スニーカーで歩く「わらじで歩こう七ヶ宿2023」《by マッツアン》 | いっきゅう会がゆく~宮城マスター検定1級合格者のブログ~

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 マッツアンです。令和5年8月27日,第35回「わらじで歩こう七ヶ宿」に参加してきました。新型コロナウィルスで休止していましたが,昨年3年ぶりに再開されました。しかし,昨年は個人的な都合で断念。今年こそは!の想いで歩いてきました。足元はスニーカー。「わらじで歩かなきゃ!」と思っている人も多いようですが任意です。初心者は歩きなれた靴で参加するのがベストでしょう。
 朝7時30分,相変わらずの猛暑でしたが,少しだけ秋っぽい風が吹く七ヶ宿スキー場に到着。今回一緒に歩く仲間と受付へ。ここで自分の受付番号入りの缶バッチをもらい開会式を待ちます。

 開会式前には白石市の片倉鉄砲隊の火縄銃演武や七ヶ宿町の「山中七ヶ宿太鼓 源流」の演奏,大わらじ神輿の練り歩きなどがあり,出発に向け盛り上がっていました。

 開会式後8時30分にスタート。大わらじの神輿を先頭に受付番号順に何班かに分けて歩き出します。まずは国道までの下り坂,足取りも軽く周りの風景を楽しむ余裕もあります。過去に第4回の「わらじで歩こう七ヶ宿」に参加していますが,その頃はまったくの逆コースでした。国道からスキー場の駐車場までの最後のこの坂がきつかったことを覚えています。後年に下りコースに変更になったようです。さて,11キロ先のゴールの七ヶ宿町役場には何が待っているのでしょう。

 国道を渡り,

白石川の土手を歩きます。上流は湯原宿,追分を経て干蒲集落,白石川の最初の一滴である「鏡清水」があります。今回は下流の白石方面へ歩きます。

 細い道をしばらく歩くと,白い花畑が広がりました。蕎麦畑です。七ヶ宿の名産は蕎麦。町内にはそばを提供する店が数多くあります。国道はほとんど歩きません。山道や旧街道を歩きます。

 途中,今回のために渓流に臨時の橋を敷設した場所もありました。関係者の皆さんご苦労様です。

 白石川です。きれいな流れをずっと見ていたくなりました。

 最初の休憩所,親子松です。樹齢350年とされる2本の松があったそうですが,2010年(平成22年)松クイ虫の被害から伐採され,今は二代目です。

 ここは旅人がわらじを交換した場所とされ,大わらじが奉納されています。例年,このイベントにあわせて行われる前夜祭で新しいわらじと入れ替わるとか。ここでは,細霧システムによる霧が漂い,ちょっとだけ涼し場所となっていて,冷たいスイカや甘酒が提供されました。その心使いに感謝です。ここでは又旅姿の方や獅子舞との記念撮影もできました。それでもまだ半分は歩いていません。先へと歩みを進めます。

 滑津に入りました。国道沿いの旬の市七ヶ宿農林産物直売所や雪室がある場所の脇を通りながら,展望台から滑津大滝をチラ見して,また旧街道へ。ここに石碑と旧街道の解説板がありました。

 看板によると,仙台藩と上山藩の境にある金山峠から湯原,峠田,滑津,関,渡瀬(ここまで七ヶ宿町。渡瀬はダム湖の中),下戸沢,上戸沢(現白石市)を経て小坂峠を越え国見に抜けるルートが七ヶ宿街道のようです。主に出羽地方の13の藩が参勤交代で利用したようです。こういった解説の内容も実際に歩いてみなければ実感できません。

 解説板の先には関所がありました。(実際は滑津公民館)

 ここにはお殿様とお姫様が迎えてくれました。きれいな衣装でしたが暑い中大変です。一緒に記念撮影をしました。

 きゅうりのからし漬けが実にうまかった!先へと急ぎます。いったん国道に戻り大名や上級武士たちしか泊まれなかった宿所「安藤家本陣」脇を通ります。

 「安藤家本陣」前で雨がぱらつきましたが,歩いて熱くなっている体にはちょっとしたシャワーのようで心地よいものでした。

 また旧道に戻り,そろそろ疲れがピークかなと思い始めた頃,橋のたもとに休憩所がありました。ここで歓迎してくれたのがティラノサウルスの着ぐるみ。今年,七ヶ宿ダム公園でティラノサウルスレースがありましたね。その時の着ぐるみかな?

 再び歩き出すと,道は渓流沿いへ。その先に煙が立ち上っているところがありました。焼き魚を配っているようです。事前に配布されいていた「焼き魚券」を渡してイワナの塩焼きを交換しました。

 

 背中からガブリ!とかじると,炭火ならではの香ばしい香りが広がります。塩味も良い塩梅です。一気に食べてしまいました。

 そこから少し歩くと今度は,イワナの放流です。10センチに満たない幼魚を川に放します。食べた分の4倍を放流した形になります。
 ここを過ぎると,もうすぐ関集落です。もう12時を過ぎています。ゴールのタイムアップ時間は12時50分。ラストスパートをかけて先を急ぎます。

 道沿いの田んぼの稲穂はもう傾いでいます。その稲穂にアキアカネが停まっています。いつの間にか秋が隣に来ているようです。


 12時30分,4時間かけてゴール。たった2宿分を歩くだけでこれだけかかることを実感しました。昔の人は健脚だなぁと感心するばかりです。
 ゴールでは太鼓の音とともに町長をはじめ関係者の皆さんが出迎えてくれました。受付で完歩証をいただき終了です。なによりこの後いただいたかき氷のうまかったこと!火照った体をしっかりクールダウンさせてくれました。
 思えば街道には多くの地元の方々が出ていて,たくさんの応援をいただきました。何と心強かったことか。感謝です。
 普通なら乗用車でサッと通り抜ける街道ですが,歩くことで今まで見えなかったものが色々と見えてくる。そんな11キロでした。今度は名前の通りわらじでチャレンジしてみようかと思うこの頃です。