが、アーモンドではなく、落花生を使用し、これを焼き上げた和菓子です。こちらはマカロンより硬く、サクサクと言うよりザクザクといった食感です。
発祥の地イタリアのお菓子はマカルーンと言い、落花生ではなくアーモンドを使用しますが、どちらかと言うと「まころん」に近いビスケットのような食感の家庭菓子だそうです。
日本では16世紀に初めて金平糖やカステラなどの洋菓子がキリスト教と一緒にもたらされましたが、その後は幕末から大正にかけ交易が盛んになるにつれ色々な国の洋菓子が持ち込まれました。明治・大正期は日本でアーモンドが入手しにくかったため、日本にある材料で日本風のお菓子に進化したのが「まころん」なのです。特に仙台では子供でも入手しやすい価格で販売され以前からあった仙臺駄菓子の一つとして受け入れられ定着しました。
ルーツをたどれば「マカロン」と「まころん」は親戚関係にあるお菓子と言うことになります。今日のティータイム、この二種を食べ比べてみてはいかがでしょう。
マカロン(左)と仙臺まころん(右)
(執筆 斗田浜 仁)